今年2月、学生主体で新たな組織が発足した。その名も「K-Project」。體育會各部の試合における塾生の観客減少を背景に、早慶戦での塾生の観客増加を目指して、體育會蹴球部の古田京主将(医4)などが中心となり立ち上がった。今回は4月23日(月)に実施されたK-Projectの定期ミーティングに参加し、活動の様子やプロジェクトの今後の展望について取材をさせていただいた。
K-Projectがコンセプトとするのは、「『體育會の試合を観に行く』を塾生の休日の選択肢の一つに」することだ。最近は、人気のある野球部や蹴球部の試合でさえも学生の観客数が減少し、その他各部の集客も難航している。そんな體育會の現状を前に、このプロジェクトは立ち上がったのである。プロジェクトの中心となるコアメンバーは、蹴球部主将の古田さん、應援指導部リーダー部の玉川希さん(経4)、菱田幸太郎さん(政4)、同部チアリーディング部の飯室紗季さん(政4)ソッカー部の原田圭さん(経4)、慶早戦支援委員会の中山栞里さん(経4)の6人。この他にも各體育會の部員などがメンバーとして集まり、徐々に大きな組織になりつつある。
このプロジェクトが主に行うのは3つ。一つ目は、今回も行われた定期ミーティングの開催。月に1度、約2か月後に早慶戦が行われる部からのプレゼンや、集まったメンバーでの意見交換の場として設けているものである。各部はミーティングで得た意見やアイデアを持ち帰り、さらに集客案のブラッシュアップを行う。二つ目は、施策支援。ミーティングなどでできたコミュニティを有効活用し、各部の集客を援助する役割になることが目標だ。三つ目は、集客のノウハウの蓄積。集客施策として行ったもののフィードバックを行い、集客効果を得られたものと得られなかったものを抽出することで、今後のより良い施策へと繋げていくのである。
今月はバレーボール部と野球部が6月に行われる早慶戦における集客案についてのプレゼンを行った。バレーボール部は、「アリーナスポーツとしてできること」に着目しつつ、計画を発表。野球部も、慶早戦支援委員会とタッグしながら、新たに取り組もうとしている具体的な施策を発表した。その後、参加者がグループごとに集客案についてのディスカッションを行い、そこで出たアイデアを全体で共有。それぞれの集客案についてのブラッシュアップを行った。各グループから、「部の特徴を生かした施策の方が良いのでは」、「體育會生と體育會生でない塾生との壁を除かなければいけない」など様々な意見が飛び交った。
今回のミーティングでは、體育會生だけでなく様々な所属団体から計55名が参加。ディスカッションでは、各グループが様々なテーマで意見を出し合い、大いに盛り上がった。ミーティングが終わった後にも、様々な所属の参加者がそれぞれ輪を広げる姿が見受けられ、塾生の中で新たなコネクションを生む場ともなっているようだ。ミーティングに毎回参加しているスケート部ホッケー部門マネージャーの小林里紗子さん(総3)は、「他の部の運営を知るいい機会となっている。コミュニティも広がるのでは」と充実した表情を浮かべていた。今回初参加だったソフトテニス部の平井雄大さん(環3)も、「他の體育會生と話せるとても有意義な場だと思った」と語り、K-Projectは塾生を繋げる格好の機会となっていることは間違いない。コアメンバーである中山さんも、「體育會以外の学生が集まる最初の機会で不安もあった」と語ったが、「みんなが意見を出してくれて、質も良くなってきている」と手応えも少しずつ感じているようだ。
コアメンバーの古田さんは、今回のミーティングを終えて「體育會生と體育會生ではない人との壁というのがかなり話に出ていたので、そこは解決しなければいけない課題だと感じた。塾生のための早慶戦を作れるように努力していかなければいけない」と口にした。同じくコアメンバーの玉川さんも、「應援指導部も観客がいないと成り立たない。集客が大事だということに気づけるような雰囲気を自分たちが発することで土壌を作りたい」と語り、今後の活動に向けて意気込んだ。効果的なサイクルが生まれつつある一方で、まだまだ課題は山積み。その課題を解決していくために、様々なバックグラウンドの参加者を必要としている。
K-Projectでは、體育會の学生だけではなく、学部学年を問わずに一般の学生からも参加者を募集。體育會の内輪だけで終わらせるのではなく、幅広い塾生からの意見を取り入れることで、慶應義塾大学の體育會を、そして大学スポーツを盛り上げる手段を考えていけるように展開していくつもりだ。
プロジェクトはまだ動き出したばかり。しかし、軌道に乗せることができれば、塾生を一つにする可能性を持つプロジェクトのように感じた。少しでも興味のある塾生は、ぜひK-Projectに参加し、慶應のスポーツのこれからを考えてみてほしい。
(記事:重川航太朗/取材:重川航太朗、田中壱規)
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