慶應義塾体育会、年末の一大イベントである塾長招待会が、12月17日に品川プリンスホテル「プリンスホール」で行われた。早慶戦の勝利、またはそれに準ずる優秀な成績を残した体育会部員のみが招待される、まさに「体育会部員の夢の舞台」。今年は、22部286名が招待され、互いに1年間の努力をたたえ合った。
※招待者一覧につきましては、体育会ホームページ(こちら)をご覧ください
清家篤塾長(挨拶全文)
みなさんこんばんは。今日は早慶戦などの大切な試合で勝利をおさめられた、優秀な成績をおさめられた体育会部員が今集まってございますけれども22部286名招待されたということであります。皆さんの素晴らしい成績に対して慶應義塾体育会を代表して、敬意を表し、またお祝いを申し上げたいと思います。本当におめでとうございました。昨年はもっと多くの部と部員の人が招待されていたようでございまして、そういう意味では体育会全体としてはもっと頑張らなくてはいけないなということなのかもしれませんけれども、しかし今年呼ばれた人たちはそれだけ希少価値があるので、去年よりも全体の食事の量はそんなに減っていないそうですから、一人当たりの皆さんが召し上がる量はぐっと去年よりも増えていると思いますのでたくさん楽しんでいって頂きたいと思います。
まず大変高い席からではございますけれども、平素より今日ここに集まっている部員のみなさんをご指導してくださっている監督さん、そしてコーチの方々に改めて御礼を申し上げたいと思います。また今日ここにお集りの部長の先生方にも改めて御礼を申し上げたいと思います。またそれ以外の部員の活動を日々公私両面に渡って支援して下さっている三田体育会所属の各部のOBOGの方々にも改めて御礼を申し上げたいと思います。そしてそうした体育会の活動全体を支援してくださっている体育会本部の部員のみなさん、その人たちを指導してくださっている宮島前理事、須田現理事、そして副理事の先生方、さらに体育会職員の方々にも改めて体育会を代表して御礼を申し上げたいというふうに思っております。
みなさんは早慶戦などの大切な試合に勝利をおさめられたわけでございますけれども、そうした大切な試合に勝利をおさめるということがみなさんの心の内面にどんな影響を与えているかということを少し考えてみたいと思いますが、私は大切な事は二つあると思います。一つは大切な試合に勝利をおさめるという事で皆さんの中に自信が芽生えたと思うんですね。コンフィデンスというんですか。もちろん大切な試合に勝っていろんな人に褒められたりなんかすること自体が自信に繋がってくると思いますが、なによりもそうした試合に勝ったということが、みなさんの日々の練習のあり方、考え方が間違っていなかったということを証明しているわけで、それが大きな自信に繋がっていると思います。もちろん自信というのは一歩間違えると過信であるとか傲慢さに繋がってしまいますから、よく勝って兜の緒を締めよというふうに言われる訳ですが、勝って兜の緒を締めるという事を知っている人にとっては勝利がもたらす自信というのはさらにいままでやっていたことをもっと充実させていけばもっと強くなれる、あるいは更に勝利が得られるということで、自信と勝利の間の好循環がそこから生まれてくるだろうと思います。そして二つ目にもうひとつ大切な事、もしかしたらもっと大切なみなさんの内面に現れてくる事は、勝利をおさめることによっておそらく皆さんは感謝をする、アプリシエーションといいますか、感謝の気持ちがより強くなるのではないかというふうに思います。
皆さんは早慶戦等の大切な試合に勝った後に必ず、みなさんを導いてくださった監督やコーチ、そうした方々に感謝の気持ちを強く持つと思います。また皆さんを見守ってくださった部長の先生方とか、あるいは家族の方々に対する感謝の気持ちも強まると思います。またなによりもそうした勝利をおさめる試合に応援にかけつけてくださったOBOGの方々、あるいは友人のひとたちにも感謝の気持ちが芽生えると思います。また大切な試合に勝つ、あるいは試合に勝つという事は当然対戦相手がいるわけですから、みなさんは試合に勝ったときに多分対戦相手に対する感謝の気持ちも沸いてくると思うんですね、相手がいなければ勝てない訳ですから。ですから例えば早慶戦に勝ったときには、早稲田さんがいてくれてよかったなと、早稲田がいなければ早慶戦に勝てませんので、というふうに多分皆さん思うと思います。もちろん勝ったときだけでなくて負けたときにも早稲田のようなところには感謝を持ち続けなくてはいけないですが、しかしやはり早慶戦に負けて向こうが慶應に勝った、勝ったと大喜びしているようなときにはなかなか早稲田さんいてくれてありがとうと感謝の気持ちは持ちにくいわけで、勝ったときこそ早稲田がいてくれてよかったなと感謝の気持ちがわいてくる、そういう気持ちを大切にしていただきたいと思います。そして何よりもみなさんは早慶戦をはじめ大切な試合に勝ったあと皆さんのチームメイトのひとたちに深い感謝の気持ちを持つと思います。例えばその試合に出て勝利に結びつくようなプレーをしなかった人たちも、試合に出て活躍してくれた人が勝ったおかげで自分たちも嬉しい気持ちになれてありがとうと思うと思いますし、試合に出て活躍した人たちも、試合にはでなかったけれども日々の練習の中で試合にでたメンバーが強くなるために縁の下の力持ちとなって、あるいは練習の相手になって尽くしてくれたひとたちに本当に感謝の気持ちを持つと思います。そういう意味で、もちろんいつでもみなさんは周りの人たちに感謝の気持ちを持たなければいけないわけですし、また負けたときにこそ感謝の気持ちを忘れないようにしようということもその通りなんだろうと思います。ただやはり人間の感情というのは勝った時に嬉しく幸せになって、そしてそういうときこそ感謝の気持ちが強く沸いてくると思いますので、是非その気持ちをずっと忘れないようにしておいていただければいいのではないかなと思います。実は皆さんが勝利をおさめてくださるということについては、私も含めて私たちも感謝をしなくてはいけないと思うんですね。自分が活躍した訳でもないのに慶應が勝つと「良かったですね」とか言われてとても嬉しくなりますし、なによりも応援に行ったときに目の前で慶應が勝ってくれるととても幸せな気持ちになります。それは私だけではなくてそこに応援に行っている塾生、塾員、さらには関係者の人たちも同じ気持ちだと思います。なによりも私たちにとって嬉しいのはみなさんがそうした尊い勝利を塾生としての学業と両立させながら文武両道で勝ち取ったということです。つまりみなさんが文武両道の精神をつらぬきながら早慶戦あるいはその他の全国大会などの素晴らしい大会で立派な成績をあげてくださるということが、我々にとっての誇りでもありますし、また慶應の名声を高めてくれることにも繋がる訳で、そのことに改めて私からも深い感謝の念をこめて今日はみなさんにお礼を申し上げたいというふうに思います。早慶戦、あるいはその他の大切な試合に勝ったという事を改めて思い出して、今日はお互いに美味しいものを食べて、美味しいものを飲んで、未成年の方はアルコールを飲んでもらっては困るんですけれども、未成年の方はアルコール飲料でないものを飲んで頂いて、楽しい時間をすごして頂ければと思います。今日は本当におめでとうございました。そして皆さん立派な成績をあげてくださってどうもありがとうございました。
弓術部主将 村田賢祐(謝辞全文)
ただいまご紹介に預かりました平成27年度慶應義塾体育会弓術部主将の村田賢祐です。この度は。清家塾長をはじめ、義塾関係者の皆様、ならびに体育会関係者のみなさまに、このような光栄な式典にご招待頂けた事を体育会各部を代表しましてお礼を申し上げます。我々義塾体育会では、他大学がスポーツ推薦制度を取り入れる中、文武両道を掲げ、学問を軽んずる事なく、それぞれの競技でどのように勝利をおさめるのか日々考えながら活動をしています。そのような中で勝利をおさめるというのは決して簡単なことではなく、現に私自身も日々様々な努力を積み重ねて参りました。そして本日この場に大勢の体育会学生がそれぞれ優秀な成績をおさめて集まっていることに、大変僭越ではありますが、嬉しく思っています。私事ではあるのですが、ここで私が主将として掲げた2つの事についてお話させて頂きたいとおもいます。ひとつは自分の所属している部、そして競技を大好きになる事、もう一つは自分の周りの方々への感謝を忘れずに部活動に取り組むということです。前者については強い技術とは強い気持ちから生まれてくるものと私は信じております。そしてチーム、部員に対する愛が個人を、そしてチームを強くし、今後も成長していけるものと思っております。後者については例えばご家族の方がいらっしゃるからこそ私たちは勉学や部活動に取り組む事ができました。また遠征の際OB会の援助を受けていらっしゃる部も多くあるのではないでしょうか。そうした方々に対する恩返しのつもりで部活動に取り組んで頂く事でより自分たちの成果を高めてもらおうと思ったことが始まりでした。その結果今年度弓術部では慶早戦に勝利し、通算成績において勝ち越す事ができました。今後も後輩の方々には周囲の方々への感謝を忘れず、部活動、そして勉学に励んで頂きたいと願っております。最後にはなりますが、今年度義塾体育会スローガン「奮慶之友」である同期、そして後輩への感謝を忘れる事なく、卒業まで短い期間ではありますが、勉学に励み、そして部活動に協力して参りたいと思っております。短くはありましたが体育会各部を代表し、改めて清家塾長をはじめ、義塾関係者の皆様、並びに体育会関係者の皆様に厚く御礼を申し上げます。本日はお招き頂きありがとうございました。
※その他、慶應スポーツ新聞会の写真撮影にご協力いただいた体育会各部のみなさま、本当にありがとうございました。