【レスリング】笹沼拓己&松村朝矩が優勝 韓国遠征行きを決める!菅原大志はわずかに及ばず3位/令和8年度 東日本学生レスリング選手権大会(春季大会)2日目

レスリング

 令和8年度東日本学生レスリング選手権大会(春季大会)は大会2日目。主に全国大会の経験のある選手が出場する新人戦フリースタイルAと、大学から競技を始めた選手が中心に出場する新人戦フリースタイルBが開催された。

 慶大からは9選手が出場。優勝すれば今年12月の天皇杯の出場が決まるフリースタイルA61㌔級の菅原大志(商1・慶應)は、準決勝で大接戦の末ポイント判定負けを喫した。

 フリースタイルBは61㌔級の決勝が笹沼拓己(政3・淑徳)と飯澤山太郎(文2・國學院久我山)の慶大対決となり、笹沼が8−7で制した。70㌔級は松村朝矩(政2・慶應)が終盤の逆転で優勝。笹沼と松村は今年9月の韓国遠征行きを決めた。

 

令和8年度東日本学生レスリング選手権大会(春季大会)

2026年7月14日 @東京・駒沢オリンピック公園総合運動場体育館

 

※スコアはすべて慶大選手を左に掲載

新人戦フリースタイルA61㌔級

1回戦

菅原大志○[VSU 2:09=11-0]●堀内斗真(拓殖大学)

2回戦

菅原大志○[VPO 6:00=5-1]●怡土悠馬(神奈川大学)

準々決勝

菅原大志○[VSU 2:41=10-0]●山田謙心(東洋大学)

準決勝

菅原大志●[VPO 6:00=8-8]○山鹿辰士(山梨学院大学)

 フリースタイルA61㌔級には菅原大志(商1・慶應)が出場。慶應義塾高校時代から経験豊富な慶大の次世代エースだ。

 1回戦、序盤は攻め時をうかがう展開となる。2点を獲得するとさらに相手の左足へタックルを仕掛け、テイクダウンとそのままローリングでポイントを重ね11-0のテクニカルスペリオリティ勝ちを収め、2回戦進出を決めた。ロースコアとなった2回戦はパッシブから1点を先制されるが、盤石の試合運びで逆転勝ち。続く準々決勝は第1ピリオド終盤に畳み掛け、完封のテクニカルスペリオリティ勝ち。準決勝に駒を進める。

吾田鉄司監督が「考えながらレスリングをできている」と太鼓判をおすルーキー・菅原(赤のシングレット)

 準決勝は山鹿辰士(山梨学院大学)と初対戦。山鹿は今年4月のJOCジュニアオリンピックカップU20の準決勝で菅原を8−4で下した田島翼(日本大学)を、準々決勝で6−0て倒して勝ち上がってきた。

 開始1分20秒頃、菅原は持ち味の高速タックルで優位な体勢をつくると、粘られながらも2点を先制。さらに2度のローリングで6−0とリードし、第1ピリオドを終える。

第1ピリオドは菅原(赤のシングレット)ペース

 第2ピリオドは開始早々にタックルに入られるが、巧みに投げて2点を獲得。もつれから2点を返されるが6点の大きなリードを保つ。しかし、途中からは相手の強さとスピードに押され、立て続けに失点し8−8で試合終了。ラストポイントで逆転負けを喫した。

悔しい逆転負けを喫した

 今大会での今年の天皇杯(例年12月に開催される国内大会、明治杯と並んで最も格式高いシニア選手も出場する大会)の出場権獲得はならなかったが、今後の大会の結果次第で出場の可能性は残されている。まずは8月のインカレで3位以上を目指す。

表彰式の菅原(一番右)

新人戦フリースタイルB61㌔級

1回戦(準々決勝)

笹沼拓己○[VSU 1:24=10-0]●前多智洋(東京大学)

飯澤山太郎○[VFO]●小林紅稀(東京大学)

大谷相太●[VSU]○押野銀太(東海大学) ※スコア、試合時間は確認中

準決勝

笹沼拓己○[VPO 6:00=9-5]●大嶋英之(東京大学)

飯澤山太郎○[VSU 0:46=10-0]●押野銀太(東海大学)

決勝

笹沼拓己○[VPO 6:00=8-7]●飯澤山太郎

 フリースタイルB・61㌔級には笹沼拓己(政3・淑徳)、飯澤山太郎(文2・國學院久我山)、大谷相太(商1・多治見北)の3選手が出場。

 公式戦初出場の大谷は1回戦(ベスト8)で相手に4点技を二度決められるなど終始攻め込まれる展開となり、0-10のテクニカルスペリオリティ負けを喫した。

悔しいデビューとなった大谷

 昨年は準優勝に終わった笹沼の1回戦、開始約10秒で4点を先取すると、その後も相手の背後に入り、ローリングで得点を重ね、10-0のテクニカルスペリオリティ勝ちを収め、準決勝進出を決める。準決勝は序盤に4点技を決められるが、着実に加点し逆転勝ち。決勝に駒を進めた。

冷静な試合運びを見せた笹沼(赤のシングレット)

 6月にリーグ戦で初出場した飯澤は、相手の棄権により自動的に準決勝に駒を進める。準決勝は開始早々にテイクダウンから連続ローリングを決め、大勝で笹沼が待つ決勝に進出する。

快勝で決勝に進出した飯澤

 慶大対決となった決勝。吾田鉄司監督は試合前、「実績とテクニックのある笹沼」、「力が強く得意技のある飯澤」とふたりの特徴を語った。笹沼は「柔道ベースの投げに警戒しつつ自分の良さを出せたら」、飯澤はひと言「結果で魅せます」と意気込んだ。

 序盤は静かな展開で進む。第1ピリオドのうちに笹沼が2度、飯澤が1度パッシブを受けるなど、腹の探り合いが続く。飯澤が1点リードの第1ピリオド残り10秒、笹沼のタックルが短くなったところを飯澤が突き、反撃の4点技。飯澤のリードは5点に広がり、0−5で第1ピリオドを終える。

飯澤(青のシングレット)が先行

飯澤のセコンドは吾田監督

笹沼のセコンドは佐藤秀一郎(環4・八千代松陰)副将

 第2ピリオドは笹沼が2点を返すも、こう着状態が続く。大きく動いたのは2−5で迎えた残り40秒頃、飯澤が得意技の一本背負いを仕掛けるが、笹沼が冷静に対処しカウンターのテイクダウンで2点、さらにローリングで2点を挙げ逆転する。

笹沼(赤のシングレット)が逆転

 6−5で残り15秒、飯澤のタックルが笹沼の右足に入る。しかし、コントロールしきれずに笹沼がカウンターで2点、もつれから飯澤も2点を返すが、8−7で試合を終えた。

 吾田監督が話した両者の強みが発揮されたが、最後は笹沼の巧さが光った。笹沼は試合後、「相手が結構右に組んできてどんどん押してきたところで、自分の柔軟さを使って戦略的に力を流せて良かったと思います」と振り返った。

試合後のふたり(左:笹沼、右:飯澤)

新人戦フリースタイルB70㌔級

1回戦(ベスト16)

浅見遙人●[VPO 6:00=1-10]○佐々木創道(東海大学)

準々決勝

久保大河●[VFA 1:15=4-7]○松嶋進之介(中央大学)

松村朝矩○[VSU 4:05=12-2]●佐々木創道(東海大学)

準決勝

松村朝矩○[VIN 0:04=0-0]●吉井華将(国際武道大学)

決勝

松村朝矩○[VPO 6:00=3-3]●井上晟Andrew(国際基督教大学)

 フリースタイルB70㌔級には3選手が出場。1回戦(ベスト16)に臨んだ浅見遙人(経3・慶應)は、何度もタックルを試みるが、攻めきれずにバックを取られる展開が続き、ポイント判定負けを喫した。

攻めきれなかった浅見(赤のシングレット)

 準々決勝から登場の久保大河(経1・渋谷教育学園幕張)は公式戦初出場。序盤に5点を先制されるが、開始1分頃、スタンディングの状態から相手をコントロールし、4点技で1点差まで追い上げる。しかし、その流れからフォールに持ち込まれ、準々決勝で敗退した。

追い上げも及ばなかった久保(青のシングレット)

 6月のリーグ戦で初勝利を挙げた松村朝矩(政2・慶應)も準々決勝から登場。着実に加点し12−2のポイント判定勝ちで準々決勝を突破すると、準決勝は相手が負傷で開始早々に棄権。決勝に進出する。「集大成、背中で語ります」と試合前の松村。決勝はその言葉に違わぬ戦いを見せる。

パワーとメンタルが武器の松村(青のシングレット)

 第1ピリオドは大きな展開はなく、松村が1点を先取して終える。「相手があまり攻めてこないカウンタータイプだったので、前半はあまり攻めずに体力を温存して後半に持っていくプランでした」(松村)。

 第2ピリオド中盤、松村がアクティビティタイムで点を取れずに1−1。ラストポイントで逆転されると、直後にテイクダウンを決められ1−3と離される。しかし、ここからが松村の真骨頂。残り45秒頃、自他ともに認めるメンタルの強さを武器に「ずっと練習していた」と語る得意技の片足タックルで攻め込むと、足をかけて相手の体勢を崩し、コントロール。2点を挙げてラストポイントで逆転する。終盤は猛攻に遭ったが、最後まで集中してリードを守り切った。

タックルから逆転した松村(青のシングレット)

 「最初の方は同期にもずっと負けていて一番弱かった」と語る松村。入部からおよそ1年半の努力の成果を結果で示した。

 

新人戦フリースタイルB79㌔級

準決勝

福知泰一郎●[VSU 3:10=2-13]○竹中リオ(拓殖大学)

 フリースタイルB79㌔級には福知泰一郎(商1・慶應志木)が準決勝から登場。開始2分頃に2点を取るが、終始押されて2−11で第1ピリオドを終えると、第2ピリオド開始早々に2点を許しテクニカルスペリオリティで敗れた。

力強さを発揮したものの敗れた福知(青のシングレット)

新人戦フリースタイルB+79㌔級

準決勝

中島怜央斗●[VPO 6:00=2-6]○押野健太郎(立教大学)

 フリースタイルB+79㌔級には、前日はグレコローマン97㌔級で出場し、準々決勝で敗退した中島怜央斗(文1・S高)が準決勝から登場した。序盤からタックルに入られては粘る展開を繰り返すが、及ばずポイント判定負けとなった。

必死の粘りも敗れた中島(青のシングレット)

 優勝した笹沼と松村は9月の韓国遠征メンバーへの選出が決まった。

 

【大会後インタビュー】

笹沼拓己(政3・淑徳)

――今の気持ち

これまでずっとシルバーだったので、やっと優勝できて良かったです。

――この大会に向けてどんな準備をしてきたか

相手の特徴を分析することに力を入れました。決勝の相手(飯澤)は柔道ベースの投げが強い選手だったので、そこに警戒しつつ自分の片足タックルや組み手に力を入れて練習してきました。

――決勝は5点ビハインドからの逆転勝ちとなった

第2ピリオドは自分の強みでもある粘り強さを生かせたと思います。相手が結構右に組んできてどんどん押してきたところで、自分の柔軟さを使って戦略的に力を流せて良かったと思います。

――現在3年生というところで、残りのレスリング人生の目標

次の目標はまず韓国遠征があるのでそこを頑張りつつ、これから後輩たちもどんどん活躍してくると思うので、チーム全体で一体感を持って練習できたらと思います。

 

松村朝矩(政2・慶應)

――今の気持ち

めちゃめちゃ気持ちいいです!最高です!

――決勝を振り返って

相手があまり攻めてこないカウンタータイプだったので、前半はあまり攻めずに体力を温存して後半に持っていくプランでした。後半にタックルに入ったら2点取られてしまって焦りましたが、最後にずっと練習していた得意技の片足タックルが決まって、逆転できて良かったです。

――ロースコアの接戦となったが、試合中のメンタリティはどうだったか

最初は(相手の)パッシブで僕に点が入って、いけると思ったのですが、僕のパッシブで相手に点が入るタイマーが始まって焦った中で、なんとか持ち前のメンタルの強さを生かしてタックルに入れて良かったと思います。

――大学からレスリングを始めておよそ1年半、ここまでの道のりを振り返って

最初からこの大会で優勝して、韓国遠征に参加することを目標に1年半ずっと練習してきました。最初の方は同期にもずっと負けていて一番弱かったところから、今はこの大会で優勝できて韓国に行けるというところで、目標を達成できて嬉しいです。

――ご自身のレスリングスタイルについて

僕は左利きで他の人と構えが違うので、普通の人だったら両足タックルやハイクラッチに入るんですけど、僕は片足タックルが得意なのでそこを武器にしたスタイルです。

――8月のインカレに向けて

ここで優勝したことを自信に変えて、今回は未経験者が多い大会で優勝できたので、次は経験者を食ってかかっていきたいと思います。

 

(取材・記事:柄澤晃希、檜森海希)