【ソッカー(女子)】〈戦評〉昨季大学日本一・山学大に完敗 5戦目で今季初黒星/第40回関東大学リーグ1部前期第5節 VS山梨学院大学

ソッカー女子

 関東大学リーグ前期第5節。ここまで4戦を1勝3分の慶大ソッカー部女子は、昨季大学日本一で今季はここまで4戦全勝の首位・山梨学院大学をホームに迎えた。

 開始早々。佐藤凜(総4・常盤木学園)の好守備からチャンスをつくると、森原日胡(総2・作陽学園)のシュートのこぼれをストライカー・野村亜未(総4・十文字)が頭で押し込み、幸先良く先制する。その後は慶大の時間帯もあったが、前半終了間際に追いつかれると、後半は力の差を見せつけられ3失点。1―4で今季初黒星を喫した。

 この敗戦で、昨季前期第3節(2025年5月4日)から続いていた大学リーグでの連続無敗記録は20試合で途絶えた。

 

2026/5/2(土)14:00キックオフ@慶應義塾下田グラウンド
O.R.S.第40回関東大学女子サッカーリーグ戦1部 前期第5節

【スコア】
慶應義塾大学1ー4山梨学院大学

【得点】
4分  慶大  野村亜未
38分 山学大 高城青空(城山にこ)
51分 山学大 宿野部夏澄
78分 山学大 木下奈南(熊谷南摘)
88分 山学大 高田琉那(佐々木はるか)

【慶大出場選手】

ポジション

背番号 選手名(学部学年・出身高校)

GK

1 四宮里紗(環1・桐蔭学園)

DF

18 岩田理子(総3・十文字)

 

→65分 22 福島日和(理4・慶應湘南藤沢)

 

6 木田遥(総1・十文字)

 

5 米口和花(総3・十文字)

 

4 宮嶋ひかり(環3・芝浦工業大学柏/ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU18)

 

14 福島紗羅メヘル(政1・昌平)

 

→86分 23 早坂七海(政1・常盤木学園)

MF

11 森原日胡(総2・作陽学園)

 

2 竹内あゆみ(看4・日ノ本学園)

 

10 野口初奈(環4・十文字)

 

8 佐藤凜(総4・常盤木学園)

 

→86分 19 安達梨咲子(商4・Palos Verdes High School / Fram Soccer Club)

FW 

9 野村亜未(総4・十文字)

  前節の日本体育大学戦は、前半終了間際に佐藤凜(総4・常盤木学園)のゴールで先制しながらも、後半に追いつかれ勝ち点1に終わった慶大。

 4試合を終えて1勝3分。勝ち切れていないという見方もできるが、12チームのうち6位と上々の立ち上がりを見せている。

 今節の相手は、昨季大学日本一で今季の関東大学リーグはここまで4戦全勝の山梨学院大学。日本トップレベルの相手を、3試合ぶりのホーム・下田グラウンドに迎えた。

 慶大はこの日もスタメンは変わらず。開幕から5試合続けて同じ陣容で臨む。

 山学大は4―4―2。ここまで慶大の相手はすべてはっきりとした1トップで、リベロ・米口和花(総3・十文字)がマンツーマンで対応することが多かった。今節は相手の前線2枚と両SHに対し、5バックの数的優位を活かした守り。これまでとは違う形となる。

圧倒的な対人の強さを誇る米口

 また、前節の慶大は4―3―3の相手に対し、プレス時に左シャドウ・佐藤を前に出し、5―3―2気味の形でかけていたが、今節は右シャドウ・森原日胡(総2・作陽学園)を出した5―3―2の形。ダブルボランチの野口初奈(環4・十文字)と竹内あゆみ(看4・日ノ本学園)が相手ダブルボランチと組み合うため、マークが明確化され、前線の選手からバックラインまでがコンパクトになり守備が機能。森原が相手左CBまでプレッシャーをかけると、左サイドに限定する守備で追い込んでいく。

 攻撃時も相手2トップに対する3バックの数的優位を活かしてビルドアップを組み立てる。時折、アンカー経験のある右CB・木田遥(総1・十文字)が内側のスペースに顔を出し、相手の守備網をかいくぐっていく。

ビルドアップにアクセントを生む木田

 4分。早速狙いが的中する。左シャドウ・佐藤が相手右SBからボールを奪うと、中央のCF・野村亜未(総4・十文字)へ。野村は右サイドを駆け上がった右シャドウ・森原へと展開すると、森原は右足シュート。これは相手DFが触り、キーパーに防がれたが、こぼれを野村がヘディングで押し込んで先制。前節同様、前からの連動したプレスが機能し、得点を挙げる。

ストライカー・野村の今季3点目で先制

 12分。スローインの守備からチャンスをつくる。森原がルーズボールを拾うと、竹内につなぎ、竹内から野村へ縦パス。野村は佐藤との連係からシュート。ここは相手にクリアされるが、拾った竹内がダイレクトで左WB・福島紗羅メヘル(政1・昌平)につけると、福島紗は相手をかわし、右足で強烈なシュート。キーパーの反応は間に合っていなかったが、わずかにポストの右に外れた。

1部リーグの激しいプレスも難なくいなす竹内

惜しいシュートを放った福島紗

 18分には、左CB・宮嶋ひかり(環3・芝浦工業大学柏/ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU18)から福島紗にパスが入り、福島紗の縦パスを野口がポストプレー。落としを受けた佐藤が野村にパスを通し、野村から右WB・岩田理子(総3・十文字)へ。岩田は十八番の右足クロスをファーサイドに供給するが、惜しくもシュートには至らない。

パスが冴え渡った両足使い・宮嶋

少ないタッチで攻撃にテンポを生み出した佐藤

右サイドで風を切る岩田

 押し込まれた場面も最終ラインの選手が相手を遅らせ、野口らの献身的なプレスバックで奪回。一瞬の隙を突かれてピンチを招く場面もあったが、良い内容で給水タイムを迎え、前半を折り返す。

守備での運動量も光った野口

 給水タイム明けも一進一退の攻防が続く。相手SBが遅れて岩田や福島紗に出てきた際にはその背中のスペースを使って前進するが、アタッキングサードまでなかなか持ち込むことができない。

 すると38分。左サイドから高い弾道のセンタリングを上げられると、キーパー・四宮里紗(環1・桐蔭学園)の鼻先でヘディングシュートを打たれる。ボールはクロスバーに直撃してゴールマウスに収まり、失点。同点とされる。

 その後はピンチが続くが、四宮がミドルシュートを立て続けに好セーブ。慶大の時間帯もあったが、相手の勝負強い一撃で追いつかれ、同点で後半に突入する。

安定したセービングが光った四宮

 勝負の後半。しかし、開始早々の51分だった。相手右SHに3人が突破されると、ボックス内からシュートを決められ、勝ち越しを許す。

 その後は苦しい時間が続く。相手にボールを握られ、取り返してもなかなか攻撃に転じることができない。57分。森原が相手のパスをブロックすると、野村がロングシュート。これはキーパーに防がれるが、コーナーキックを獲得。野口のボールを宮嶋が折り返すが、得点には至らない。

 62分には左サイドから。福島紗が佐藤とのワンツーで運ぶと、前線の森原につながる。森原はダイレクトで野口に落とし、野口から右サイドの岩田へ。敵陣深く攻め込むが、シュートを打つことはできない。

攻守に貢献を見せた森原

 慶大最初の交代は65分。岩田に代わり福島日和(理4・慶應湘南藤沢)が入る。ここまで全出場機会で左WBを務めていた福島紗が右WBにサイドを変え、福島日は左WBに入る。

 67分。木田が右サイドのスペースを空けると、森原が低い位置で米口からパスを受け、野村の前方にスルーパス。一度は相手に体を入れられるも、すぐさま取り返した野村は野口にクロス。野口はダイレクトシュートを放つも、これは枠を捉えられない。

 給水明けの73分。福島日のパスを野口が体を張ってつなぎ、左サイドを抜け出した野村へ。相手にクリアされかけるが、福島日が防ぐと、野村がクロス。しかし、押し込むことはできない。

アタックする守備からチャンスをつくった福島日

 苦しい中でも何度か相手ゴールに迫るが、得点を挙げられない時間が続くと、78分。相手の前線の選手の連係で完璧に崩され、失点。ビハインドは2点となる。

 86分には2枚代えを敢行。佐藤に代わり安達梨咲子(商4・Palos Verdes High School / Fram Soccer Club)を、福島紗に代わり大学初出場のルーキー・早坂七海(政1・常盤木学園)を投入。左WBの福島日が左シャドウへとポジションを移し、早坂は左WB。右シャドウの森原が右WBへとポジションを移し、安達が右シャドウに入る。

今季4試合目の出場となった安達

公式戦デビューの早坂

 しかし88分。ボックス内から強烈なシュートを決められ、4失点目。その後も点を返すことはできず、1―4で今季初黒星を喫した。

 今季初の複数失点での大敗。シュート数も慶大の4に対して山学大は17と圧倒されたが、試合を通して手も足も出なかったというわけではなく、前半はたしかに慶大の時間帯もあった。一方で、後半はボールを保持することがなかなかできず、厳しい試合展開となった。組織として狙った戦い方をできた場面もあったが、最終的には個の力でねじ伏せられた。特に、相手のゴール前でのクオリティは圧巻だった。

 慶大はここまで5試合全て先制している。直近3試合に至っては前半に先制点を挙げているのは、チームにとって前向きな要素だろう。その中で、どう勝ち切るか、あるいはどう勝ち点を取るか。長いリーグ戦を戦う上で、今後も課題となってくる。

 大学リーグでは21試合ぶりの敗戦。日本一のチームの実力を身を持って実感した選手たちがさらなるレベルアップに励み、後期リーグでリベンジを果たすことに期待したい。

 次節の相手は、ここまで勝ち点3で10位と苦戦している東京国際大学。慶大にとっては長時間の移動を伴うアウェイで、どんな戦いを見せられるか。

 

【次節の試合予定】
2026/5/9(土)13:00キックオフ@東京国際大学坂戸C第3グラウンド
O.R.S.第40回関東大学女子サッカーリーグ戦1部 前期第6節
東京国際大学対慶應義塾大学

 

【インタビュー】

野村亜未(総4・十文字)

――得点につながった要因

自分が日胡(森原)につけて、(森原が)シュートを打って、もしかしたら決めてくれるかなと思いつつ、「最後まで詰めよう」と思って詰めたのが最終的には点につながったと思います。

 

――相手チームで印象に残った選手

9番の選手ですね。結構縦に速く出てくる選手で、一つ怖さでもありながら、どうにかしてそこに行かせないような守備をこっちでも対策はしたんですけど、最終的にクロスからやられてしまったところは自分たちの弱さだと思います。

 

――山梨学院は去年日本一のチームだが、実際に対戦してみて他の大学との違いはどこに感じたか

個人の能力のところが大きいと思います。山梨学院だけじゃなくて、他の1部リーグのどのチームにも言えることで、そこに対して自分たちはもちろん個人としても頑張るけど、組織として戦うために準備してきた部分はあるので、もっともっと突き詰めなければいけないと改めて感じました。

 

――今日の試合を振り返って、チームとしての課題

最後の一歩のところです。ゴール前で体を張るところもそうですけど、やっぱり最後の強さのところ、どうにかして踏ん張るところとか、どうにか耐えられるかどうかというところは、一人ひとりもそうですけど組織としてみんなで声をかけ合いながらやっていかなければいけないと感じました。

 

――最後に、次の試合に向けての意気込み

自分たちは今回が初黒星ということだったんですけど、もちろん1部の中でも通用する部分というのはこの5試合をやってきてすごく感じている部分があって、最後決めきる部分もそうですけど、守り切るところも含めて、あと一つというところが1部での最後の差になると思うので、そこは突き詰めて頑張ってきたいと思います。

 

 

(記事:柄澤晃希 取材:柄澤晃希、姜紫涵)

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