【ラクロス(女子)】悔し涙の準優勝、走り切った1年間/全日FINAL vs MISTRAL

女子ラクロス

12月18日、第32回ラクロス全日本選手権大会決勝が行われ、慶大は社会人王者MISTRALと対戦。4―10で悔しい敗戦となったが、準優勝の座に輝いた。試合後、主将の川久保博子は、「この舞台を目標に練習してきたので、悔しい思いです。」と敗戦の悔しさを滲ませつつも、部員への感謝の思いを語った。

 

第32回ラクロス全日本選手権大会FINAL vs MISTRAL

12月18日(日)@江戸川区陸上競技場

得点

 

 

Q

Q

Q

Q

慶大

 1

 1

 2

 0

 4

MISTRA

 3

 1

 2

 4

 10

 

 

慶大出場選手

〈スタメン〉

 

G #51藤田瑠奈

DF #60矢島玲

DF #10藤澤理彩

DF #68中田晴奈

MD#88川久保博子

MD #33山本真菜美

MD #49橋本小夏

AT #71平井友香子

AT #3 秋山美里

AT #74 秋山雅望

  

第1クオーター、ドローで慶大がボールを奪取し試合が開始される。ゴール裏を使った巧みなプレーで相手選手を翻弄するも、グラウンドボールを奪われ、開始早々1点目を許す展開に。その後もMISTRALは慶大のゾーンディフェンスの目をかいくぐり、2点目を決める。しかし慶大の選手らは落ち着いて立て直し、クリアに成功。ゴール前でのグラウンドボールは秋山美がすくい上げ、秋山雅、そしてゴール前の平井へとパスが繋がり、平井はすぐにシュートを放った。ボールはゴール内へと転がり込み、慶應は1点を返すことに成功した。しかしその後は混戦となり、両者譲らない展開となる。そして第1クオーター終了間際、MISTRALが3点目を決めた。慶大は2点ビハインドで第1クオーターを終えた。

1点目を決めた平井

続く第2クオーター、ドローは川久保が制し、順調にパスを繋ぐ。しかしMISTRALのディフェンス陣により押し返され、ボールはゴールから遠ざかってしまう。さらにパスミスによりMISTRALに追加点を許す苦しい展開となる。慶大はその後も積極的にボールを奪うが、MISTRALはボールを保持している慶大選手を2人がかりで追い、パスを阻む。しかし第2クオーター終盤、MISTRALのファウルによるフリーシュート権を得た山本が、見事シュート。慶大は1点を返し、2点ビハインドで第2クオーターを終えた。

相手選手をかわす山本

第3クオーター、前半での失点を取り返したい慶大であったが、開始早々MISTRALにボールを奪われ、1点を追加される。さらにその約2分後、攻防の中で慶大のオウンゴールがあり、さらに1点奪われる展開に。しかし慶大は逆境の中でも落ち着きを保ち、粛々とゴールの機会を伺い続けていた。そしてついに、グラウンドボールを取った秋山美からゴール前の秋山雅へとパスがつながり、秋山雅はしっかりとゴールを見据えてシュートを放った。ボールはMISTRALのゴーリーの頭上を通り、見事ゴール内へ。見事慶大の3点目となった。さらにその直後、平井がゴール裏から回り込むとすかさずアンダースローを打ち込み、4点目が決まる。慶大は2点ビハインドから差を広げることなく第3クオーターを終えた。

ゴールの機会を伺う秋山雅

そして迎えた第4クオーター。第3クオーターで作った流れを維持できるかが鍵となるクオーターであったが、苦しい展開となった。開始早々、MISTRALのシュートを防ぐことができず、追加点を許すと、その後も続けて得点を許す展開に。チームタイムアウトを取り、立て直しを図るも、シュートが決まらず追い詰められていく。そしてMISTRALにボールが渡ると、慶大は鋭いシュートを防ぎきれず、再びMISTRALの追加点が決まる。完全に試合の流れを奪われた慶大は、守り切れずついに10点目を許し、試合終了のホイッスルが鳴り響いた。慶大は4ー10で悔しい敗戦を喫し、全日本選手権大会は準優勝という結果で幕を閉じた。試合技のフィールドには、悔し涙を流す選手達の姿があった。

主将の川久保はドローを担い活躍した

今年のチームは今大会で終了となり、来年度から新たなチームが始動する。今試合では、社会人チームの圧倒的な実力を見せつけられた結果となったが、それでも慶大は超攻撃型ラクロスを実践し学生王者に輝き、昨年度は果たせなかった全日本大会への切符を手にし、そして準優勝という素晴らしい結果を残した。今年の経験を糧に、来年度こそは果たせなかった日本一の夢を掴みたい。躍進を続ける慶大ラクロス部女子から目が離せない。

試合後の集合写真

 

以下、選手のコメント。

 

川久保博子選手(主将としてチームを準優勝まで導いた)

――今日の試合の感想は。

この舞台を目標に練習してきたので、悔しい思いです。

――チームのメンバーへの今の思いは。

感謝の気持ちが一番大きいです。ベンチメンバーだけでなく、他のメンバーのサポートもありました。一年生大会、準リーグ、Vリーグなどでの良い流れがあって、最後に向かって全員で向かって行く、その雰囲気づくりをみんなでやってくれました。支えてくれた部員のみんなに感謝したいと思います。

――4年間を振り返って。

日本一を取れなかったことは残念に思います。ただ、今年は強い慶應の幕開けとなる年にするという思いを込めた年で、下級生の指導にも力を入れてきました。なので、安心して引退したいと思います。

――後輩に向けて一言。

今のチームのメンバーも、下級生のフレッシュな勢いや、このシーズンで頼もしくなった2年生の支えもあり、そして3年生も安定してチームを支えてくれていたので、とてもありがたかったです。来年、3年生はラストイヤーになるので、さらに成長してくれたら嬉しいです。また、1、2年生も色々なことに挑戦できる環境があると思うので、最大限活用して、頑張ってほしいです。

 

 山本真菜美選手(積極的なプレーで試合をけん引し、優秀選手賞に輝いた)

――今日の試合を振り返って。

自分のシュートが決まらなかったりと悔しい所もありました。しかし。試合中も沢山のチームメイトの応援の声が聞こえてきていて、ここまで来れたのはチーム全員の力だと改めて思いました。誇りに思います。

――優秀選手賞に輝いた感想は。

素晴らしい賞を頂き、嬉しく思います。正直今日自分自身はシュートをたくさん打ちましたが、5本くらい決め切れていなかったので、そこを自分が決めていたら試合の流れは変わっていただろうなと思うと、自分の力不足でチームに貢献できなかったことが悔やまれ、勝ちたかった思いが強くあります。ただ、良いパスをくれたチームメイトのおかげで、自分の得意なプレイができ、この賞を取れたと思うので、チームメイトに感謝の気持ちでいっぱいです。

――4年間を振り返って。

本当にいい仲間に巡り会えたなと思っています。今日も先輩、同期、後輩から色々な声をかけてもらいました。今まで過ごした時間も私の宝物です。今日は負けてしまいましたが、4年間を振り返ったら、本当に人生においても良い時間だったなと、沢山のものをいただいた時間だったなと思います。

――後輩に向けて一言。

後輩のみんなからたくさん力をもらって今日まで頑張れたので、本当にありがとうと伝えたいです。このリーグ期間に、リーグ戦に出ていない人もみんな成長したなと感じています。来年はクラブチームに勝って真の日本一になって、それが来年再来年も続いていってほしいなと思っています。

表彰台に乗る川久保(写真右)と山本(写真左)

 (記事:中西絵理奈 撮影:長沢美伸、岡澤侑祐)

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