【ラグビー】法政大の粘りに苦戦も 終盤の2トライでシーソーゲームを制する/第15回関東大学ラグビー春季交流大会Bグループ 第8節 vs法政大学

ラグビー

春季交流大会4戦目、慶大は日吉グラウンドに法政大を迎えた。春季大会Bグループで3位につける法政大に対し、慶大は前半から試合の主導権を握る。しかし、法政大の粘り強いディフェンスの前にトライを奪いきれず、前半をスコアレスドローで終える。巻き返しを図った後半、47分にこの日が黒黄デビューとなった李知成(理1・慶應志木)がモールから先制トライを挙げる。しかし、この後はお互いにトライを取り合うシーソーゲームとなる。それでも、終了間際に小林祐貴(政2・慶應)、森航希(環4・桐蔭学園)のトライで突き放し、26-19で勝利を収めた。これで春季大会は4連勝となり、最終戦となる次戦・帝京大戦は優勝決定戦を兼ねることとなった。

 

2026年6月14日(日)第15回関東大学ラグビー春季交流大会Bグループ vs法政大学 @慶大日吉グラウンド

 

〇慶大 26{0-0,26-19}19 法政大●

第15回関東大学春季交流大会Bグループ 第8節

慶應義塾大学

2026/06/14(日)
13:00 K.O.
@慶大日吉グラウンド

法政大学

前半

後半

 

前半

後半

トライ(T)

コンバージョン(G)

ペナルティゴール(PG)

ドロップゴール(DG)

26

19

26

合計

19

47分 李(T)

48分 小林(G)

68分 李(T)

 

 

73分 小林(T)

74分 小林(G)

79分 森(T)

80分 小林(G)

得点者

 

 

 

 

63分 福本(T)

64分 渡辺(G)

 

71分 福本(T)

 

84分 福本(T)

85分 渡辺(G)

慶應義塾大学

先発

#

氏名

身長(cm)/体重(kg)

学部学年

出身校

1

山北 響己

178/108

経2

慶應志木

2

井吹 勇吾

175/101

環3

桐蔭学園

3

中谷 太星

180/115

環3

東福岡

4

本田 李成

180/93

政2

慶應

5

トーマス ニコラス パパス

199/106

総2

Anglican Church Grammar School

6

恩田 優一郎

177/100

政4

慶應

7

茅 万希司

179/84

環2

慶應

8

中野 誠章

176/105

文3

桐蔭学園

9

尾関 航輔

166/70

政2

慶應

10

小林 祐貴

168/78

政2

慶應

11

草薙 拓海

176/88

政2

桐蔭学園

12

脇 龍之介

171/83

商3

慶應

13

諸田 章彦

172/82

環3

桐蔭学園

14

小野澤 謙真

180/88

環3

静岡聖光学院

15

田村 優太郎

174/80

総3

茗溪学園

リザーブ

16

李 知成

172/90

理1

慶應志木

17

鈴木 将智世

173/97

法4

慶應

18

浦城 尚生

176/105

商3

慶應

19

髙橋 優太朗

181/97

商2

慶應

20

山﨑 太雅

189/107

商2

県立浦和

21

申 驥世

175/97

文2

桐蔭学園

22

森 航希

170/75

環4

桐蔭学園

23

小坂 莉央

174/78

環1

Wellington College

24

横山 卓哉

177/85

総2

報徳学園

25

笠原 悠真

178/83

経4

慶應

26

大澤 蒼生

178/80

理1

慶應志木

法政大学

先発

#

氏名

身長(cm)/体重(kg)

学年

出身校

1

西垣 眞之介 

177/110 

大分舞鶴

2

藤倉 悠輝

176/95

流経大柏

3

花澤 祐太

175/105

法政二

4

森 将太郎

185/94

國學院久我山

5

山内 滉太

191/108

昌平

6

三浦 幹太

184/91

秋田中央

7

大沢 空

172/90

秋田工業

8

植浦 慎仁

180/100

報徳学園

9

林 友來

174/74

天理

10

浦 太我

173/76

佐賀工

11

炭竈 柚斗

174/105

報徳学園

12

佐川 一眞

174/82

専大松戸

13

渡辺 圭祐

181/95

中部大春日丘

14

福本 耀

175/86

報徳学園

15

須田 琥珀

171/75

尾道

リザーブ

16

木本 慶祐

175/100

尾道

17

岡本 優心

175/127

昌平

18

足達 将太

181/107

山梨学院

19

金田 遼平

183/96

國學院久我山

20

森下 響介

178/92

法政二

21

箕輪 大地

169/73

石見智翠館

22

小林 利仁

170/73

昌平

23

宮本 和弥

170/77

昌平

24

諏訪 賢介

187/100

茗渓学園

25

工藤 大和

168/85

清真学園

26

星野 瑛太

184/85

明和県央

 

戦評

先週、約1ヶ月ぶりに再開した関東大学ラグビー春季交流大会。慶大はホーム・日吉グラウンドに法政大を迎えた。敵地・熊谷で快勝を飾った勢いをそのままに、ここまで2勝1敗として帝京大、慶大に続くグループB3位につけている古豪・法政大を倒し、優勝戦線に残れるかに注目が集まった。

試合開始前、気合を入れる脇と諸田のCTBコンビ

法政大のキックオフで始まった試合は、立ち上がりから両軍がキックを蹴り合う拮抗した展開となる。2分、SO小林のタッチキックで陣地を回復すると、ハーフウェイラインでの相手ボールラインアウトをFLがスティール。ここから蹴り合いの展開に持ち込むと、FB田村優の絶妙なキックとWTB草薙のチェイスでエリアを進める。しかしこの後のラインアウトで反則を取られ、決定機に繋げることはできない。

続く6分、相手のラインアウトのミスを起点にCTB諸田が相手の背後にグラウンダーのキックを供給。再獲得とはならずタッチを割ったが、今度はLOパパスが相手ボールのラインアウトをスティール。素早く左右にパスを回してラインブレイクを図るが、法政大のスピーディーなラインメイクの前に突破口を開けず、スローフォワードの反則を取られ、ここも敵陣深くに侵入することができない。

ハドルを組んで戦術を確認する慶大フィフティーン

先制のきっかけを掴みたい慶大は25分、FW陣による近場の細かいパスワークで接点をズラしながらじりじりと陣地を進めると、ラックサイドに出来たスペースを突いてFLがピック&ゴーでラインブレイク。鋭いステップでタックラーをかわし、一気に22mラインの内側に進入。しかしサイドへの展開でパスが乱れ、ここもトライには結びつかなかった。それでも、横幅の広いディフェンスラインを敷く法政大に対し、中央を崩してのチャンスメイクで揺さぶりをかけることに成功。徐々に主導権を手中に収め始める。

ゲインする茅

中央の防御に意識が向いた中で、今度はBK陣がサイドを突く。33分、FB田村優からのロングパスを受けたWTB小野澤が得意の〝うなぎステップ〟でタックラーをいなすと、一気に加速してディフェンスラインを置き去りに。しかし、サポートに入った田村優へのリターンパスが乱れる。38分には、マイボールスクラムでアドバンテージを得ると、SO小林小野澤へ長いキックパスを供給。スピードに乗った小野澤がインゴールに向かうが、間一髪で相手のタックルを受け、ここもあと一歩のところで先制トライを逃す。

タッチライン際を駆け抜ける小野澤

前半終了間際の42分。ラインアウトモールでインゴールに迫り、HO井吹がボールを持ち出してグラウンディングを試みたが、これも法政大の粘り強いディフェンスに阻まれてタイムアップ。

インゴールに迫る井吹

序盤のにらみ合いで後手に回らず、相手ボールのラインアウトのスティールをきっかけに糸口を掴み、時間の経過とともに主導権を握った慶大。エリア、ボールポゼッションともに法政大を圧倒し、何度も何度も敵陣深くに進入しながら、粘り強い法政大のディフェンスに阻まれ、最後の最後でトライを奪いきることが出来ず、スコアレスで試合を折り返すこととなった。

後半開始と共に、慶大は選手交代を決断。PR山北に代えてHOを、PR中谷に代えてPR浦城、NO8中野に代えてFLを投入。井吹がPRへ、恩田がNO8に入る大幅なシャッフルを行った。

後半の立ち上がりも蹴り合いの展開となったが、43分にFLがこの日2度目となるラインアウトスティールを見せ、セットピースから流れを作っていく。45分、SO小林のショートパントをが再獲得する。これで敵陣に侵入した慶大は、FB田村が相手の背後に絶妙なグラバーキックを転がすと、これをNO8恩田とWTB小野澤がプレッシャーをかけ、5mライン上でのマイボールラインアウトを獲得する。

ボールを再獲得した脇

味方に指示を出す恩田

前半は法政大の粘り強いモールディフェンスに苦しんでいた慶大だったが、相手の圧力を逃がしながら巧みにモールを動かすと、最後は〝初黒黄〟の1年生HO・がグラウンディング。待望のトライを奪った慶大が47分に先制する。さらに、SO小林がコンバージョンを沈め、点差を7点とする。

モールを最後尾から指揮する李(中央)

再開直後の49分、敵陣でボールを奪われ、オープンサイドに展開されディフェンスラインが揃わないまま法政大のカウンターを受けるが、安易に飛び込まず冷静にランコースを限定したFLが鋭いタックルを決めると、すかさずCTB諸田がラックに絡んでノットリリースザボールを誘発。ピンチの芽を確実に摘み取る。このままリードを広げたい慶大は51分にFB田村に代えて大澤をWTBに投入し、小野澤がFBに移動。53分にはLOパパスに代えて山﨑を、SH尾関に代えてをピッチに送る。

59分、法政大のキックを使った攻撃で自陣5mまで押し込まれることとなるが、ここで慶大伝統の粘り強いディフェンスがさく裂。法政大の近場への突撃を何度も何度も食い止め、最後はノックフォワードで窮地を切り抜ける。この後も我慢の時間帯が続くが、〝魂のタックル〟でリードを堅持する。もう一度慶大が主導権を握るべく、62分にはCTBに代えて横山を投入する。

しかし63分、左サイドのエッジからラインブレイクを許すと、スピードに乗った法政大の選手を止めきれず、ついにトライを許す。さらにコンバージョンも決められて同点とされる。

流れを取り戻したい慶大は67分、横山からのオフロードパスを受けた草薙が快足を飛ばして約30mのビッグゲインを見せると、さらに相手の反則を誘発して5mラインアウトを獲得する。このラインアウトから再びモールを組んだ慶大FW陣は一気にインゴールへなだれ込み、最後は再びHOがトライ。昨年度の花園でモールを武器に2勝を挙げた慶應志木高校でHOとしてトライを量産したが、得意のモールから2トライを挙げる活躍を見せ、慶大は再びリードに転じる。ここで慶大はCTB諸田に代えて笠原を投入した。

トライを奪った李を称える森(左)

このままリードを保ちたい慶大だったが、71分に法政大にキッカーがボールを再獲得してそのままインゴールに飛び込むスーパープレーが飛び出し、再び同点とされる。前半はHOを務め、後半はPRに回った井吹をここでベンチに下げ、鈴木をピッチへ送る。

試合再開直後の73分、キックオフで素早くディフェンスラインを押し上げプレッシャーをかけてボールを奪い返す。すると、続くアタックでSO小林からのフラットなパスを受けたFLが前転でタックラーを2度剥がすパワフルなゲインを見せ、ディフェンスラインを突破。のサポートに入りリターンパスを受けた小林がインゴール中央にトライを決め、自らコンバージョンを沈めて19-12とする。

快速を飛ばす小林

再開後、法政大の攻撃をしのぎ、点差を守りたい慶大は76分、ディフェンスに絶対の自信を持つ副将・笠原が相手のパスワークを読み、ランコースに先回りして低いタックルを決めると、圧倒的なワークレートを誇るが絡んでペナルティを誘発。続く77分にはCTB横山が鋭い出足でタックルを突き刺しノックフォワードを誘った。ここぞの場面でビッグタックルを連発し、勝利を大きく手繰り寄せる。

鋭いタックルを浴びせる笠原(手前)ボールに絡むのは横山

78分、相手のペナルティから敵陣でラインアウトを得た慶大は、FLに代えて高橋を投入しFWのエネルギーを再注入すると、ラインアウトからモールを組んでじわじわと敵陣に迫る。最後はパスダミーで意表を突いて自らボールを持ち出したSHがトライを決め、2トライ2ゴール差として勝利を確実なものとした。

トライを決めた森

この後、SO小林に代えて小坂を投入。小坂は公式戦デビューとなった。

このまま試合を終えたい慶大だったが、キックオフから法政大の執念の猛攻を受ける。粘り強くタックルを決め続けていた慶大だったが、最後はロングパスでサイドを攻略されてインゴールを明け渡し、最終スコア26-19としてノーサイドを迎えた。

前半はディフェンスで、後半はアタックで、粘り強く食らいついてきた法政大を振り切り、今大会初となるきっ抗したシーソーゲームを制した慶大。トライを奪いきる決定力の部分に課題を残した一方、僅差の試合展開でも動じることなく勝ち切る勝負強さはこの試合最大の収穫だ。

この試合をもって、春季大会Bグループ優勝争いの行方は、翌週に迎える帝京大との全勝対決に持ち越されることとなった。その帝京大はこの春、春季大会で毎試合60得点以上を挙げているだけでなく、招待試合で明大、早大を倒している。昨年、大学選手権の準決勝で涙をのみ、日本一へのリベンジに燃える常勝軍団を相手に、慶大は勝利を掴むことが出来るか。新チーム始動より徹底されてきた「ALL IN」の真価が問われる。

 

選手インタビュー

♢李知成(理1・慶應志木)

--メンバー入りを告げられた時の心境

1週間前からシニアのグレードに参加させていただいていて、メンバー選ばれるか選ばれないかっていうところで練習を頑張ってきて。そこで、メンバーに選ばれて嬉しい気持ちと同時に緊張しました。

--今日の試合を振り返って

今日は、小林(祐貴=政2・慶應)先輩からもラインアウトだけ集中していればいいよって言われていてラインアウト頑張ったんですけど、最初ノット(ストレート)をしてしまって、その次もオーバーとかしてしまって、、、ちょっと緊張しましたが、後半から立て直すことができました。ただ、もうちょっと改善できる部分があったかなと思います。

--前半にモールで取り切れないシーンが続いていた中で、モールをコントロールする上で意識していたことは

スペースが空いたら出ようっていうのは思っていましたが、FWの先輩方がめちゃくちゃ強くて、どんどん前に押してくれたのであとはもうトライ、グラウンディングするだけだったので。特に意識はしていないんですけど、スペースが空いたら出ようっていうのは考えていました。

--次戦・帝京大学戦に向けて

次戦は上のグレードで出れるかわからないですけど、できる限りの準備をして次戦の帝京で安定したセットプレーと自分の得意なプレーで勝てるように頑張ります。

--ルーキーイヤーの目標は

1年間の目標は、上のグレードに定着して色々な試合に出て、経験を積んで、勝利に貢献できるように頑張ります。

 

♢申驥世(文2・桐蔭学園)

--今日の試合を振り返って

早稲田、明治終わって、この前の立正を踏まえて、反省した内容、相手の敵陣に入った時に取り切るところなど精度にこだわってやってきたんですけど、結局取りきれなくて。自分たちの甘さが出た試合でした。逆転して勝ち越しして、2トライ差をつけたのに最後トライを取られてしまう場面があったので、自分たちはまだまだだなっていう。弱いチームはあそこで取られてしまうから弱いし、強いチームになりきれていないので。負けた反省を生かしきれていないなっていうのが今日の試合の感想です。

--後半の頭、0ー0という状況での投入だったが、どういうところを改善するように声掛けした/プレーで心掛けたことは

ラグビーの構造とかやりたいことは出来ていましたが、自分たちのディテールの精度のところが出来ていなかったので。本当に簡単なことですけど、精度を高くして、自分たちがこだわっていた動き出しを全部早くセットして、余裕をもってアタックするところをもう1回やり直そうという話は言いました。自分的には後半40分だけって決まっていたので、エナジーを出せるようにっていうのは意識していました。

--小林祐貴(政2・慶應)選手のトライをアシストしたシーンのビッグゲインを振り返って

あれは、中盤にスペースが見えていて、そのことをボールをもらう前から小林に言われていたので、空いたスペースに走り込むだけでした。(最後のパスは)小林がいいところにいたので。良い準備があって、良いトライに繋がったのかなと思います。

--ディフェンス面での活躍も印象的だったが、意識していたことは

ディフェンスは、前半タフな試合で後半もきつい展開だったので、(ディフェンスラインの)内側の上がりが弱くなるっていうのはわかっていたので。特にBKで内を行かれたところを止めようっていうのは今日の試合だけじゃないですけど、意識していたところだったので。そこが上手くカバー出来たのかなと思います。

--U-20代表活動に向けての意気込み

自分は授業の兼ね合いもあり、色々難しいところがあって。一度、ニュージーランド遠征を辞退していました。ジョージア遠征も本当は行かないはずだったんですけど、青貫監督とUー20の大久保監督、文学部の教授の先生方のご協力があって、3週間だけ行けることになったので。感謝を忘れずに、結果で返せるように思い切って自分の強みを発揮してやりたいと思いますし、ただU-20に参加するだけじゃなくて慶應で日本一になるのが1番の目標なので。そこに持ち帰るものがあるように良い遠征にしたいなと思っています。

 

(取材/記事:髙木謙、根本佳奈)

タイトルとURLをコピーしました