東北の雄相手に目の醒める勝利だった。6月18日、駒沢体育館で行われた東日本インカレ第3回戦・慶大対仙台大。この日の第1試合で福井工大戦に勝利し迎えたベスト8をかけた大一番。結果は3ー0で慶大のストレート勝ち。翌日に行われる準々決勝に駒を進めることになった。
6月18日(金) 第29回東日本大学バレーボール選手権大会 2回戦 慶大-福井工業大 3回戦 慶大-仙台大 @駒澤オリンピック公園総合運動場体育館
•第1試合 福井工大戦
得点 | ||||
慶大 | セット | 福井工業大 | ||
3 | 24 | 1 | 26 | 1 |
25 | 2 | 17 | ||
25 | 3 | 21 | ||
25 | 4 | 19 |
第1セット、慶大の立ち上がりは悪く、本来の力を出し切れていないうちに相手のジャンプサーブに振り回され、一時は13−8と点差をつけられる展開となる。後半はなんとか持ち直し反撃するものの、24−26と惜しくもセットを取られてしまう。
しかし続く第2セットでは、序盤から間宮(政2)、山本(環2)のサービスエースが決まり、相手に揺さぶりをかけ、序盤から大きくリードする。レシーブにも粘りがでてきて、本来の力を取り戻し、25-17という良い形でセットを取り返す。
第3セットは序盤に5-1と点差をつけるが、そこからあまり点差は開かなかったが終盤までもつれながらも粘セットを取った。第4セットは序盤から村上(法2)のブロックと速攻、山本のサーブによる3連続ポイントで相手を崩し10−2と大きくリード。途中点差を詰められるものの、リードされることはなく、25-19で4セット目を制した。第1セットを落としたものの、後半に本来の力を取り戻し、セットカウント3-1で福井工業大に勝利した。
•第2試合 仙台大戦
得点 | ||||
慶大 | セット | 仙台大 | ||
3 | 25 | 1 | 22 | 0 |
25 | 2 | 23 | ||
25 | 3 | 19 |
「3セットマッチなので極端な話1セットをとられたとしても相手がどんなバレーをしてくるかしっかり確認しよう」(小池・環4)と相手チームを警戒しての立ち上がり。ただ警戒は杞憂に終わった。山本の鋭いサーブで相手リズムを崩し試合序盤からリードを奪う慶大。その後も今大会絶好調の間宮のスパイクが決まり追加点を奪い、試合を優位に進める。さらに仙台大の度重なるミスにも助けられ第1セットを25ー17で先取する。
一方、第2セットは仙台大の武器であるサーブが慶大を苦しめた。スピードのあるサーブや縦に鋭く落ちるサーブなどに対応しきれなかった慶大。相手に連続でサーブポイントを決められ一時リードを許してしまう。ただここで崩れないのが今の慶大。「ノータッチエースだけはやめよう」(山本)とチーム全体で相手サーブに食らいつく。加えてセンター村上のブロックやサイド岡田(商1)のフェイントなどスパイク以外でも得点を稼ぎ、傾きかけた流れを止める。それに加えて仙台大のサーブも厳しい所を狙うが故にミスも多くなり大事な局面で失点を重ねてしまう。結果、第2セットも25ー23で苦しみながらも慶大がセットを連取した。
第3セットは春シーズンの集大成を見たセットになった。相手の厳しいサーブをリベロ川村(環2)中心に見事に対処していく。そのレシーブしたボールを主将小池がトスを冷静に上げる。そして間宮・山本・岡田のサイド陣のスパイクが面白いように決まり得点を積み重ねていく。仙台大も3連続ブロックなどで意地を見せたが、第3セットも慶大が25-19で取り、危なげなく勝利をおさめた。
「勝つという強い気持ちを持ってうまくやれた」(小池)とこれまでの悪い流れから立て直しをはかることに成功した。次の試合は1部1位の東海大。だがチームに気負いは感じられないし、失うものはもう何もない。「どうせ負けるだろうなどと思わずに挑戦者の気持ちでやっていきたいと思います」(山本)。
コメント
小池主将
(今日の試合を振り返って)1試合目に1セットを取られてしまって、不甲斐ない試合をしてしまったなあと思います。2試合目は相手も良いチームでしたけど、修正して出来たと思います。(データの少ないチームとの対戦が続くが)まずは自分達のバレーをしっかりやろうということ。あとは3セットマッチなので極端な話1セットをとられたとしても相手がどんなバレーをしてくるかしっかり確認しようと思っていました。でも気持ち的にも今日は完璧に力の差を見せつけないといけない相手だったので。2試合目は勝つという強い気持ちを持ってうまくやれたのかなと思います。(早慶戦が終わってからのチーム状態は)少し変にぬけてしまっている部分もあって昨日今日とても苦労しました。明日は東海大という格上のチームとやることが出来るので、自分達の力をためしておもいきりやりたいと思います。
山本
前の試合(福井工大戦)と昨日の学習院大の試合とチームの状態がよくなくて、福井工大の試合が終わった後に監督に頭を冷やせと言われた。その後の試合でチームが機能し、それ故の勝利だったのでよかったと思います(仙台大に対して意識していた点)それぞれのスパイクが高くてコースも鋭いところをきていたので、それに対応しようということをみんなで話していました(サーブに関しては)ノータッチエースだけはやめようと。とりあえず上には上げようと。上に上げたらもしかして岡田が決めてくれたり相手がミスしたりするかもしれない。大変でしたけどうまく処理できました(自身の調子は)リーグ戦の時と比べるとサーブも今大会いい調子できているのでサーブは結構いい感じだと思っています(好調の要因は)特に何かしているわけではないんですが、負けたら終わりのトーナメント戦ということで1本1本大事にしながらやっていこうと意識しています(明日の試合に向けて)1部1位の東海大戦ですが、主力メンバーがいないということなので今日の仙台大戦のように向かっていく姿勢で、どうせ負けるだろうなどと思わずに挑戦者の気持ちでやっていきたいと思います。
By Fumiko Yamaguchi, Kazuhiro Takai
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