【ラグビー】FW陣が力で圧勝 「慶應らしいラグビー」の体現/関東大学対抗戦 第4節 対 成蹊大学

ラグビー

2023年10月22日(日)関東大学対抗戦Aグループ 対 成蹊大学 @ウエスタンデジタルスタジアムきたかみ

 ○慶大 46{20―3、26―13}16 成蹊大●

慶大は前半4分、佐々のトライで幸先よく先制する。相手のペナルティゴールで3点を返されるも、大野、山田とBK陣がトライをあげ20−3で前半を折り返す。後半、成蹊大がペナルティゴールで先に得点を挙げるも、後半は中山、そして2試合ぶり先発の中矢が2トライを挙げるなどFW陣が活躍。終わってみれば46−16と、30点差をつけての快勝となった。

 

関東大学対抗戦Aグループ 第4節

慶應義塾大学

2023/10/22(日)13:00 K.O.

@ウエスタンデジタルスタジアムきたかみ

成蹊大学

前半

後半

ロスタイム:1分

前半

後半

トライ(T)

コンバージョン(G)

ペナルティゴール(PG)

ドロップゴール(DG)

20

26

13

46

合計

16

前半4分   佐々(T)

前半21分 大野(T)

前半28分 山田(PG)

前半34分 山田(T)

前半36分 山田(G)

後半13分 中山(T)

後半15分 山田(G)

後半26分 永山(T)

後半27分 山田(G)

後半36分 中矢(T)

後半42分 中矢(T)

後半43分 山田(G)

得点者

前半14分 石原(PG)

後半8分 鈴木(PG)

後半19分 近藤(T)

後半40分 小口(T)

 

慶應義塾大学

#

氏名

身長(cm)/体重(kg)

学部学年

出身校

1

木村 亮介

173/103

環4

慶應

2

中山 大暉

176/102

環3

桐蔭学園

3

岡 広将

173/107

総4

桐蔭学園

4

シュモック オライオン

181/100

環4

Mount Albert Grammar School

5

中矢 健太

184/104

総3

大阪桐蔭

6

樋口 豪

174/98

文4

桐蔭学園

7

田沼 英哲

176/94

総3

國學院久我山

8

冨永 万作

187/102

商3

仙台第三

9

橋本 弾介

169/77

法2

慶應

10

山田 響

174/82

総4

報徳学園

11

佐々 仁悟

173/80

総4

國學院久我山

12

三木 海芽

167/83

総4

徳島県立城東

13

永山 淳

188/94

総4

國學院久我山

14

大野 嵩明

177/80

法4

慶應

15

松田 怜大

174/82

環1

桐蔭学園

16

酒井 貴弘

169/98

商4

慶應

17

井上 皓介

176/106

経4

慶應

18

小松 秀輔

177/105

環4

名古屋

19

長瀬 穣一郎

187/100

政3

山形南

20

富田 颯樹

173/93

経4

慶應志木

21

小城 大和

168/73

商3

北嶺

22

村田 紘輔

174/85

経3

慶應

23

磯上 凌

172/81

商3

青山学院

 

成蹊大学

#

氏名

身長(cm)/体重(kg)

学部学年

出身校

1

大舘 幸長

175/96

4

幕張総合

2

金子 颯馬

170/96

3

桐蔭学園

3

鈴木 巽

180/114

4

新潟

4

君島 遼

184/100

4

成蹊

5

熊野 友博

180/93

3

成蹊

6

井上 雄太

169/88

4

茗溪学園

7

惣福脇 和

177/87

2

大分舞鶴

8

鈴木 太加良

179/100

2

関東学院六浦

9

鈴木 悠真

171/71

2

昌平

10

石原 幸亞

172/77

4

大分舞鶴

11

網田 優作

173/75

1

茗溪学園

12

髙島 大聖

173/83

4

成蹊

13

新谷 匡平

176/88

4

伊奈学園

14

山本 陽登

170/77

4

成蹊

15

近藤 大我

178/83

4

八千代松蔭

16

黒田 雄大

169/92

3

各務原

17

渡邊 有

168/90

2

関東学院

18

橋本 泰佑

182/105

2

所沢北

19

田代 亘

177/85

3

専大松戸

20

青木 梨駒

174/89

1

國學院栃木

21

末次 真南斗

170/75

4

長崎北陽台

22

小口 鉄兵

173/75

3

横須賀

23

松田 彩

178/83

3

幕張総合

 

慶應義塾大学

 

成蹊大学

101.4kg

FW平均体重

96.8kg

811kg

FW合計体重

774kg

178cm

FW平均身長

176.8cm

 

◎交替/入替

慶應義塾大学

種別

時間

IN

OUT

入替

後半14分

17・井上

1・木村

入替

後半14分

21・小城

9・橋本

入替

後半14分

20・富田

7・田沼

入替

後半20分

23・磯上

15・松田

入替

後半27分

19・長瀬

4・シュモック

入替

後半30分

22・村田

13・永山

入替

後半34分

16・酒井

2・中山

入替

後半34分

18・小松

3・岡

 

成蹊大学

種別

時間

IN

OUT

入替

後半0分

22・小口

10・石原

入替

後半15分

21・末次

9・鈴木悠真

入替

後半27分

18・橋本

3・鈴木巽

入替

後半30分

20・青木

4・君島

入替

後半34分

16・黒田

1・大舘

入替

後半34分

17・渡邊

2・金子

入替

後半37分

19・田代

8・鈴木太加良

入替

後半37分

23・宮本

14・松田

 

慶大は3週間ぶりの試合、対する成蹊大とは4年ぶりの顔合わせとなった。舞台は岩手県・北上市。気象庁の統計によれば、試合開始の13時の時点で気温は13℃と、東京より約5℃も低い寒さだったが、その寒さを感じさせない熱い試合が繰り広げられた。

試合前には雨が降ったが、すっかり晴天になった

慶大のここまでの戦い方を見ると、総得点66点のうち前後半開始20分以内の得点は16点と、割合的に約75%を終盤にスコアしている特徴がある。対する成蹊大は、立ち上がりに失点を許し試合を決められてしまうことが多く、慶大はそこをついてスコアできるかが鍵となった。

本試合の【見どころ】はこちらから

FW陣がスクラムやモールで優位に立てるか

試合開始2分、早速慶大にチャンスを迎える。成蹊大のSO・石原のダイレクトタッチで約22mラインからのラインアウト。ラインアウトからモールの展開に自信を持っている慶大だが、ここはモールを組まずに展開。まずは中山が当たって起点を作ると、中矢の内側に返したパスを受けたシュモックが大きく前進。そして中矢がピック&ゴーでインゴールまであと2mのところまでゲインすると、あとは外に展開するだけ。WTB・佐々にボールが周り悠々にトライをあげ、5点を先制する。

スピードとディフェンスを兼ね備える佐々

勢いのまま7分、相手のキックを捕球した佐々が自陣から40mほどゲイン。山田のキックパスで左サイドに余っていた中山にボールが渡るもここはノットリリースザボール。しかし、相手の弱点であった「ゲインしてからの攻撃」をついた見事な戦術であった。

ペナルティゴールで3点を返されるものの、ブースターからは「慶應ディフェンスから!」という叫び声。攻め込まれても規律を守りながらディフェンスをし、絡む時に絡んでペナルティを誘った。慶大の攻撃へと移り、20分には今度は中山がピック&ゴーで30mほど前進。相手をステップで交わし、最後はオフロードで大野がパスを受けトライ。26分には、得意のスクラムで、右PR・岡が完全に組み勝ちコラプシングを誘った。山田が正面からペナルティゴールを決め、3点を追加し13―3。

大野がサポートに入っていたのも大きかった

山田の正確なキックが試合をコントロールする

さらにFW陣が魅せる。30分、慶大がトライまであと5mと攻めこんだなか、相手ボールでのラインアウト。相手はボールをキープし一旦モールの体制に持ち込むが、ここで慶大がモールで押し返す。結局シュモックがモール内でボールの獲得に成功し、一気に慶大のチャンス。直後に同じ地点で成蹊ボールのスクラムとなるが、ここでも慶大が猛プッシュ。成蹊大がボールをインゴールにつけたため慶大ボールの5mスクラムに。このスクラムでも組み勝ち、コラプシングのアドバンテージを得ると、大胆に攻められる慶大は展開を選んだ。山田は外にパスするふりをしながら縦に切り込みトライ。この一連の攻撃の中で、得意のスクラムやモールなどFW戦で慶大が圧勝していたのに変わりはないのだが、もう一つシーンがあった。それは佐々とコーチのやりとりである。スクラムは慶大から見て右サイド端で終始行われていたので、左WTBの佐々は真逆にポジショニングしていることになる。佐々はコーチ陣から「選手で判断して」と助言をもらっていた。「判断」というのは、「FWのスクラムで押し切るor左サイドに展開してトライする」の「判断」なのだろうが、この言葉を聞き佐々は「俺余ってるよ!!」と反対岸に叫び続けていた。事実、綺麗に余っており、目の前に誰もいない状態に成蹊大が気づくと佐々をマークした。結局、アドバンテージを得たというのもありBK陣に回す判断となったが、山田にボールが回ると山田は左にパスすると見せかるも足は内側に切り込み相手のタックルを受けながらグラウディング。このトライには、①FW陣がスクラム等で競り勝つラグビー、②コーチの言葉をそのまま受け入れるのではなく選手自身で判断するラグビー、③BK陣で確実に取り切るラグビー、3つの全てが噛み合った瞬間に見えた。

ボールを争奪したシュモック

個人技でトライを取り切った山田

後半も慶大の躍進は止まらなかった。後半13分には相手のノットロールアウェイでタッチに蹴り出しラインアウト、モールを組み中山がトライ。26分にも、敵陣で相手のペナルティをもらいつつFWで攻め、最後は永山に渡りトライ。この時点で34―11と相手を大きく突き放した。

永山の突破力も魅力だ

「勝って兜の緒を締めよ」という言葉があるが、ノーサイドまであと5分、攻撃の手を緩めなかった。終盤に強い慶大、体力は依然衰えず畳みかけるかのようにモールで攻撃し、「Ready Go!」の掛け声に合わせて突き進んだ。2試合ぶりに復帰した中矢がトライを2つあげ、山田がコンバージョンを決めたところでノーサイド。ラストワンプレーまで集中力を切らさなかった。最終スコア、46―16で勝ち点5を獲得した。

2トライを挙げた中矢

予想通り、FW陣が力勝負で圧倒し、BK陣の展開も冴え勝利したこの試合。特に前半34分の山田のトライは、ここ4戦の中で慶大が一番体現したいラグビーだったように思える。「ディフェンスをしながら前に出て、少ないチャンスをモノにしてトライを上げる」というラグビーが完成形に近づいており、戦術がはっきりしていることも勝利の要因だろう。青貫監督の考えるラグビーが、試合を重ねるにつれて浸透し、グラウンドで表現できている。また、試合中の声かけ、コミュニケーションも上手くいっているようだ。今回は会場が公園内であり、また公園外には森林や住宅地で閑静な空間だったため、声がよく響いた。ラグビー場外から声が聞こえているかのような感じがあり、思わずそちらに顔を向けてしまう観客も多かったくらいだ。特に佐々は、声による躍動感、相手を抜き去るスピード、そしてタックルを受けても倒れないフィジカルを披露し、常に試合を盛り上げていた。次戦は11月5日の明大戦だ。強敵だが、優勢時も劣勢時も、慶大のやりたいラグビーを80分間続け、戦うのみである。

モールからトライを量産する

(記事:野上 賢太郎 写真:愛宕 百華、野上 賢太郎)

 

青貫浩之 監督

——本試合の総括

試合の入りを大事にしようという話をしていました。というのも、これまでの筑波戦、立教戦、青学戦では入りが悪かったので。今回は良い入りができたと思います。逆に後半の入りが悪くて、成蹊さんに攻められてしまったのが反省点だと思います。

 

——前半はノートライに抑えましたが、ここ3週間はどのような準備を

ディフェンスに再度、力を入れて取り組んできました。今回の試合だけではなく、その次の明治さん、早稲田さんに繋がる試合をしようというところで、ディフェンスに力を入れて取り組んでいました。

 

——明大戦への意気込み

確実に自分たちより強い相手なので、チャレンジするだけですね。

冷静に試合を見守る青貫監督

 

岡広将 主将

——この試合どういうテーマで臨んだか

自分達にフォーカスして、新しいディフェンスシステムを試したのと、前半の入りで上手くいかないことが多いので、そこの課題を解決しようというテーマで試合に臨みました。

 

——ペナルティーからタッチに蹴り出し、モールでトライを取り切る形ができているように見えます

慶應の戦い方はどんな相手でも変わらないと思いますし、そこのクオリティーを上げるのが3週間のテーマで、時間をかけてきたところです。仕上がってきたのですが、まだ足りない部分が多いなという感じです。

 

——ディフェンスが光りましたね

前半すごく良かったと思います。しかし、後半に2トライ取られ、ペナルティキックも前後半で2つ決められてしまっていて、筑波戦のように1点2点を争う試合展開が多いので、もっと厳しくいかないといけないなと思います。

 

——明大戦への意気込み

今季初めて戦うんですけど、日本一にすごく近いチームの一つだと思うので、常にチャレンジャーとしていければなと思います。

 

山田響 副将

——勝因はどこに

エリア取りが自分たちの一番の持ち味で、成蹊さんも持ち味にされているところなので、エリア取りで負けなかったというところが勝因かなと思います。

 

——様々なキックを蹴る上で意識していること

相手の嫌がるキックを蹴るのが一番で、その次に味方を前に出すという優先順位になるのかなと思います。

 

——明大戦への意気込み

明治さんは今年100周年で力を入れていると思いますし、自分たちはチャレンジするというのは変わらないです。明治のアタックに慶應のディフェンスがどこまで食い下がれるかというところが見どころだと思うので、ぜひそこに注目していただければなと思います。

 

中矢健太 選手

——2試合ぶりのスタメンでした

この前の青学戦で出れない状態だったので、今日はその分しっかり動こうと思って、チームに良い影響を与えようと思ってプレーしました。

 

——モールで2トライを上げました

今日の成蹊戦に向けて2週間、モールで取ろうと練習してきて、その成果が出たと思います。

 

——明大戦への意気込み

まだまだ明大戦に向けてやらなければいけないことがあると思うので、しっかり準備して明治と戦おうと思います。

 

 

帝京大

明大

早大

慶大

筑波大

立大

青学大

成蹊大

勝点

 

帝京大

 

 

———

 

11/19

14:00

秩父宮

11/5

14:00

秩父宮

12/2

14:00

秩父宮

73-0

11T9G

83-0

13T9G

80-0

12T10G

117-5

19T11G

 

4

 

 

0

 

 

0

 

 

20

 

 

明大

 

11/19

14:00

秩父宮

 

———

 

12/3

14:00

国立

11/5

14:00

熊谷

40-21

6T5G

97-7

13T11G

87-7

13T11G

93-12

15T9G

 

4

 

 

0

 

 

0

 

 

20

 

 

早大

 

11/5

14:00

秩父宮

12/3

14:00

国立

 

———

 

11/23

14:00

国立

38-35

6T4G

64-7

10T7G

54-17

8T7G

70-7

10T10G

 

4

 

 

0

 

 

0

 

 

19

 

 

慶大

 

12/2

14:00

秩父宮

11/5

14:00

熊谷

11/23

14:00

国立

 

———

 

18-21

3T1PG

28-21

3T2G

2PG

31-20

4T4G

1PG

46-16

7T4G

1PG

 

3

 

 

1

 

 

0

 

 

14

 

 

筑波大

 

0-73

21-40

3T3G

35-38

5T5G

21-18

3T3G

 

———

 

12/2

14:00

熊谷

11/19

14:00

AGF

11/5

11:30

熊谷

 

1

 

 

3

 

 

0

 

 

5

 

 

立大

 

0-83

7-97

1T1G

7-64

1T1G

21-28

3T3G

12/2

14:00

熊谷

 

———

 

11/5

11:30

秩父宮

11/19

11:30

AGF

 

0

 

 

4

 

 

0

 

 

1

 

 

青学大

 

0-80

7-87

1T1G

17-54

2T2G

1PG

20-31

2T2G

2PG

11/19

14:00

AGF

11/5

11:30

秩父宮

 

———

 

12/2

11:30

熊谷

 

0

 

 

4

 

 

0

 

 

0

 

 

成蹊大

 

5-117

1T

12-93

2T1G

7-70

1T1G

16-46

2T2PG

11/5

11:30

熊谷

11/19

11:30

AGF

12/2

11:30

熊谷

 

———

 

 

0

 

 

4

 

 

0

 

 

0

 

◎勝ち点の多い順に順位決定を行う。(並んだ場合は勝利数で決定)

・勝ち:4、引分:2、負け:0、不戦勝:5、不戦敗:0、不成立:2

・負けても7点差以内ならば、勝ち点1を追加。

・3トライ差以上での勝ちならば、勝ち点1を追加。

 

◎会場について

桐生…森エンジニアリング桐生スタジアム

三郷…セナリオH三郷

足利ガス…足利ガスグラウンド

きたかみ…ウエスタンデジタルスタジアムきたかみ

いわき…ハワイアンズスタジアムいわき



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