【ラクロス(女子)】2点差の壁崩せず 悔しさ残る早慶戦に/第34回早慶ラクロス定期戦

女子ラクロス

照りつける太陽のもと、日吉グラウンドで第34回早慶ラクロス定期戦が行われた。ホームでワセダを迎え撃った慶大は、2点ビハインドを2度背負いながらも、重村百香(総4・学習院女子)、宮原紫乃(法2・慶應女子)の得点で粘り強く追いつき、第3Q終了時には4-4の同点に持ち込む。しかし最終Q、イエローカードによる数的不利の時間帯に連続失点を喫すると、その後は相手の堅い守備を崩し切れず。試合は4-6で敗れ、悔しい黒星となった。

 

♢スタメン♢

AT#16 井口穂(総3・日本大学)

AT#39 重村百香(総4・学習院女子)

MF#8 藤田恭子(法3・学習院女子)

MF#50 葛西里保(医4・International School Manila)

MF#77 安達心結(法4・日本大学)

DF#14 柏木彩希(経3・慶應湘南藤沢)

DF#30 佐藤優衣(経4・県立湘南)

DF#34 都村沙枝(文4・雙葉)

DF#83 松岡楓恋(法4・慶應湘南藤沢)

G#51 矢嶋千穂(文4・東京学芸大付属)

 

♢得点♢

 

1Q

2Q

3Q

4Q

慶大

早大

慶大得点者

重村(1)、宮原(1)

 

重村(1)、宮原(1)

 

 

2021年の第29回大会から早慶戦5連覇を達成している慶大。通算成績でも25勝6敗1分と、これまでワセダを大きく上回ってきた。しかし、近年のワセダも着実に力を伸ばしている。慶大は2021年に関東リーグ準優勝、2022年にはリーグ戦優勝と全日本大学選手権制覇を成し遂げたものの、その後3年間はリーグ戦でブロック3位、3位、4位と苦しい戦いが続いている。一方のワセダは、2024年に全日本大学選手権を制覇。さらに2025年はリーグ戦をブロック1位で通過し、関東リーグ準決勝まで勝ち進むなど、着実に結果を残してきた。

7月の関東リーグ戦開幕を前に行われる一戦。両校がどのような戦いを見せるのか、注目が集まった。灼熱の太陽が照りつける中、会場には多くの観客が詰めかける。それぞれのスタンドからは応援団の声援やハリセン、太鼓の音が響き渡り、伝統の一戦にふさわしい熱気に包まれた。

DF・柏木彩希、DF・佐藤優衣、DF・都村沙枝 (左から)

試合開始のドローを獲得し、流れをつかみたい慶大。しかし敵陣でパスが乱れると、相手の勢いに押されてしまう。G・矢嶋千穂(文4・東京学芸大付属)を中心としたDF陣が壁となり、必死に相手の攻撃をしのぎ続けるも、3分、ゴール裏で相手のパスをカットしようとディフェンスが集まった一瞬の隙を突かれ、先制点を許してしまう。さらに6分には、慶大のラインアウト後、相手が自陣から素早くリスタート。そのまま一気に駆け上がりシュートを決められ、2点のリードを許す苦しい展開となる。それでも7分、ドローを獲得すると、左サイドでパスをつなぎ、最後は重村がシュートを決め、1ー2に。重村のゴールで勢いに乗った慶大は、第1Q終了間際、相手ファウルから得たFSを宮原が確実に沈め、2-2の同点で第1Qを終える。

MF・宮原紫乃


同点に追いつき勢いに乗る慶大は、序盤から相手陣地でプレーする時間が増える。時折相手の攻撃を受ける場面もあったが、G・矢嶋の好セーブやDF陣のプレッシャーが光り、追加点を許さない。ボール保持では優位に立つ慶大だったが、相手の堅い守備を崩し切れず、攻めあぐねる時間が続く。このままスコアは動かないかと思われたが、タイムアウトを経てリズムを取り戻した相手の攻撃を受けると、FSを献上。相手のミスもあり一度はしのいだものの、こぼれ球を拾われ、サークル左側からシュートを決められてしまう。再び2ー3とリードを許したまま、試合を折り返す。

 


早く追いつき逆転したい慶大は、葛西里保(医4・International School Manila)がドローを獲得すると、一気に攻撃を展開。安達心結(法4・日本大学)が放ったシュートは相手Gに阻まれる。しかし直後、素早いカウンターを受け、あっという間に自陣ゴール前まで運ばれると、そのままシュートを決められ、2-4とこの日二度目の2点差をつけられてしまう。

 

それでも慶大は諦めない。葛西を中心にドローを支配し、相手ゴールへ迫る攻撃を続けると、6分、相手ファウルから得たFSを宮原が決め、3-4に迫る。さらに3分後にも再びFSを獲得。こぼれ球をつなぐと、相手ゴール裏へ回り込んだ重村がシュートを決め、4-4の同点に追いつく。その後はDF陣にも好プレーが続き、逆転ムードが漂う中、勝負の最終Qへ突入する。

主将/G・矢嶋千穂

逆転への期待が高まる中で始まった最終Qは、アクシデントから幕を開ける。相手のドロー後のドリブルを止めようとしたプレーがファウルとなり、イエローカードを受けてしまう。慶大は3分間、1人少ない状況で戦うことに。相手はその数的優位を見逃さない。直後にゴールを決められると、さらに2分後にはFSから追加点を奪われ、4-6と再び2点差に引き離される。その後も慶大は攻撃を仕掛け続けるが、相手の守備はより一層堅くなり、ゴールが遠い。それでも試合終了5分前、相手ボールを奪ってカウンターを展開。安達が放ったシュートは惜しくもゴール手前で跳ね上がり、枠を越えてしまう。続くFSも相手の激しいプレッシャーに阻まれ、シュートまで持ち込めない。残り1分を切ると、相手にボールを回され、そのままホイッスル。最後まで立ちはだかった2点の壁を崩せず、慶大は4-6で敗れた。

試合後


総評

リードを許しながらも、そのたびに粘り強く追いついてみせた慶大。最後まで諦めずに戦い続ける姿勢からは、チームの執念が感じられた。しかし終盤は数的不利の時間帯も響き、最後の局面で相手の気迫と勝負強さが上回る結果となった。試合を通して課題としてあがったのは、攻撃時のパスミスだろう。相手ゴール前まで迫りながらも、ラストパスがつながらず、決定機を作り切れない場面が目立った。一方でワセダは、少ないチャンスを確実につなぎ、得点へと結びつけていた。

それでも、守備・攻撃ともにスタメンだけでなく途中出場の選手も含め、全員が果敢にプレーしていた。特にドローでは慶大が優位に立ち、そこから攻撃のリズムを生み出していた点は大きな収穫ではないだろうか。悔しさの残る敗戦とはなったが、この経験を7月から始まるリーグ戦へどうつなげていくのか。今後に期待が高まる一戦であった。

 

(取材・記事:野口ことみ、岡里佳、長掛真依、神谷直樹、河村怜、岸田紗耶子、北畠海光、桜井美緒、島森沙奈美、髙木謙、根本佳奈、御供風月)

 

▽以下、選手インタビュー:矢嶋千穂/葛西里保/重村百香/宮原紫乃

 

主将/G・矢嶋千穂(文4・東京学芸大付属)

ーー今日の試合を振り返って

これが今の私たちの実力です。試合経験の少ない選手が多いチームであり、これから伸びていく段階にあることは間違いありません。しかし、現時点の力がこれであることを真摯に受け止め、この結果をいかに次への改善に繋げていくかが重要だと感じています。

 

ーーGKとして、主将としてどのような覚悟で今回挑まれましたか?

昨年も3年生として早慶戦を経験しましたが、その時はゴールキーパーとしてゴールを守り、ゲームをコントロールすることだけに集中すればよく、精神的な余裕もありました。しかし今年は、ゴールを守るという責任に加え、主将としてチーム全体を俯瞰しなければなりません。自分の中でその切り替えは非常に難しかったです。ただ、その両方を背負っているからこそ、プレーでチームを引っ張ることはもちろん、精神的な支柱として存在することを強く意識していました。

 

ーーチームとして意識していたことは?

弱気にならず、攻めの姿勢を貫くことを徹底しました。試合中に負けている時こそ、気持ちが落ち込むと相手の波に飲まれてしまいます。だからこそ、どんな状況でも「強気の攻めと守りをしよう」とチーム全体で声を掛け合い、意識し続けました。

 

ーーリーグ戦に向けての意気込み
現時点では、本当に発展途上のチームです。ですが、ここからが本当の勝負だと思っています。負けた分だけ強くなれると信じていますし、この状態からリーグ戦で勝つために必要な努力の量は明確です。そこをチーム一丸となってやり切り、「慶應、強くなったな」と周囲を驚かせるような下剋上を、リーグ戦で見せつけたいと思います。

 

葛西里保(医4・International School Manila)

ーー本日の試合を振り返って

立ち上がりから自分たちのミスが続いてしまって、試合の流れを持っていかれてしまいました。今日の試合は4点しか取れなくて、チームとしてもっともっと得点しなきゃなと思いました。

 

ーードローからのフィールド全体を使った躍動感のあるプレーが印象的でした。ご自身のプレーに関してはいかがでしたか?

ドローを取ってチームに流れを引き入れることが目標だったので、しっかり実現できたのはよかったと思っています。ただ、オフェンス面で練習してきたことが発揮できなかったので、個人技術を磨きながら、もっとチームコミュニケーションを取っていきたいです。 

 

ーーリーグ戦に向けて

ドローたくさんとって、ポゼッションにして、たくさん攻めて点取ります!

 

重村百香(総4・学習院女子)

ーー早慶戦に向けてどのような意識で練習してきましたか?

 チームとしては、これまで(早大に)連勝してきているということもあって、早慶戦という特別な舞台に向けて、新チームが始まってから、個の力という部分を意識しながら、全員が主役になって活躍できるようなチーム作りを意識してきました。

 

ーー今日の試合を振り返って

 本当に悔しいっていう思いしかありません。でもこれが実力だと思っているので、この悔しさを忘れずに、今後も早稲田とリーグで戦うこともあると思うので、そこで勝てたらいいなと思います。

 

ーー本日、2得点の活躍でしたが、手応えは?

 自分がシュートを決めなきゃ、という思いがあったので、得点でチームに貢献できたということはうれしいなと思っています。でも、シュート率というところはまだ自分の課題なので、これからもっと自分で得点を決められるようになりたいなと思います。

 

ーー今後に向けての意気込み

 チームとして、今は伸びしろしかないと思っているので、この悔しさをバネに、今後リーグ戦で日本一を目指していきたいと思っています。

AT・重村百香

宮原紫乃(法2・慶應女子)

――今日の試合を振り返って

個人としてのミスが目立った試合で、実力不足を痛感しました。

 

――2度目の早慶戦となったが、どんな気持ちで試合に臨んだか

去年はシンプルにチャレンジするだけの早慶戦だったのですが、今年はチームの見え方だったり、自分の担う役割が増え、去年とは全く違う気持ちで挑んだ早慶戦でした。一方で「楽しむこと」を意識するという部分は去年と変わっていなくて、そこに関しては徹底できたと思います。

 

――フリーシュートからの2得点を振り返って

自分の仕掛けが相手に警戒されていた中で、普段あまり自分がやらないパターンのフィニッシュにチャレンジできました。そこはすごく良かったのかなと思っています。

 

――7月から始まるリーグ戦に向けて

チームとして、全員でこの負けを受け止めて、次につなげていくしかないと思います。個人としては、リーグ戦での日本一に向けて自分がやるべきことをしっかりやっていきます。自分は2年生なので、チャレンジし続けることは忘れないようにしたいと思っています。たくさん挑戦して、失敗から学んで、肝心な場面でシュートを決め切れるような選手になれるように頑張ります。

 

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