(左:瀧澤、右:岡澤)
4月25日。JOCジュニアオリンピックカップ2026年U20が開催される。慶大レスリング部からは3選手が出場予定で、注目は何と言ってもフリースタイル74kg級の瀧澤勇仁(経2・慶應)とフリースタイル86kg級の岡澤ナツラ(法2・慶應)。慶應義塾高校時代に日本一を経験した2人は、大学入学後も順調に成長を遂げている。今回、ケイスポではJOC直前企画と銘打って、2人に対談インタビューを行った。今年で5年目の仲となる2人の関係性やエピソード、さらには優勝すれば世界選手権出場が決まるJOCに向けての意気込みも語ってくれた。
――他己紹介
岡澤:勇仁のレスリングのファイトスタイルは、リーチの長さを活かして場外際まで相手を持ってくるなかなか稀に見るスタイルで、
瀧澤:卑怯みたいな(両者苦笑)
岡澤:敢えて場外際に引き込んで相手を出すとか、カウンターを打つというのが勇仁のファイトスタイルで、それに加えて自分からいく攻撃もあるので、みんなを困らせる天才です(笑)。人間性は、“用意周到・完璧主義”のイメージで、何か一つのことをやろうとなったらそこまでのプロセスを全部組んでくれたり、自分が何かをやるときは逆算して出稽古いったりトレーニングを終わらせたり、減量とか、筋道を立てるのがすごく上手いし、実際に有言実行するから4年間いてもリスペクトしかないです。
瀧澤:(MBTIが)ESFJなので、計画型なんです。
岡澤・瀧澤:意外とね
瀧澤:見た目は適当そうだけど。
瀧澤:ナツラのレスリングスタイルは、取られてから勝負みたいな、入らせてからもつれが得意だから、取れそうだと思って深追いすると逆に返されてバックに回られて、すごく難しくて、それこそさっき言っていた相手を困らせる天才で(両者笑い)。「なんで今自分が下にいるの?」みたいな展開が多くて、バテるし、動きながら止まらないレスリングだからほんとうに疲れる。ナツラとスパーリングした後はみんな立てないって言っています。それに加えて攻めて来るし、攻めと守りの場面がいきなり変わるから、攻守の入れ替わりが上手いです。性格はレスリングに関しては真面目で、僕とのスパーリング終わった後にロープでトレーニングしたり、タックルしたり、他の人とスパーリングしたりして、自分を追い込むのが好きで、Mなのかな?
岡澤:大M(両者笑い)
瀧澤:追い込むのが好きな感じです。でも私生活は結構おしゃべりで、しゃべり出すと止まらない。後輩の面倒見も良くて、レスリングと私生活のギャップが面白いと思います。
――2人の出会い
岡澤:試合会場で会ってはいるけど、初めて喋ったのはたぶん中3の高校受験の前の練習ですかね。
瀧澤:小学校の頃からお互い知ってたけど、喋る機会はなかったね。
岡澤:勇仁は小学校の時、ほとんどの重量級のタイトルを取って、「上の階級と言えば瀧澤勇仁」というのがみんなの一般常識でした。僕はちょっと小さかったから
瀧澤:階級が結構差があったね。いつの間にか体重が越されていて、中学生くらいで
岡澤:太った(両者笑い)
瀧澤:だから中3が初めてだね。
――その時の第一印象
瀧澤:優しそうだなと。くまさんみたいで、見た目がちょっとぽっちゃりしてたからあの頃は
岡澤:(笑)
瀧澤:ほんとうに優しそうで、謙虚な感じでした。
岡澤:実際に会って、僕からすればスターに会ったみたいでした。
瀧澤:いやいや
岡澤:いい意味で、同い年とは思えなかった。喋り方とか言い回しとか、雰囲気とかも。中3とは思えない存在感がありました。
――その時と印象は変わったか
瀧澤:仲良くなったらめちゃくちゃ喋るから、結構止まんないよね
岡澤:止まんない
瀧澤:最初はお互い緊張してたからね
岡澤:意外と気さくに話しかけてくれて、完璧主義で堅い人だと思っていたけど、人間味もあって、困ってる人を助けてくれたりとか
瀧澤:そんなことあった?(笑)
岡澤:雰囲気を和やかにするのが得意で、印象は変わったと言えば変わったけど、そのままではあります。
――直してほしいところ
岡澤:完璧すぎる。勇仁が何でもできちゃうから、僕が比較されて「お前はどうなの」って言われると、「僕はちょっと…」ってなることが多いから
瀧澤:そんなんじゃないけどね(苦笑)
岡澤:完璧すぎるのは、ちょっと、文句(両者笑い)
瀧澤:連絡が遅い。LINEとかを溜め込んじゃうところ
岡澤:スナチャだったら早い(笑)
――高校での3年間
岡澤:勇仁は高2の時に膝けがして、1年間試合に出ていなくて。高1の時は出稽古に行くとき、勇仁が行くから僕も行くみたいな形でしたが、勇仁がけがしていなくなった時に、僕が行かなきゃいけない状況になって、いなくなって勇仁のすごさに気づきました。僕は消極的なのもあって、自分に必要なものは自分から連絡して出稽古行ったりとか、(瀧澤の)積極的な姿勢は、後輩もいっしょに連れて行かなきゃいけないというのもあって勇仁の偉大さを知りました。高3の時に初めて2人揃ってインターハイと国体に出られて、その練習の過程も一番熱入っていたし、結果はあれだったけど天皇杯に同じ日に出られたのは一番の思い出ですね。
瀧澤:僕は1年間のブランクがあって、その時はナツラがJOCのアンダー17で優勝して、世界行ったりだとか、僕よりも実績を出していたから、それに喰らいついていこうと思って高3に入りました。結果を追い求めて努力してたから、そこを見習わなきゃと思って。インターハイと国体いっしょに頑張ろうって言っていて、結局僕がインターハイ2位でナツラが優勝して、国体僕が優勝してナツラが2位で、同時に優勝することはできなかったけど、天皇杯に出られたのは良かったと思います。
――大学の試合に出て感じていること
瀧澤:フィジカルの差はやっぱり感じていて、高校の時は他の高校に比べてめちゃくちゃ練習していたわけじゃないし、場外際のところでちょっとずる賢く戦っていたけど、大学4年生とかとやると、小細工が効かない。体力面もそうだけど、後半はバテるし、レスリングの基礎的な部分が自分には足りないなって気づいて、最近はジムに行ったり、階段でトレーニングしたりして基礎体力をつけています。
岡澤:僕らのレスリングスタイルは結構変則的で、攻めて攻めてタックルで点を取る吉田沙保里さんみたいなレスリングじゃなくて、得意なところに持ち込みたくて、それで高校時代勝ってきました。高3の時に全日本に出て、シニアや大学生のトップレベルにそれが効かないのがすごく分かって、数は少ないけどみんなで朝練やり出して。2人だったらそれぞれやっていたと思いますけど大学から始めた人もいっしょにみんなで楽しくやっていて、新しい風が吹いたというか、2人だけじゃなくて数が増えたことでいい方向に行っていると思います。
瀧澤:仲間を鍛えなきゃいけないけど、逆に自分もやらなきゃいけないみたいな
岡澤:僕らから見た初心者は足りていないところが分かるけど、トップレベルからは僕らも同じようなことをたぶん思われているから、反面教師というか、僕らもやらなきゃと思っています。
――お互いにレスリングで成長を感じているところ
岡澤:お互い高校の時より5~6㌔体重が増えていて、フィジカル面で力強いなって感じるし、元々の引き込むファイトスタイルに加えて、新たに前に出て相手が押し返してきたところを攻めるとか、横の攻撃とか、新しいパターンが出て、気をつけなきゃいけないポイントが多くて、ほんとうに疲れます(苦笑)。
瀧澤:入った時はちょっとぽっちゃりしていて、筋トレもしないスタイルだったから、もつれだけ気をつけようという感じで、でも最近筋トレし出して、僕のお父さんも「ナツラがゴツい」と言ってるくらいで(両者笑い)。みんなが見て分かるくらい筋肉質で、力があって、プラス体重もあるから、そこのフィジカルの強さが変わってきたし、高校の時からやってたけど見たことない技も試してます。
――お互いの存在を一言で表すと
瀧澤:一言…2人で一つにされがちというか、ナツラが天皇杯3位で僕5位だったので頑張らないといけないと思うし、アンダー20で(岡澤が)アジア3位で僕は全然結果出してなくて、ナツラの方が最近結果出していて追い付かないといけないところがあるから、“ライバル”かなと。スパーリングも一日一本やって、しっかり勝ち負けこだわってやってるからね
岡澤:面白いのが、勇仁が勝ったら次は僕が勝って、その次は勇仁が勝って、ほとんど2連勝した日はなくて、スパーリングでは戦ってるから敵だけど、次の日はまた戦い方を変えてお互い高め合っているから、敵であり味方でもあるみたいな…難しい。ライバルだし、お互いリスペクトもしてるし、仲間だし、レスリングが終われば友達だし、一言…。難しいですね(両者笑い)。
――お互いに期待すること
岡澤:直近で言ったらJOCがあって、勇仁の階級は特に人数も多いし、一筋縄じゃいかないけど、お互い優勝して、今までアジアはいっしょに行ったことあるけど世界はないから2人で揃って世界に行って、優勝してベルトを慶應に持って来れたらと思います。
瀧澤:直近はほんとうにナツラも僕も世界選手権を目標にやっているから、ナツラには世界選手権で結果を残してほしい。ナツラはたぶん世界に行けるので、
岡澤:いやいや(苦笑)
瀧澤:変なプレッシャーかけるとかじゃなくて(笑)、ナツラのレベルなら行けると思う。僕は結構厳しいから
岡澤:自分らの代強い人多くて、去年大学選手権優勝した人とか、去年世界行った人とか、もちろん勇仁も含めて74㌔は一番見ごたえのある階級ですね。
瀧澤:期待するのは優勝で、もちろん自分も優勝したいですね。あとは、天皇杯かな
岡澤:同じ日に開催されることがなくて、いつも僕が金土で勇仁が土日だから、できるなら同じ日に同じ表彰台の位置に立ちたいなと。
――最後に、JOCの意気込み
岡澤:アンダー20というカテゴリーは最後だし、来年就活とかも考えると最後の世界選手権になるかもしれないので、日本代表の自覚をもって自信をもって世界に行けるように。全部の試合圧倒して、「86㌔の日本代表には岡澤ナツラがいる」って送り出してもらえるように、自分もそう思って世界行けるように、圧倒して優勝します!
瀧澤:僕は結構このJOCに賭けてて、アンダー23は就活とかもあって厳しいかと思いますし、20が世界に行ける最後のチャンスだと思って、4月を目標に12月くらいからやっていたから、ほんとうに優勝したいです。エントリーを見てやばそうだなとも思いますけど、日本で勝ったら自信をもって世界でも戦えると思うので、まずはそこを乗り越えて、優勝したいと思います!

岡澤

瀧澤
(取材:柄澤晃希)


