【ソッカー女子】まさかの逆転負け 2つのスーパーゴール実らず

 

まさかの逆転を喫し、肩を落とす選手たち

前節で慶大史上初めて1部リーグで勝ち点を獲得し、インカレ出場へここから勝ち点を積み上げていきたい慶大。関東学園大に開始直後に先制点を奪われたが、赤羽(総1)、二宮(環1)のスーパーゴールで逆転に成功し、初勝利までラスト8分と迫る。しかし、そこからまさかの2連続失点。惜しくも逆転負けとなってしまったが、今後に大きな可能性を感じさせる一戦となった。

2012年9月17日(祝)14:00K.O@東洋大板倉グラウンド

慶大

 

関東学園大

前半

後半

合計

慶大得点者:前半22分 赤羽、後半37分 二宮 
♦慶大出場選手(学部学年・前所属)
GK #1 佐々木 優(商2・ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU18)
DF #2 原 志帆(環2・文京学院大女子高)
DF #11 中山 茜(環4・横須賀シーガルズ)
→90+分 #5  川崎 栞(政4・慶應湘南藤沢高)
DF #19 遠藤 未来(環1・村田女子高)
DF #21 平田 諒子(文1・福岡女学院高)
MF #10 石原 愛海(環3・JFAアカデミー福島)
MF #7 梅原 那奈(環1・常葉学園橘高)
MF #20 二宮 早紀(環1・常盤木学園高)
MF #4  須藤 なぎさ(商3・柏陽高)
→90+分  #15 児島 愛子(法2・ACS   Cobham International School)
MF #18 赤羽 紗里(総1・スフィーダ世田谷)
FW #14 山下 千尋(経4・慶應湘南藤沢高)
 

同点弾を決めた赤羽⑱を祝福

関東学園大(以下関学大)は〝ヤングなでしこ〟ことU20女子日本代表にも選出された中村ゆしか擁する攻撃力の高いチーム。まずはどちらに先制点が入るかに注目が集まった。

試合はいきなり動く。開始直後にDFラインとGKの間に蹴り込まれたボールを押し込まれ、失点を許してしまった。事故的な形ではあったが、序盤から1点を追う展開を余儀なくされる。

しかし、「1試合1試合成長している」(岩崎監督)慶大は慌てない。前線、中盤、最終ラインが連動した守備で、前を向いた良い形でボールを奪うシーンが目立ち、反撃に出ていく。石原(環3)のロングシュートは惜しくも枠を捉えることができないが、得点の予感を感じさせた。

DFとして開幕から5試合連続スタメンフル出場を続ける遠藤

すると前半22分、慶大がスーパーゴールで同点に追いつく。中盤でのパス回しで相手を引きつけると、石原が右サイドに開いた赤羽(総1)に展開。右足で鋭い切り返しを見せカットインすると、そのまま左足を一閃して放たれたシュートがゴールネットに突き刺さった。これまでも右サイドから何度もチャンスメークしてきた1年生の個人技で関学大に食らいつく。

やや押し込まれ気味の展開となるが、中山主将(環4)がヘディングで相手の攻撃をはね返せば、遠藤(環1)は鋭いスライディングタックルで対応。中盤では石原、梅原(環1)のボランチコンビが攻守の切り替えを体現する。

35分には中盤のパス回しで相手を翻弄し、最後は二宮(環1)がオーバーラップしてきた原(環2)へラストパス。これはわずかにずれてしまい、決定機には至らず。さらに続くCKからは梅原がミドルシュートを放つ。これはGK正面となったが、攻めの姿勢は失わずⅠ-1の同点で前半を終えた。

後半もほぼ互角の戦いを両チームが見せる。慶大は梅原の浮き球スルーパスに反応した赤羽がGKと1対1を迎えるが、これはオフサイド。ディフェンスでは関学大・中村とマッチアップした平田(文1)が冷静な対応で仕事をさせない。前線では山下(経4)、須藤(商3)が激しいプレッシャーをかけ続け、ボールを積極的奪いにいく姿勢が目立った。

倒れこみながら決めた二宮の勝ち越しゴールで勝利まであと一歩と迫ったが・・・

そして後半37分、ついに均衡が破られる。左サイドの高い位置でボールを受けた二宮がそのままドリブルで中央に持ち込むと、3人に囲まれながらもシュート。倒れこみながら全身の力を込めたボールはGKの手をはじいて、そのままゴールに吸い込まれた。逆転ゴールを決めた二宮を中心にできる歓喜の輪、ベンチや慶大応援席からの歓声。誰もが念願の初勝利を信じて疑わなかっただろう。

しかし、中1日の影響もあってか運動量が低下、バイタルエリアなどスペースが空いているスキに付け込まれ、まさかの2連続失点。あと8分まで迫った初勝利がスルリと手からこぼれ落ちる非情な結果となってしまった。

逆転ゴールを許した際には、カバーに入った中山が負傷。大黒柱を失ったチームに反撃する力は残っておらず、2-3で逆転負けを喫した。

リーグ戦の半分にあたる5試合を消化して、1分4敗と現実は厳しいことに変わりはない。しかしながら、引き分けだった前節よりさらに勝ちに近づいたのも事実。前節の原、今節の赤羽、二宮と多くの得点パターンが生まれているのも好材料だ。次節からはインカレ出場を争う神奈川大学、国士舘大学、筑波大学との3連戦が待ち受けている。「次が勝負――」(岩崎監督)。目の前には光が見えている。長い長いトンネルの出口はもうすぐそこまで迫っているはずだ。(並松 康弘)

♦監督コメント♦

岩崎 陸 監督

(逆転負けとなってしまったが)1試合1試合成長していて、今日1点取られて追いついてそこからさらに逆転して、残り8分。(選手たちも)勝てると思ったと思いますけど、やっぱり勝ち方をまだ自分たちが知らないところがあって、これを乗り越えないといけないと思います。今日は負けたのは監督の責任です。選手もこれだけやって、選手交代とかできるところもあったかもしれないし、中への指示で何とかできたかもしれないです。選手には自信を持って、それこそ次からはインカレに行くためのトーナメントだと思って、勝てばインカレに行けるわけだからそこで勝ち切れるかが勝負ですね。今日の反省も含めて次の試合の神大戦で勝ち点3を取れるかですね。(開始直後に失点を許してしまった)立ち上がりちょっとバタバタしてしまって。だけど、ああいうのはあるので、追いつかれたのもそうですけど、はっきり裏に出しておいてそこから自分たちが取りにいくのができれば、今日みたいな試合になるんじゃないかなと思います。そういうところゲームの中でやらないといけないことは選手にもう一回言ってやっていきたいと思います。(その後は2つの素晴らしいゴールで逆転したが)素晴らしいゴールでしたね。右から左からね。あれはあの感触で次の試合に行けるようにね。本当に素晴らしいゴールでしたし、その前の作りの部分も良かったですね。(最後は少し運動量が落ちてしまったか)バイタル(エリア)のところを使われたんでね、あそこの修正ですね。(それまでは相手の攻撃を上手く防いでいた)全然やらせてなかったですね。シュートも五分五分だし、押し込まれていた時間も少しあったけど、これをまた次も気持ち切らさないでやれるかですね。(選手はかなり落ち込んでいると思うが)それはそうですよね。ここからもう切り替えて、神大、国士舘、筑波それから尚美、大東を上回ればインカレは行けるわけですから、次が勝負ですね。

第26回関東大学女子サッカーリーグ戦1部順位表 第5節終了時点

※7位までがインカレ出場権獲得。8,9位は2部との入れ替え戦、10位は2部への自動降格。赤字は次節の対戦相手。

順位

大学名

勝ち点

得失点差

日本体育大学

15

+22

早稲田大学

13

+16

武蔵丘短期大学

13

+10

関東学園大学

+10

尚美学園大学

-4

神奈川大学

-5

筑波大学

-7

大東文化大学

-14

国士舘大学

-13

10

慶應義塾大学

-12

 

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました