4月1日、2026年度大学学部入学式が日吉記念館で行われた。若き血滾るフレッシュな塾生たちが並木道を駆け上がり、蹴球部にも多くのルーキーが加入した。ケイスポでは、そんなルーキーたちの中から注目選手5人にインタビューを行った。
第4回目となる今回は、ニュージーランドのウェリントンカレッジで高校時代を過ごした小坂莉央(環1・Wellington College)にインタビュー。異色の経歴を持つ風雲児が目指すのは、130代を歴史に残るチームにすることだ。
ーー自己紹介
環境情報学部1年生の小坂莉央です。出身高校はウェリントンカレッジというニュージーランドの伝統校で、ちょうど今日、150周年の試合がテレビで放送されていました。趣味は特にないのですが、一応ホームページのアンケートにはヨガと書いています。(笑)
ーー普段、ヨガはされる?
ヨガをするわけではないです(笑)
ーーラグビーを始めたきっかけは
ラグビーを本格的に始めたのは中学1年生なのですが、小学校4年の後半くらいからタグラグビーを始めたのがきっかけです。その時になぜ始めたかと言われるとあまり覚えていないのですが、5歳上の兄がラグビーをやっていたというのがあり、それまでやっていた空手とサッカーに飽きてきて、新しいことをやりたいなという時にタグラグビーにはまりました。小学校の後半になるにつれて、タグラグビーの方にはまっていって、中学からはコンタクトのラグビーを始めました。
ーーニュージーランドへラグビー留学をした経緯
僕は小学校の時に英語の勉強していたので、英語の勉強とラグビーの成長という両方の意味で成長できる学校が日本にはあまりなくて。5歳上の兄が(ニュージーランドに)行っていたというのもあって、選択肢の1つにはあったのですが、英語もラグビーもチャレンジするという意味でも、人として成長できるところはニュージーランドかなと思ったので行きたいと思いました。家族と何回も泣きながら、笑いながら、会議を重ねて送り出してくれました。
ーーニュージーランドでの生活について
まず最初の1、2ヶ月は慣れるのに精一杯でした。ラグビーのシーズンが始まってくると練習も少しずつ強度が高くなったり、勉強もハードになってくるので、少し大変ではありました。でもやっぱりラグビーが好きだったので、朝起きて散歩がてらに走ったりしていました。散歩のことが多かったですが(笑)(ニュージーランドでは)みんな昼休みにラグビーをするのが普通なのでそこに混ぜてもらって、昼休みも友達とラグビーをしていました。
練習は週に2日しかないのですが、練習がない日は1人で公園に行ってボールを蹴ったり、走ったりしていました。高校3年生には受験に向けてAO入試の対策授業だったり書類作りをしていました。向こうの教育システムがこちらの大学と同じ感じなので、3年生にもなると自分のやりたい科目が選べて、レポートが多かったのですが、それもめちゃめちゃ大変で、、、成績を取るのがすごく大変でした。3年生の時は勉強とラグビーが半分半分で、週によっては2、3回しかラグビーをしない週もありました。

ーー慶大蹴球部を目指したきっかけは
小学校高学年くらいの時から、今の4年生の松田怜大(環4・桐蔭学園)さんと一緒に練習をする機会があったり、すごく上手な選手と一緒にラグビーをする機会が多くて。ニュージーランドの大学に行くという選択肢もあったのですが、やっぱり日本の大学に帰ってきて、自分がどこまでできるのかチャレンジをしたかったというのがあります。また、自分が通っていた高校はこの間150周年ですごく伝統校なのですが、慶應も自分たちで130代を数える歴史あるチームですし、ジャージの色も黒と黄色で何か縁を感じました。伝統のある大学でプレイするというのは誰もができることではないので、縁という部分が1番大きいと思います。
ーー松田選手とはどのようなつながりだったか
東京のスーパーマンという社会人クラブの練習に、子供も混ざってタッチフットを毎週やっていて、そこで知り合いました。慶應の練習会に参加させていただく時も、松田さんから連絡してもらいました。
ーーニュージーランドと日本のラグビーの違い
日本の方がすごくきっちりしていて、縛られた環境の中で物事を行うので、そこはラグビーの面ですごく良いなと思っています。例えばディフェンスのルールやアタックの役割などがすごく明確なので、わかりやすいです。ニュージーランドの方が比較的自由な部分があるので、少し違いはあると思います。自分はラグビーの面で日本の明確に役割が決まっているスタイルがすごくやりやすいと感じたので、日本のラグビーの方が楽しいなと思います。ニュージーランドのラグビーも楽しかったのですが、それぞれの良さが違うなと思いました。

ーー大学で力を入れていきたいポジションは
まだわからないです。日本の大学に帰ってきた1つの理由として、自分がどのポジションが合っているのかがわからなくて、コーチがしっかりとしている体制の中で自分は本当はどのポジションが合っているかを知りたいというのがありました。ニュージーランドでは体が小さかったので、SHをやっていて、中学の頃はSOもCTBもFBもやっていたのである程度ラグビーについては理解しているのですが、自分的にどのポジションが合っているのがまだわからないので、そこを4年間で探していきたいと思います。
ーー憧れの選手は
高校の時のコーチで元オールブラックスの3人です。やっぱりラグビーも上手だし、すごく良いコーチですごく優しいんですが、それ以上に人柄が良かったです。すごく視野が広いので、元気のない子がいたら声をかけたり、そういった気遣いのできる良い人たちだなと思いました。高校時代に出会ったコーチたちはすごく憧れる人たちです。
あと、憧れの人というかすごく尊敬する人がいて。自分が小学校と中学校の時のコーチで大内和樹さんという方です。早稲田からNTTコミュニケーションズの選手として、コーチとして、自分の小学校のタグラグビーチームでコーチをしてくれていました。信頼される人柄で、選手との信頼関係があって、遠すぎず近すぎず、すごく接しやすくてラグビーのことだけではなくて、人としても尊敬できる方でした。(自分は)小学校の頃は文句を言ってしまう性格だったのですが、それを少しずつ矯正してくれたのも大内さんでした。すごく相談させていただいていて、それこそ高校選びの時も相談しましたし、毎年冬にあっちの夏休みで帰ってくるときに、進路の相談をしていただいたり、常に相談し続けている相手です。大内さんは思っていることをあまり言わない人で、「自分が思うようにしな」と言ってくれるのですが、自分が判断する上での必要な材料はちゃんと教えてくれる人でした。
ーー入部前と後の慶應蹴球部に対する印象の変化
思っていたより、古臭さがあまりなくて。自分はめちゃめちゃ制限が多い感じを想像していたのですが、(入部してからは)時代に沿った形で、かつ伝統をすごく大事にしていると感じたので、真逆のイメージになりました。
ーー大学生活で楽しみにしていることは
SFCは将来やりたいことが明確な人が多くて、そういう人とつながってたら面白いだろうなと感じています。あとSFCは授業がとても面白そうなので、いろんな経験ができたらいいなと思います。

ーー自分の持ち味と、それを活かすために普段から意識していることは
自分の持ち味で言うと、よくも悪くも、すべてのスキルにおいてどれも飛び抜けていなくて、どれも下手ではないというところです。これなら誰にでも勝てるというものがないので、全部中途半端という考え方もできるんですけど、逆にこれは誰よりも下手と言うものがないので、オーバーオールで見たらきれいな五角形ができているのではないかなと思います。普段からやっていることとしては、最低限のリカバリーだったり、環境に合わせながら少しずつルーティーンを変化させていっています。ニュージーランドでできたルーティーンも、日本に帰ってきて使えないことも多いと思うので。ニュージーランドにいた時は、向こうの練習はスキルが少ないので、スキルを中心にしていて。今は肩を痛めてたりできないのですが、体が細いので、(日本に帰ってきてからは)ウェイトを重視して腹筋だったりとか、練習中にあまり負荷がかからないところを重点的にやることを意識しています。強いて言うなら、自分の持ち味は予測不可能なところです。ディフェンスとの駆け引きだったり、余裕を持ってプレイをする感じなんですけど、その分ミスが多いのでそこが改善できたらなと思います。
ーー今年の目標は
上手な先輩がいっぱいいるので、そういう人からいろんなことを吸収して、できるだけ早く黒黄ジャージを着たいです。
ーー4年間の目標は
4年間の目標としては、自分たち130代が歴史に名前が残る代にしたいです。自分たちがこの代は良かったねとか強かったねと言えるような、伝統の上に新しいことを作れる代にしたいと思います。
--お忙しい中ありがとうございました!
※一部写真は蹴球部より提供していただきました。
(取材:島森沙奈美 記事:月井遥香)

