早慶ホッケー定期戦は開催まであと3日と間近に迫っている。今回お送りする早慶戦直前企画第4弾は、永野裕太副将(政4・慶應)、大久保遼副将(政4・慶應)、大橋俊介(政4・慶應)の男子FW対談である。高校時代からともに戦う4年生3人が抱く、引退試合としての早慶戦、そして最後の早慶戦への思いとは。
(取材日 11月7日)
――まずはお互い他己紹介をお願いします
(永野→大久保)
永野:では僕から行きます(笑)。大久保は、この部の中で一番細かいテクニックがあります。決定力が高い選手で、チームのフィールドゴールは彼が取っているので、すごくいいFWだと思います。あとは、ミスチルがすごい好きですね(笑)。それと、コナンとONEPIECEがすごい好きで、ことあるごとに小ネタを挟んできます(笑)。(大久保→大橋)
大久保:大橋は、プレーでいうと一番体が小さいのですが、一番気合を見せてくれていて、この前の東大戦では体を入れながら点を決めてくれるので、そういったところに注目していただきたいです。あとは、コンビニでバイトしています(笑)。(大橋→永野)
大橋:永野は、何に対しても貪欲にやっている印象があります。本当にストイックで、一番早く部室に来て、いろいろ準備していたりとかして、いつも万全の状態で練習しています。本当に真面目です。あとは、何に対しても詳しくて、スポーツとかいろんな話ができてすごいなと思います(笑)。「試合が終わった後にみんなで若き血を歌いたい」(永野)
――春季リーグは7位という結果でしたが、振り返っていかがでしたか永野:入替戦以外の試合では1試合しか勝っていなくて、なかなか勝てない試合が多くて苦しかったのが印象です。チームとしてもどういう形で攻めるかといったところが、一つに出てこなかったなと思います。
大久保:春は王座に出て、王座を経験したチームになりたかったのですが、それができなかったのがすごく悔しかったです。7位という結果は正直あまり気にしていなくて、王座に出れるか出れないかがすごく大きかったです。
大橋:チームとしても成熟しきらない段階で試合を迎えてしまったなと思っていて、振り返ってみると7位という結果も仕方ないものだったのかなと思います。
――春を終えて夏に重点的に取り組んだことはありましたか
大久保:得点のところが勝つためには必要なことなので、FWでは夏や遠征で重点的に取り組みました。永野:チームでは、サークル内でPCを取れるようなドリブルであったり、サイドからえぐっての折り返しを狙うというプレーは、すごく意識していました。
――秋のリーグではその成果は感じていますか
大橋:そうですね。練習していた形が出て、得点が入っているので、繋がっているかなと思います。大久保:僕はまだその形で点を入れられていないですが、チームとしては成果が出ているかなと思います。
――先日のインカレは2回戦敗退となりましたが、振り返っていかがでしたか
永野:うちのチームは、流れがいい時は勢いが出て、攻めも守りもよくできていたので、そこは春と比べると大きな成長かなと思います。ですが、一回悪い流れに入ったときに、そこを止めきれないのが、自分たちの弱さだったかなと2試合通じて感じました。大久保:自分たちの弱さは出たなと思います。2試合目は勝っているのに、メンタルの弱さが出たりとか、修正してきた相手に対して自分たちがさらに修正をすることができなかったと思うので、残りの試合ではそこができればと思います。
大橋:逆に良かった点もあって、今までは立ち上がりが悪い部分があって点を取られることも多かったのですが、最近の試合は立ち上がり良く入れているので、今後も継続していきたいと思います。
――FW陣では手応えなどはいかがでしょうか
永野:単純にFWでこんなにたくさん点を取れているのは初めての感じなので、嬉しいですね。大橋:個人としては他のFW陣が点を取ると、自分も決めなきゃなと思うので、いい関係性でやれていると思います。
永野:調子も悪くはないと思います。
――秋に関してはここまでのチームの完成度はいかがでしょうか
大久保:まだまだできることはあると思いますが、非常にいい状態ではあると思います。90点くらいですかね(笑)。あと10点、いやあと30点あげて120点くらいのプレーをしたいなと思います。やはりメンタル面で弱い部分があるので、自分たち4年が引っ張っていければと思います。大橋:技術的には、インカレで自分たちが負けて準優勝まで勝ち上がった福井工大にも負けていないと感じたので、本当に気持ちの面で最後までいい状態で試合をしたいです。
永野:勝ち切るという点でもそうですが、個人としてもインカレなどは固くなり過ぎたところがあったので、どの試合でもフラットに入って技術を出し切れるようにしたいなと思います。
――印象に残っている試合はありますか
大橋:僕は秋の明治戦ですね。自分が点を決めたというのもあるのですが、あの試合で始めて全員の気持ちが一つになるのを感じて、それが続いてもいるので、そういう意味で良かったなと思います。永野:僕は福井工大の試合です。最初はいけるなというふうに思ったのですが、後半は随所に相手の上手さも目の当たりにして試合が終わってしまいました。結果的に相手は準優勝までいって、決勝の試合なども見てすごい強いチームだったなと思いました。自分としてもPCを取れたシーンがあったりして、そういういいプレーがあったのは良かったなと思います。
大久保:僕も福井工大ですね。準優勝したチームだったので、これが自分たちが目指している全国レベルのチームの落ち着きとかだったのかなと思いました。
――皆さんがホッケーを始めたきっかけは
永野:僕は部活紹介パンフレットみたいなものの一番最後にホッケー部が載っていて、それで目について父親に相談したら「面白そうじゃん」みたいに言われたことと、当時の担任の先生がホッケー部の顧問だったので、見に行ってみようと思ったのがきっかけです。大橋:僕も新しいスポーツを始めようと思っていて、団体競技がしたくていろいろ探していて、高校の時に永野と同じクラスで「見に行ってみない?」と声をかけられて、すごく面白かったので入りました。
大久保:僕は、中学から金田(翼主将=経4・慶應)と一緒で、金田に誘われたような気が(笑)。それで一回来て、迷って、入りました(笑)。
――入った当時の印象などはありましたか
大久保:僕たちの代の一個上が人が少なくて、少しマイナーな方な部活なんだなとは思いました。永野:外部生も、普通部も中等部もいて、いろんな人がいっぱいいるなと思っていましたね(笑)。
「120点くらいのプレーがしたい」(大久保)
――長く一緒にやってきた仲間だと思いますが、自分たちの学年はどういった学年だと思いますか
大久保:高校の時に結構勝ち進めた代で、すごく上の方たちからは期待をされている代なのかなと思います。永野:国体に初めて単独で神奈川県の代表で出たので、その代としての認識がされていると思うので、それはそれで嬉しいですが、大学でいい成績を残して、その成績を残した代と言ってもらえるようにしたいですね。
大橋:僕らの代は先輩たちがいると結構力を発揮できるタイプなのですが、いざ上に立つとぐいぐい引っ張っていくタイプではないなと感じました。
永野:たしかに、「俺が!」っていう選手は少ないね(笑)。
――大橋選手から見て、大久保選手と永野選手の副将としての姿は見ていていかがですか
大橋:主将がマジでなよなよしていて頼りないのですが(笑)。この二人がそれを支えているなと思いますし、言葉が足りない部分とかもフォローしているなと感じます。――副将のお二人はどういったことを意識して務めてきましたか
永野:主将にはいろんなプレッシャーがあると思うので、せめて部内に対するプレッシャーだけでも軽減できるようにということは意識して、メニュー決めだったりというところで負担は減らそうと思ってやってきました。大久保:心がけていることは特にないんですけど・・・(笑)。まあ、金田がのびのびできるように、場を整えるくらいですかね(笑)。考える感じじゃないですね(笑)。
大橋:感じてやってるの?(笑)
大久保:そうだね(笑)。金田がこう動いてるから、こうしようみたいな、気付いたらできてるみたいな(笑)。中学から一緒なので。
――下級生はどういった学年ですか
大橋:3年生にはもう少し期待したいですね(笑)。ぐいぐいやる性格の選手が少なくて、もう少しどん欲に取り組めばもっと伸びるのかなとは思います。大久保:3年生があまり試合に出ていない中で、1,2年生が結構試合に出ていて、すごく助かっています。上手い選手もいるので、ありがたいなと思います。
永野:1,2年生でも試合に出ている選手、スタメンの選手がたくさんいるので、技術的にはいいものを持っているなと思います。もちろんのびのびやってほしいですが、チームを代表して出ているので、少しずつそういった意識を持ってくれるといいかなと思います。
――最近部で流行っていることや、個人的にハマっていることは
大久保:絶対その質問来るなと思って、考えてきてたんですけど、部で流行っていることは無いです(笑)。大橋:僕は最近コンビニでバイトを始めて、ストレスがかかることもあるので、どれだけバイト中に心を凪の状態にしてできるかというのにハマっていますね(笑)。
永野:バイト繋がりにはなりますけど、僕は個別指導塾のバイトをしていて、自分が今まで当然のように理解してきたことを教えてもきょとんとされるので、相手の立場に立って考えるような習慣が自然とついてしまいました。卒業旅行に向けて結構バイトも入れているので(笑)。
大久保:僕はテレビとか見ていて、おいしいお店とかが出てきたら、メモしておいて、後日行くっていう(笑)。浅草のハンバーグ屋とか行きましたね(笑)。行こうと思っていくんじゃなくて、たまたま行った先でという感じです。
――皆さんのストレス解消法は
永野:僕はゲームですね。プレステ4でFIFA19やって、スーパーゴール決めて、一人でストレス解消してますね(笑)。大橋:僕は結構温泉が好きなので、暇さえあればスーパー銭湯とかに行って、ひたすらだらだらして、帰ってきますね(笑)。
大久保:僕は・・・。そんなにストレスが溜まらないので(笑)。解消法とかも無いですね(笑)。
――皆さん一緒に出掛けることなどはあるのでしょうか
大橋:3人では無いですかね(笑)。永野:インカレ見に行ったら、ばったり会うか会わないか、くらいな感じです。結構つかず離れずな代なので(笑)。
「僕たちが勝つ姿を先輩たちに見せて恩返しをしたい」(大橋)
――昨年の早慶戦は1-3でしたが、振り返っていかがでしょうか永野:今思えば、今年のチームと似た状況だったのかなと思います。インカレの福井工大みたいに、後半に勢いに乗られて、やられてしまったというのが頭に残っています。後半は前の方にボール来ないなって思っていたのが、正直な感想です。
大橋:やる前は負けるとは思っていなくて、むしろ楽勝だろと思っていましたが、いざやって終わったら負けていて、負ける感覚もなく負けてしまったという感じがしました。
大久保:駒沢の芝は水分が少なくて滑ると痛いのですけど、早稲田の選手が体を張って守ったりしていて、そういったところの差が点差に出てしまったのかなと思います。
――過去の早慶戦での思い出は
大橋:僕は1年生の時にPCの崩れをニアで構えていて流して、同点ゴールを決めたのですが、その瞬間は観客も沸いて今でも思い出せるくらい嬉しかったですね。永野:僕は、1年生の時は全然スタメンで出れていなくて、一番出れていない時期だったので、点が入っても「ああ入ったな」くらいで、そういう感じしか持てなかったのが悔しかったですね。
大久保:僕は2年の時に大敗したのが印象に残っていますね。自分たちもいい調子できていたにも関わらず勝てなかったので、出ていたのもあって申し訳ないという気持ちが強かったです。
――今年が最後の早慶戦になりますが
大橋:自分たちはトータルで1分2敗で、まだ一度も勝っていないので、最後は是が非でも勝ちたいです。大久保:マジで勝ちたいですね(笑)。
――今年の早大の印象は
永野:春からそうだと思いますが、飛びぬけた選手がいるというよりは、全員で走ってカバーしてというプレーをしてくるいいチームだなと思います。成績としても春秋ともに上位ですし、まずはチャレンジャーとしての気持ちを忘れずに向かっていきたいと思います。大久保:春も秋も上位なので、相手も油断しているんじゃないかなと思うので(笑)。油断させておいて、勝とうかなと(笑)。
――早慶戦で見てほしいところは
永野:試合が終わった後にみんなで若き血を歌いたいというのが一番です。あとは、泥臭くやるので、歓声をいただければと思います。大久保:最終的に勝てさえすればなんでもいいので、勝っているところを見せたいです。
大橋:僕もそうですね。自分がどうこうというよりは、チームで勝ちを狙っていくので、その姿を見てほしいです。
――改めて、最後に早慶戦に向けて意気込みを
永野:後輩や先輩だったり、全ての人に喜んでもらいたいと思っているので、そのために全力で走って、絶対に勝ちたいと思います!大橋:今までは後輩の身分でしか出たことがなくて、先輩を勝たせてあげられなかったのが自分の中では引っかかるものがあるので、僕たちが勝つ姿を先輩たちに見せて恩返しをしたいです。勝ちます!
大久保:このチームでのチームの目標を果たせていないので、最後に早慶戦で勝って、チームが一つになって、終わりたいなと思います!
――お忙しい中、ありがとうございました!!
(取材:重川航太朗/写真:新池航平)
《早慶ホッケー定期戦》11月24日(土) 現役女子戦 13時10分試合開始
現役男子戦 14時50分試合開始
@駒沢オリンピック公園総合運動場第一球技場
☆永野裕太(ながの・ゆうた)副将:慶應高を経て、法学部政治学科4年。自分に厳しくする姿勢で部を引っ張る副将。貪欲にボールに食らいつく熱いプレーが持ち味。ストイックで真面目な性格で信頼を集める。
☆大久保遼(おおくぼ・りょう)副将:慶應高を経て、法学部政治学科4年。高いテクニックと得点力でチームの勝利の鍵を握る重要人物。副将として永野とともにチームを牽引する。☆大橋俊介(おおはし・しゅんすけ):慶應高を経て、法学部政治学科4年。小柄ながらそこから生まれる大胆なプレーは、ボールへの強い執着心を強く感じさせる。部活はもちろんアルバイトもこなす器用な一面も。