いよいよ大学最後の年を迎え、主将井上(総4)とともにチームを牽引する立場に立った長谷川副将(総4)。今季はここまで決して好調とは言えず、春関シングルスではまさかの2R敗退。「失うものは何も無い」として臨んだダブルスでも宿敵片山を相手に2度のタイブレークの末惜敗しベスト4に止まった。競技生活最後と決めている大学4年目。このままでは終われない。反撃の炎を心に燃やし、長谷川副将が最後の春季早慶戦に挑む。
―今の調子は
そんなに良くはないですが、良くなってきてるという感触はあるから、そんなに悲観的にはならず練習してやっていくしかないかな。
―春関以来プレーや練習に変化はあるか
あの試合も決して自分で納得いった試合ではなくて、結果的に負けているし、そこから得たものは確かにありますけど、それ以上に日々の練習であそこのペアに勝つために何をしたらいいかっていうことはやはり考えて、あそこのペアに勝つための練習っていうのを想定してやっています。
―早慶戦が目前ですがチーム全体の雰囲気は
チーム全体の雰囲気としては悪くはないです。いろいろ課題や問題もあるけれど前向きにトライしていく気持ちは忘れないで、早慶戦までは早慶戦に勝つための練習をしていこうと話しています。
―昨年は全日本にも出場、プロと学生との違いは
やることは特に変わらないと思いますけど、プロは年間二十週くらいは試合に出てて、試合数が多かったり、いろんな刺激を受けてるなっていうのは確かに感じました。あとはテニスで生活していかなきゃならないので、やっぱり違うとは思いますが、自分のテニスをして追い込まなきゃいけないので、やることは変わらないと思います。
―長谷川副将にとって最後の一年、どんな思いがあるか
そうですね、大学生活の最後ということもありますが、僕は7歳から15年テニスをやっていて、その競技生活としても最後なので、後悔はしないように、というか後悔する性格でもないですけど、自分の可能性を最大限に生かせるように心がけることです。
―入学当初を振り返るとどんな1年生だったか
ひどいというか……(笑)まあ部活は来ないしすぐ休むし、なにかと言うことは聞かないし、まじめにやらないし、毎日のように怒られていたという感じでした。
―そのころ思い描いた大学生活は送れたか
いや……、送れてない、というか自分のモチベーションがなかったので。大学1年生の時はかなり一年を無駄にしたというか成長できなかったですが逆にその一年があったから二年目から頑張れたということもある。一年目からちゃんとやっていたら、そのままなんとなくここまできていたかもしれないし、一年目ちゃんとやらなかったから二年目から頑張れたので、どっちが良かったかはわからないですね。
―今季副将を務めているが、どのように役職は決まったか
監督、コーチと去年の代の人が決めました。
―決まった時の気持ちは
いやまあ若干なるだろうなという予感はあったのでそんなに驚きとかはなかったが、副将としてどう行動するかというのは考えるようになりました。
―副将としての役割は
やっぱり主将が一番で副将がその下なので主将をサポートすることと、それだけでなくチームの中心となって引っ張っていくっていうことが、4年生で副将でチームのトップでやっている代表の役割かなと思います。
―副将から見て今年のチームは
いろんな部員がいて個性があって、能力のある選手もいて、1年生のメンバーも選手もいるので若い力もあるし、井上・長谷川という4年生がしっかり中心になってやれているので、いいバランスでそれぞれができているかなと感じます。
―昨年と比べて違いは
昨年は個人の力を優先していて、今年はチーム力でやっていこうという方向性がすごく強いのでそこは全然違うと思います。
―高校時代はどんな選手でしたか
高校時代はかなり自分に甘えてて、能力だけでテニスをしていました。努力はしていないし、決して頑張らないし、なんとなく自分が持ってるそこそこの力で勝てればいいやくらいの気持ちでいました。
―これまでの戦績は
インターハイでは個人戦はベスト8で団体戦はベスト4です。あと全日本ジュニアの室内大会では決勝戦までいきました。
―ご自身のテニス人生を振り返って転機はあったか
全国小学生テニス選手権という大会で決勝戦までいって、その時に全国のトップでしっかりやっていこうっていう意識が芽生えて、それ以降ずっと全国大会のトップで自分のためにテニスやってきたんですけど、自分のためじゃなくてチームのために行動していくことに魅力を感じて変えていくきっかけになった大学入学というのも転機になったかなと思います。
-ご自身の性格は
かなり意思が強くて、かなり楽観的。落ち込むこともなければ、ネガティブになることもなくて、前向きにやれてるかな。
-目標とするプレーヤーは
特に。自分とテニスが似ている選手があまりいないというか、ちょっと人とは違うかなと思うので。でもプロの試合とかはよく見るようにしてます。
-では自身のプレースタイルは
そんなにパワーで押せるタイプではないので、いろいろ戦術はよく考えています。相手の嫌がるところを突いたりだとか、リズムを変えて向こうが同じテンポでは打てないようにしたりとか。まあ、いろんなひきだしがあるので、ストロークだけでなくて、サーブからネットに出たり、ストロークからネットに出たり、あるいはディフェンシブにも戦える。いろいろなひきだしを以って相手のリズムを崩すというのを一番に考えてます。
-ダブルスとシングルスではどちらに向いていますか
いや、どちらでもいけます。
-一番得意なプレーは
ネットプレーです。最終的にはネットで取りたいという意識が強いです。ストロークだけではポイントを取れないし、サーブだけでも取れないので、最後はネットで、と思います。
-大学で一番意識している選手は
早稲田の片山と伊藤がずっとトップなので、その二人に勝つことが、早慶戦で勝つことや王座で優勝することに繋がっていて、それをするなら僕か井上だと思います。
-学業とテニスの両立は
学業はほどほどに、単位だけはしっかり取ってます。でもできるだけ時間はテニスに使うようにしています。
-卒業後の進路は
普通に就職して、テニスは引退して、サラリーマンになります。
-試合期間、疲れを取るためにしていることは
食事をしっかり取ることは試合期間じゃなくても意識してます。一人暮らしなので、食事でサボることなく朝、昼、晩ちゃんと食べるようにしているのと、ジャンクなものを食べないように気をつけています。
-試合期間以外のオフの過ごし方は
相当疲れていたら家で寝ていますが、そうでなかったらオフの前の日に出掛けたり、オフの日に出掛けて買い物したり、割とアクティブに活動しています。
-オンとオフの切替は
テニスに入り込む時とそうでない時ははっきり分けています。ずっと続けるのは無理なので。集中するところは集中して、それ以外は自分の時間を大切にしたい。プライベートとのバランスというか、テニスに集中するために体をリラックスさせることも重要かなと思います。
-チームのムードメーカーとして
自分は相当明るいかな。逆に良い意味でも悪い意味でも影響力がかなり強いかなと思います。なので、いろいろ気をつけてやらなきゃいけないなと。
-願掛けなど、試合前後に決めていることは
願掛けはないですけど、かなり神経質なので、例えばウェアの組み合わせとかを気にします。あと、結構勝ち続けてたら同じ定食たべたり。勝ったら同じことをして、負けたら変えます。
-早稲田の中で意識している選手は
やはり片山と伊藤の二人。同じ年で、小学生の頃から知っているので。彼らは大学入ってから結構伸びていて、大学入ってからは勝ってないので、勝ちたいという思いは強いです。
-勝利の秘策は
それはちょっと言えないかな(笑)
-次の早慶戦はアウェーですが
いや、早稲田のコートは結構好きなので。サーブも速くてネットを取りやすいので、二年前の早慶戦の時も両方勝って、イメージ的には悪くないです。
-強敵早大に挑む意気込みを
最後の年で、入学してから早稲田には一回も勝ってないので、自分たちの代で勝つっていうことが一番です。やはり競技としてやっている以上勝たないと意味がないし、九本やって一本や二本勝っても意味がない。チームとしてやってて、五本取って勝つことに意味があるので、それを目指してしっかりやっていきたいです。
◆長谷川祐一(はせがわゆういち)
総合政策学部4年。名古屋高等学校出身。ネット際での反応と相手の動きを読んで前後左右に揺さぶりをかけるセンスはチーム随一。今季は井上主将との4年生コンビでチームを牽引しているおり、破天荒でマイペースな独特の雰囲気に周りを巻き込む。努力型というよりは天才型のプレーヤーだが、ここ数年は小学校時代から知る片山に負け越しており、大学最後の今季リベンジに期待がかかる。
By Asuka Ito
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