これまで3年間メンバーとしてコートに立ち続けた井上(総4)が主将となって初めて迎える早慶戦。昨年の絶対的な主軸、会田前主将でさえ達成できなかった早慶戦勝利にむけて、井上主将は熱い思いをたぎらせている。チームの目標・日本一を獲るためには避けられぬ大学王者早稲田。その先の頂点を見据え、井上主将の最後の早慶戦が始まる。
-春関など重要な試合が続いたが、ここまでの調子は
目標とする早稲田に比べて結果が出てないので、早慶戦までの時間の中でいかに課題を振り返って、調整してやっていくかだと思います。前向きに取り組んでいきたいです。
-1年生が加わってだいぶ経つが部の雰囲気は
今は団体戦に向けての練習をやっていて、まだまだやれる部分はあると思うんですけど、1年生もだいぶ雰囲気に慣れてきて、その中で100%自分の力を出すんだという気持ちで取り組んでくれていると思います。
―震災の影響は
一週間くらい部活停止になってその間ほとんどの部員がテニスできなかったので、震災という日本を揺るがす出来事が僕たちの活動にも影響しました。
―自身のここまでの出来を評価すると何点くらいか
50点くらいですかね。3月で目標としていたフューチャーズの試合なども震災の影響で無くなったり、ここまで就活活動とかいろいろあって結果に結びついていないこともあるし、日々の練習でもまだまだやれることがあるんじゃないかと思います。
―春関で見えたチームの課題は
ダブルスが他校と比べて層が薄いっていうことが分かったので、ダブルスの強化と、試合の中で自分達の力を出すという二点を意識しています。
―練習内容に変化は
春関終わってからはほとんどもう今ダブルスの練習しかしてない状態で、義務練習以外の時間でダブルス以外のことをやるようにしています。
―主将となったきっかけは
去年の代がリーグ戦で負けてしまって、そのあとたぶん監督とコーチと前の4年生で話し合って決めたんだと思います。
―主将となったときの心境は
そうですね、110年くらい続く伝統ある部の主将なので責任が重いんですけど、その分日本一になったときのやりがいはすごくあると思ったので、わくわくした気持ちでした。
―主将の役割とは
主将だけではなく選手として試合に出て勝つっていうのも自分の役割だと思うので、主将として部の運営に携わるということと、テニスにしっかり取り組んで、その背中で周りを引っ張っていくことだと思います。
―その中で一番大変なことは
やっぱり皆がんばっているんですけど、がんばり方が足りてないというか、早稲田に勝つためにはこういう取り組みをしなければならないというところまで達していなくて、それは僕自身もそうなんですけど。ほんとに今まで誰も達したことの無い日本一という目標を達成するという基準がまだ部の中で無いので、その基準をいかに高めていくかっていうのが僕たちの課題だと思ってます。
―主将として選手に厳しく接することはありますか
そうですね……、これまであんまり厳しく接してこれなかったので、今厳しくしようとして必死でがんばっています。
―前主将と比較したときの自分の特徴は
前主将は高校時代世界を舞台に活躍していた実力がほんとにある主将だったので、僕はそれに比べて実力は無いんですけど、その分インターハイの団体戦で優勝した経験であったり、チームで成し遂げた経験ていうのを持っているので、そうした高校時代の経験や、大学3年間いろんな主将を見てきた経験を生かしてやりたいなという感じです。
―練習面で去年と変わった点は
去年はそんなにダブルスに絞ってやることはなかったので、そういうところは若干去年とは違います。
―現チームの雰囲気は
結構今馴れ合いというか仲良くやっている部分が強すぎて、厳しさが足りないと感じているので僕自身が選手に厳しく接して変えていきたいですね。
―チームのムードメーカー的存在は
明るい雰囲気を出しているのは長谷川ですね。
―オンとオフの切り替えは
7時から10時の義務練の間は自分を出し切るという感じで全力でやって、それ以外の時間もなるべくテニスにつながるようなことを考えていければいいなと思っています。
―テニスを始めたきっかけは
両親の影響で小学1年生くらいから始めました。
―得意なプレーは
フォアハンドが武器なので、それを生かせるように相手の弱点をしっかり突いて展開しています。
―試合前に必ずしていることは
特に無いですが、調子がいい日と同じ行動とか同じご飯を食べたりしています。
―オフの過ごし方は
基本的に疲れ果ててねています。
早慶戦について
―早稲田の中で警戒している選手は
春関でも優勝した片山翔という選手は毎年僕の同期で僕たちの代を引っ張っていた選手なので、そこに勝てればほんとに早稲田に勝つチャンスも出てくると思うので、どう封じるかっていうことを考えています。
―早稲田はどういうチームですか
早稲田には毎年その代のトップ選手がスポーツ推薦で入っていくので、高校時代の戦績からすると僕たちの方が下なんですが、その分それぞれの選手が我が強いチームだと思うので、個の早稲田に対してチーム力の慶応だという意識を持っています。
―今年の早慶戦はアウェーですが
テニスはほとんどホーム、アウェーは関係ないスポーツだと思っているので、あまり意識することなくやっていきたいと思います。
―早慶戦に向けてあつい意気込みを
小学校1年からテニスずっとやってきて、ほんとに最後の、大学での最後の春の早慶戦なので、最後に勝って笑って終われるようになんとしてでも勝ちます。
◆井上悠冴(いのうえゆうご)
総合政策学部4年。湘南工科大学付属高等学校出身。力強いフォアハンドを武器に安定したテニスを展開する慶大の主将。団体戦でのインターハイ優勝の経験を糧に、今季慶大が勝利する第一条件となるチーム力の強化に取り組んでいる。俊敏なフットワークと堅実なストロークには定評があり、自身がチームの主力となって早慶戦で4年間の集大成を見せる。
By Asuka Ito
コメント