【アメフト】早慶戦で刻まれた苦杯 開幕2連敗、光見えぬ船出/関東学生1部TOP8第2節vs早稲田大学

アメフト

昨年秋の早慶戦では、第3Qまでリードを奪いながらも第4Qに逆転を許し、今春の対戦でも後半に追い上げを見せながら勝利には届かなかった。幾度となく悔しさを味わってきた伝統の一戦で、これまでとは違う姿を見せ、雪辱を果たしたい慶大。しかし、試合は序盤から早大のラン攻撃に押し込まれ、攻撃の糸口をつかめないまま先制を許す。第2Qにも2本のTDを奪われ、前半を21ー0で折り返した。後半も早大の攻勢を止められず、35ー0と苦しい展開に。それでも第4Qには、DL・篠原晴(経3・慶應湘南藤沢)のファンブルリカバリーやQBサックなど好プレーが続く。さらに、WR・早川開志(総2・慶應NY)のパントブロックからWR・鈴木郁実(総4・公文国際)がTDを決め、一矢を報いた。終盤に意地を見せたものの、前半に広げられた点差を覆すことはできず、35-7で試合終了。慶大は開幕2連敗となった。

 1Q2Q3Q4QTOTAL
早稲田大学71414035
慶應義塾大学00077

 

2026年9月13日(日)18:00~ 関東学生アメリカンフットボール1部TOP8第2節vs早稲田大学 @アミノバイタルフィールド

第1Q

第1Qは早大のキックオフでスタート。これをRB・橋口塁(経4・慶應湘南藤沢)がキャッチし、ここからRB・橋口が素晴らしいランを見せ、自陣46ヤードまで回復する。この攻撃ではフレッシュを獲得できず、4thダウンでパントを選択するも、このパントで大きく陣地を回復し、相手陣5ヤードまで押し込む。キックオフリターンと4thダウンパントで早大オフェンスを大きく後退させる。しかし、ここから早大の強力オフェンスの猛攻にあう。相手RBの中央突破やQBのスクランブルなどラン攻撃を中心にフレッシュの獲得を許し続け、なかなか慶大に攻撃権が渡らない。そして、最後も相手RBの中央突破でタッチダウンを許した。キックも決められ7ー0と、慶大は1度も攻撃ができないままほぼコートを横断する攻撃を決められた。

反撃に出たい慶大はまたRB・橋口がキックオフリターンで大きく陣地を回復し、相手陣31ヤードまで押し込む。3rdダウンでQB・滝沢徹(経3・慶應)パスプレーが飛び出し、この日初めてのフレッシュ獲得に成功。相手陣12ヤードまで押し込む。何としても得点を奪いたい慶大は1st、2ndと攻撃が合わず、残り9ヤードでフレッシュ獲得としたところで第1Qが終了する。

第2Q
迎えた第2Q。3rdダウンでQB・滝沢はパスプレーを選択もここは合わず、4thダウンで慶大はフィールドゴール(FG)を狙う。17ヤードのFGであったが、これをK・北村朔也(商3・宇都宮短期大学附属)がまさかの失敗。ここは得点を奪えない。ここからまた早大に押し込まれる展開が続く。その中でも、LB・戸田旭(総1・慶應)のパスカットや将のDL・天野甲明(政4・鎌倉学園)のタックルなど好プレーが生まれる。
しかし、早大の勢いは止められず相手に約40ヤードのランを許してタッチダウン。キックも成功し、14ー0になる。さらに慶大は攻撃でターンオーバーを許し、そこからのディフェンスで最後はロングパスを許し、再びタッチダウン。キックも成功し、21ー0と大きくリードを広げられる。前半のうちになんとか得点を奪いたい慶大は DL・山田向洋(経4・慶應のQBサックやLB・戸田のインターセプトでターンオーバーなどディフェンスで好プレーが飛び出すが攻撃に生かしきれず、前半はこのまま終了した。早大のディフェンス陣の前に攻撃の糸口が見つけられず、防戦一方となった前半だった。
第3Q

追う展開で迎えた後半戦。K・並里桜輝(経2・慶應NY)のキックはタッチバックとなり、慶大ディフェンスからのスタートとなった。しかし、相手主将・長内一航(文構4・早実)の果敢なランを止めきれず、この日2つ目となるTDを許してしまう。 慶大は2プレー連続でWR・富安航大(経2・慶應)へのパスを試み、反撃の糸口を探る。しかし、いずれもつながらず、攻撃を立て直せないままターンオーバーを喫してしまう。この直後のシリーズで早大は再び果敢に攻め込み、TDを決める。慶大は35-0とリードを広げられ、さらに苦しい展開を強いられることとなる。慶大は反撃の糸口をつかめないまま、第4Qへ突入する。

第4Q

早大の攻撃から始まった第4Q。3&5の場面で、LB・井口知治(政2・慶應)が相手のパスをうまくカットし、早大をパントに追い込むことに成功する。ここでの慶大オフェンスも、セーフティの危機にさらされるなど自陣エンドゾーン付近まで追い込まれる。苦しい状況を打開できないまま、ターンオーバーを喫してしまう。

さらに早大がエンドゾーンを目指して攻め込み、残り5ヤードまで迫ったところで、DL・篠原が決死のファンブルリカバリー。ここで大きなビッグプレーが飛び出した。この後の攻撃では、WR・早川富安へのパスをそれぞれ成功させる。しかし、直後のプレーでインターセプトを許し、攻撃をつなげることができない。

続くディフェンスで、再びDL・篠原がQBサックをし、ビッグプレーが飛び出す。これを機に早大を4thダウンまで追い込み、パントへ。ここでWR・早川がパントをブロックすると、ボールはWR・鈴木にディフレクト。そのまま鈴木がエンドゾーンまで駆け抜け、TDを決めた。続くTFPでは、K・北村がキックを成功させ、35-7。スペシャルチームが意地の一矢を報いた。

この直後、K・服部文太(法2・慶應)のキックオフで試合が再開されると、ボールが早大の選手に当たり、SB・有満秀剛(商3・日大三)がこれをキャッチ。思わぬ形で再び攻撃権を得ることとなった。残り時間が1分を切る中、慶大は最後まで諦めず、チームに活気が戻る。 しかし、前半に広げられた点差が響き、そのまま試合終了。慶大は35-7で敗れた。

主将・天野甲明(政4・鎌倉学園)試合後インタビュー
ーー明大戦の敗戦を踏まえて、どういう声掛けをして今日を迎えたか

点差だけ見ると、僅差ですごい悔しい結果だったんですけど、あの後にみんなでビデオを見て確認したら、全然1点差よりも大きい差を感じました。それを踏まえて、1点差ほど僅差ではなかったよというのと、改めて自分たちの立場を感じて、心を入れ替えて早稲田に臨むぞという声掛けをしていました。

そして、この2週間頑張ったこととしては、サイドラインにいるメンバーがしっかり声を出したり、どんな状況でもポジティブな声を出して、中にいるメンバーたちをチアアップするだとか、助けるということを考えて、今日を迎えました。

ーー今日の試合を振り返って、率直にどう感じたか

もう率直に悔しいですね。僕たちがこの1週間、特にこだわってきたこととして、DHT、ディフェンス・ヒット・タックルというところで、絶対に早稲田に負けないということを掲げていたんですけど、やはりそこで負けてしまったというのが事実なので。自分たちの今までの道のりというのが甘かったんだなというのは、正直痛感しましたし、次節の東大はそのDHTにすごくこだわってくるチームなので、この2週間で改めて、みんなが接点やヒットのレベルを上げていこうと思っています。

ーー試合後、サポーターの皆さんに向けて、今日良くなかったところを修正して次戦に臨むという話がありましたが、具体的にどのようなところを修正しないといけないと考えているか

本当に何度もになってしまうんですけど、ヒットの質というのは、まず上げなきゃというのが、必要最低限としてあって、絶対にそれは再来週までにしないといけないので、そこは全力でやります。他にも、プレーのタイミングだったり、ディフェンスでもカバーの完成度とか、まだまだだなというのは思ったので、そこも修正して、クオリティを上げていきます。

ーー次節、東大戦に向けた意気込み

勝ちに飢えているんで、正直。負けてしまったことに関してはものすごく悔しいですけど、間違いなく一戦一戦、勝ちのその先のことも意識していきたいと思っています。今日もたくさんの観客の方に来ていただいて、そういうなかで負けてしまったのは本当に悔しいです。でも、自分たちのプレーで皆さんを沸かせたり、感動や良い雰囲気を与えられたりする試合を、次は絶対にしていくので、応援よろしくお願いします。

「勝利に飢えている」 0勝2敗から、東大戦で巻き返しへ

そんな慶大が次節立ち向かうのは、東大だ。昨年の東大戦では、残り3秒でサヨナラFGを決められ、あと一歩のところで勝利を逃した。そして今年も、開幕戦の明大戦で残り7秒からFGを外し、惜しくも敗戦。2年続けて、最後の一瞬に勝負を決めきれない悔しさを味わっている。

その明大戦とこの日の試合を落とし、慶大は0勝2敗と厳しいスタートを強いられている。ここまで勝利がないのは、慶大のほか東大、日体大。日大がBIG8に所属する今季は、例年以上にTOP8残留をめぐる争いも激しさを増している。

しかし、UNICORNSが見据えるのは「残留」ではない。目指すのは、全国の舞台に立ち、日本一をつかむことだ。

最後に主将の天野が語った「勝利に飢えている」という言葉。

その思いは、選手たちだけでなく、私たちUNICORNSサポーターも同じだ。

今年のスローガンは「ONE for ALL, ALL for WIN」。春のインタビューで天野にその意味を尋ねた際、「一般的な『1人はみんなのために、みんなは1つの目的のために』というだけでなく、アメフトの1プレー1プレー、スタッフの1つ1つの仕事、その『すべて(ALL)』が勝利につながるから全力でやろう、という意味も込めています。『ALL for WIN』にはダブルミーニングを込めました」と語ってくれた。そこには、プレーの一つ一つ、仕事の一つ一つに全力を注ぎ、何としてでも勝利をつかみ取るという、選手たちの勝利への貪欲さが込められている。

そんな思いを胸に戦う選手たちの努力の結晶を、私も一サポーターとして、最高の形で彼らの活躍を届けていきたい。次の東大戦、昨年言葉では言い表せないほどの悔しさを味わったこの一戦から、巻き返していく姿に期待したい。

 

(記事:水野翔馬、山内悠暉、写真:神戸佑貴、奥秋柚生)