慶大テニスの伝承者
そしてその成果は今シーズンの序盤に表れた。東京オープン優勝に始まり、春の関東学生トーナメントではベスト8。申し分のない滑り出しに、その先に明るいシーズンが待ち受けているかと思われた。しかし好調は長くは続かなかった。怪我を抱えて臨んだ早慶戦では同年のライバル遠藤に惨敗。夏の関東学生ではクレーコートとの相性の悪さもあって結果を残せなかった。さらに復調を期したインカレではまさかの二回戦敗退。春の快進撃が嘘のように、抜け出せないスランプをさまよった。
リーグで見せた圧倒的な存在感
しかしリーグ戦ではその不安の影を欠片も見せなかった。初戦明大戦では、夏の関東学生で敗れた因縁の相手・小野をストレートで撃破。続く明大戦では相手の途中棄権による勝利となったが、次の法大戦でも志賀のプレーは衰えなかった。勝ち星の数で両校並んで回ってきたS1。慶大の命運はその肩にかかっていた。相手は法大の4年生でインカレベスト4の笹井だ。「相手が緊張しているのがすぐに分かった」という志賀は強気のラリーを展開。笹井はバックサイドに球を集めてくるが、それも読んでいた志賀は得意のバックハンドで容赦なく打ち込む。試合は終始志賀のペースで進み、2セットで相手に3ゲームしか渡さない完璧な試合展開で勝利を収めた。早大戦では早大主将・伊藤に敗れたものの、亜大戦では第1セットタイブレークの末ストレート勝ち。勝った試合では1セットも落としていないという圧巻の戦いぶりでリーグを終えた。
なぜ志賀はリーグではそんなにも強いのだろうか。志賀が常に意識しているのは「OBやチームメイトに支えられて試合ができている」ということ。だからこそチームの顔であるS1でコートに立つことを「誇りに思う」という。今季半ばの個人戦では不調に苦しんだ。しかしリーグ戦では仲間の信頼と期待に力を得て、それに応えて慶大を王座進出へと導いた。次なる目標は王座優勝だ。今志賀とチームの強い絆が、念願の日本一へと橋をかける。
By Asuka Ito
メッセージBOX
〈志賀〉選手から〈井上主将〉へ「そろそろ本気出してもいいですか?」 |
〈井上主将〉から〈志賀〉選手へ「慶應のNo1として存分に戦ってください」。 |
〈西澤選手〉から全選手へ「しつこさ、ダブルス、ポジティブの3つを忘れずにいきましょう!」 |
〈鮫島〉選手から〈城倉〉選手へ「末長いお付き合いを宜しくお願いします」。 |
〈井上善〉選手から〈志賀〉選手へ「不動のバックサイになります!」 |
〈長谷川副将〉から〈加藤副将〉へ「私生活安定させて下さい」。 |
チームを支える3年生の底力!2人の3年副将へ
羽ばたく慶大の若い力!明日のヒーロー達へ
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