前日に続く連戦となった今試合は、勝つと1部5位が決まる一戦。試合は序盤から両校が激しくぶつかり合うも、第1Q終わりに先制されると、相手の強いプレッシャーに押されシュートを打てない苦しい時間が続く。このまま終わるかと思われた最終Q、PCを獲得すると岡本遼一(経2・慶應)が同点弾を放ち1-1の同点に。意地と意地がぶつかり合う両校の争いは60分では決着が付かず、SO戦へ。先攻•早大は1番手と4番手が決めると、慶大は2番手•二宮怜(政1・慶應)、3番手•岡部匠汰(経4・慶應志木)が連続で決め、勝負の行方は最終シューターに。先に相手のシュートをGK高梨賢人(政2•慶應)が止めると、5番手•前田海(経4•慶應)がシュートを決め、3ー2で早大相手に今リーグ2連勝を決め、1部5位で秋季リーグの幕を閉じた。
令和6年関東学生ホッケー秋季リーグ5位決定戦
11/17(日) 11:20試合開始 @早稲田大学東伏見グラウンド
| 第1Q | 第2Q | 第3Q | 第4Q | 合計 |
慶大 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 |
早大 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 |
SO戦 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 合計 |
慶大 | × | ◯ | ◯ | × | ◯ | 3 |
早大 | ◯ | × | × | ◯ | × | 2 |
♢スタメン♢
GK 豊岡敬人(政4・慶應志木)
DF 二宮怜(政1・慶應)、福島諒太(政4・慶應)、坂上開道(経4・慶應)、森村悠太郎(政2・慶應)
MF 岡部匠汰(経4・慶應志木)、南龍之介(政4・慶應志木)、 中川諒(経2・慶應)
FW 岡本遼一(経2・慶應)、前田海(経4・慶應)、北村玲(経4・慶應)
前日の順位決定戦では4選手がゴールを決め、無事に1部リーグ残留を決めた。本拠地での勝利の喜びも束の間、翌日に5位決定戦が行われた。対するは宿敵•早稲田大学。10月6日(日)に行われた秋リーグ2戦目の対戦は、早大に先制を許すも最終Qで同点に追いつき、SO戦で1ー0と逆転勝利を果たした。早くも今秋2度目の対戦となった両校の熱戦を一目見ようと敵地•東伏見に多くの観客が詰めかけた。
早大ボールで始まると、序盤から両校激しくぶつかり合う。開始2分、センターラインでパスをカットされるもベイン・ニコラス(理研修2・ベルギー)が取り返し慶大ボールにすると、一気に23メートルラインまでロングパスをつなげるが、得点には結びつかない。すると徐々に早大がボールを保持し始める。5分、一気に23メートルラインを超えたところまでボールを運ばれるも、ここは福島諒太(政4・慶應)がナイスカバーを見せる。その直後にはファウルからPCを取られるも、粘り強い守備を見せ得点を許さない。それでも3度目のPCでネット中央にシュートを放たれ、先制点を献上してしまう。その後は何度か相手陣地にまでボールを運ぶも、最後の最後で相手の守備陣が立ち塞がりサークル内に入ることができない。このまま0ー1で第1Qを終える。
第2Qは慶大にとって最も苦しい時間となった。3分、相手ファウルからPCを獲得するも決めることができない。その後もサークルまでパスをつなげることができないでいると、センターラインでパスを奪われカウンター攻撃をくらう。ここは福島が必死の帰陣を見せ、ボールを取り返し難を逃れる。しかしその直後、慶大にグリーンカードが出され(ファウルにより2分間の退場)1人少ない状態で戦う状況に。さらに1分後には再びグリーンカードが出され、一気に2人を欠いてプレーしなくてはならない大ピンチが慶大を襲う。ここぞとばかりに攻め込む早大相手に、慶大は全員で守備につくと一点も与えないまま前半終了のホイッスルが鳴り、0ー1で後半に差し掛かる。
後半は慶大ボールで始まると、両校ともに前半よりもさらに激しくぶつかり合う。慶大は果敢にゴールを目指すもパスミスを狙われ、カウンター攻撃に。ここは二宮や坂上開道(経4・慶應)が落ち着いて対処し、ピンチを脱する。その後は相手サークル内に侵入できるシーンが続くも最終パスが乱れネットまでは届かない。10分には再びカウンター攻撃を展開されるも、敵陣から懸命な走りを見せた福島がフィールド左側のアウトラインギリギリまで粘り、ファウルを獲得。すると14分、渡邉悠汰(政2・慶應)が抜け出し皆でパスをつなげてゴール前まで運ぶも、ファウルを取られてしまい早大ボールに。早大は速攻を展開し、ボールは一気に慶大ゴール直前に。一度GK豊岡敬人(政4・慶應志木)が足で相手のシュートを止めるも、ファウルを取られPCに。両校の選手がサークル内で押し合う中、豊岡がナイスセーブを見せここで第3Qが終了。勝負は最後の15分間に託された。
最後の15分間も最初からピンチに見舞われた。開始早々、またもグリーンカードが出されると、4分後にはイエローカードも出され、思うように攻撃を仕掛けられない。それでも5分、ファウルを獲得しPCに。ここでドラマが待っていた。パスを受けた岡本がネット中央に突き刺すフリックシュートを放ち、欲しかった1点が手に入る。だが直後に相手にPCを与えてしまい、会場は緊迫した雰囲気に。高梨が左手で相手シュートを防ぐと、リバウンドを南龍之介(政4・慶應志木)が外に出しピンチを脱する。するとまたも10分、ピンチを迎える。相手選手がサークル内から放ったシュートはネットを揺らし、早大選手やスタンドからは大歓声が上がったが、これは相手選手の足に当たってからのゴールであったためノーゴールに。九死に一生を得た慶大は、ここでイエローカードで退場していた部員が戻り11人対11人に。徐々に慶大が押す展開となる中、ここで前田が負傷交代。それでも最後までボールを追いかけ続けた慶大は相手にサークル内侵入を許すことなく、ここで試合終了。勝負は前回の対戦時と同様、再びSO戦へと託された。
先攻は早大。1人目がシュートを決めると、慶大は1番手が決めれずアウェイの空気に。それでも相手2番手の攻撃をGK高梨が防ぐと、慶大2番手・二宮が相手GKの左足を冷静にかわしてシュートを決め同点に。相手3番手のシュートも高梨が防ぐと、慶大3番手・岡部はネット中央に突き刺すフリックシュートを決め、一気に流れは慶大へ。それでも相手4番手が決めると、慶大4番手は決まらず運命の結末は最終シューターに託された。相手5番手を高梨が体を張って防ぐと、慶大5番手は最終Qで負傷交代した主将・前田。ゴール前まで落ち着いてボールを運ぶと、制限時間ギリギリまでボールを持ち、最後は浮かせてシュート。ボールは相手GKの体の上を抜け、ネットが揺れるとここで試合終了のホイッスル。SO戦は3ー2で慶大が勝利し、1部5位を決めるだけでなく早大相手に2連勝を飾った。
今節は守備から流れを作った試合であった。第1Qで先制を許すと、その後はなかなかサークル内に侵入することすらできない苦しい時間が続いた。さらに不運なことに、第2Qでは慶大側に立て続けにグリーンカードが出され、一時2人が退場する大ピンチに。それでも選手たちは全員でゴールを守り抜き、数的不利の間、相手に追加点を許さなかった。後半に入ると何回か早大にカウンターを許す場面があったが、その度にディフェンス陣が必死の粘りを見せゴールに近づけさせなかった。すると徐々に慶大がボールを持つ時間が増え、最終Qでは同点に。押される展開であったにも関わらず、チーム全体で守備を徹底し、一度のチャンスをものにしたそんな試合であった。
今節の勝利をもって秋季リーグ、早大相手に2連勝を決めた。そして迎える早慶戦。ここまで2戦とも60分間では決着がつかず、どちらもSO戦に突入しており、両校の強さは互角と言えるだろう。昨年度の早慶戦は引き分けであったが、2連勝を決めた勢いに乗って最終戦も勝利して笑顔で4年生を送り出してほしい。
選手のみなさん、秋季リーグお疲れ様でした!
▽第98回男子早慶ホッケー定期戦▽
11月24日(日) 15:15試合開始
@大井ホッケー競技場メインピッチ
(記事、撮影:岡里佳)
♢選手コメント♢
GK高梨賢人(政2•慶應)選手
ー今日の試合を振り返って
1Qに失点してしまって、厳しい時間が続いてしまっていたのですが、点取り屋の岡本がこの試合でも決めてくれたので、あとは自分は守るだけだと思って4Qの残りをプレイしていました。
ーSO戦の時の心境
SOの時は前回勝利したという記憶があったので、気楽な気持ちで挑んだのですが、一本目を決められてしまったのですが、二宮や岡部さんが決めてくれたので最後は止めて前田さんに託そうという気持ちで5本目止めようと挑みました。
ー早慶戦への意気込み
今年の4年生にはとてもお世話になっていたので、絶対に勝って終わりたいので無失点を目標に頑張りたいです。
二宮怜(政1・慶應)選手
ー今日の試合を振り返って
1Qに失点し、なかなかチャンス が作れない苦しい展開でしたが、 粘り強く戦い最終的に勝ち切るこ とができて良かったです。
ー60分間、ボールを保持し続けているのになかなか得点を決められない苦しい時間が続きましたがいかがでしたか?
1点先制されている状況だったのでこれ以上失点しないことと、 焦らず冷静に戦うことを心がけました。
ーSO戦、2人目としてフィールドの空気を変えた一撃となりました。その時の心境を教えてください
SOはしっかり練習してきたのと他のSOメンバーとキーパー高梨さんに自信があったので、落ち着いて練習通り決めることができました。
ー早慶戦への意気込み
今季ワセダに3連勝して4年生と良い形で終われるように一生懸命頑張ります!
岡本遼一(経2・慶應)選手
ー今日の試合を振り返って
早稲田大学との試合は今季で2回目で前回と同様にギリギリの展開でしたが、再び勝てて良かったです。
ー欲しかった欲しかった同点弾をたたきこみました。その時の心境を教えてください
先制点を決められてしまい1点を追う展開となった中で、相手の粘り強い守備により中々結果に繋がらずチーム全体に焦りがあったように思えます。その中でもチーム全体で冷静に愚直に攻め続けて点を決めきることが出来て良かったです。
ー早慶戦への意気込み
去年の早慶戦は引き分けの同校優勝となりましたが、チームとしては今年練習してきたことを全て出し切り、個人としては点を獲って絶対に勝つので、応援よろしくお願いします!
岡部匠汰(経4・慶應志木)選手
ー今日の試合を振り返って
前半は早稲田に押される時間が続き、退場者も続出し負の時間帯が続いてたことは強く反省すべき点です。しかしその後ペースを取り戻し、試合をひっくり返した慶應の勝負強さは誇りに思います。
ー試合全体を通して相手のプレッ シャーが強かった印象でした
ワセダは強い気持ちで正面から挑んでくるチームなので、隙を与えないよう集中を切らさないことは意識していました。
ーSO戦ではボールを浮かせてシュートを決められました。いかがでしたか?
相手GKの意表をつくプレーに、 胸がグッときました。また今年度はSO戦に自信があったチームだったので、その力を遺憾無く発揮できたことは早慶定期戦への自信にも繋がりました。
ー早慶戦への意気込み
早慶定期戦は、一昨年5-0で圧勝したゲームが強く記憶に残っています。今年はこの記録を更新できるような大勝をおさめられるように、個人としてもgoodなプレーをしたいです。
主将・前田海(経4•慶應)選手
ー今日の試合を振り返って
やはり早慶戦、どっちに転ぶか分からない試合で盛り上がりましたね。簡単に勝てる相手だとは思っていませんでしたが、同期、後輩たちのおかげで何とか勝利を納めることができました。1部リーグ5位という結果は当初目指していた目標とは違いますが、5シーズンぶりの結果でシーズンを終えられて胸を撫で下ろしているところです。
ー最終Qでは負傷交代されましたが、SO戦では最終シューターとして戻ってきました。どんな意気込みでSOに臨まれましたか?
SOが決定した瞬間は楽しすぎ ると胸を躍らせていましたが、ス コアが2ー2で自分に回ってきた時は今まで感じたことのないプレッシャーを感じました。しかしSO は練習していたので自信を持って スタートしました。得点した時の気持ちの興奮は一生忘れないと思います。
ー今リーグ、ワセダ相手に2連勝となりました。そして次の試合は早慶戦です。意気込みを教えてください!
目指すは完全勝利です。今年に入って中々気持ちよく勝たせてもらってないので最後はスッキリ終わりたいです。ただそう一筋縄ではいかないと思うので、慶應の気迫で早々にワセダの心を折ります。