2部に返り咲くためにも、絶対に連敗をストップしなければならない今節。グラウンドの片側をぎっしり埋め尽くすほど沢山の観客が見守る中、慶大の熱い応援で会場のボルテージは序盤から最高潮に達していた。熱い応援に背中を押されたのか、開始早々からCKを獲得するなど、幸先の良い立ち上がり。3分には、塩貝亮太(商4・暁星)の右サイドからのクロスに、塩貝健人(政1・國學院久我山)が頭で合わせて先制ゴール。その後も慶大のペースで試合が進み、ピンチの場面もしっかり守り抜くと、1−0で前半を終える。後半も、慶大ペースで試合を展開。前線の塩貝健人や熊澤維吹(文4・國學院久我山)を中心とした攻撃で主導権を譲らない。しかし67分頃から相手が反撃を開始。CKのチャンスを連続で与えるなどピンチを招く。だが入江修平(政3・慶應)や山口絋生(商3・國學院久我山)などのクリアで難を凌ぐ。ただ慶大が追加点を奪えない中、試合終盤87分、シュートを決められて1点差に迫られる。すると相手のCKが続き、相手応援団の歓声は最高潮に。しかし香山達明(経3・慶應志木)のクリアで更なる追加点は阻止。慶大が逃げ切り、勝ち点3を獲得した。
2023/10/22(日)14:00キックオフ@下田グラウンド
【スコア】
慶應義塾大学2―1明治学院大学
【得点者】
3分 塩貝健人(慶應大)
61分 塩貝亮太(慶應大)
87分 大竹駿(明学大)
◇慶大出場選手
GK
21 根津拓斗(政3・慶應)
DF
5 山口紘生(商3・國學院久我山)
28 入江修平(政3・慶應)
17 荘司慈英(商3・慶應)→53分 13 山崎健翔(法4・桐蔭学園)
MF
3 山本献(商4・國學院久我山)
19 辻野悠河(商2・暁星国際)
20 田中雄大(商2・成城学園/三菱養和SCユース)→90+3分 29 茅野優希(政3・慶應)
18 香山達明(経3・慶應志木)→90+1分 15 清水皇貴(経2・三田学園)
FW
11 塩貝亮太(商4・暁星)
7 熊澤維吹(文4・國學院久我山)→85分 6 道家拓真(環4・鹿島学園)
10 塩貝健人(政1・國學院久我山)→77分 9 立石宗悟(法2・桐蔭学園)
試合前の時点で慶大は3位。5試合を残して、2位城西大との勝ち点差が4、1位神大との勝ち点差は8と、後がない慶大は10位明学大との試合に臨んだ。慶大は、開始早々にCKを獲得するなど幸先の良い立ち上がりをみせる。開始2分、塩貝亮太が右サイドを一気に駆け上がりクロスを上げようとするが、ここは相手DFに弾かれてしまう。迎えた3分、右サイドのスローインから再び塩貝亮太がクロスを上げると、ゴール前にいた塩貝健人がしっかりと頭で合わせ、明学大から先制点を奪う。
後半のためにもリードを広げておきたい慶大だが、主導権を握りながらも追加点を奪うことができない。7分、13分と、立て続けにCKを獲得するが、ゴール前でうまく合わず。23分には、主将・山本献(商4・國學院久我山)の切り返しから、田中雄大(商2・成城学園/三菱養和SCユース)、塩貝亮太へと縦に展開するが得点には繋げられない。直後にも、塩貝健人が右サイドからの突破を試みるなど、攻勢でありながらあと一歩のところで得点に結びつけることができない。一方、カウンターなどで何度もピンチを迎えるが、GK・根津拓斗(政3・慶應)、山口紘生(商3・國學院久我山)、田中雄大らを中心に、応援も一体となって全員でゴールを守る。そして、明学大に得点を許さないまま、1ー0で前半を折り返す。
後半開始直後から、慶大は追加点を狙ってチャンスを作る。47分には、右サイドから熊澤維吹(文4・國學院久我山)、荘司慈英(商3・慶應)とつなぐ。シュートまで行かずとも、開始早々敵陣に迫り、慶大ペースで試合を優位に進める。だが追加点は簡単には獲得できない。塩貝健人や熊澤維吹が幾度に渡りシュートを試みるもGKに弾かれ、大きく悔しさを滲ませた。53分には、荘司慈英に代えて山崎健翔(法4・桐蔭学園)を投入。すると61分、右サイドから駆け上がった田中雄大がアーリークロスを上げ、一度は弾かれたボールを塩貝亮太が決め切って待望の追加点。リードを2点に広げる。
だが72分と73分、相手に立て続けにコーナーキックを与える。ただ塩貝亮太、山崎健翔、山口絋生などのクリアで得点を許さない。勝利を確実なものにしたい慶大は77分、塩貝健人に代えて立石宗悟(法2・桐蔭学園)を投入。攻撃の主軸を入れ替えて追加点を狙う。ただ相手ボールの時間が長くなった75分、強烈なシュートを放たれる。根津拓斗の華麗なクリアで難を逃れるも、追加点が奪えないもどかしい展開の中で、相手がその隙を窺って反撃を仕掛け始める。85分、熊澤維吹に代わり道家拓真(環4・鹿島学園)がイン。その2分後、右サイドからうまくDFの穴を突いてボールをゴール手前にドロップされ、根津が止めきれず1点を献上。さらに相手のコーナーキックが続き、同点のピンチを迎える。ただ立石宗悟や、最後には香山達明のクリアで徹底防衛。リードを守り切った慶大が勝利をもぎ取り、勝ち点3を獲得した。
2点のリードで試合を有利に進めたかった慶大。だがなかなか追加点を奪えなかったことに加え、試合終盤は相手の猛攻を受け、明学大に長い間攻撃権を与えてしまうなど、課題が浮き彫りになる試合でもあった。2部昇格には、残る試合で負けは許されない。リーグ終盤、残る4試合を粘り強く戦い抜く姿に期待したい。
(取材:長掛真依、佐藤光)
次節は10/28(土)ホームにて、中央学院大学との試合に臨みます。
塩貝亮太(商4・暁星)
ーー今節を振り返って
全体的に自分たちのペースで進められたとは思うのですけれど、もうちょっと点が欲しかったなと思っていて、そこを決められなかったから最後ちょっと苦しくなっちゃったかなと思っています。
ーーゴールの瞬間を振り返って
自分のところにいい感じにこぼれてきて、うまく2タッチ目で剥がせたので、あとは振り切るだけでした。
ーースタメンに変化がある中で作戦の変化は
特にはないです。
ーー2連敗でしたが
全部勝つしか優勝するには方法がないので、絶対に勝とうというのはみんなで揃えていて、うまく入りから圧力をかけて点をとれたので良かったなと思います。
ーー次節への意気込み
負けられない試合が続くので、次節も勝てるようにチーム一丸となって頑張ります。
山口絋生(商3・國學院久我山)
――今節を振り返っていかがでしょうか?
幸先よく点を取って、そこからは自分たちの時間が長くて、攻撃としては良かったかなと思いますが、ただ相手に押し込まれる時間が長かったり、後半の最後に相手の時間にミスをして失点をしてしまったので、試合運びだったり課題は残る試合だったかなと思います。
――今日の大事な試合、どんな思いで臨まれましたか?
前日に1位と2位のチームが試合をしていて、その結果など色々考えるところはありましたが、自分たちのホームで1試合1試合集中しようという話はしていたので、しっかり目の前の試合に集中してできたかなと思います。
――ディフェンス含めメンバーを変えられての今節でしたが、戦術に変化などは
今まで積み上げてきたことを発揮しようということをコンセプトにやっているので変化したわけではないですが、その時々で調子の良い選手を使うという方針なので、メンバーは変わってはいますが、ベストなメンバーが毎回出ているかなと思います。
――次節への意気込みをお願いします。
残り4試合で、勝ち点状況とか色々考えることもありますが、1試合1試合目の前の試合を全力で戦っていきたいと思います。