大学リーグも残すところあと3試合。インカレ出場権獲得に向けて勝ち点3が欲しい慶大だったが、立ち上がりから神奈川大学のプレッシャーを受け思うように試合を運べず。前半終了間際の45分に先制を許してしまう。後半も完全に流れを引き寄せるまでには至らず、結果0-1で敗戦。勝ち点を積み上げることができず、インカレ出場に向けて手痛い結果となった。
第32回関東大学女子サッカーリーグ 第7節 vs神奈川大学
2018/10/21(日)11:00KO @神奈川大学湘南ひらつかキャンパスグラウンド
【スコア】
慶應義塾大学0-1神奈川大学
【得点者】
0-1 45分 庭野真帆 (神奈川大学)
◇慶大出場選手
GK 志鎌奈津美(環4・常盤木学園) |
DF 足立智佳(環2・大阪桐蔭) |
DF 加藤楓琳(総3・常盤木学園)→76分 中井里衣子(総1・作陽) |
DF 奥本くるみ(環3・浦和レッズレディースユース) |
DF 佐藤幸恵(総2・十文字) |
MF 勝木日南子(総3・大和)→69分 高月彩香(環1・村田女子) |
MF 中島菜々子(総4・十文字)Ⓒ |
MF 工藤真子(総3・日テレ・メニーナ) |
MF 松木里緒(環3・常盤木学園) |
FW 鈴木紗理(総2・十文字) |
FW 山本華乃(理2・横須賀シーガルズ) |
前節、最下位の武蔵短大に勝利し、大学リーグ2勝目を挙げた慶大。インカレ出場圏内の7位以上を確実なものにするため、今節でも勝利が欲しいところだ。相手は関東リーグでも対戦した神大。今季は1勝1敗と五分の戦いを見せているチームなだけに接戦が予想される。
試合は立ち上がりから神大ペースで進む。強い風が吹く中、コートチェンジで風上に立った神大は積極的なプレスとロングボールで主導権を握り、慶大に自由を与えない。慶大はGK志鎌を含めたポゼッションで組み立てを図るも、パスコースを見つけられず思うようなサッカーができない時間が続く。時折ロングボールを山本華乃(理2・横須賀シーガルズ)が落とし攻撃の起点になるも、シュートまで行けない。守備では中盤のスペースを使われ、攻め込まれる場面が多くみられる展開に。幾度となくピンチをしのいでいた慶大だったが45分に先制を許してしまう。再三狙われていたディフェンスラインの裏にロングパスを通されると、最後はヘディングで合わせられ失点。自分たちの流れを引き寄せられないままリードを許し前半を折り返す。
今季初の連勝、そしてインカレ出場権獲得に向けて勝ち点を目指したい慶大は後半立ち上がりの50分、中島菜々子(総4・十文字)がロングシュートでゴールを狙う。これは枠に行かなかったが、積極的な姿勢を見せた。しかしその後も慶大は流れを引き寄せられない。相手の圧力もあってかチャレンジするパスが少なく、GKまで下げてポゼッションを高めようとするも中盤まで繋ぐことができず、すぐに押し込まれてしまう。流れを変えようと伊藤洋平監督は76分に、前節スタメン出場した中井里衣子(総1・作陽)を投入。中井は持ち前のコーチングや声掛けでチームに活気をもたらす。しかし集中力も切れてきた後半は簡単なパスミスや連携の不一致が多く見られ、流れに乗れず。85分にはGK志鎌のパスミスからダイレクトでシュートを許しあわや失点という場面も見られた。中盤で中島や鈴木紗理(総2・十文字)が体を張りボール奪取する場面も見られたが、そこからいつもの慶應らしい崩しの場面が作れず、シュートまで行けない。前半より積極的に攻めに出るシーンは見られたものの、神大の守備網を突破することはできずこのまま試合は終了。0-1での敗戦となった。
大学リーグは残りあと2節。慶大は次節の早稲田大学戦、そして最終節の山梨学院大学戦が残っている。しかし、もし次節慶大が勝利し8位の武蔵丘短期大学が敗戦した場合、その時点で慶大のインカレ出場が決まる可能性がある。直近の目標はあくまでもインカレ出場で、その先にインカレベスト4があるのだ。まずはその出場権を獲得するためにこの残り2戦が大事になってくるということは言うまでもないだろう。だが、気負う必要はない。これまで通り、いつも通りの戦い方ができれば必ず結果は付いてくるだろう。目標はインカレベスト4。出場権獲得はそのための通過点でしかない。まずは次節の早大戦。心身ともにリフレッシュし、ライバルを倒して連勝でインカレ出場権をもぎ取りたいところだ。
(記事:岩見拓哉 写真:柴田航太郎)
〔大学リーグ第8節・対戦カード〕
6位 慶應義塾大学 VS 1位 早稲田大学
7位 大東文化大学 VS 8位 武蔵丘短期大学
9位 山梨学院大学 VS 2位 帝京平成大学
10位 東京国際大学 VS 5位 神奈川大学
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以下、試合後コメント
伊藤洋平監督
――苦しい内容、厳しい結果となりました
ボールは持っていたんですけど、まあシュート数でも分かる通り、最後フィニッシュまで持って行けなかったですし、ラスト30メートルでのクオリティっていうのが、かなり低かったなと思います。
――今もおっしゃっていましたが、決定機に乏しかったがその原因は
やっぱり相手の、相手は後ろ5枚いるのでその相手の1枚を引っ張り出してからもう1回スプリントしなきゃいけないんですけど、やっぱりそこで預けて終わってたりとか、そもそも1対1のとこで勝負しなかったりできなかったりっていう部分が大きいので、そこは選手自身も向き合わなきゃいけないのかなと思います。
――前半はボールを持ちながらも終始自陣に押し込まれた
押し込まれてるというか自陣で回してたっていうことなので、自陣でボール持ってること自体は勿論範疇だと思うんですけど、逆に守備のところでお互い信用してなかったり信頼してなかったり、その自分のポジションに根拠を持ってなかったっていう選手が多かったので、そこがちょっと前半悔やまれるところですね。
――残り2節、厳しい状況に追い込まれましたが、次節は早稲田戦となります
勿論、勝っても負けても早稲田に対しては初勝利っていうブレない目標があるので、今日負けたことによって更にそこに集中して、一丸となって戦いたいと思います。
中島菜々子(総4・十文字)主将
――試合を振り返って
前半は自分たちのペースがつかめなくて、あれだけピンチがあった中で1点でしのげたというイメージだったんですけど、後半は立ち上がりから自分たちのペースで攻撃ができていたからこそゴールまで行けなかったのが大きな課題で、点を取って勝ち切りたい試合でした。
――いつもより後ろ向きでのプレーが多く見られたが相手のプレッシャーは感じていたか
前半とかは相手が来ているなというのは感じていたけど、練習とかでもやってはいて…でも前を向けるシーンとかは少なかったかなと思います。
――中島選手自身は中盤でよくボールを奪っていたが
そうですね、切り替えの部分とかでは、いつもなんですけど、すごく意識していて、自分のウィークポイントとしてスピードという部分があるからこそボールを取られそうな時とかにインターセプトを予測していたりとかはいつもしているので、今日はそれがしっかりはまったかなという感じでした。
――今日はいつもより攻撃で良い形が作れていなかったが、やっていて上手くいかない部分はあったか
そうですね、特に前半だと思うんですけど、なかなか相手陣地に入ることができなくて、というのもディフェンスラインから相手の1列目を越えることができなくて、また浮き玉の処理とかにも時間がかかってずるずる下がってしまってというところは課題だと思います。
――次節、早稲田大学戦に向けて
インカレも結構ギリギリになってきて、下も拮抗している中で必ず勝ち点が欲しいし、やっぱりこれまでソッカー部で戦ってきて、ソッカー部生活最後の早慶戦で思い入れも本当にあるので、絶対に早稲田から勝ち点を取りたいなと思います。