前期リーグ戦最終節となった流経大戦に敗れ、8位での折り返しとなった慶大。後半戦での巻き返しへ弾みをつけるため、そしてなによりこの大会上位10チームが手にする総理大臣杯への出場権を得るために勝利が欲しい慶大は、2部を首位で折り返すこととなった産能大との一戦に臨んだ。前期リーグ戦ではホーム下田で終了間際の2失点で敗れた産能大に対して3バックを採用した慶大は、リーグで2番目におおい20失点と課題の守備に改善の兆しが見られるなど粘り強く戦っていたが、前半40分に相手陣内でボールを失うとGKのポジショニングを見て狙い澄ましたロングシュートを沈められ先制を許す。前半はこの1失点のみで折り返した慶大だったが、後半開始早々に立て続けに2失点。さらにPKで失点し0−4となる。75分に途中出場の小野翔大(経3・慶應)が田形昂生(政4・慶應)のクロスを頭で合わせ1点を返し、その後もオノノジュ慶吏(政2・前橋育英)や岡田由祐(商4・駒大高)のプレスなどから諦めない姿勢を見せ続けるも、試合はそのまま終了。1-4で敗れた慶大は「アミノバイタル®」カップ3回戦敗退。全国の頂への道となる総理大臣杯の切符を手に入れることはできなかった。
2026/6/19(金)11:00キックオフ@時之栖スポーツセンター 時之栖グラウンドA
【スコア】
慶應義塾大学1ー4産業能率大学
【得点者】
40分 産能大 中島颯太
52分 産能大 山下虎太郎
54分 産能大 石田怜也
70分 産能大 保竹駿斗
75分 慶大 小野翔大 (田形昂生)
【慶大出場選手】 | |
ポジション | 背番号 選手名(学部学年・出身高校) |
GK | 21 福井大次郎(経3・慶應/横浜F・マリノスユース) |
DF | 2 三浦成貴(商4・浜松開誠館) |
| 4 秋元心太(法3・駒大高) |
| 15 馬場翔大(商3・國學院久我山) |
MF | 30 堀ノ口瑛太(総1・神村学園) |
| 10 藤井漱介(商4・静岡学園) |
FW | → 79分 31 岡田由祐(商4・駒大高) |
| 7 朔浩太朗(理4・学習院高等科) |
DF | → 56分 5 田形昂生(政4・慶應) |
| 13 三浦大其(経3・慶應) |
| 18 川名駿祐(総4・興國) |
| → 56分 8 小野翔大(経3・慶應) |
| 23 山本凉(法2・桐蔭学園) |
FW | → HT 9 オノノジュ慶吏(政2・前橋育英) |
28 米田壮志(商3・都立青山高/横河武蔵野FC U-18) | |
MF | → 64分 14 石田航大(政4・慶應/ブリオベッカ浦安U-18) |
リーグ戦の前半戦が終了しておよそ2週間の準備期間を経て迎えたこの一戦。慶大はこの日、今季初めて3バック、3−4−2−1のフォーメーションを採用。三浦成貴(商4・浜松開誠館)、秋元心太(法3・駒大高)、馬場翔大(商3・國學院久我山)が最終ラインに入り、堀ノ口瑛太(総1・神村学園)と川名駿佑(総4・興國)がダブルボランチを形成。ウイングバックには左に朔浩太朗(理4・学習院高等科)、右に三浦大其(経3・慶應)が入り、産能大を押し込みにかかった。

馬場が今季初スタメンを飾る
立ち上がりはお互いに様子を伺う展開。その中で慶大はワントップに立った米田壮志(商3・都立青山高/横河武蔵野FC U-18)の裏抜けからチャンスを作りに行くも、決定機には持ち込めない。一方で守備面では、簡単に両ウイングバックが最終ラインに吸収されないような積極的な守備を見せると、最終ラインの3人も相手の攻撃をシャットアウト。リーグ最多失点と課題の守備の強化には2週間分の準備を感じられた。しかし、試合は思わぬ形で均衡が破れる。40分、敵陣で米田へ向けたパスを奪われると、慶大のビルドアップの特徴でもあるGKのポジションの高さをついて産能大陣地から50メートル超のロングシュートを選択。これがゴールに吸い込まれ、慶大は先制を許すことになった。前半はそのまま終了。0−1で前半を折り返す。
なかなか効果的にボールを前進しチャンスを作ることができなかった前半を踏まえ、慶大は後半開始からこの日シャドーのポジションに入っていた山本凉(法2・桐蔭学園)に代えてオノノジュ慶吏(政2・前橋育英)を投入し、推進力を増しにかかる。しかし次のゴールが生まれたのは産能大。52分、スローインからパスを繋がれると、最後は中央突破を許してゴールネットを揺らされてしまい、0−2となる。さらにその2分後には相手のCKから折り返しをゴール前で押し込まれ失点。立て続けの失点であっという間に点差は3点に。なんとか反撃の糸口を掴みたい慶大は3点目を許した直後、朔に代わって田形昂生(政4・慶應)、川名に代えて小野翔大(経3・慶應)を、さらに64分には最前線で奮闘していた米田に代えて石田航大(政4・慶應/ブリオベッカ浦安U-18)を投入。オノノジュがトップへ、小野がシャドーへ入り、ゴールを狙う。

攻撃の活性化を図る
しかし、70分、慶大の左サイドを突破されると切り返した相手選手の足を引っ掛けてしまいPKを献上。これを落ち着いて沈められ4点差にリードを広げられてしまう。このままでは終われない慶大は75分、自陣でボールを奪った三浦大が小野とのワンツーから左サイドへ展開し敵陣に侵入すると、田形のクロスに飛び込んできたのは小野。オノノジュをマークしていた相手DFの背後に走り込む小野の完璧な動き出し、それにピンポイントで合わせた田形のクロスと、途中出場の2人で反撃の狼煙を上げるゴールを奪ってみせた。

小野のヘディングで1点を返す
同点へあと3点が必要な慶大は79分、岡田由祐(商4・駒大高)がピッチへ。強度の高い快足プレスが武器の岡田をトップに投入し、前線からのショートカウンターやラインブレイクからの追撃を狙う。
83分には田形の攻撃参加から岡田にチャンスが訪れるもシュートまでは持ち込めず。その後もなんとか反撃の糸口を掴もうとするも、次のゴールを奪うことはできず試合は終了。1−4で敗れた慶大は「アミノバイタル®」カップ3回戦敗退が決定。総理大臣杯の切符を手に入れることはできなかった。

悔しい一戦となった
前半戦を振り返ってみると、リーグ戦で得点ランキング2位を走る三浦大の活躍や、プロ入りした角田や田中雄大のポジションに山本、堀ノ口ら下級生が台頭するなど、収穫もあった一方で、リーグ戦では2番目に多い失点数が響き8位、今大会でも2部でトップを走る産能大に敗れるなど、目標とする一部復帰へ向けて課題の多さも感じるものだったことも確かである。次の戦いは早慶クラシコ。早慶戦勝利は一部復帰と並んで掲げた目標だ。チームとしての総合値を高める夏を送り、早慶戦から始まる慶大の逆襲に期待したい。
(取材、記事:塩田隆貴、首頭千紘)

