3連戦最後の相手は、ここまで負けなしの帝京平成大学。慶大は、立ち上がりの16分に小川愛(総2・神村学園)が負傷交代を余儀なくされるアクシデントが発生。その後は、リズムに乗れない時間が続きなんとか無失点に抑えていたものの、前半終了間際についに先制点を許す。後半は立ち上がりから比較的ボールを保持するも70分、72分と立て続けに失点を重ね、78分には見事なショートカウンターを食らい4失点。0-4で大敗を喫し、前節に続いて勝ち点を挙げられなかった。
第32回関東大学女子サッカーリーグ 第4節 vs帝京平成大学
2018/09/09(日)16:00KO @帝京平成大学うるいどグラウンド
【スコア】
慶應義塾大学0-4帝京平成大学
【得点者】
0-1 45+3分 鈴木愛里沙 (帝京平成大学)
0-2 70分 大竹麻友 (帝京平成大学)
0-3 72分 大竹麻友 (帝京平成大学)
0-4 78分 河野有希 (帝京平成大学)
◇慶大出場選手
GK 志鎌奈津美(環4・常盤木学園) |
DF 佐藤幸恵(総2・十文字) |
DF 加藤楓琳(総3・常盤木学園) |
DF 奥本くるみ(環3・浦和レッズレディースユース) |
DF 工藤真子(総3・日テレ・メニーナ) |
MF 勝木日南子(総3・大和)→46分 松木里緒(環3・常盤木学園) |
MF 小川愛(総2・神村学園)→19分 清水奈緒(環2・文京学院大学女子)→78分 高月彩香(環1・村田女子) |
MF 中島菜々子(総4・十文字)Ⓒ |
MF 平田朋(環1・日ノ本学園) |
FW 鈴木紗理(総2・十文字) |
FW 山本華乃(理2・横須賀シーガルズ) |
前節の大東文化大戦(1●2)では「自分たちの油断、甘さ」が出てしまった慶大。今節は気を引き締め直し、強豪の帝京平成大学と敵地で対戦した。これまで通りの布陣で、右サイドには平田朋(環1・日ノ本学園)、左サイドには勝木日南子(総3・大和)が入り、CBには累積警告による出場停止明けの加藤楓琳(総3・常盤木学園) が復帰した。
前半、追い風の慶大は3分に右サイドからのクロスから勝木がファーストシュートを放つ。更に12分には平田が単独で右サイドを突破しクロスを上げるも、これはゴール前で待つ山本華乃(理2・横須賀シーガルズ)には合わない。迎えた16分、アクシデントが慶大を襲う。相手のカウンターを阻止しようと、全力で自陣に戻った小川が相手選手と接触。自力で立ち上がることができず担架で運ばれ、これまで出場機会の少ない清水奈緒(環2・文京学院大学女子)が代わって投入される。これまでピッチの中央で頻繁にボールを受け、試合を組み立ててきた小川を欠いた慶大は、ほとんどの時間で自陣に押し込まれる中、最終ラインでボールを持たされチャンスらしいチャンスを作れない。それでも36分には、守備陣の身を挺したシュートブロックとGK志鎌奈津美(環4・常盤木学園)の反応の良いセービングで連続した決定機を凌ぐなど、厳しい時間を耐え続ける。しかし、アディショナルタイムに右サイドの裏にスルーパスを通されると、飛び出した志鎌もかわされて失点。直後にホイッスルが吹かれ、1点ビハインドで前半を折り返す。
後半は立ち上がりから中盤で前を向くプレーが見られるようになった慶大は、57分に高い位置で中島菜々子(総4・十文字)が倒されFKを獲得。鈴木紗理(総2・十文字)が蹴ったボールを奥本くるみ(環3・浦和レッズレディースユース)がゴール前に折り返すも、放たれたシュートは惜しくもブロックされてしまう。同点弾の機運が高まっていたが、70分に一瞬の隙からGK志鎌の頭上を越えるロングシュートを叩き込まれ追加点を許すと、2分後にもボランチにボールが入ったところを狙われ奪われると、裏を取られて連続失点。更にその3分後にも中盤でボールを奪われると、相手の見事なカウンターの前に為す術なく4失点目を喫し、試合の大勢が決してしまう。直後に清水に代わって高月彩香(環1・村田女子)を投入し、平田をボランチの位置に下げたがその後は大きな変化は生まれず。終盤は積極的に前線にボールを配給するも、最後までネットを揺らせなかった慶大。0-4で完敗を喫し、悔しい連敗となった。
中島主将が「あっという間に大学リーグの半分が終わってしまった」と語ったが、大学リーグ開幕から2週間が経ち早くも勝負は佳境を迎えている。「インカレベスト4」を掲げている以上、インカレ出場権を得る7位以上はまさに勝負の舞台に立つための“前提条件”となる。9試合しかない本リーグにおいて1試合ごとの重要性は大きく、この連敗は非常に手痛いものとなった。相手は負け無しの2位・帝京平成大学、更に中3日の3連戦という厳しいコンディションに加えフル出場を続けていた小川の負傷交代と万全の状態でなかったのは確か。そうとはいえ、悪い癖である立て続けの失点が再び顔をのぞかせての完敗は好ましいものではない。しかし幸いにも大学リーグの次節・東洋大学戦は10月6日と、「課題に向き合って一日一日厳しくやっていく」(中島)時間は十分にある。連敗脱出、そして上位進出へ。“昇格組”、つまりチャレンジャーである慶大には、「残り5試合全部勝っていく」(中島)というような覚悟と気迫が今後はより必要になってくるかもしれない。
(記事:柴田航太郎 写真:岩見拓哉、髙橋春乃)
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以下、試合後コメント
伊藤洋平監督
――試合を振り返って
こんな遠方までお越しいただいて応援して下さったにも関わらず、こんな不甲斐ない試合をしてしまって申し訳ないと思います。
――前半に小川選手が負傷したのが誤算となったか
常に多少のアクシデントはあっても勝てる準備をしておくので、チーム力が足りなかったかなと思います。
――ボールを保持できない時間があったが、どのように修正しようと考えていたか
その分、後ろがもうちょっとリスクをとって我々のGKの強みを生かしてやらなくてはいけなかったんですけど、そこをちょっと修正できなかったということです。
――中盤でボールを奪われカウンターを食らう場面が目立った
ちょっと約束事に縛られすぎて自分で判断することが最近欠けているので、もう1回この休みの中断期間で修正して行きたいと思います。
――その中断期間もありますが、次節に向けて
まずは目先の皇后杯の予選があるので、相手は修徳高校なのでまあセットプレーを入念に準備してくるチームで結構苦手な高校生なので、1回ちょっとリフレッシュして準備していきたいと思います。
中島菜々子(総4・十文字)主将
――試合を振り返って
3連戦の中で本当に勝ち点が取りたかった試合だったんですけど、結果的に大量失点っていう負け方で、本当に自分たちの弱さがそのまま出たなっていうのを感じさせられました。
――3連戦の最後となったが、帝平大に対してどのような戦い方で臨んだか
そうですね、そんなにやっぱり時間もなくて、帝京平成対策っていうことはあまりできてはいなかったんですけれども、自分たちのサッカーをやり通すだけっていう話はしていたんですけど、なかなかそこができなかったなって思います。
――2連敗となってしまったが、チームの課題は
やっぱりプレーもやらなきゃいけないことが明確だったりっていう中で、一人ひとりが少しずつそれをやっていないというか、他の周りのいろいろな要因に流されてしまって、監督からもあったんですけど、一人ひとりが自立してないっていうのがチームの中での課題だと思うし、ピッチ内でもピッチ外でもそういうところがまだまだ課題だなと思います。
――次節までは1ヶ月弱間が空くがどのように準備していくか
あっという間に大学リーグの半分が終わってしまったということで、でもまだまだあと5試合残っていて、自分たちのインカレ出場権がなくなったわけではないので、やっぱり残り5試合全部勝っていけるように、一人ひとりもだしチームとしても課題に向き合って、一日一日厳しくやっていきたいと思います。