【ラグビー】春季大会開幕前取材③ 徳永副将

最終回は、今年度副将の徳永将(商4)を特集する。

人望を集めているのは、ずばりその人柄。笑顔で丁寧に答えてくださる姿勢とまなざしからは、チームに対する情熱と、共にラストシーズンを迎える同期の仲間への強い信頼が垣間見られた。

2015年度副将 徳永将

2015年度副将 徳永将

まずは、体制についてお伺いします。

――副将に選ばれた経緯をお願いします。

まず同期で主将を決めることから始まって、そこで矢川が選ばれました。その後、キャプテン候補だったメンバーと同期全員、一対一で色々な話をしました。今シーズン、ラストシーズンにかける思いなどをお互いに話し合って、最終的に、みんなが僕を推してくれて選ばれました。

 

――昨年度は二人体制でした。

幹部が多くても仕方ない、幹部だから特別な何かというわけでもないという風に僕自身思っていますし、みんなもそう思っているからだと思います。上はあくまで立場的なものでそんなに沢山の人数を設ける必要もない、ということで僕一人だけが選ばれました。あとは、他の4年生がみんなしっかりしているっていうことが理由ですかね。なんやかんやラグビーのときは引っ張ってくれるし、学生コーチの松田と岡が本当にラグビーのことを考えて支えてくれているから、幹部は僕と主将の矢川だけで大丈夫かなと。

 

――選ばれた直後はどのような心境でしたか。

責任を重く感じましたね。やっぱり同期のみんなに推してもらえたというのは感謝しないといけないなという風に感じました。

 

――チームのメンバーに対し所信表明はしましたか。

しました。矢川主将、また、プレーを諦めて、プレーではないフィールドで全力を尽くしてくれている、松田、岡という学生コーチ、そして小野という主務がいるので、「絶対にそいつらのことを最後胴上げしたいからみんな協力してください」と話しました。

 

――周りの選手の反応はいかがでしたか。

「頑張ってね!」というのが多かったですね。特に先輩は、「幹部に入ると色々大変なこともあると思うけど、お前らしくやりなよ。」みたいなことを言ってくれて。僕が副将に選ばれた理由は、熱量といった部分が大きいと思うので、自分らしくそこをしっかり出すことで期待に応えていけたらいいなと思いましたね。

 

次に、チームの状態について。

――昨シーズンについて、どのような印象をお持ちですか。

昨年は正直、春シーズンは負けが続いていて、チームとして少しバラバラになってしまった部分があったと思います。ただ、最後はまとまって、帝京を相手にスクラムを押したり、果敢に挑んでいけた印象がありますね。また昨年の代は、「打倒帝京」という目標を設けてくれていたので、僕らの代もそれを言いやすくなった、本当に帝京を倒したら日本一になれるんだという意識をみんながしっかりもつことが出来るようになったきっかけの年だったのかなと。昨年の代は本当に葛藤を抱えながらも、僕たち後輩にも大きなものを残してくれたと感じています。

 

――今年度の目標も打倒帝京ですか。

はい。そうです。ただ、同期で目標を話し合った際に、一戦一戦を大切にしたいという思いがあったのと、最終的なゴールは大学日本一になることなので、「大学日本一~打倒帝京~」と、昨年と少し言い回しを変えました。打倒帝京を果たしたうえでの大学日本一が今年のチームの目標です。

 

――昨シーズンから引き継ぎたい点はありますか。

Aチームの方が特に熱い方が多くて、とくに、木原さん、森川さんという一個上の同じポジションの方に色んなことを教わりましたね。そういった熱いものを僕もちゃんと上から引き継いで、僕自身も出して、今度は後輩に引き継いでいけたらいいなという風に思っています。チーム全体として1年生から4年生までのまとまりというのも作っていけたらいいなと考えています。

 

――では、改善していきたい点は。

チームとしては、昨年度は、体作りに真剣に取り組んでいて、その結果、体がでかくはなったんです。ただ、慶應らしいフィットネスの部分が少し足りていなかったのかなと。帝京大がフィジカルで圧倒的なら、僕らはフィットネスの部分を極めて走り勝つしかないと考えているので、そこで絶対に引いちゃいけないなと思っています。

 

――春季大会に向けて目標はありますか。

春シーズンに特別目標があるわけではないのですが、一試合一試合全力で臨んで、最終的に秋に(結果を)出していけたらいいなという風に思っています。個人的には、出来れば、全部勝っていく、というのが理想かなと。チーム全体の目標として、「打倒帝京」を掲げていますが、おそらくチャンスは、春1回やって、秋対抗戦でやって、最後選手権でやって、という3回しかないので。だから、春シーズンは選手権で最後必ず勝つための準備というか。まず目の前のことを全力でやらないとその後には繋がらないと思っているので。まずは春シーズン、全力でチーム一丸となってやっていけたらいいなと思っています。

 

――現在のチームの状態はいかがですか。

昨年より走る量が増えたので、みんな少し疲れている部分はあると思います。でも、なぜ今それが必要なのか、というのも同時に理解してくれていると思います。そういった面でちゃんとみんな全力でやっていると感じています。今のチームはすごく良い雰囲気です。

 

――プレーにおいて、昨年度から変わった点、強化した点はありますか。

もちろん、セットプレー、スクラム、ラインアウトなどどれも重要になってくると思うんですけど、どの部分を強みに出していけるかはまだ分からないですね・・・。どれに対しても全力で取り組んでいく中で、自分たちの強みや弱みを探っていけたらいいなと思っています。

 

――プレー外ではいかがですか。

僕らの代以下のメンバーはあまり秋シーズンの対抗戦や選手権に出たことのないメンバーが多いので、1年生から4年生までが、本当にひとつにまとまっていく必要があるなという風に思っています。実際、学年を超えた仲の良さという面で見ても、過去に比べるとあまり壁がないと感じているので、このまま、まとまっていけたらいいですね。

 

――注目してほしいところはありますか。

そうですね。今、ボールを長い間継続するという練習を多くしているので、これまでや、昨年のゲーム展開とはまったく違ったものになると思います。あとは、やっぱり慶應の伝統の魂のタックルを各々がやっている点や、しっかりとしたディフェンスも見てほしいですね。

 

――注目している選手は。

僕の2個下の佐藤大樹選手です。LOの選手で、昨年1年生ながらAチームで出場していましたが、身体が出来上がっていない中で、FWで絡めるというのはやっぱりすごいことだと思います。彼が今年爆発してくれることを期待しています!

 

――意識している対戦相手は。

それはやっぱり、帝京大学さんですね。

 

言葉の端々から、同期への感謝が伺える。

言葉の端々から、同期への感謝が伺える。 

 

徳永選手ご自身についてお伺いします。

――今年度の目標をお聞かせ下さい。

 

副将として、主将の矢川のやりたいようにやらせてあげる。矢川のために、副将としてプレーして、行動していけたらいいなと思います。矢川のSOというポジションは、他にも考えなくてはいけないことが沢山あると思うので。気迫の部分だったり、熱い部分は僕が出していく必要があるなと思っています。

 

――理想の副将像はありますか。

2個上の濱田さんです。ちょうど2個上は、キャプテンの宮川さんがSOで、濱田さんはFL、バックローだったんです。そして、今SOの矢川がキャプテンで、僕がバックローという同じような立場なので。僕も濱田さんのような、みんなを包み込むような、みんなをやる気にできるような副将になれたらいいなという風に思います。それでいて、やっぱり自分らしさを見失わずにやっていけたらいいなと。

まあ、僕らの代はすごくしっかりしていて、僕に協力してくれる人がすごく多くて。例えば、岩本っていうFLの選手がいるんですけど、彼は困ったときにすぐ助けてくれて、声も出してくれて。LOの西出もギャーギャーと、少しうるさい部分もあるんですけど(笑)、グラウンドで沢山声を出してくれて。今リハビリ中の佐藤耀っていうHOの選手もすごくアグレッシブだし僕に協力してくれている。そういう、一緒になって引っ張っていってくれる存在がいるからこそ、濱田さんとはまたちょっと違う副将になれるのかなあと思います。副将になってから三週間(取材日は3/31)で思ったことは、本当に同期が協力してくれているから僕は副将でいられるんだろうなと。

――同期の繋がりを感じているのですね。

はい。多分(これまでの代のなかでも)一番仲が良いんじゃないかと僕は信じているんですけど。あとは学生コーチの存在も大きいです。僕はFWなので、もちろん岡もなんですけど、どうしてもプレー面では松田を頼りにしています。本当に困ったら松田に相談するっていうことが多いですね。

 

――最後にwebをご覧のファンの皆様にメッセージをお願いします。

webをご覧の皆様、本年度副将の徳永将と申します。昨年、一昨年と越えられなかった帝京という壁を乗り越えて、今年はなんとしても、160名、1年生から4年生まで一丸となって、打倒帝京を果たせたらと思っています。そのために、ご支援、ご声援のほど宜しくお願いします。

 

 

(取材・室塚あす香)

 

徳永 将 (とくなが・しょう)

2015年度副将、商学部4年。慶應義塾高校出身、ポジションはFL、NO.8 。フィジカルの強さと刺さるタックルで、昨年度試合出場経験も豊富。

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