春秋リーグ戦連覇に向けた大一番、明大戦がついに火蓋を切った。この日、應援指導部は「音の日」と題し、メガホンを1人2つ配布。応援席からは二倍に増した音が響き渡り、選手たちを力強く鼓舞した。音に後押しされ、試合は9-5で勝利。“天王山”と称されるこのカード、士気を高め、一体となった応援席の熱気をお届けする。
10月17日(土)慶應義塾大学◯9-5⚫️明治大学
~試合概要~
春秋連覇をかける秋季リーグ戦にとって大一番とも言える明大1回戦。慶大は1回表、今津慶介(総4・旭川東)の適時二塁打で先制に成功する。2回表にも今季初出場の竹田一遥(環2・聖光学院)が初打席で適時打を放ち追加点を奪い、幸先の良い滑り出しを見せる。先発の渡辺和大(商4・高松商業)は、2回までは無失点で抑える投球を見せるも、3回裏に4つの四死球と2本の安打で一挙4失点。4回裏にも1点を奪われ、3-5と苦しい展開を強いられる。中盤、慶大は一宮知樹(経2・八千代松陰)のソロ本塁打を含む3点を挙げ同点に追いつく。7、8回にも2本の適時打で4点を追加し、勝ち越しに成功。守りでは2番手・水野敬太(経3・札幌南)、3番手・鈴木佳門(経2・慶應)、4番手・小宅雅己(環1・慶應)ら救援陣が無失点の好投で明大打線を封じ、9ー5で勝利し、水野はリーグ戦初勝利を飾った。
初回攻撃前、壇上に上がった部員は、「初回からアツいアツい応援席作るぞ。メガホン2つバチバチ叩いて応援するぞ」とメガホンで埋め尽くされた応援席に向け、気合の入った言葉を送った。
その初回、主将・今津の適時二塁打で先制点を獲得すると、続く2回、今季初スタメン入りを果たした竹田一が適時打を放ち、幸先の良いスタートを切る。強敵相手に2点リードする展開となった3回、応援席に「塾生注目」の声が響き渡る。前日、東京六大学野球ホームページで目にした「優勝の行方」のチャート表を手にした部員は、「よく分からなかった」とユーモアを交え伝えつつ、「目の前の敵から勝ち点1奪ったら簡単に優勝できる」と強調した。そして、「我々が優勝するイメージ(明治)膨らませながら、春優勝した王者の姿を明示する」と相手校の名を織り交ぜて締めくくった。
しかし、3回裏、先発・渡辺和が明大に4点を献上し、逆転を許す。続く4回表、丸田の適時打で1点を返すものの、裏で1点を返され、点差は縮まらない。

5回攻撃前、壇上に上がった部員は自分が方向音痴であることを告白。しかし、ある時にはまっすぐ目的地までたどり着けるという。「それは目的地まで一本道が開かれている時です。応援席も同じだろ。こんなところで道草食ってていいわけないだろ」と訴えると、「日本一への一本道を切り開く」と勝利への思いを口にした。
すると、高まるメガホンの音に応えるかのように、一宮が今季2号となる本塁打を左スタンドに叩き込む。1点差に詰め寄る大きな一発に、応援席は歓喜の音に包まれた。

追加点獲得の期待、そして選手を後押しするメガホンの音がさらに大きくなると、『孔明』―明大戦のみ演奏される応援歌が神宮に響き渡る。続いて『朱雀』が演奏され、音の力を届けられると、小原の適時打で1点を追加。ついに同点に追いつく。

勢いそのままに7回に2点を追加すると、さらに8回、孔明ファンファーレの援護を受け、2点と得点を重ねる。迎えた最終回、壇上にはメガホンを2つ持った坪井樹音代表が姿を見せた。「今日の応援すごいぞ。メガホン2個でめちゃくちゃ大きくなってるぞ」と伝えつつ、まだ足りないことがあると一言。「それは勝利と皆さんの声である。最後の『若き血』、メガホンを口に当てて歌って欲しい。地鳴りのような歌声で明治圧倒しようぜ」と呼びかけると、この日一番の歌声が神宮にこだました。

リードを守り抜き、試合は9―5で勝利。メガホン、そして声援による“音“の力が勝利を引き寄せたと言っても過言ではない。日本一へ向かう一本道、もう迷うことはない。絶対に負けられない“天王山”―勝ち点をもぎ取り、必ず優勝を掴み取りたい。
~試合後インタビュー~
ーー「音の日」という企画を始めた経緯
T. Mさん:2つあります。1つ目は、全日本選手権の日本体育大学との試合で、相手の音の大きさに圧倒されてそういった企画をできないかと思いました。もう1つが「タオルの日」というのを春にやったのですけどその際に視覚的効果はあったが、音の大きさに失って気づいたものみたいなのがあったので、「タオルの日」とは真逆という方向で音に注目したものを作りたいと思ったのが経緯です。
ーー1日中通して意識したことは
T. Mさん:メガホンを2つ配布したので、「チャチャチャ」だったり叩くチャンスパターンなどの際に、いつもより大きな音を叩いてもらうことや動きを大きくしてもらうことなど、2つのメガホンをいかに活用してもらえるかアプローチするのをこだわりました。
Y. Yさん:「音の日」ということで、吹奏楽団の我々が大切にしている音の部分を特に重要視して、音の厚みや音圧、音量というところを常に最大で選手達に届けられるようにするところを吹奏楽団一同意識したと思います。
K. Tさん:音を意識した企画でしたが、メガホンを2つ持つことで視覚的にも迫力が生まれました。部員からも「大きく動いてください」と積極的に呼びかけるようになり、結果的に視覚的にも聴覚的にも迫力のある応援席を作ることができた点が良かったと思います。
ーー今日の応援席で印象的だった場面は
K. Tさん:攻撃中は吹奏楽団の演奏がある一方、普段は守備中の応援が比較的静かになりがちで、相手校の応援席まで届くほどの声量を出すことが難しいのですが、今回はメガホンを叩く音によって、守備中も明大側にも応援の熱気を届けられたのではないかと思います。また、「GO GO」や「ファイト ファイト」などの前後左右に動くコールでは、メガホンが一斉に揺れる様子が印象的でした。来場者数自体も多かったのですが、メガホンが2倍になったことで、まるで応援席の人数が倍増したかのような迫力が生まれた点も良かったと思います。
ーー翌日への意気込み
T. Mさん:明日は秋季リーグ戦の慶早戦前の最後の試合ですが、部員全体で内野応援席みんなで応援できる最後の機会になると思うので、チーム一丸となってみんなで応援席を作るところを意識して明治を倒したいと思います。
Y. Yさん:慶早戦まで3試合全部勝利して優勝を決めたいと思っていますので、是非応援席に足を運んでいただいて、慶早戦前から塾生を動員していければなと思います。
(取材、記事:吾妻志穂 取材:小野寺叶翔、神谷直樹、塩田隆貴、山内悠暉)

