【ラグビー】花園連覇&イングランド撃破の重戦車 「1年生らしからぬプレー」で暴れ回る/注目ルーキー特集vo l . 5 喜瑛人

ラグビー

4月1日、2026年度大学学部入学式が日吉記念館で行われた。若き血滾るフレッシュな塾生たちが並木道を駆け上がり、蹴球部にも多くのルーキーが加入した。ケイスポでは、そんなルーキーたちの中から注目選手5人にインタビューを行った。

最終回となる今回は、この春、130代最速で黒黄デビューを飾ったPR・喜瑛人(文1・桐蔭学園)選手にインタビュー。桐蔭学園高で2年時より3番のジャージをまとって同校の花園連覇に貢献し、この春には高校日本代表として史上初のイングランド撃破も経験した超大型新人は、頂点だけを見据えて鍛錬を積んでいる。

ーー自己紹介

桐蔭学園高校から来た、PR、3番側の喜瑛人です。

 

ーーラグビーをはじめたきっかけ

もともとお父さんがラグビーが好きで、お父さんに誘われて始めました。

 

ーー桐蔭学園高では2年連続でPRのスタメンとして花園連覇に貢献。当時を振り返って

申驥世(文2・桐蔭学園)の代で初めて花園に出た時は、大舞台の経験が少ない中で、ミスも多かったですし、頭の中ではダメだとわかっている選択肢を選んでしまうことばかりで、先輩方に助けてもらいながらプレーしていました。そういう経験をしたからこそ、自分たちの代ではチームを引っ張っていけたと思いますし、優勝に必要なメンタリティも備わっていたと感じていますし、それをチームに還元することが出来た結果、連覇を達成できたのではないかなと思っています。

 

ーー桐蔭学園高で日本一を経験した中で、近年頂点から遠ざかっている慶大に進学した理由

もともと、高校に上がる時点で早慶どちらかに進学したいと思っていて、それからずっと悩んでいたのですが、申驥世から「慶應でもう1回日本一を目指そう」という誘いを受けて、電話も定期的にかかってくるくらい熱い勧誘を受けたので、慶應に決めました。

 

ーー慶大の中でも特に文学部を選んだ理由

自分はAOの入試に落ちてしまって、慶應でラグビーをやるには文学部の自己推薦に受かるしかないという状況になり、短期間で詰めこむような形で猛勉強をして、なんとか合格に漕ぎ着けたという感じです。

ーー桐蔭学園の先輩方の存在は喜選手にどのような影響を与えているか

桐蔭のスタンダードの高さというのは高校ラグビー界で1番だと思っています。そのスタンダードを身に着けたからこそ自分はここまで成長することができましたし、先輩方のおかげで、そういう桐蔭のDNAのようなものが慶應にも根付いているので、個人として、とてもやりやすい環境が整っています。ラグビーをする上での指針を定めてくださっているので、ありがたいです。

たとえばFWリーダーの申驥世とか、井吹(勇吾/環3・桐蔭学園)くんとか、マサくん(中野誠章/文3・桐蔭学園)は、ゲーム理解度の高さに裏打ちされたメンタルの安定感を持っています。桐蔭はミーティングなどで「試合中にメンタルの基準が落ちないための準備」をすごく熱心にするチームだったので「ピンチになった時、どうやったら巻き返すことが出来るのか」という部分には特に重点が置かれていました。FWは常に相手に向かって体を当て続けるポジションなので、メンタルの部分はとても大事ですし、安定感のあるメンタリティを持っていて、チームが勝つためにどうすれば良いかを分かっている人たちが引っ張ってくれているので、本当にありがたいですね。

 

ーー入部前と入部後で、慶大蹴球部に対して印象が変わった部分などはあるか

印象はあまり変わってないですね。申驥世からいっぱい電話で聞いていたので(笑)

彼のおかげでイメージが掴めていたので、スムーズにチームに馴染むことが出来たのではないかと思います。

 

ーーラグビー以外の部分で、大学生活で楽しみに思っていること

大学生らしいことはしてみたいですね(笑)ただ、自分はラグビーをやるために慶應に来ているので、ラグビーをやることを念頭に置いたうえで、ラグビーに支障が出ない範囲で楽しみたいです。

ーー高校日本代表としての活動で得たこと、蹴球部に還元したいと思っていること

高校日本代表で学んだことは「自分たちよりレベルが高い」と思い込んでしまいそうな相手に対して勝ち切る方法です。高校日本代表としてイングランドに初めて勝ったことで、今まで自分たちが勝てていなかった相手に対しても、自分たちの力を100%出し切ることができたら勝てるということを学ぶことができました。慶應も今優勝から遠のいていて、勝ちを拾いきれない試合があるのですが、そういう「勝てたはずなのに勝ち切れなかった試合」を無くせるようにしたいです。

 

ーー春季交流大会・流経大戦で黒黄デビューを飾ったことを振り返って

デビュー戦ということもあって、ちょっと緊張していたのですが、自分のやるべきことは変わらないので、過度に緊張しすぎずに楽しめたと思っています。逆に、1年生で慶應のメンバーとして初めて出る試合で黒黄を着るという中で、もう少し緊張してもおかしくないなとは思っていたのですが、元から「試合に出たら1年生らしくないプレーをしよう」と思っていたので、遠慮なくぶつかっていけたと思っています。

 

ーー体格の大きな流経大FW陣に対し、スクラムでペナルティを奪うシーンもあったが

そういう部分でも、高校日本代表とかU20代表の経験が活きていたと思っています。自分より大きい選手とやることに慣れました。U20ではプロの方とも練習させていただいたので、そういう恐怖心はなくなって、自分のやりたいようにやれるようになったのではないかと思っています。

 

ーー今回の企画で取材する小坂莉央(環1・Wellington College)選手、米本啓太朗(政1・京都成章)選手、浅野優心(政1・慶應志木)選手、三善遼(総1・東海大仰星)選手の印象

莉央(小坂)は〝ラグビー少年〟って感じです。ラグビーが大好きですし、何事にもストイックに打ち込んでいて、勝ちたいという意思をすごく感じる選手です。

米本は、、、優しい(笑)。彼は寮で前鹿川(雄真/政1・桐蔭学園)と同部屋なのですが、僕は高校時代から前鹿川と仲が良いので、よく3人で一緒にウエイトトレーニングをやったりしています。

優心(浅野)は、志木高でキャプテンをやっていただけあって、すごくキャプテンシーのある人だなという印象です。僕にはリーダーシップを取るようなことはできないのですが、彼にはみんなをまとめる力があります。

三善とは、去年の早慶戦を観戦したときに初めて会ったのですが、最初はすごい変な奴だなと思いました(笑)僕も人のこと言えないですけど、うるさい関西人だなと(笑)。でも、寮に入ってからはまた印象が変わりましたね。良い人ですし、ラグビーも上手いです。

ーー対戦したい選手

やっぱり桐蔭時代のチームメイト、特にフロントローですね。明治に行った田邊(隼翔/法1・桐蔭学園)と、早稲田に行った堂園(尚悟/スポ1・桐蔭学園)とやりたいです。堂園は今怪我をしていて、新人早慶で戦えなかったこともありますし。堂園も田邊もずっと一緒にやってきた仲間ですが、一緒のチームだと対戦することはないので、どちらが上か分からせてやろうと思います。

 

--現時点で自分が取り組むべきだと思っている部分

自分はウエイトにずっと熱心に取り組んできたので、フィジカルの部分には自信を持っているのですが、一方で自分の中に強い筋肉と弱い筋肉があることも理解しています。弱い筋肉はしっかり補っていかなければならないと思っています。あとは、自分は体が硬いので、モビリティの部分、体の可動域を広げるというところも改善していかなければいけないですね。

 

--自分の持ち味、注目して欲しいプレー

自分の強みはボールキャリーです。どんなにキツい状況でも体を張って相手に当たり続けるということは、高校時代からずっと意識しています。積極性と体の強さには自信があるので、どんな時もボールを前に運んで、チームの勝利に貢献します!

 

--持ち味を活かすために試合中に心がけていること、持ち味を更に進化させるために日々の練習で意識していること

持ち味を活かすためにやっていることは、先程も言った「いつでも誰よりも体を張る」という意識付けで、さらに持ち味を伸ばすという部分では、既に体は強いので、姿勢の低さとか足の運び方とか、そういう当たり方のディテールまで突き詰めていきたいです。上に行く選手はただ強いだけじゃないと思うので、細かい部分まで追求したいと思っています。

 

--今年の目標、そして4年間の目標

今年の目標はスタメンとして対抗戦に出ることで、4年間の目標は大学日本一です。優勝を目標に入部したので、そこはブレずにやっていきたいです。

 

ーーお忙しい中ありがとうございました!

※一部写真は蹴球部より提供していただきました。

 

(取材:稲垣遥河、髙木謙、中島冬奈 記事:髙木謙)

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