【男子テニス】特集④ エースの真髄!不動のNO.1志賀

回り込んだフォアハンドがコートいっぱいに突き刺さる

活路切り開く鉄壁のエース、志賀
 
 慶大不動のNo.1志賀(政2)がエースとしての貫禄を見せつけた。各校とのエース対決となるS1だけに「苦戦が続く」と予想していたが、蓋を開ければ早大戦以外では無敗。特に法大戦での劇的な勝利は、王座進出をぐっと引き寄せる貴重な白星となった。

慶大テニスの伝承者

 まさに慶大の掲げる「粘り」のテニス。ミスが少なく我慢強い志賀のプレーには、その言葉がぴたりとはまる。巧みなフットワークと、引き絞るようなテイクバック。ショットは矢のように相手コートに突き刺さる。全ての動きは寸分の狂いなく正確だ。その実力は早くから認められ、チームの期待を背負い1年時から表舞台に立ち続けてきた。しかし同時に志賀は見えない部分でのトレーニングも怠らない。その地道な努力の積み重ねこそが現在のエースの自信を支えている。

 そしてその成果は今シーズンの序盤に表れた。東京オープン優勝に始まり、春の関東学生トーナメントではベスト8。申し分のない滑り出しに、その先に明るいシーズンが待ち受けているかと思われた。しかし好調は長くは続かなかった。怪我を抱えて臨んだ早慶戦では同年のライバル遠藤に惨敗。夏の関東学生ではクレーコートとの相性の悪さもあって結果を残せなかった。さらに復調を期したインカレではまさかの二回戦敗退。春の快進撃が嘘のように、抜け出せないスランプをさまよった。

 

全くブレない安定感を見せた

リーグで見せた圧倒的な存在感

 しかしリーグ戦ではその不安の影を欠片も見せなかった。初戦明大戦では、夏の関東学生で敗れた因縁の相手・小野をストレートで撃破。続く明大戦では相手の途中棄権による勝利となったが、次の法大戦でも志賀のプレーは衰えなかった。勝ち星の数で両校並んで回ってきたS1。慶大の命運はその肩にかかっていた。相手は法大の4年生でインカレベスト4の笹井だ。「相手が緊張しているのがすぐに分かった」という志賀は強気のラリーを展開。笹井はバックサイドに球を集めてくるが、それも読んでいた志賀は得意のバックハンドで容赦なく打ち込む。試合は終始志賀のペースで進み、2セットで相手に3ゲームしか渡さない完璧な試合展開で勝利を収めた。早大戦では早大主将・伊藤に敗れたものの、亜大戦では第1セットタイブレークの末ストレート勝ち。勝った試合では1セットも落としていないという圧巻の戦いぶりでリーグを終えた。

 なぜ志賀はリーグではそんなにも強いのだろうか。志賀が常に意識しているのは「OBやチームメイトに支えられて試合ができている」ということ。だからこそチームの顔であるS1でコートに立つことを「誇りに思う」という。今季半ばの個人戦では不調に苦しんだ。しかしリーグ戦では仲間の信頼と期待に力を得て、それに応えて慶大を王座進出へと導いた。次なる目標は王座優勝だ。今志賀とチームの強い絆が、念願の日本一へと橋をかける。

By Asuka Ito

 

 

 

メッセージBOX

志賀〉選手から〈井上主将〉へ「そろそろ本気出してもいいですか?」
井上主将〉から〈志賀〉選手へ「慶應のNo1として存分に戦ってください」。
西澤選手〉から全選手へ「しつこさ、ダブルス、ポジティブの3つを忘れずにいきましょう!」
鮫島〉選手から〈城倉〉選手へ「末長いお付き合いを宜しくお願いします」。
井上善〉選手から〈志賀〉選手へ「不動のバックサイになります!」
長谷川副将〉から〈加藤副将〉へ「私生活安定させて下さい」。
選手の皆さんアンケートへのご協力ありがとうございました!

4年生の強さⅠ井上主将編  

4年生の強さⅡ長谷川副将編    

チームを支える3年生の底力!2人の3年副将へ  

羽ばたく慶大の若い力!明日のヒーロー達へ

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