【野球】9回に痛恨の被弾も渡辺憩の適時打でドロー 勝ち点の行方は月曜へ 東京六大学野球春季リーグ戦 立大2回戦 @明治神宮野球場

野球戦評

前日の投手戦からは一転。いきなり2点を先制された慶大は5回に代打・福井直睦(商1・慶應)と横地広太(法2・慶應)の連続での適時打で同点まで追いつく。その後9回までお互い点数を取ることができないこう着状態だったが、先に立教に本塁打と適時打を放たれ、再び点差は2点差へ。このまま敗北で20連勝が破られるかと思われたが、しかしここで執念を見せる慶大。代打でリーグ戦初出場の今津慶介(総2・旭川東)が安打を放つとその後、佐藤駿(商4・慶應)と法政3回戦でさよなら本塁打を放った渡辺憩(商1・慶應)が連続で適時打を放ち同点に追いつき、引き分けで試合は終了した。

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立大2000000020
慶大0000200020

◆慶大野手成績

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1⑧横地広太四球・・二飛・・中安・・・・中飛・・
2⑤本間颯太朗左飛・・・・一直三振・・・・一安・・
3⑥水鳥遥貴二ゴ・・・・一ゴ・・左飛・・一ゴ・・
4③清原正吾一ゴ・・・・左安・・三振・・・・遊ゴ
5⑦真田壮之・・三振・・・・四球・・・・・・・・
 1沖村要・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 🈱二宮慎太朗・・・・・・・・・・三ゴ・・・・・・
 1木暮瞬哉・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 1広池浩成・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 🈱今津慶介・・・・・・・・・・・・・・・・中安
6⑨常松広太郎・・三ゴ・・・・三振・・・・・・・・
 4上田太陽・・・・・・・・・・・・三ゴ・・・・
 🈱古野幹・・・・・・・・・・・・・・・・左飛
7④林純司・・右飛・・・・・・・・・・・・・・
 🈱9権藤大・・・・・・・・右安・・三ゴ・・・・
 9佐藤駿・・・・・・・・・・・・・・・・右3
8②森村輝・・・・遊ゴ・・・・・・・・・・・・
 2森谷史人・・・・・・・・三直・・二ゴ・・・・
 🈱渡辺憩・・・・・・・・・・・・・・・・左2
9①竹内丈・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 1渡辺和大・・・・二ゴ・・・・・・・・・・・・
 🈱7福井直睦・・・・・・・・二安・・・・遊飛三振

◆慶大投手成績

 投球回打 者投球数安 打本塁打四死球三 振失 点自 責
竹内丈21140401122
渡辺和大31450203200
沖村要1524002100
木暮瞬哉2⅔1342411122
広池浩成13000100

第4週を迎え、優勝に向け気温と共にますます熱くなってきた六大学リーグ戦。この日の試合はいきなりピンチを迎えるところから始まる。死球、安打で走者を許すと、適時打を放たれ、先制点を奪われる。その後三盗を決められると、犠牲フライで追加点を奪われることとなる。2回は横地の好捕もあり、追加点を与えることはなかったが、その間慶大は得点圏までも進むことができずにいた。3回に竹内丈(環2・桐蔭学園)から代わった渡辺和大(商2・高松商業)が抑えると0ー2の追いかける展開で序盤3回を終えた。

逆転のきっかけを作りたい慶大。4回に清原正吾(商4・慶應)が安打を放ち、2塁に盗塁を試みるも失敗。しかし5回の守備を本間颯太朗(総4・慶應)の好守で三者凡退で抑えた慶大は、その裏についに攻撃を仕掛ける。真田壮之(経3・慶應)が四球で塁に出ると、代打・権藤大(商3・慶應)が安打で得点圏まで進める。森谷史人(法4・福岡)は立教の好捕で抑えられるも、真田は好判断で帰塁し併殺は免れる。ここをものにしたい慶大は代打で出た福井のタイムリーでついにこう着状態を抜け出す1点を手に入れる。勢いついた慶大はその直後横地がセンターへ再びタイムリーを放ち、同点に追いつき5回を終える。6回は渡辺に代わり沖村要(商2・慶應)が無失点に抑え、中盤は均衡状態が続く。

チームに勢いをもたらす安打を放った権藤

お互いに先手の1点を求める終盤戦。沖村に代わり木暮瞬哉(法3・小山台)がマウンドに立つと、7回は両者三者凡退に終え、8回も両者点を取れないこう着状態が続き、ついに最終9回での勝負となる。ここまで好投を続けてきた木暮だが2死のところで本塁打を放たれてしまい、そのまま勢いついた立教にさらにタイムリーを撃たれて2点差をつけられてしまう。これ以上の失点は許されない慶大はここで木暮を下ろし、広池浩成(経2・慶應)をマウンドへ送り見逃し三振で無事に抑える。その裏、勝利するためには3点取らなくてはならない慶大。清原がショートゴロに倒れるも、次の代打でリーグ戦初出場の今津がセンターへの安打で塁に出る。すると佐藤が執念の適時三塁打で1点を追加。このチャンスをものにしたい慶大は法政3回戦でリーグ戦初打席サヨナラ本塁打を放った渡辺が打席に立ち、今度はここで適時二塁打を放ち同点に追いつく。良い流れで逆転したい慶大だったが、最後福井は三振で打ち取られ、しかし引き分けで勝ち点取得は月曜への持ち越しとなった。

1点差に詰め寄る適時打を放った佐藤駿

この日の試合は序盤、中盤、終盤と試合の流れがはっきりとする展開で、投手は5人、代打は8人とまさに総力戦で挑んだ試合であった。そして2点差で放たれるも、その代打をうまく扱い、20連勝をストップさせなかった堀井監督の野球眼が光る試合であった。明日も厳しい戦いが予想されるが、その中で勝利し勝ち点を奪うことができるのか。ゴールデンウイーク最終日も慶大の活躍から目が離せない。

(記事:岡澤侑祐、写真:河合亜采子、加藤由衣、大泉洋渡

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