勝てば“六大学戦全勝”という大一番の相手は、昨年度の六大学戦で敗北を喫した立教大学。今年度の慶大は、キャプテン三好香奈(法4・慶應女子)と大エース秋山美里(環4・日大)の大活躍により、全試合で相手に5点差以上をつけ快勝している。そんな絶好調の慶大は、宿敵・立教に白星を挙げることができるのか。
3月26日(水)@大井ホッケー競技場メインピッチ 六大学立教戦
♢得点♢
| 1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 計 |
慶大 | 3 | 2 | 3 | 1 | 9 |
立教大 | 3 | 1 | 2 | 3 | 9 |
慶大得点者 | 川久保、藤岡、秋山 | 戸田、安達 | 秋山(2)、戸田 | 藤岡 | ― |

ドローをあげる川久保選手
試合開始直後、立大にドローを奪われ、早速守備に回る慶大。ここでピンチを救ったのは、ゴーリー矢嶋千穂(文3・学芸大)だ。立大のシュートを華麗にセーブし、一気に慶大ペースに持ち込む。勢いそのままに慶大はFSを獲得するも得点にはつながらず、立大にボールを奪われてしまう。慶大はボールを奪い返せず、開始4分で先制点を許す。しかしその約1分後、川久保雅子(経3・慶應女子)が同点ゴールを決め、試合は振り出しに戻る。川久保はその後も調子を上げ、ドローを3連続で獲得。ドローを支配し続ける慶大は9分、藤岡杏(法4・慶應女子)がゴーリーの隙を突いて追加点を挙げる。一方の立大も見事な連携で慶大守備陣を翻弄し、同じく追加点を獲得。お互いに得点を重ねる展開の中、11分にはエース・秋山(美)が立大DF2人を抜き去り、ゴールネットを揺らす。その2分後、立大もシュートを決め、スコアは3−3に。その後、立大にドローを取られ、一気に攻め込まれるも、守護神・矢嶋が完璧なセーブを見せ、第1Qを終える。

攻撃を展開する藤岡選手
得点差のないまま始まった第2Q、戸田光(法3・都立三田)のゴールで試合が再び動き出す。速攻を多用する慶大に対し、立大はじっくりと攻撃の機会をうかがう。立大にボールを支配され、次々とシュートを浴びる場面が続くも、ここで4年ゴーリー秋山結衣(経4・慶應女子)が光る。秋山(結)は3本連続でシュートをセーブし、まさに救世主のような活躍を見せた。そんな秋山(結)のプレーを勢いに、安達心結(法3・日大)が秋山(美)からのアシストを受けてゴールを決める。その後は一進一退の攻防が続くが、14分に立大に得点を許し、5−4で試合を折り返す。

緩急あるプレイを見せる秋山(美)選手
後半戦は、ドローを取られた直後に失点を喫するという苦しい立ち上がりとなった。だが、その流れを断ち切ったのは2分のタイムアウト。TO後の慶大は圧巻のパフォーマンスを見せる。秋山(美)が相手のボールダウンに即座に反応し、自らボールを運び得点を決める。その後も慶大が流れを握るが、立大の反撃も強く、6−6の同点に追いつかれる。なかなか引き離せない展開の中、再び秋山(美)がチームを救う。パスを受けた秋山が速攻を仕掛け、相手DFの隙を突いて今試合3点目となるゴールを決めた。試合はその後、両チームがパスを回し合う展開となり、残り1分にはFSを獲得した戸田が見事にゴールを決める。

相手の守備に屈しないプレイを見せる戸田選手
最終Qは序盤から緊張感のある展開が続く。ドローを取られ、ゴールを許す。その後も流れをつかめず、ドローを奪ってもすぐにボールを奪われ、2連続の失点を喫してしまう。なんとか流れを変えたい慶大は何度もシュートを放つが、立大のゴーリーに阻まれ、苦しい状況が続く。そんな中、残り50秒、藤岡が渾身の一撃を決め、試合は9−9の同点で終了した。
宿敵・立大に苦しめられる場面も多かったが、慶大の個々の選手の力が光った試合となった。特に秋山(美)と藤岡の、相手DFを翻弄するプレーには今後も大きな期待がかかる。今年度の慶大は六大学戦を無敗で終え、昨年度以上の好スタートを切ることができた。これから本格始動する慶大女子ラクロス部が、今後どのような進化を遂げるのか目が離せない。
第33回早慶ラクロス定期戦
日時:5月18日(日)11:00DRAW
場所:慶應義塾大学日吉陸上競技場
(記事・撮影:和田里咲)