【塾生注目! 應援指導部特集③】体育会本部×應援指導部~慶應スポーツを盛り上げる~

應援指導部

應援指導部特集最終回。今回は体育会本部・菊池龍志主幹(水泳部水球部門)と應援指導部代表・小竹栞さんに対談形式でお話を伺った。組織は違うが、「慶應の体育会を盛り上げる」という同じ目標に向かって、互いに連携しながら様々な取り組みをしていた。また、他大学にはない慶大体育会の魅力や応援の特徴についても語ってくれた。

体育会本部・菊池主幹

應援指導部代表・小竹さん

体育会本部と應援指導部の連携

――他己紹介お願いします

小竹:菊池龍志くんは、体育会本部の主幹で体育会生のトップを務めています。水球部(=水泳部水球部門)の審判をやっていて、初めて審判として入部した先駆者で、非常に面白いです。柔軟性があり、何事も乗り切れそうで、生命力が強い方ですね(笑)。

菊池:小竹さんは應援指導部で三将を務めている吹奏楽団のトップの方です。ドラムを担当しています。たまに三将のミーティングに入ると、ずっと笑顔で、3人の中でムードメーカーとしてまとめています。

 

――体育会本部の具体的活動

菊池:具体的には大きく2つあります。まず、43部59部門を統括する組織であるので、各部が円滑に業務運営をするための下支えや、財務管理や広報をしています。もう1つは体育会の活動を外に発信する取り組みです。應援指導部や他の団体と共に、体育会をより良くしていこう、応援される組織にしていこうという取り組みや、他大学の体育会と合同で、どうしたら日本の体育会全体を盛り上げられるかという事を考え様々なことをやっています。

 

――應援指導部は福利厚生団体で体育会ではない、体育会本部との連携は

小竹:同じ体育会をまとめ、盛り上げるという役割だと思っていて、両者が体育会の選手が試合でより輝き、パフォーマンスを発揮できるために活動しています。例えば今年は主将主務会議に呼んでもらい、体育会を盛り上げ方や、どういう練習をしていったら良いかを考えるディスカッションに参加しました。また、広報では(体育会本部と)一緒に体育会の早慶戦カレンダーをやっています。各体育会の早慶戦の日程が決まったら月の最初に出しています。

菊池:早慶戦だけじゃなくて他の体育会の試合も!

小竹:体育会の試合全部か!試合日程カレンダーを合同で作って、各SNSで公開しています。

 

――試合日程カレンダーを作ろうと思った経緯

菊池:きっかけは僕の後輩の本部員です。コロナウイルスの影響でオンライン授業が大半となり、各部・部員同士のつながりが少なくなっていることに課題感を感じておりました。どういうところで試合が行われているのか、どういう位置づけの試合が今度あるのかが、全く知ることができない状況が続いていました。これをどうしたら解決できるのか、本部で解決手段を考えた時、同じ課題感を抱えていた應援指導部と合同で企画を行う事を考えました。一緒に応援する組織を作っていこうという同じビジョンのもと試合広報の収集・加工・SNSで発信する取り組みを始めました。

 

――実際にやってみて

小竹:コメントは結構来ていたかな……

菊池:「素晴らしい取り組みです」というコメントとか

小竹:あとは、部員も応援に行く試合は分かるのですが、応援に行かない試合のアンテナを張るのは難しいです。プレイヤーとしても写真をもらってその競技の様子が分かったり、部員が應援指導部のアカウントで見て試合を知ったり、部員が体育会への理解を深められたりする良い機会だと思っています。

 

――これから2団体でやっていきたい企画

菊池:大学の体育会副理事の方が、一貫校の生徒にももっと体育会のことを知ってもらいたいと考えています。そこで、体育会本部と應援指導部が合同で試合に招待するという形で、その試合の競技のレベルや、どのように応援しているのか知ってもらおうと思っています。実際に応援の練習をやってみようという企画を作り上げている途中です。

小竹:コロナの影響で、一貫校の子も早慶戦や慶應スポーツと本当は身近な存在だったのに離れていってしまっているという危機感を色々な人が感じています。それで(体育会本部から)お話しいただいたのですが、一緒に取り組めたら良いなと思います。大学生に対してだけじゃなく、様々な人に広くスポーツの魅力を伝えられたら良いと思っています。

3月にも合同企画を行った

コロナ禍での活動について

――コロナ禍での苦労

菊池:部員同士が会う機会が失われたことです。他の体育会、例えば所属している水球部ではコロナ禍でも練習は必ずやっていたので、部員同士の交流はありました。しかし、体育会本部は各部から選ばれてきた学生が一堂に会する組織なので(本部の)部員同士の交流がなくなってしまいました。コロナと業務のオンライン化により対面で会う機会は失われてしまって、横のつながり縦のつながりが失われたことが課題でした。

小竹:私たちは、体育会ではなく練習も学生団体の規制もとで行わなければならなかったので、そもそも活動ができないこともありました。体育会の試合は無観客が多かったり、応援の形態も発声禁止だったりと活動に制限がかかることが多かったです。その中で、どういう応援を届けるかを考えました。試合に行けないのであれば、オンラインでメッセージや横断幕を送ることや、発声が禁止なら音でどう工夫すればよいかなど、すごく考えさせられて良い時間ではあったのですが、その分これまでのものを出せば良いというわけではなかったので、苦労しました。

 

――部員同士とのつながりは應援指導部では弱まらなかったか

小竹:私たちもオンライン化して、ZOOMで頻繁にミーティングをしていました。コミュニケーション量が減ったという人はあまりいないと個人的に思います。ただ、対面でなくオンラインコミュニケーションだと、ミーティング等が終わった瞬間に途切れてしまう性質があるので、コミュニケーションの質が変わってしまったとも思っています。

 

――菊池さんはどのように工夫して部員と連携を

菊池:体育会本部は2年生から4年生までの部員が所属していて、4年生が卒業したら2・3年生のみで少ない枠組みだったので、僕自身が2年生と一人ひとり面談をして、交流の量を増やしていきました。実際に面談シートを作って、本部員がどのようなことを考えているのか、どういうことをしたいのかを言語化してもらい、それを形にできるような環境を作っていくという取り組みをしていました。

 

体育会本部から見た應援指導部、應援指導部から見た体育会本部

――体育会から見た應援指導部の応援、率直な感想は

菊池:率直にすごいなと思いますし、ありがたいなと思います。僕自身もそうですし、他の体育会の部員も思っていると思います。僕は幼稚舎出身で小さいときから野球など見に行ったら應援指導部が必ず指揮を振っていたりチアをしていたりしてすごいなと思ったのと同時に、“応援”があるおかげで観客が一体になると感じました。今実際、こうやって一緒に活動しているということは改めてすごさを実感しますし、恵まれた環境で試合させてもらえているのだと思っています。

選手を励ます慶大の応援

――今の言葉を聞いてどう感じますか

小竹:そんなに思ってくれてありがたいなと感じています。でも、感謝されるだけでなく、むしろこちらも感謝したいなと年々感じています。体育会の方の本当に大事な瞬間に立ち会わせていただいていますし、コロナ禍で観客に制限がある中で應援指導部は応援が許されるということもありました。また普通に生活していたら王道のスポーツにだけ触れるのが普通の人生だと思いますが、應援指導部として色々な方に依頼いただいて応援する機会をいただけることで、自分の知見が深まり、色々なことを知って豊かになっていると感じています。

 

――應援指導部から見て、慶應体育会はどのような組織

小竹:良い意味でバランスが取れていると思います。体育会と聞くと熱くて「体育会だね」という印象もあると思うのですが、慶應の人たちは、スマートな印象があります。試合とかで見る熱狂的にプレーする姿とは別に、キャンパスで体育会の服装をしてカバンを持つ姿も見ることがあり、「文武両道」を慶應体育会の一つの理念と掲げているのだと思います。一生懸命活動することもそうですが、頭を使ってスポーツに取り組んでいるのだと想像しています。本当に尊敬できます。他大学の体育会生とは違い、秀でているところだと思います。

 

――文武両道は意識するか

菊池:慶應の体育会は他の大学と違い、様々な学部に所属している部員が多いですし、初心者もいれば日本・世界で戦う競技者もいます。本当に多様性があると感じています。文武両道をそうですし、慶應としての理念の下で活動できているのだと思っています。

小竹:スポーツ推薦がないのに逸材がそろっているのが良いと感じます。

 

――他に他大学にはない魅力はありますか

菊池:そこ(文武両道)が一番大きいとは思います。その上で、応援が一つの特徴で、他の大学にも歌はあると思うのですが、それを歌える人は少ないと思います。慶應だったら「若き血」を歌えますし、塾歌や早稲田に勝ったら「丘の上」が歌えるなど曲のレパートリーが多いというのも特徴だと思います。勝った時にこそ歌える歌があることが良いことだと思います。

得点後には若き血を歌う

 

――應援指導部と他大学の応援部との違い

小竹:新しいことをやろうという意識が慶應の理念としてもありますし、私たちもそれを受け継ごうと考え体現しています。応援席は、チアとバンドと男子部員が先導するということが固定概念だと思います。それを性別や部門に関係なく色々な人が、やりたい応援をできる環境を私たちは目指しています。その一つとして、応援指揮を女性が務めリードしていることがあります。また応援が独りよがりになることは本質的ではないと思うので、常に応援が選手のためになっているのか、慶應の良さを伝える応援席になっているのかを部員が考える機会として、試合前後に目標決めや反省を行っています。常に思考停止しないような工夫をして応援に臨んでいることはあまりない良い取り組みだと思っています。

 

体育会を盛り上げる

――体育会を盛り上げるという共通点、理想は

菊池:一つひとつの部の試合に、観客が多く入ること、学生で観客席を埋めることが理想です。応援などがあるから、自分たちの部活を知ってもらえて、チームとして選手一人ひとりも頑張ろうと思って気持ちを奮い立たせることができると思います。体育会として、体育会本部としてそういうことを作り上げていくことができれば良いと思います。

小竹:とにかく塾生を応援席や試合に連れていきたいという気持ちがあります。多種多様なスポーツには関わることは一般的な学生にとっては難しいことだと思いますが、関わると本当に心が豊かになりますし、せっかく慶應に入ったのだから、「慶應に入って良かったな」と、慶應のこのスポーツ見て「慶應生で良かったな」と思えたらすごく素敵だと思います。その一助となることを應援指導部としてもやっていきたいですし、体育会本部とも連携していきたいです。やはり、体育会の選手とも、応援席では関わりがあるのですが、普段は関わりが少なく、同じ慶應の一員だということが希薄になってきていると思います。そこの橋渡しを行い、應援指導部と体育会本部が絆をより強固にして、一丸となって塾生全体に呼び掛けられるような組織になったら良いと感じています。

 

――慶應の学生へのメッセージ

菊池:ぜひ色々な試合に足を運んでみてほしいと思います。各部全力でそのスポーツに打ち込んできた人たちが“一つの集大成”として試合に臨みますし、その姿を色々な人に見てもらいたいです。小さい子たちに憧れの像を見つけてもらったり、他の部活から刺激を受けたり、コロナが徐々に収束しているからこそ足を運んでその試合を応援しに行くということを一緒にできたらなと思います!

小竹:スポーツや応援は人間だからできるものだと思っています。試合を見ることで、自分にとって良い体験になると思います。例えば友達に体育会の人がいるなどしたら試合に行ってみたらすごく良い経験になると思います。ハードルが高いとは思うのですが、そのハードルを下げて色々な試合に触れてみたり、SNSで情報を収集することから始めたりすると、自分の世界が広がってより楽しい慶應ライフになると思います!ぜひ体育会生の活躍に目を向けてみてください!

――お忙しい中、ありがとうございました!

※写真はすべて慶大應援指導部提供

第1回→【塾生注目! 應援指導部特集①】応援席をまとめる応援指揮~「応援指揮は唯一無二のもの」~ | KEIO SPORTS PRESS (keispo.org)

第2回→【塾生注目! 應援指導部特集②】応援企画責任者対談~観客と一体の応援を部員全員で作り上げる~ | KEIO SPORTS PRESS (keispo.org)

(取材 長沢美伸)

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