明治杯大会2日目。フリースタイル86kg級の慶大・岡澤ナツラ(法2・慶應)は、1回戦をテクニカルスペリオリティ勝ちで大勝すると、準決勝で昨年度天皇杯2位の髙橋夢大(三恵海運株式会社)を3―1で撃破。初のシニア日本一を懸けた翌日の決勝に進出した。
今年のアジア大会とシニア世界選手権の代表選手は、昨年度天皇杯優勝者と今年度明治杯優勝者が異なる場合、両者が明治杯決勝当日にプレーオフを戦い、その勝者が選考される規定だが、昨年度天皇杯優勝者・高谷惣亮(拓殖大学職員)は今回の明治杯を棄権している。高谷がプレーオフも棄権した場合、今年度明治杯優勝者がアジア大会とシニア世界選手権に選考される。
グレコローマン97kg級の慶大・佐藤秀一郎(環4・八千代松陰)は、前日のフリースタイルに続き初戦敗退に終わった。
2026年5月22日 @東京・駒沢オリンピック公園総合運動場体育館
【試合結果】
令和8年度 明治杯全日本選抜レスリング選手権大会 2日目
グレコローマン97kg級
2回戦
佐藤秀一郎(慶應義塾大学)[VSU 2:12=0-11]菊地一瑳(明治大学)
フリースタイル86kg級
2回戦
岡澤ナツラ(慶應義塾大学)[VSU 1:35=10-0]井上輪太郎(立命館大学)
準決勝
岡澤ナツラ(慶應義塾大学)[VPO 6:00=3-1]髙橋夢大(三恵海運株式会社)
グレコローマン97kg級に出場した佐藤秀一郎(環4・八千代松陰)。
前日のフリースタイルの試合では0―11のテクニカルスペリオリティ負けに終わっていた。この日は2回戦からの登場となった。菊地一瑳(明治大学)と対戦。序盤でパッシビティを取られると、パーテレポジションから回転技で4点を奪われるなど0―6とされる。追いつきたい佐藤だったが、最後は4点技を決められ、チャレンジ失敗も重なり0―11のテクニカルスペリオリティ負け。2回戦敗退に終わった。

青のシングレット・佐藤
4月のJOCジュニアオリンピックカップ2026年U20で優勝し、今年8月のU20世界選手権の出場を決めた岡澤ナツラ(法2・慶應)。
初戦は速さと強さを兼ね備えたさすがの戦いぶりで、10―0で勝利し、準決勝に進出する。

赤のシングレット・岡澤
準決勝の相手は、昨年12月の天皇杯準決勝で岡澤を2―8で下し、2位となった髙橋夢大(三恵海運株式会社)。
格上との対戦だったが、「緊張はなかった」、「楽しみたい気持ちだった」と振り返る岡澤。開始1分20秒頃、2度のパッシブでアクティビティタイムとなるが、素早いタックルから場外に押し出し、1点を先制。1―0で第1ピリオドを終える。

第2ピリオド中盤に2度目のアクティビティタイムとなるが、またもタックルから場外に押し出して1点を追加し、2―0となる。残り30秒頃、背後に回られ、逆転のピンチを迎えるが、上手く場外に逃げて1失点に防ぐ。このプレーに髙橋陣営がチャレンジを要求。1点のみか、2点技が決まっていたか、際どい判定だったが、相手のチャレンジ失敗により岡澤に1点が追加され、3―1となる。残りは15秒、攻め込まれるも最後まで耐え抜き、大金星を挙げた。



岡澤は翌日の大会3日目、自身初のシニア日本一を懸けた決勝戦に臨む。決勝の相手は世界ランキング2位の石黒隼士(自衛隊体育学校)。「チャレンジャー」の立場と語る岡澤。失うものは何もない。ベストを尽くした戦いで、金メダルと世界への切符を掴んでほしい。
大会3日目はフリースタイル86kg級決勝に岡澤、フリースタイル74kg級に瀧澤勇仁(経2・慶應)、女子レスリング62kg級にパリ五輪銅メダルの慶大OG・尾﨑野乃香(令8環卒)が出場する。
(取材:柄澤晃希、塩田隆貴)
【インタビュー】
岡澤ナツラ(法2・慶應)

――今感じていること
言葉にできない感動というのがあるんだと。パリ(五輪)で優勝した人が「言葉にできない感動で、みんなのおかげです」と言うのをよく聞いていて、舞台は全然小さいけどちょっと同じ気持ちを味わえて、「勝った人ってこんな気持ちなんだな」と実感しています。
――準決勝は去年の天皇杯で敗れた相手との試合だったが、どんな準備をしてきたか
結構作戦を練るタイプなので、相手の得意な、たとえば右手をかけてくるところを徹底して嫌がって、適材適所じゃないけどカウンターとかも準備してきました。去年の12月に(天皇杯で)試合して、2月と3月に全日本合宿で何度かやって、その反省点も踏まえつつ準備してきました。
――準決勝を振り返って
点数の取り合いになると自分では思っていた中で、苦手なロースコアの試合で、最後1分ぐらいずっと逃げていたんですけど、作戦がはまって、練習も実ってとっても嬉しいです。めっちゃ嬉しいです。
――アクティビティタイムが2回あったが、いずれもポイントを挙げた
失点は覚悟していたので、アクティビティタイムでの(相手への)追加1点はちょっと痛いと思っていました。相手の姿勢を崩すことができて、綺麗に浮いたところを狙えたので、作戦通りです。
――チャレンジの判定が出た瞬間の感情
チャレンジされた段階で、膝ついていたら2点だけど膝ついていない自信があったので、大丈夫だろうなとは思っていたけど、(判定が出て)なんとしてでも勝ち切ってやるという気持ちがさらに出てきました。
――明日の決勝の意気込み
チャレンジャーで、世界選手権2位で、パリ(五輪)も出て、国内トップクラスの選手に全日本の決勝で挑める機会なんてそうそうないと思うので、思いっ切り楽しんで試合できるように……勝ちます!!

