【ラクロス(男子)】「チームの未熟さが出た」第1Qに“痛い3失点” 猛追も7ー8で惜敗/春の最強決定戦準々決勝vs日体大

男子ラクロス

「関東ラクロス春の最強決定戦」Aブロック3位通過の慶大は、準々決勝でBブロック2位の日体大と対戦した。試合は、日体大の精度の高いプレーに翻弄され、第1Qから3点を追う展開に。続く第2Qでは、MF・中西海(経4・海城)とMF・大類慈英(商3・慶應)のゴールで2点を返すが、2ー5で尚も3点ビハインド。第3Qでは2ー7とさらにリードを広げられるが、終盤に再び大類が得点すると、直後には山田洸土(政4・慶應NY)も続き、流れは完全に慶大のものに。4−7で迎えた第4Qは、勢いに乗った慶大が日体大を猛追。1点を許しながらも、AT・岸敬太郎(政3・慶應)の2ゴール、この日3点目となる大類のゴールで3点を返し、約5分を残して7ー8の1点差に詰め寄る。しかし、立ち上がりに許した3点のビハインドが大きく、7ー8で惜しくも日体大に敗れた。「関東ラクロス春の最強決定戦」は、準々決勝敗退となった。

 

◇スタメン

AT

#1 岸敬太郎(政3・慶應)

#3 池田朋史(商4・慶應)

#4 福田天真(法3・國學院久我山)

MF

#13 中西海(経4・海城)

DF

#5 峰岸諒(環3・慶應湘南藤沢)

#16 増田友翔(経4・慶應)

#19 築地泰志(経2・本郷)

#29 中本孝太郎(政3・慶應)

G

岩城敦大(法3・慶應)

FO

鈴木ケン春海(商4・慶應NY)

 

♢得点♢

 

1Q

2Q

3Q

4Q

慶大

日体

慶大得点者

ー     

中西、大類 

大類、山田 

岸(2)、大類

― 

第1Qは、副将・鈴木ケン春海(商4・慶應NY)のFOから慶大ポゼッションでスタート。序盤から積極的に攻撃を仕掛けるが、日体大の強靭なDFを前になかなか得点を奪うことができない。日体大ポゼッションの時間が長くなる中、DF陣も体を張って粘りを見せるが、開始5分に先制点を許す。さらに、慶大の数的有利の間に再び失点すると、今度は3度目のゴールを許し0ー3。第1Q終盤には、副将/DMF・石川叶大(経4・慶應)が相手からボールを奪って速攻を仕掛け、MF・大類慈英がシュートを放つも、惜しくも「ノーゴール」の判定。その後も流れを変えられないまま、0ー3で1Qを終える。

圧倒的な勝率を見せた副将/FO・鈴木ケン春海

3点ビハインドで迎えた第2Qは、FO・増成琉之助(政4・慶應)がポゼッションを勝ち取り、そのまま敵陣へ。ゴール正面からシュートを放つが、相手Gに阻まれて得点とはならない。さらに、慶大のオフサイドで日体大へとボールが渡り、開始早々から「鬼のDF」コールが日体大グラウンドに響き渡る。守備に転じた慶大はDF・峰岸諒(環3・慶應湘南藤沢)を中心に粘り強いマッチアップを見せるが、ボールダウン後のグラボで競り負けポゼッションを奪うことができない。それでも相手のファウルで慶大ポゼッションを迎えると、MF・中西海が、ゴール右正面から渾身のシュート。ボールは相手GとDFの間をすり抜けてゴールネットに突き刺さり、慶大得点板に待望の「1」が刻まれる。

昨季から存在感を放つDF・峰岸諒

喜びも束の間。得点後のFOから慶大シュートを相手Gにセーブされると、日体大がフライも許さない速攻からそのままゴール。1ー4で再び3点を追う展開に。FO・鈴木ケン春海(商4・慶應NY)やAT・岸敬太郎を起点にチャンスを作りながらも、2点目が遠く。我慢の時間が続く中でも、G・岩城敦大(法3・慶應)やDF・増田友翔(経4・慶應)らが懸命にゴールを守り抜く。G・岩城の好セーブから攻撃に転じると、MF・加藤彰悟(経3・慶應)からパスを受けた大類慈英(商3・慶應NY)がゴールネットを揺らす。しかし、直後に再び失点で2ー5。悔しさのあまり、G・岩城は立ち上がれず。失点後のFOから、MF・中西海が駆け上がったところで前半終了のホイッスル。2ー5の3点ビハインドで試合を折り返す。

ゴールを喜ぶ大類(左)と加藤(右)

第3Qでも、圧倒的な勝率を誇るFO・鈴木ケン春海が危なげなくポゼッションを勝ち取るが、相手Gのセーブからすぐに守備の時間を迎える。程なくして、ゴール裏から鋭いまくりシュートを決められ、日体大に追加点。さらに残り5分の場面では、秀逸なパスカットから日体大OFに翻弄され、そのまま失点。後半にして、2ー7と5点を追う展開に。それでも、桑原幹弥(商2・県立浦和)のパスカットから慶大はついに攻撃の時間を迎える。ゴール裏でボールを持った主将/AT・池田朋史(商4・慶應)が迫り来る相手DFからポゼッションを堅持すると、フリーになっていたMF・大類慈英へとボールを託す。すると、大類のシュートが再びゴールネットを揺らし、3ー7。さらに得点後のFOを勝ち取ると、大類からパスを受けたAT出身のDMF・山田洸土が日体大ゴールにシュートを叩き込む。第3Q終了間際の立て続けの得点で、会場はこの日最高の盛り上がりに包まれる。確かな反撃の兆しを掴んだ慶大は、4ー7でラスト15分へと突入する。

AT出身のDMF・山田洸土がゴールを決めた

運命の最終第4Q。増成琉之助(政4・慶應)がFOを勝ち取ると、AT・岸敬太郎がゴールを決め、5ー7。慶大サイドの期待と高揚感が高まる中、直後に1点を返され、スコアは5ー8。それでも、慶應攻撃の勢いは簡単には衰えない。第2Qに続き、再びMF・加藤彰悟のアシストからMF・大類慈英がゴールを決め、6ー8。大類は、このゴールを以てハットトリックを達成。さらに岸敬太郎が2ゴール目となる追加点を挙げ、7ー8と一気に1点差まで詰め寄る。1分1秒、そして1点を争う展開を迎え、会場には緊張感が走り、ワンプレーごとに会場が沸き立つ。慶大は何度もゴールに迫りながらも、相手の巧みなボールダウンやグラボを前に得点を奪うことができない。残りわずか2分、この試合2アシストの加藤が放ったシュートは惜しくも決まらず。その後も、MF・加藤、AT・池田朋史、AT・福田天真(法3・國學院久我山)を中心に攻撃を仕掛けるが、試合終了間際に相手にポゼッションを握られてしまう。増田友翔や峰岸諒らDF陣が厳しいチェックでボールダウンを誘うが、ここで日体大が最後のタイムアウト。7秒を残して慶大ボールで試合が再開するも、程なくして試合終了のホイッスル。立ち上がりの3点ビハインドが響き、7ー8で日体大に惜敗。春の最強決定戦は準々決勝敗退となった。

攻撃の主軸を担う主将/AT・池田朋史

(取材:長掛真依、牧瀬藍)

▽以下、選手インタビュー

主将/AT・池田朋史選手(商4・慶應)

ーーあと一歩のところで惜しくも敗れてしまいましたが、試合内容全体を振り返っていかがですか

全体的に強度、集中力の面で相手が勝っていました。チームの未熟さが出ました。

ーー日体大のどのあたりが戦いにくかったですか?

やはり強度の部分です。我々よりも全員がチームのために走れていたと思います。

ーー第2Q以降は着実に点数を重ねていきましたが、Q間などではどのようなことを話して、どのように修正されましたか

最初は流れを得るためにリスクはあまり犯さないで行こうとしたのですが、大幅にリードされてしまったので、今までやってきたことを出して、得点をとりに行きました。

ーー六大戦、春の最強決定戦を経て、チームの状態としてはいかがですか

早慶戦、リーグ戦に向けて全員が毎日出てくる課題に対して向き合えていると思います。

ーー早慶戦へどう調整していきたいですか

自分たちの課題を見つめ直して、やるべきことをやります。

 

DMF・山田洸土選手(政4・慶應NY)

ーーご自身のゴールシーン、プレーについて

第3Q終わりのゴールは、DFの裏を上手く取れて決めきれて良かったです。ただ、勝ち切れなかったことがとにかく悔しいです。

ーーポジションも代わり、攻守ともに参加する形となりましたが、攻守それぞれを振り返っていかがですか

DFとしては、相手の細かい動きに翻弄されていたなと感じています。また、全体的に技術面で劣っていたなと感じたので、基礎に立ち返って修正していきます。OFとしては詳しくは分かりませんが、数ヶ月前に日体大と練習試合をやった時より、良い形で点を決められており、着実に成長していると感じています。

ーー日体大のどんなところが戦いにくかったですか

試合運び、技術面、球際の激しさといったあらゆる面で戦いにくかったです。ただ慶應として、いずれの点でも負けることは許されないので、早慶戦、リーグ戦に向けてレベルアップをしていきます。

ーーラストイヤーはチームの中でどのような役割を担っていきたいですか

現在はDFの選手として出させてもらってますが、元々OFの選手として試合に出場していたので、チーム全体の戦術の幅を広げるような選手として活躍したいと考えております。また、例年慶應のラクロス部は激しさで他大に劣ってしまうので、試合を通した激しさといったところでチームを引っ張っていきたいと考えております。

ーー早慶戦へどう調整していきたいですか

今回は惜しくも負けてしまいましたが、チームとしては着実に成長しています。今回の試合で出た課題を一つ一つクリアしていき、3週間後の早慶戦では観客の皆さんの前で強い慶應ラクロスを見せられるよう、部員一同練習に励んで参ります。

 

MF・加藤彰悟選手(経3・慶應)

ーー今日は2アシストの活躍ですが、ご自身のプレーを振り返っていかがですか

練習で意識していた視野取りが、実践でも発揮できてよかったです。

ーー試合の中でどのような役割を意識されていましたか

次の1on1でチャンスを作れるようにホットを飛ばさせる役割を意識しました。

ーー試合内容全体についてはいかがですか

OFではやりたいことを実行できましたが、4Qで捲りきれず悔しい結果となりました。

ーー日体大のどんなところが戦いにくかったですか 

クリアやグラボなど細かいところで相手が上回った試合だったと思います。

ーー早慶戦へ向けてどう調整していきたいですか

得点力をつけてチームの勝利により貢献していきたいと思います。

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