来る3月18日(土)、早稲田大学東伏見テニスコートにて行われる第86回女子早慶対抗庭球試合。今回は早慶戦直前特集第一弾として、慶大女子庭球部を引っ張る加藤里菜主将兼主務(法4)と佐藤智麻副将(理3)にお話を伺った。
―今季を振り返って
佐藤:伸びは見えたけどもっとって感じですかね。
加藤:結局去年に比べると戦績もあがったんですけど、その戦績を残せたのもトップの四人だけで、まだまだ層は薄いのかなって実感できた大会だったかなと。
佐藤:個々人の伸びは今年のほうが伸びているとは思うんですけど、去年の四年生のレベルが高かったので、そこから比べると・・・でも目指す所は一緒なので・・・
加藤:すごい急成長を遂げるつもりで日々過ごさないとやっていけないなと感じました。
―チームの雰囲気は
加藤:去年は四年生の戦力が群を抜いていたので、自主性に欠けていた部分があったんですけど、今年は一人一人がテニスにおいても部活においても自分が主体的に動いていかないと、部自体も動かない、戦績も出てこないという状況になるので、みんなが一人一人自分の力を発揮しようとしていて、ガッツのある子も多いので、前向きなチームになってきているのかなと思います。
佐藤:体制が変わって、副将という立場も今年の代からできたもので、今までは四年生が幹事を務め、三年生が副務と部内幹事を務める形だったんですけど、今年からは三年生でも幹事を務めるのが大事になってきて、三四年生が集まって部のことを考えることができるので、三年生が一、二年生とのコミュニケーションを図ることで、全体が上手く回りだそうとしている所ですね。
―チーム内のイチオシ選手は
佐藤:ルーキーの藤岡(総1)ですかね(笑)
加藤:徳島の高校時代に一年間重い病気にかかってしまってテニスができなかったのに、そこから復帰して全国クラスの選手になって、慶應じゃなければテニスはやめるっていうくらいの子だったので・・・情けない話ではあるんですけど実際に選手としても見本となるような姿勢を見せてくれているかなと(笑)
佐藤:実力的には三番手、四番手ですけど、先々慶應を背負う器があるなって思います。一年生も藤岡を中心としていくことで部活として変わっていくのかなと感じますね。
―主将副将になった経緯は
佐藤:複雑なんですよね(笑) もともと副将だったのは宇田川(政3)なんですが、彼女をテニスに集中させていくということも部活としては一つ強くなる手でしたし、私としてもテニスに対して向き合えるので。突然のことで迷ったこともあったんですが、四年生からありがたく引き受けることとなりました。
加藤:地震の影響で主将が地元に戻ってしまったこともあって、佐藤が主将代理という形だったんですけど、四年生や監督コーチと話し合った結果、主将兼主務という役職に就くことになりました。
佐藤:主将兼主務というとかなりの負担になるので、そこを全員で支えていくことで大事なのかなと。今までの部活の流れとその期の両方を生かしてやっていきたかったんですけど、大きく主将を変えるのではなく、主務として中心で活躍してきた加藤さんにやってもらった方がチームの勢いを止めずにいけるのではないかという判断でした。
―今までに主将・副将のご経験は
加藤:私たち二人ともSFCなんですけど、中学高校ともに主将でした。
佐藤:私は中学の時に主将でした。
―ではその経験が大学でも生かせているのですか
佐藤:主将経験というより、SFCでの部活の経験が大きくないですか?
加藤:それが大きいと思いますね!
佐藤: OB・OGの先輩方や体育会の方にコーチしてもらっていましたし、部活のためのチーム作りなど、ホントに足りない知恵を振り絞って動いていたので(笑)、考える癖がつきましたね。あとはやっぱり私達のつながりじゃないですかね。
加藤:もう九年目だもんね・・・ 後輩ですけど、まるで先輩のようです(笑)
―9年間で見えたお互いの良さとは
佐藤:良い所がありすぎて困るんですが(爆笑)
加藤:またまたー(笑) でも(佐藤副将は)大学に入ってからすごく変わったよね。当初は視野が狭いのかなって思ったんですけど、しっかりした自分の考えを持っていたので、それを部に発信しようと一年生の時からしてくれていましたね。学年が上がるにつれて自分の考えと周りの考えを踏まえた視野の広い考えを持って部を動かすすごい存在になってきましたね。しかも理工学部なのに留年せずに学業と両立していますしね(笑)
佐藤:大切ですよね文武両道は(笑) でも中学の時からずっと変わらないのは、何に対しても真っ直ぐな所ですよね。自分に対する私欲があまりなくて、周りのためにパワーを出せる人だし、本心で伝えようとしていることが伝わってきます。言葉で表すことが苦手なことは知っているんですけど、表情や行動で伝わりますし、この人のために皆で支えようと思える人ですね。そういうところが本質的な魅力だと思います。
―テニスを始めたキッカケは
加藤:親がやっていたので家族テニスという感じで始めました。佐藤:私も母がやっていたこともあってやりたいと言ったら、スクールでやりなさいと言われ、週1で始めました。
加藤:私も週2とかかな。
―テニスの魅力は
加藤:最近感じるのが、ホントに精神面が出るスポーツだなと。私生活のことでもつながるものがある所が魅力の一つだと思います。
佐藤:正直テニスが楽しいと思う時とやめたいと思う時を比べると、やめたいと思う時の方が多いんです(笑) 個人スポーツだから自分の弱さがすごく出るし、向いてないと思うんですけど、そういう所に取り組むことで成長するとも思いますし、自分からやりたいと言って始めたものだから一個一個の判断力が伸びてくる、という所もテニスがやめられない理由ですね。
―僕くらいのレベルだと楽しいものでしかないんですが・・・
佐藤:テニスは楽しいのが一番ですよね(笑)
加藤:楽しいのが一番!(笑)
―苦しい理由でもあるトレーニングですが、どのような練習をしていますか
佐藤:最近の流行りは階段を走る!ですかね(笑)
―どこの階段を使っているんですか
加藤:塾高階段と蝮階段と理工階段です!
佐藤:蝮谷にはステキな階段が3つもあるのでいくらでも階段トレーニング出来ますね(笑)
―では練習の疲れを癒すオフの使い方は
加藤:オフに授業を詰めたり、他の日に出来なかったことをやったり、後輩や友達とご飯に行ったりですね。次の日は朝が早いので、なるべくお昼に息抜きしています(笑)
佐藤:オフ前の夜が騒ぐには一番ですよね!飲むならそこ!(笑)
―体育会の方はどれくらい飲むんですか?
佐藤:四年生の代は勝手に飲んで潰れるので、いつも介抱しています(笑) けどそんなに飲まないですよ!
―庭球部でなかったら大学で何していますか
佐藤:サークルではテニスはやらなかったと思います。
加藤:私もですね。あと何かしら資格を取っていたと思います!高3の最後の試合で負けた時に何も残らなかった気がして、大学ではこれは得たぞ、というものが欲しいなと思ったので。
佐藤:私は教職を取っていたかもしれませんね。化学が好きで勉強したいと思って大学に入ったこともあって、両立できなかったら部活をやめるしかないと思って庭球部に入ったので。どちらにしても時間を持て余せない性格なので、結局は忙しくしていたかもしれません(笑)でもサークルも入っていたのかなぁ……
加藤:サークルに馴染めなさそう(笑)
佐藤:でもテニスやってなかったら庭球部のマネージャーをやっていますね。部活を作ったりすることが好きなので。
―昨年の早慶戦を振り返ると
加藤:自分としてもチームとしても準備不足だったなと思う所がすごくあって、結果にも直結して、今年は実際に春関で上位を占めた相手にも立ち向かいに行くということで、チームとしてもどうあるべきかを考えた上で望みたいと思います。
佐藤:去年は二年生だったこともあって引っ張られるだけの早慶戦だったし、やる意味があるのかと考えることもあったんですけど、今年は自分からぶつかりに行って噛みついてやろうという形で望んでその場に立ちたいと思うし、引っ張られるだけの人を作らずに臨みたいという明確なビジョンがありますね。
―チームの目標は
加藤:早慶戦優勝ということにつきますね!
佐藤:それを目指さないと面白くないと思いますしね!
―ご自身の目標は
佐藤:チームが勝てばそれでいいですね!
加藤:私も結局はそこに至ると思います。早慶戦に出れるという立場にいるので、技術とかを言い訳にせずにチームのために一本二本取ってくる!という形で臨みたいです。
―最後に早慶戦に向けてアツい一言!
加藤:「逃げない!」ですね。ネガティブにも聞こえるかもしれないんですけど、一人一人が勝利を信じて立ち向かう!という意味です。
佐藤:歴史のある早慶戦において試合のできる選手の一人として、「歴史を作る!」ですね。
◆加藤 里菜(カトウ リナ)
1989年10月14日生まれ。慶應義塾湘南藤沢高等部出身。法学部法律学科4年。身長153cm。部員や監督・コーチからの信頼も厚く、何に対しても真っ直ぐな性格で慶大庭球部を支えている主将兼主務。早慶戦ではリーダーシップを発揮してチームを引っ張る。
1990年8月23日生まれ。慶應義塾湘南藤沢高等部出身。理工学部3年。身長150cm。自分の考えと周りの考えを踏まえた視野の広い考えを持って部を動かす副将。文武両道を歩む彼女のテニスに期待がかかる。
By Yuki Kawashima
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