【應援指導部】‶有終の美″を飾った慶早戦　嬉し涙が溢れた応援席／秋季応援席特集　対早稲田大学２回戦

１回戦は打撃面で圧倒的な強さを見せる早大に９―１と快勝。早大の春秋連覇を簡単には許さなかった。勢いをつけた中で迎えた慶早戦２戦目。またしてもここぞの場面で慶大の投打が噛み合い、今季これまで勝ち点を全て挙げている早大から見事勝ち点をもぎ取った。試合後は応援席の檀上に野球部が立ち、球場はしばらく興奮の渦に包まれた。慶大にとって今季最終戦となった慶早２回戦。応援席の様子をリポートする。

１１月１０日（日）　慶應義塾大学　◯２―１●　早稲田大学

～試合概要～

試合は初回から動きを見せる。１回裏、前田建伸（３年）に適時打を放たれ１点を追う展開となる。しかし４回表の慶大の攻撃では、四球や相手の失策、さらには内野安打などで泥臭く出塁し、打席が回ってきた主将・本間颯太朗（総４・慶應）の適時打で同点に追いつく。そして８回表、１死一、三塁の場面で林純司（環１・報徳学園）が犠飛を放ち、これが決勝打となった。９回裏には渡辺憩（商１・慶應）や丸田湊斗（法１・慶應）の１年生コンビによる好守備も光りピンチを切り抜け、早大相手に２連勝を果たした。

早稲田に２連勝を飾る

慶早戦５日前の総合練習で、ある部員が「この慶早戦で気合を入れても手を抜いても５位であるという結果は変わらない。けれど、だからといって手を抜くのか。俺たちにプライドはないのか！」と皆に向かって叫び士気を高めた。まさにこの慶早戦はその言葉を体現したようなものではなかっただろうか。

最後まで手を抜かなかった

まず応援席が盛り上がったのは４回の慶大の攻撃。前打者が四球で出塁して迎えるは前日、特大アーチを放った清原正吾（商４・慶應）。一発逆転の場面に応援席は期待に包まれ、一挙総立ちで声を出した。逆転、とはならなかったものの、相手投手が暴投で塁を進め、清原も内野安打で出塁。同点打を放つことになる本間に打席を回したという意味では、応援席からのプレッシャーは確かに選手たちに届いたのかもしれない。

応援席の音が選手に伝わったのだろう

５回の攻撃前には、ある部員が「私は験担ぎにラーメン二郎三田本店に行き、ニンニクマシマシに加え、ワセダマケマケを唱えてきた」と言って応援席を湧かせた。

ゲン担ぎも万全

８回の攻撃では１死二塁という一打逆転の場面を迎え、応援席では『朱雀』が流れた。以前の取材で、ある部員は「『朱雀』はここぞという場面で流れ、これが流れたら点が入る確率がとても高い曲です」と述べていた。その言葉通り、この曲が流れると水鳥遥貴（商４・慶應）が内野安打で出塁し、さらには林の犠飛で見事逆転に成功した。

逆転に成功

試合終了直後、選手や應援指導部員の目には涙が浮かんでいた。今季あまり結果を残せなかったことへの悔しさや「華の慶早戦」で２連勝した喜び、そしてメンバーへの感謝の気持ちなど様々な感情が混ざり合ったのだろう。

様々な感情が入り混じる

また試合終了後にはセレモニーが行われ、『三色旗の下に』、『若き血』、そして慶早戦の勝利時のみに演奏され、春季は歌う機会のなかった『丘の上』などの様々な応援歌が流れ、観客一同、肩を組んで熱唱した。さらには野球部が壇上に登場。主将である本間颯太朗の感謝の挨拶から始まり、最後は野球部員と應援指導部員が壇上で肩を組んで応援歌を熱唱した。