開幕戦を落として以降、3連勝を飾っていよいよ迎えたグループリーグ最終戦。前半から不用意なファールが多く、いい形を続けられない慶大は一時ビハインドとなる。それでも1点リードで開始した後半では渡邉ひかり(法2)が立て続けに3得点を加えチームに勢いをもたらす。慶大らしいラクロスが展開された後半では法大を圧倒、18-5で勝利を収めた。東海大が明大に敗れたため、慶大の7年連続のFinal4進出が決まった。
第27回関東学生ラクロスリーグ戦女子1部Aブロック第5戦vs法大
9/21(日) 10:00ドロー @フクダ電子スクエア
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前半 |
後半 |
合計 |
慶大 |
5 |
13 |
18 |
法大 |
4 |
1 |
5 |
ポジション | 背番号 | 名前 | 学部・学年 | 出身高校 |
G | 21 | 高橋美帆 | 経3 | 慶應義塾湘南藤沢 |
DF | 4 | 坂本佳子 | 政3 | 都立戸山 |
DF | 22 | 飯豊文香 | 経4 | 慶應女子 |
DF | 31 | 竹内さち | 法4 | 成城学園 |
MD | 16 | 伊藤美里奈 | 総3 | 富士見丘 |
MD | 33 | 廣野マキ | 政4 | 慶應女子 |
MD | 38 | 細田咲彩 | 経4 | 慶應義塾湘南藤沢 |
MD | 41 | 鈴木智子 | 政3 | 慶應女子 |
MD | 83 | 鈴木早紀 | 政4 | 慶應女子 |
AT | 11 | 竹村薫 | 環1 | 桐蔭学園 |
AT |
44 | 渡邊ひかり | 法2 | 慶應女子 |
AT | 88 | 川村真央 | 文4 | 慶應女子 |
慶大得点者 鈴木智5、廣野3、渡邉3、竹村3、細田2、川村、藤川
1戦も落とせない戦いを進んでいる女子ラクロス部は、いよいよグループリーグ最終戦の法大との一戦に臨む。法大とは六大学交流戦で相見え16―3で勝利している相手。チーム力が増しつつある慶大が本来の力を出せば快勝できる相手だ。
試合が動いたのは試合開始のホイッスルの余韻が残っている時だった。ドローを任された鈴木智子(政3)がゴール前でフリーになるとそのまま先制点となるゴール。まさに電光石火の先制劇だった。同点とされた後の7分にも鈴木智が得点し勝ち越す。しかし相手のファールでもらったフリーシュートを外すと、その後もパスミスや余分なファールが目立ち流れが傾く。10分に相手ATをフリーにし、同点とされると12分にまたしてもファールから失点。ついにリードを許す。「気持ちの準備も出来ていなくて、攻守両面で連携しきれてなかった」(細田咲彩・経4)と語るように、敗戦すればグループリーグ敗退、引退というプレッシャーからか、序盤から強いプレーができず「足が動かなくなったり焦りからクロスでいってしま」(廣野マキ・政4)い、ファールからリズムを失った。それでも15分に廣野がエンドラインからボールをもらうと独走、そのままゴールを決めて息を吹き返す。細田が利き手と逆の姿勢で決める技ありのゴールで勝ち越すと、藤川悠希(商2)も得点を決め前半で5得点。終盤1点を返されるが、なんとか5-4とリードで前半を折り返す。
後半は1分の間に互いに1点ずつをとりあう、流れの出入りが激しい展開。しかしその流れを慶大に手繰り寄せたのは渡邉ひかり(法2)だった。29分に相手ファールからのフリーシュートを獲得。これを冷静に決めると、32分には右サイドから走力を活かしゴール付近まで押し上げると、そのまま鋭く切り返して技ありのゴールを決める。このゴールで3点差とした慶大は、タイムアウトを挟みさらに怒涛のゴールラッシュ。川村真央(文4)がまず口火を切ると、竹村薫(環1)がハットトリック、鈴木智は5得点目となる得点。そして廣野が総仕上げとなる得点を決め、18-5で試合を終えた
前半苦しんだが、後半は体勢を立て直し結果的には18-5で大勝となった。しかし「後半のプレーを50分通じて出来るように」(細田)しなければ、今後Final4を勝ち抜くためには厳しいだろう。ファールを少なくし、相手にペースを握らせる隙を与えない、強いプレーが今後負けられない戦いに求められる。リーグ5試合を終えて、「下級生が頑張ってくれました」と主将の廣野が語るように、全5試合複数得点を挙げ、主将の廣野と並んでチームトップの17得点を挙げた鈴木智をはじめ、渡邉、竹村といった下級生も力をつけている。切磋琢磨し、上級生も下級生も関係なく1つのチームとして一丸となり、学生日本一そして全日本制覇を目指す。
(記事 荒川智史)
以下選手コメント
MD廣野マキ主将(政4=慶應女子)
(今日の試合を振り返っていかがでしたか)正直プレッシャーのかかる試合だったんですけど、内容に関しては前後半でかなり差があって、どっちも今の慶大の現状としてとらえられるので、これからは後半のようなゲームの出来を目指してやっていきたいと思います。(前半はファールが多かったですね)チームでも予選リーグからファールを減らすことが課題で、良くはなっていたんですが、足が動かなくなったり焦りからクロスでいってしまったりのが出てしまったのかなと思います。(今日は3得点の活躍でした)少ないチャンスの中で、ボールが来たら強くいくというのを意識していたので、そんなに自分の出来には満足していないんですがチームとしては特に下級生が頑張ってくれました。(後半はゴールラッシュ、慶大らしさが出ました)後半のプレーというのが慶大らしさになればいいんですけど、ハーフタイムにディフェンス面を修正してチームとして強く切り替えていけたので、そのような強さをコンスタントにできればいいなと思います。(リーグ戦を終えてチームが成長した点はありますか)開幕で明治に負けたというのがなかなかキビびしい点だったんですけど、それによってチームとして乗り越えなければいけない点が出てきて、みんながラクロスと向き合ってチームメートとも向き合えることができて、個として成長して、そこからチームとしての連携も高められたかなと思います。(Final4へ向けて意気込みをお願いします)ここから当たる相手というのはミスが許されない相手ばかりなので、しっかりと1か月自分たちのプレー精度を上げるのもそうだし、メンタル面での準備も徹底していきたいと思います。
DF飯豊文香(経4=慶應女子)
(今日の試合を振り返っていかがでしたか)前半はいつも練習していた相手に対するプレッシャーを強くかけるというところで、それがメンバーごとにバラバラになってしまいました。後でコーチにも言われましたが、そこを恐がらずに入りからしっかりプレッシャーをかけることが今後の課題になると思います。(ハーフタイムで修正したことはありますか)相手に対して1人がプレッシャーにいったら他のメンバーが連動しなければいけないのですが、そのタイミングがバラバラでした。自分たちでもそれは分かっていましたが、ハーフタイムにコーチに指摘されました。(後半良くなったことはありますか)相手のライドの部分からプレッシャーをかけることができたので、それが素早い攻守の切り替えにつながりました。(飯豊選手自身のプレーを振り返っていかがでしたか)今日はマークについている人をほったらかしにしてでもボールに強くいくことを心がけていて、その結果ダウンボールにも絡めていていたと思います。(このグループリーグを振り返っていかがでしたか)開幕戦で明大に敗れたことが本当に大きくて、そこから自信を取り戻す戦いの中で葛藤もありましたが、自分たちの力を出しきれば相手を圧倒できると思うので、それが出来るようにこれから練習していきたいです。(これから1ヵ月で準備していきたいことはありますか)10月に入ったら1週間アメリカのメリーランドに行きますが、個人的にはグランドボールへの寄りと速いスピードについていくことにフォーカスしていきたいです。(Final4に向けて意気込みをお願いします)個人的には4回目のFinal4で、憧れの場所でもあるのでまずはラクロスを楽しむことと、その中でも勝ちに拘るために基本的なプレーを重視していきたいです。
MD細田咲彩(経4=慶應湘南藤沢)
(今日の試合を振り返っていかがでしたか)前半と後半で本当に別のチームで、後半のプレーを50分通じて出来るように今後改善していきたいです。(前半特に良くなかったことはありますか)気持ちの準備も出来ていなくて、攻守両面で連携しきれていなかったりとか、覚悟の足りないプレーがありました。(自身のプレーを振り返っていかがでしたか)あまり満足はしていないので、あと1ヵ月で修正していきたいです。(具体的にこの1ヵ月で取り組みたいことはありますか)プレーの質の向上をシーズン初めからずっと言っていますが、それをもっと向上していくことと、いかなる時であってもチームの核になれるような選手になりたいです。(このグループリーグ戦を振り返っていかがでしたか)全体的に満足はしていなくて、4年生として安定感のあるプレーをしたかったですが、それが満足に出来なかったです。でも本当に大切なのはこれからの戦いなので、この5戦で得た経験をこれからに生かしていきたいです。(Final4に向けて意気込みをお願いします)これからは本当に負けられない戦いになるので、1つ1つの勝負にこだわって、気持ちの絶対に負けることがないようにこれから練習していきたいです
AT渡邉ひかり(法2=慶應女子)
(今日の試合を振り返っていかがでしたか)前半が5-4で後半が13-1だったのですが、さっき反省でも言われたのですが、入りから本調子を出して行かないといけなかったなと思いました。(前半の課題はなんですか)全員が目の前の敵に少しビビってしまって、今日この試合に絶対に勝たないと4年生は引退だということもあったのですが、ビビってしまって、1枚抜けばいいところを抜けなかったりしたので、目の前の敵を集中して倒すというところが課題だと思います。(自身の後半の得点がチームの流れを変えました)特にあまり何も考えていなかったのですが、私の毎回の目標が、ポジションがアタックなので絶対に2・3得点したいというのがあったので、前半決められてなかったので、後半入りから絶対に強く仕掛けるという想いが得点につながったので、良かったなと思っています。(リーグ戦を振り返っていかがでしたか)今日の勝ちが、この後の明大対東海大の試合結果にもよるのですが、ファイナル4進出につながってきて、今まで前半が悪かったり後半が悪かったりという、どっちかが悪いという試合が多かったと思うのですが、これからはそんな試合をしていたら負けてしまうので、前半も後半も自分たちのベストを出せるようにしたいと思います
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