バレーの全日本インカレ(全日本大学選手権)が28日に開幕した。慶大は初戦、昨年の同大会で惜敗を喫した愛知学院大と対戦した。序盤は固いプレーも目立ち第1セットは落としたものの徐々にチームに勢いがみらられ第2セットは奪取し、第3セットは終盤で見事な集中力を発揮して逆転。第4セットは序盤から点差をつけられてしまい相手に譲るも、最終セットは序盤にリードを作り出すとその勢いを緩めないまま勝利。逆転勝利で昨年のリベンジを果たした。
得点 | ||
慶大 | セット | 愛知学院大 |
19 | 1 | 25 |
25 | 2 | 23 |
25 | 3 | 23 |
17 | 4 | 25 |
15 | 5 | 10 |
出場選手(サーブ順) | ||
ポジション | 背番号 | 名前(学部学年・出身校) |
OH | 8 | 芳賀祐介(環3・札幌北) |
OH | 6 | 山口快人(経1・慶應) |
OH | 1 | 島田航希(経4・慶應) |
OP | 2 | 松本喜輝(環4・九州産業) |
S | 10 | 大槻晟己(総4・清風) |
OP | 3 | 渡邊大昭(商3・慶應) |
L | 7 | 山元康生(法2・慶應) |
途中出場 |
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15 |
| 久保田健介(商2・慶應湘南藤沢) |
9 |
| 松山鼓太郎(商1・慶應) |
17 |
| 平山一之心(商2・甲南) |
第1セット、序盤は両者相手を窺うような試合展開が続いた。お互いにフェイントを決め合うも2―4と相手が一歩先をいく。その後渡邊大昭(商3・慶應)のサービスエースが見られ競る展開になるも相手の好プレーで3連続奪取され10―13としたところで慶大のタイムアウトを挟む。セット後半、芳賀祐介(環3・札幌北)のスパイクが決まるなど個々のプレーは光るもボールをつなぎきれず14―19と点差を広げられてしまう。終盤に松本喜輝(環4・九州産業)のサービスエースがあったものの、この点差を縮められず19―25で第1セットを落とした。
取り返したい第2セット。相手のスパイクが立て続けに決まり1―4とするもブロックで2得点をもたらし一挙に3連続得点し見事逆転を果たす。その後は8―8、9―9、10―10と一進一退の試合展開が続く。セット後半、相手の好サーブもあり13―15と2点差をつけられここでタイムアウト。しかし直後に渡邊が1枚ブロックを決め、島田航希(経4・慶應)もディグで魅せて15―15と並ぶとその後は1・2点を追い続け21―21の場面で相手のミスを誘いついに逆転。すると松本の好サーブもありを勢いのままに見事25―23で第2セットを制した。
優位に立ちたい第3セット。松本が難しいボールをライトサイドから決めるとその後は渡邊がスパイクで2連続得点を決める。芳賀の速攻も決まり前セットに増して勢いに乗る慶大だが、相手もサービスエースを決め4―6とわずかにリードされる。中盤は両者の正確なプレーが際立った。慶大はアウトサーブを見極め、相手もコートの空きを狙った精密なスパイクを決めて10―12と再び2点差に。その後も追い付いては離されの展開が続くが終盤に見事な集中力を発揮した。21―22の場面で平山選手がコートに入りチームを鼓舞するとそこから渡邊のブロック、山口快人(経1・慶應)のスパイクが決まり逆転に成功。最後はピンチサーバーの久保田健介(商2・慶應湘南藤沢)が放った好サーブから芳賀がブロックを決めて25―23で第3セットを奪取した。
命運を分ける第4セット、序盤から相手が攻守どちらでも魅せて2―7と大きくつき放される。相手に負けじと芳賀がスパイク、ブロックどちらも決めて点差を縮めると松本もキレのあるスパイクを決めてチームに勢いをもたらす。山口のブロックで8―9と1点差に縮めたが、セット後半も相手はスパイクの手を緩めず10―15と再び引き離される。相手に主導権を譲ったまま試合は進んでいき一時カウントは14―24と10点差に。ここから渡邊が2連続得点をもたらすが最後もスパイクを拾えず17―25で第4セットを終えた。
全てを賭ける第5セット。1点目こそ相手が奪うも渡邊が力強いスパイクで取り返すとその後はミスを誘い出し2―1とリードに成功。相手も正確なスパイクを放つなかで平山一之心(商2・甲南)が大活躍し5―1と大きく引き離した。その後相手のスパイクが決まりだし、さらに2連続得点を許し7―5とした場面では芳賀がスパイクを決めて再び流れを引き寄せる。8―5で迎えたセット後半、慶大のサーブが惜しくもネットにかかり直後の得点も落とすも、ここからはブロックで魅せた。芳賀・松本がそれぞれ相手スパイクを止めて11―7とすると、そこで渡邊がコート奥を狙ったスパイクでまたも点をもたらす。最後は松本のスパイクがコートのセンターに突きささり15―10と大差での勝利となった。
(記事:五関優太、写真:長掛真依、取材:工藤佑太)
以下、選手コメント
星谷健太朗監督
ーー今日の試合を振り返って
去年のリベンジマッチをさせていただけるというので非常に絶好の機会をもらえてありがたいなと思います。チームの状態もリーグ戦色々ありましたが、少しずつ整ってきてしっかり準備できたのが良かったなというので迎えた一戦でした。その上でフルセットで色々ありながらも勝ち切ることができたことは良かったなと思います。
ーー第1セットは取られ、そこから追い上げられた要因は
第1セットはこちらのミスがたくさん出て即失点につながるミスが、タッチネットとかがあったと。それからサイドアウトのコンビネーションもあっていなかったことが大きな要因かなと思います。その後は少しずつ最低限やらないといけないプレーというのが取り戻せるようになって場が落ち着いてきたのかなと。それがこの勝利に繋がったのかなと思います。
ーー明日に向けて
連戦になるのでその日の疲れをどう残さないか、あるいはどう取り除くかということのコンディションを整えることが大事かなと思います。それをした上で、今日も少し成長させてもらった部分あると思うので明日も成長してまたその次もあるように、本当の意味でのチーム一丸となってこのインカレを終えられるように頑張りたいなと思います。
島田航希主将
ーー初戦にどのような気持ちで臨んだか
最後の大会で負けたら終わり、という実感は無くて、日本一を取るという気持ちで臨んで、多少は緊張したんですけど、あまり気負わずにプレーできたかなと思います。
ーー第1セットを取られてからの切り替え方は
1セット目はあまり噛み合わずにいつもの慶應バレーっていうのができなくて、自分たちのミスで得点されてしまったので、そのミスを減らせば絶対いけるという風に思ったんで、全員で気持ちを切り替えていきました。
ーー最終セットに向かうにあたっての心境は
負けたらどうとか余計なことは考えずに、全員でやってきたことを全て出し切ろうという気持ちで挑んで、結果的に序盤いい形でリードする事が出来たので、気持ちが入ってよかったかなと思います。
ーー慶大の勝因は
ブロックですかね。アナリストが戦略を立ててくれて、相手のくせとか上げる場所を絞っていたので、それがうまくはまって、ブロックで多く得点できたかなと思います。
ーー明日に向けて
今日の5セット目のような雰囲気とかプレーが出来れば絶対勝てると思うんで、もう一回気持ちを作り直して、全員で最初から最後までいいプレーができるように、頑張りたいと思います。
ーー応援している人たちに向けて一言
応援は今日もすごく聞こえて力になっていたので、引き続き応援よろしくお願いします。
大槻晟己副将
ーー今日の試合を振り返って
最後の大会というので1セット目とか特にすごい力が入ってしまいなかなか思い通りのプレーができてなかったのですが、それを2セット目から修正できたというのはすごくよかったなと思います。最後に自分の持ってる力をちゃんと出しきれました。それでチームとしては逆転のシチュエーションがなかなかできない、作れないという課題があったのですが、それをちゃんと覆して2セット目に劣勢から取り切るということができたので、それが一つのターニングポイントだったんじゃないかなと思います。
ーー去年のリベンジを果たしましたがその点についてはどうですか
お互い万全とは言えない状況での試合だったと思うのである意味去年のリベンジを僕たちがやろうとしてて、相手が もう一度勝とうとしてる、それでしかも相手は多分関東1部に勝ってやろうという意気込みもあったと思うので、それをリベンジかつちゃんと関東1部としてのプライドを守り切れたということがすごく嬉しく思っています。
ーー明日に向けて
相手はまだどこがあたるか分かってないのですが、今日やはり自分たちのプレーをちゃんと出し切るかどうかというところが分かれ目だなと凄く思っていました。改めてちゃんと自分たちのやってきたことをやり切ろうと割り切るというか、しっかりとそこをやり通したいなと思います。
渡邊大昭選手
ーー今日の試合を振り返って
序盤から緊張というか、やっぱり4年生の引退がかかっていてみんな入りが固かったなという印象だったんですけれど、セットを重ねていくうちに試合に慣れて、自分たちの良いバレーをできたのかなと思っていました。
ーー昨年の全日本インカレで、愛知学院大学さんに負けて涙する姿が印象的でしたが
去年負けてリベンジマッチというか、本当に神様が与えてくれた試練なのかなと思っていて、本当にその時にコートに残っていたメンバーも多かったので今年は。なのでその思いを、やっぱり先輩たちの思いの分まで勝って恩返しをしたいというものがあったので、そこが結果として勝利という結果に繋がって良かったなと思っています。
ーー明日に向けて
まず今日一日しっかり休んで、また明日ギアを一つあげて一つでも多く勝利できるように、このメンバーと少しでも長くバレーをできるように頑張ります。
平山一之心選手
ーー今日の試合を振り返って
ディグリベロとして出場するということを念頭において、2年間ずっと練習してきたので、それが実って良かったかなと思います。
ーー最終セットは特にプレーでチームを盛り上げていましたが
活動日誌でも書いたんですけれど、このチームの明るい部分は僕が先導するっていうふうに自分で決めていたのでそれを発揮して。だけど、ミスが続いて暗い雰囲気とかもあったので。ありがたいことに皆んな愛してくれているので、その愛されキャラみたいなのを自覚しつつ盛り上げられるように、プレーもそこについてくるように意識していました。
ーー明日に向けて
まだ始まったばっかりで、今日リベンジマッチで勝って一喜一憂というようなムードですけど、ただ一戦。日本一目指して、ただの通過点なので、明日も全然勝つ気でいるので日本一まで応援お願いします。