【準硬式野球】春季リーグ戦開幕直前! 日比谷投手インタビュー

準硬式野球

圧巻の投球を見せた日比谷

 昨季、東京六大学準硬式野球秋季リーグで優勝を果たした體育會準硬式野球部。歓喜の輪の中心にいたのは、2年生ながらエースナンバーを背負い、投球回数、奪三振数でリーグトップの成績を残すなど大車輪の活躍を見せた日比谷元樹(新理3・慶應)だった。150km/hに迫る直球と鋭く曲がる変化球で多方面から注目を集める存在だが、今回は日比谷投手のこれまでの取り組みを振り返り、未来の目標に迫った。

 

—昨秋のリーグ戦を振り返って

去年の春のリーグ戦で5位に沈んでしまって、そこから4年生が中心となって、練習内容とかも大幅に変えたことで、秋に優勝することができたと思っています。

—秋の関東王座決定戦では国士舘大世田谷にコールド負け

勝てば2戦目で、大学準硬式野球界のトップでもある中央大と当たる予定で、そこに勝とうという気持ちが強すぎて、少し油断や気のゆるみが出てしまったと思います。初回からミスが出たり攻撃でも焦りがあって、気付いたらコールド負け、という感じでした。

—個人成績では投球回、奪三振数でリーグトップの成績

そんなには意識はしていなかったんですが、中継ぎがしっかりしていたり、攻撃で先制してくれることが多かったので、それに報いようと思って頑張って投げていました。

—早慶1回戦では7回1失点の好投を見せた

春のリーグ戦の対戦で1勝2敗で負け越してしまって、勝ち点を落としてしまったときの敗戦投手が僕で、その敗戦で春の5位が決まってしまったのですごく悔しくて、絶対に勝ちたいと思っていました。秋の早慶戦は、この試合に勝てば優勝が決まる状況だったので、負けられない戦いだと思って臨みました。

—全日本9ブロック対抗戦の決勝では関東選抜の先発として好投した

準硬式野球部に入部したのが昨年の3月で、そこから活躍できたことで他大との交流ができて、関東選抜のメンバーは高校時代に甲子園を経験していたりするので、関東選抜で活躍できたことよりも、他大の色々な選手と交流できたことが自分にとっては良かったと感じています。

—持ち味でもある威力ある直球を投げるために取り組んだこと

高校時代は最初120km台ほどしか投げられなくて、そこで自分の投球フォームに注目して、投手陣と一緒に動画を見て、「ここが違うんじゃないか」とか「ここを直した方がいいんじゃないか」とか意見を出し合って一つずつ取り組んで、ウエイトトレーニングとかよりも、フォームチェックを意識してやっていました。例えば膝の動きを直すならば、膝の動きを練習中ひたすら確認したりしていました。

—大学に入学した際にはリコタイ(理工学部體育會硬式野球部)に入部した

高校時代の先輩たちが多く在籍していて、レベルも高いと聞いていたので入部しました。入学当時は準硬式野球は自分の選択肢に無くて、というのも高校時代に(準硬式野球部が使用している)日吉台球場を使っていて、当時は準硬式はあまりやりたくなかったので、勉強もしっかりやりつつ、リコタイで野球も少しやっていけたらいいなという感じでした。

—準硬式野球を意識したキッカケは?

コロナ禍もあってあまり満足に練習ができていなくて、自分の中でもう一段レベルアップしたいと感じていた中で、高校時代の同級生が5人くらい準硬式に進んでいて、彼らに話を聞いて「一度体験に行ってみようかな」と思いました。

—中等部時代は軟式、高校とリコタイでは硬式、現在は準硬式と変化していくボールへの対応は?

一番苦労したのは軟式から硬式に変わったときです。その時はなかなか慣れなかったんですけど、準硬式は硬式と軟式の間というイメージなので扱いやすくて、投げる分には硬式と同じような感覚で投げても問題なかったので、硬式から準硬式への対応はそれほど難しくなかったです。

—変化球の曲がり具合の違いは?

そこはちょっと違っていて、硬式の時はスライダーとフォークを投げていたんですが、準硬式ではフォークが挟みにくいので、今はカットボールとチェンジアップを投げていて、硬式と準硬式では全く違う球種を使っています。今投げているカットボールやチェンジアップ、カーブは全て先輩投手から握り方を教わりました。

—理工学部に在籍していて、文武両道の面での苦労は?

あんまり出来ていないですね…(笑)。野球を楽しくやれているので。でも、準硬式野球部では授業優先で、就活もさせてくれるところなので、文武両道を成し遂げやすい環境ではあると思います。

—準硬式から目指すのはNPB? それとも社会人?

今のレベルではプロ野球は考えていないです。まだあと2年あるので、自分の中では「球速」、スピードガンの数字にこだわってやっていきたいと思っています。チームの勝利はもちろんですが、自分個人の目標としては球速を追求していって、どれだけレベルアップできるかだと思います。

—今シーズンに向けて取り組んでいること

やはりフォームチェックですね。フォームをもう少し改善してから、ウェートトレーニングに励みたいと思います。(フォームの中で)左膝が止まってしまうので、左膝の「引き」を意識してずっと取り組んでいます。チームとしては、練習試合が始まってからまだ1勝もできていなくて、そのまま関東地区選手権に臨むので、厳しいとは思うんですが、何とか盛り返して一戦一戦やっていきたいです。

—リーグ戦、今シーズンの個人目標

リーグ戦では去年獲れなかったベストナインと最優秀防御率のタイトルを目指して、あと今シーズンで個人的には球速は153kmを目指してやっていきたいと思います!

 

(取材:宮崎秀太、写真:慶應義塾體育會準硬式野球部提供)

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