関東大学リーグ前期第3節。慶大ソッカー部女子は、2季連続関東大学女王・東洋大学とのアウェイマッチに臨んだ。開始早々、野村亜未 (総4・十文字)が飛び出し、相手キーパーの頭を越えるシュートを決めて先制に成功する。しかし、その後は相手にボールを握られ、苦しい時間が続く。前半を1点リードで終えるも、後半開始早々にセットプレーから失点。以降も相手のスピードとテクニックに翻ろうされるが、守護神・四宮里紗(環1・桐蔭学園)を中心とした必死の守りでしのぎ続け、1―1で試合終了。格上を相手に大きな勝ち点1を獲得した。
2026/4/18(土)18:00キックオフ@東洋大学朝霞キャンパスサッカー場
O.R.S.第40回関東大学女子サッカーリーグ戦1部 前期第3節
【スコア】
東洋大学1ー1慶應義塾大学
【得点】
10分 慶大 野村亜未(福島紗羅メヘル)
51分 東洋大 高岡澪(望月寧々)
【慶大出場選手】 | |
ポジション | 背番号 選手名(学部学年・出身高校) |
GK | 1 四宮里紗(環1・桐蔭学園) |
DF | 18 岩田理子(総3・十文字) |
| →74分 15 田中紗莉(総3・市ヶ尾/日体大SMG横浜U18) |
| 6 木田遥(総1・十文字) |
| 5 米口和花(総3・十文字) |
| 4 宮嶋ひかり(環3・芝浦工業大学柏/ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU18) |
| 14 福島紗羅メヘル(政1・昌平) |
MF | 11 森原日胡(総2・作陽学園) |
| 2 竹内あゆみ(看4・日ノ本学園) |
| 10 野口初奈(環4・十文字) |
| 8 佐藤凜(総4・常盤木学園) |
FW | 9 野村亜未 (総4・十文字) |
前節の前期第2節では、米口和花(総3・十文字)の決勝点で今季初勝利を挙げた慶大。開幕からの2戦はいずれも勝ち点を獲得し、21年以来5季ぶりの1部の舞台で順調な滑り出しを見せている。
今節の相手は、2季連続で関東大学リーグ1部を優勝した東洋大学。強豪を相手にどんな戦いぶりを見せられるか。
慶大はこの日もスタメン・配置ともに変更はなく、開幕から3試合続けて同じ陣容で臨む。攻撃時3―1―5―1。守備時5―4―1のシステム。守備時は右ボランチの竹内あゆみ(看4・日ノ本学園)と左ボランチの野口初奈(環4・十文字)が、攻撃時は竹内がアンカー。野口がトップ下の縦関係となる。

攻撃の起点となるアンカーの竹内
開始早々の4分。ボックス内で強烈なシュートを打たれるも、キーパー・四宮里紗(環1・桐蔭学園)がセーブ。先制点は許さない。

好セーブ連発の四宮
東洋大は守備時4―2―3―1でハイプレス。攻撃時は右SBがボランチのようなポジション取りでいわゆる”偽SB”のように振る舞い、一方左SBは高い位置。2―3―4―1に近いシステムで攻め込んでくる。
序盤はピンチが続き、押し込まれるも、10分。「亜未(相手DFと)一(対)一だぞ」という黄大城監督の声が響くと同時に、CF・野村亜未 (総4・十文字)が相手DFラインの裏に抜け出すと、左WB・福島紗羅メヘル(政1・昌平)が相手のプレスをかわし、右足でフィードを送る。相手キーパーがボックス外に飛び出してくると、野村は浮き球を左足でループシュート。ボールは無人のゴールへと吸い込まれ、開始早々の大きな先制点となった。


今季2得点目の野村
15分。左シャドウ・佐藤凜(総4・常盤木学園)が素早い切り替えからボールを奪取すると、トップ下・野口から右シャドウ・森原日胡(総2・作陽学園)へとつながり、最前線の野村へ。野村はロングシュートを放つが、これはキーパー正面。しかし、相手ダブルボランチに対する中盤の数的優位を突いた良い攻撃となった。

今季初のフル出場で貢献した佐藤
さらに17分。佐藤とのスイッチで内側に入った福島紗が左CB・宮嶋ひかり(環3・芝浦工業大学柏/ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU18)からパスを受け、野村に縦パス。野村はダイレクトで野口に落とし、野口から右の森原へ。森原は左足でミドルシュートを放つが、相手DFのブロックに遭い、得点には至らない。

中盤でチャンスメイクした森原
この時間帯はチャンスが続いたが、その後は相手のプレースピードに苦戦し、何度もゴールを脅かされる。23分。左サイドを突破され、中央の相手CFにペナルティースポット付近でボールを受けられる大ピンチ。しかし、右CB・木田遥(総1・十文字)が見事なカバーリングでブロック。シュートは打たせない。27分にはボックス内で枠内シュートを浴びるが、四宮が好セーブを見せる。

カバーリングが光った木田
前半終了まで、ボールを奪っても普段のように前進することはなかなかできず。しかし、ピンチの場面も四宮や抜群の対人能力を誇るリベロ・米口を筆頭とした最終ラインの好守でしのぎ続け、1点リードのまま試合を折り返す。

米口を中心とした守備でしのぎ続ける
選手交代なく臨んだ後半。51分。自陣でのロストから相手にFKを与えると、左サイドからのセンタリングに完璧に合わされ、失点。同点に追いつかれる。
失点後は完全に押し込まれ、自陣で守備に徹する時間が続く。61分。ゴールまで10mほどの距離でシュートを打たれるが、四宮が横っ飛びでスーパーセーブ。大ピンチを脱する。
慶大唯一の選手交代は74分。守備でのハードワークが光った右WB・岩田理子(総3・十文字)に代え、田中紗莉(総3・市ヶ尾/日体大SMG横浜U18)を投入。田中紗は右シャドウに、右シャドウの森原が右WBのポジションに動く。

今季は右シャドウを主戦場とする田中紗
76分。ゴール正面やや右、ゴールまでおよそ20m強の位置でフリーキックを獲得する。キッカーは、その右足で幾度もチームを救ってきた野口。ゴール右上を狙い、ややインフロントにかけたスピードのあるボールを蹴り込んだが、惜しくもバーを越えていった。

野口のフリーキックは惜しくも外れた
その直後。左サイドから攻め込んで相手ゴールに迫るが、寸前で防がれると、一気にカウンターを浴びる。相手オフェンス2選手に対し、宮嶋とキーパー・四宮しか残っていない決定的なピンチとなったが、宮嶋がパスコースを切りながら相手のシュートをブロック。ビッグプレーで失点を防ぐ。

勝ち点1相当のシュートブロックを見せた宮嶋
85分。福島紗がカットインから野口にくさびを打ち込み、野口のダイレクトの落としに田中紗が反応。田中紗もダイレクトで野村の裏を狙うが、タイミングが合わず。チャンスには至らない。86分には森原の左足フィードを野村が受け、野口とのワンツーからロングシュート。しかし、枠を捉えることはできない。88分にも福島紗がボックス内で左足シュート。これもバーを越えたが、終盤にかけて徐々にペースを握り始める。
90+1分には野村が相手キーパーのポジションを見てミドルシュート。セーブに遭うが、得点の匂いが漂ってくる。しかし、ほどなくして試合終了。TEAM2026の3戦目は、1―1の引き分けで勝ち点1を獲得する結果となった。
試合を通して相手のプレースピードとテクニックに翻ろうされ、劣勢を強いられた。落ち着かせるきっかけをなかなか見出せず、後半は途中までハーフコートマッチに近い形となってしまった。それでも、3バックを中心とした粘り強い守備で、流れの中からの失点をしなかったことは良い要素の一つと言えるだろう。
また、得点シーンを含め攻撃の良い形も見られた。森原(74分からは田中紗)と佐藤が相手ダブルボランチを引き付け、野口が相手CB1枚を吊り出し、野村と相手CBとの一対一のスピード勝負に持ち込んでチャンスをつくっていた。相手2CBが出てこない際は中盤での数的優位を突き、抜群のパスワークで前進していた。
一方、押し込まれる時間が続いたこともあり、強みである両WBの岩田(74分からは森原)・福島紗の推進力やクロスを活かしたサイド攻撃はなかなか仕掛けられなかった。

堅守と素早い切り替えが光った岩田

大学リーグ初アシストを記録した福島紗
それでも、強豪ひしめく1部リーグの中でもトップクラスの相手に立ち向かい、勝ち点を獲得したことは、残りの19試合に大いに活きてくるだろう。
次節はアウェイの日本体育大学戦。4月26日の16:00キックオフだ。

【インタビュー】
野口初奈(環4・十文字)

――今日の試合に向けてどんな準備をしてきたか
東洋大学は去年1部優勝という強豪の相手だったので、勝ち点1以上取ろうという気持ちで臨んでいて、試合の展開としてはボールを回されて自分たちのチャンスは少ない数になるというのは予想できていました。その中でも「相手に回されるのではなく自分たちが回させる気持ちでいよう」という風に準備していて、今日はチーム一丸となって最後まで走り切れたと思います。
――回される時間が続いたが、チームとして良かったところは
やはりディフェンスラインが声をかけて、最後に体を張って守ってくれたところです。去年もそうでしたが、今年も慶應のディフェンスラインは1部の中でもしっかりと守れる選手が揃っていると自信を持って言えるので、そこが良かったと思います。
――後半、守備の際に佐藤選手を前に出すのか否か左サイドで何度もコミュニケーションを取っていた
前半は相手の右サイドハーフの選手の足が速くてラインが高く、サイドバックの選手が中に入る動きをすることが多かったので、自分と凜(佐藤)でしっかりとコースを消しつつ、下で回させるというのを意識してやっていましたが、後半はそのサイドハーフの選手が(低い位置に)下がって、下がったところのスペースをセンターバックの選手やフォワードの選手が使おうとする動きが後半始まってすぐにあったので、凜とセンターバックのひかり(宮嶋)と話し合って修正を試みました。少し曖昧になってしまった部分はありましたが、それでもなんとか守ることはできたと思います。
――試合後、野村主将から「自分たちのスタイルを貫いて取った勝ち点1に大きな意味がある」という話があった。次節に向けてこの結果をどうつなげていきたいか
1部に入ってこの3試合得点はできているので、自分たちの攻撃が通用しているという部分に自信は持ちつつ、やはりセットプレー(の守備)や最後に失点するというのは2部と違うところで、最後まで無失点で終われるかが勝ち点3になるか1になるかというところだと思うので、次節からセットプレーも含めて無失点でいきたいと思います。
-
スタメン図①
-
スタメン図②
-
74分以降①
-
74分以降②
-
各地の結果
-
慶大試合結果&予定
-
順位表
(取材:柄澤晃希)








