前期最終戦となる第11節。相手は昨年1部の舞台で共に戦った立正大学だ。1部復帰を目指す上でライバルとなる強敵との一戦は接戦となった。前半は五分五分の展開に。両チームとも粘り強い守備を見せ、スコアレスで折り返す。しかし後半69分に相手の見事なゴールで先制を許すと、終了間際にも加点され0―2で敗れた。
2022/6/18(土)14:00キックオフ @会場非公開
【スコア】
慶應義塾大学0―2立正大
【得点者】
69分 板橋幸大(立正大)
84分 多田圭佑(立正大)
◇慶大出場選手
GK
21 根津拓斗(政2・慶應)
DF
7 山本献(商3・國學院久我山)
5 牧野晋作(経4・東京武蔵野シティFC U-18)
2 山口紘生(商2・國學院久我山)
3 川野太壱(政4・横浜FCユース)
MF
6 森友紀(環4・FCトリプレッタユース)
20 内藤豪(法2・駒澤大高)
15 角田惠風(商1・横浜F.マリノスユース)
29 茅野優希(政2・慶應)
FW
10 斎藤滉(商4・FC町田ゼルビアユース)
27 熊澤維吹(文3・國學院久我山)
第9節の中大戦、第10節の日体大戦と実力校相手に引き分けが続いていた慶大。白星を飾りたい前期最終戦は、立正大が相手だ。昨年は慶大と共に1部の舞台で戦った立正大。昇格を争うことになるであろうライバルとの一戦だ。
序盤は立正大ペースで試合が進む。開始10分までに何度かコーナーキック、フリーキックなど相手セットプレーのピンチを迎えたが、慶大守備陣が難なくクリアするなど危ないシーンは作らせない。慶大最初のチャンスは10分、DFラインからボールをつなぎ、MFの森友紀(環4・FCトリプレッタユース)へ。ゴール前に迫ったが、相手DFの激しい守備にあい、シュートにはつながらない。続くコーナーキック、キッカー山本献(商3・國學院久我山)のボールに、FW熊澤維吹(文3・國學院久我山)が頭で合わせるが、枠をとらえられない。
その後は決定的なシーンはなかなか作れず、徐々に立正大に流れが傾いていく。25分、相手コーナーキックのピンチ。キッカーからのボールが混戦状態のゴール前へ入りヒヤリとするが、ここはGKの根津拓斗(政2・慶應)が果敢に飛び出しダイビングパンチでクリア。粘り強い守備から攻撃に結びつけたい慶大は、サイドからの攻撃や、FW熊澤が中央を突破するなどさまざまな攻撃の形を見せる。前半終了間際には、左サイドをこの試合キャプテンマークを巻く川野太壱(政4・横浜FCユース)が駆け上がりシュート。しかしシュートはサイドネットへ。前半は両チームともゴールが生まれず、スコアレスで折り返す。
後半開始早々、慶大に大きなチャンスが訪れる。48分、熊澤からボールを受けた茅野優希(政2・慶應)がペナルティエリア外からロングシュート。これは惜しくもクロスバーを叩き、こぼれたボールに斎藤滉(商4・FC町田ゼルビアユース)が詰めるも枠の外へ。その後も左サイドを中心に茅野がドリブルやクロスで存在感を発揮。何度かゴールに迫るが、なかなか決定的なシーンが作れないもどかしいシーンが続く。
前半に比べ慶大ペースで試合が進んでいたように見えたが69分、それまで粘り強い守備を見せていたDF陣が一瞬の隙をつかれる。左サイドから立正大の板橋がロングシュート。これが右ポストにあたりそのままゴールへ。見事なゴールが決まり先制を許してしまう。84分にも追加点を許し、0―2で敗れた。
前期最終戦を勝利で飾ることはできなかったが、明るい材料も。この試合、1年生や2年生など下級生の出場が目立った。ルーキーの角田惠風(商1・横浜F.マリノスユース)は安定したプレーが光り、1年生ながらチームの中心的存在になっている。フレッシュな存在の台頭は、連戦が続くリーグ戦において必要不可欠だろう。
2022シーズンの前期は11試合を戦い5勝3分け3敗、勝ち点18でフィニッシュ。首位とは勝ち点1差の暫定4位につけている(6月19日時点)。2部優勝、1年での1部復帰へ、後期に期待がかかる。(取材:愛宕 百華、松田 英人)
以下、監督・選手インタビュー
浅海友峰監督
――ここ数試合引き分けが続く中で、どのような準備をしてこの試合に臨みましたか?
中2日ということもあって相手への準備は十分にはできなかったんですが、勝ててないところの修正をメインで臨みました。
――決定的なシーンがなかなか作れませんでしたが今日の試合を振り返っていかがですか?
ハード面、グラウンドの状況がいつもと違いました。ボールがよく跳ねたりとイレギュラーなピッチコンディションでは技術や個の力が出るので、そこがまだ力が足りないと感じました。ゴール前まで運べなかったことと、相手の守備陣がとても良かったというところ。そこを越える力がなかったことが私も含め課題だと思います。
――守備面では粘り強い守りが見えました
よく守ってくれたんですが、連戦の疲れの中でクオリティが落ちてしまったというところですね。失点シーンは改善しようとしていたところなので、そこが2日では改善できませんでした。
――前期を振り返っていかがですか
リーグ戦は実力が出るので、勝ち点18という数字は良くもなく悪くもなくというところかと思います。今の戦力で勝ち点18取ったのは良くやったと思うんですが、ここで満足していたら後期同じ勝ち点も取れないと思うので今日のような試合や、強い相手に引き分けで終わってしまった悔しさは忘れずに中断期間、真摯に取り組んでいくだけだと思います。
――後期に向けてどのような準備をして臨みますか?
まずは組織として規律のある振る舞いをピッチ内外でできるというところを目指したいですね。そこから組み立て直したいです。
川野太壱選手
ーー今日の試合を振り返っていかがでしたか?
前期最終節ということで、出られない選手や応援に来てくれる方々の想いを力に変えて、これまでの集大成として勝利で恩返しをしようという気持ちで臨みました。今節の失点シーンに関しては、前節・前々節と同じような崩され方をしてしまって、そこで修正できなかったところが弱点だったかなと思います。結果的に負けてしまいましたが、中断期間中、この悔しさをバネに成長して後期を迎えたいです。
ーー今日のご自身のプレーはいかがでしたか?
もともと自分は攻撃がストロングの選手だと思っているのですが、前半は殆ど攻撃に参加できず自分の良さが出せなかったというのが反省です。ただ、後半はサイドハーフやボランチの周りの選手と協力しながら練習でやった形や自分なりのプレーが出せたので、今後もこのような自分の強みのプレーを連続して出すことができれば、もっと輝ける選手になることができるかなと思います。
ーー 後期に向けた意気込みをお願いします。
今シーズンはリーグ優勝・昇格を掲げている中、前期は勝ち点18で終わってしまいましたが、全体としては勝ち点40を目指しています。中断期間中にアミノバイタルカップや合宿などで成長することで後期はさらに多くの勝ち点を積み重ねて、優勝・昇格につなげたいと思います。