いよいよ明日からの2日間、神宮球場にて東京六大学野球秋季リーグ早慶戦が実施される。ここまで破竹の8戦8勝勝ち点4とリーグ優勝に王手をかけた慶大と5勝5敗勝ち点2と思うような結果が出せていない早大のカード。伝統の早慶戦が幕を開ける。
◆打破なるか盤石早大投手陣
早大は先発投手が盤石だ。1回戦の先発が予想される早川は今季防御率2.67と本調子とは言えない成績だが、この早慶戦へ向け万全の準備をしてくることが当然考えられる。今年7月の日米大学野球選手権では最優秀防御率賞を獲得するなど大一番での力強さは計り知れない。明大1回戦と立大1回戦でそれぞれ4失点、3失点と今季は立ち上がりが課題であり、慶大打撃陣にとって初回がカギになりそうだ。2回戦の先発が予想されるのは徳山。昨季はクローザーを務めていた右腕が今季は先発へ配置転換された。防御率1.50、2勝を挙げておりテンポの良い投球で打者を翻弄してきた。投げ損じの球を捉えらえるか、好投手攻略は甘くはなさそうだ。
◆沈黙の早大打線を盤石慶大投手陣が抑えられるか
投手陣に安定感がある早大だが、打線には元気がない。チーム打率は.195とリーグ5位に落ち込んでいる。好機を演出するも生かせない、そんな場面が多く見られた。しかし、早慶戦が特別なのは早大も同じ、目の前での胴上げ阻止に向けこれまでとは心機一転の稲穂打線が奮起するだろう。迎える慶大投手陣はチーム防御率は1.25と抜群の安定感を誇っている。1回戦の先発が予想される髙橋佑樹(環4・川越東)はここまで決して満足のいく結果は残せていないが、昨季の早大3回戦では完封勝利を収めるなど最後の早慶戦に懸る思いは格別に違いない。同じ川越東高出身の福岡高輝との大学最後の対決も観客として見逃せない。2回戦の先発が予想される森田晃介(商2・慶應)は防御率0.00とMVPに挙げるチームメイトが多い。持ち前の安定した投球術で早大打線を封じ込めるか。
◆あれやこれやの記録尽くし
今季の慶大野球部は記録がかかるものが非常に多い。第一に挙げられるのが10戦全勝優勝である。早慶戦にて2連勝を収め10勝0敗となれば91年ぶり慶大史上2度目の快挙となる。また来年以降のユニフォームを変えられる可能性も持っている。慶大野球部では全勝優勝を収めた場合、ストッキングの白線を1本増やす伝統がある。これまで全勝優勝は先述の1928年秋の10戦全勝、1985年の10勝1分の2度達成されており、現在のユニフォームでは2本の白線が入っている。3本目を刻めるか。
個人タイトルでも偉業達成がかかる。森田晃が防御率0.00でシーズンを終えると2008年の明大・野村(現広島)以来東京六大学野球史上6人目の偉業達成となる。打者でも記録がかかる。現在打率.433で打率ランキング1位に君臨している下山悠介(商1・慶應)がこのまま首位打者を獲得すると慶大史上初の1年首位打者の誕生となる。早慶戦で複数安打を記録できれば首位打者獲得は濃厚。偉業達成の瞬間はすぐそこに迫っている。
(記事:小林歩)
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