前節は前半に一度は追いついたものの後半に失点を重ね、敗戦を喫してしまった慶大。この日も前半に先制点を許したが、後半立ち上がりに2点を奪い鮮やかに逆転。ロスタイムにはルーキーの中島菜々子(総1・十文字高)にもゴールが生まれ、終わってみれば3-1の快勝となった。
2015/5/10(日)14:30KO@慶應義塾下田グラウンド
慶應義塾大学3-1日本航空高校
【得点者(アシスト者)】
〔慶〕48分 遠藤未来(堀井美月)、53分 二宮早紀(栃木栞) 90+2分 中島菜々子
〔日〕24分 藤本澪亜
◇慶大出場選手
GK野村智美(総2・作陽高) |
DF遠藤未来(環4・村田女子高) |
DF松本朋子(総4・十文字高) |
DF栃木栞(環3・十文字高) |
DF下山田志帆(環3・十文字高) |
MF中島菜々子(総1・十文字高) |
MF田中康子(総3・常盤木学園高)→46分鈴村萌花(総1・村田女子高) |
MF平田諒子(文4・福岡女学院高)→64分宮川渚(理3・成城学園高) |
MF赤羽紗里(総4・スフィーダ世田谷)→83分志鎌奈津美(環1・常盤木学園高) |
FW二宮早紀(環4・常盤木学園高) |
FW堀井美月(環3・常盤木学園高) |
この日も立ち上がりから主導権を握り攻め続けた慶大は、試合開始直後の2分に最初のチャンス。堀井美月(環3・常盤木学園高)の低い弾道のクロスに平田諒子(文4・福岡女学院高)が足で合わせにいくもヒットせず。11分には、平田諒子(文4・福岡女学院高)のFKに中島菜々子(総1・十文字高)がボレーで合わせたが、これはキーパーの正面へ。18分、コーナーキックを遠藤未来(環4・村田女子高)が頭で合わせたがゴールライン上で相手ディフェンダーにクリアされ、その後混戦からボールを奪い返し最後は田中康子(総3・常盤木学園高)がゴールへ流し込むがこれはオフサイドの判定。チャンスを多く作り出していた慶大だったが、一瞬の隙を突かれ先制を許す。スルーパスから藤本に抜け出され、GK野村智美(総2・作陽高)の頭上を越すループシュートを放たれて失点。前半は「あの1本2本くらいしか相手にはチャンスがなかった」(松本)が、その後も41分の二宮早紀(環4・常盤木学園高)のシュートがわずかゴール上に外れるなど、追いつくことができないまま前半が終了した。
ハーフタイムに「ゴールを取るための自分たちの崩しであったり、ボールを動かすことがなってなかった」ところを修正するように岩崎監督が指示すると、後半は攻撃に慶大らしいテンポの良さが見られるようになる。まずは48分、堀井の左からの折り返しを遠藤が落ち着いて合わせて同点に。早々に追いついた慶大は、続く53分、後半開始からボランチにポジションを移した栃木栞(環3・十文字高)からの絶妙なスルーパスを二宮がきっちりと流し込み逆転に成功。勢いづいた慶大はさらに54分、再びスルーパスに抜け出した二宮がシュートを放つもこれは相手GKの正面へ。相手を圧倒し続けていたが、65分には最大のピンチを迎える。相手の選手が放ったボレーシュートはクロスバーを直撃。そのこぼれ球を再びシュートされるも野村がキャッチし、何とか切り抜ける。その後は互いに決めきれないシーンが続いたが、ロスタイムに試合を決定づける3点目が生まれる。左サイドでボールを持ったルーキーの中島菜々子が右足を一閃。これがゴール右に突き刺さり2点差とし、そのまま試合終了。見事な逆転勝ちを収めた。
一方的に攻め続けながら相手にワンチャンスを活かされ先制を許してしまったことはいただけないが、二宮をはじめ最後まで走り攻め続けたイレブンの姿を考えれば、3-1というスコアは必然と言えるだろう。 (記事 小林将平)
試合後コメント
岩崎陸監督
(前節からスタメンを3人変更し、フォーメーションも変えて臨んだ。意図はどんなところにあるか)まずは前橋育英高に1-3で負けたということを皆で受け止めてこの試合をしっかり戦おうということで、10日間くらい合宿も含めて準備をしてきて、気持ちを新たにその中でしっかり1年生も入ってきて競争をしてそれで今日このメンバーになったので、最終的に練習の中でやりきったメンバーということで、このメンバーで行きました。(前半は相手にワンチャンスをものにされて0-1で折り返した。ハーフタイムにどんなことを選手に伝えたのか)前半の内容としては全然悪くなくて、ただゴールに向かうところの本当にちょっとしたことが、ゴールを取るための自分たちの崩しであったりボールを動かすことがなってなかったので、その点を修正して後半に臨みました。(後半開始から栃木選手をボランチに上げて、その栃木選手から幾度となくチャンスが生まれた)栃木が上がったからというよりも、前線のところでゴール前に入り切るところであったりというところが連動してきたので栃木も活きたし周りも活きたという風に認識をしていて、交代で入った鈴村も初めての試合でしたけれどもCBでもしっかりと相手を抑えてくれて、そういう意味では本当に全員の勝利だと思います。(課題はあったか)この10日間くらい本当に全く落とさずに体力的にも相当皆きつい中で今日やったと思うので、その中で走り切れたということが物凄く今日は成果だったと思いますけど、課題としては、前半に点を決め切るというところをできるかどうかで、やっぱりリードされると厳しい試合展開になってしまうので、キックオフから点を取りに行くという意識を皆が持って、次の試合に臨めるようにまた頑張りたいと思います。
松本朋子(総4・十文字高)主将
(今日の試合を振り返って)立ち上がりは結構いい形で攻撃できたんですけど、逆に先制点を取られてしまって、そこから前半のうちに点を取り返せなかったのが苦しかったんですけど、後半しっかり前からプレスをかけられて自分たちのペースが掴めたので、結果的には良かったと思います。(失点シーンについて)失点シーンは、本当にもうあの1本2本くらいしか相手にはチャンスがなかったんですけど、最近そういうところで抑えきれずに決められてしまうことが多いので、次節からは無失点を貫いていきたいと思います。(後半、逆転してからの試合運びはどうしようと考えていたか)特に勝っているからどう、というわけではなくて、自分たちのサッカーを最後まで続けようと皆で話してやっていました。
栃木栞(環3・十文字高)
(逆転勝利となったが、今日の試合を振り返って)先制されてまずいと思ったんですけど、後半逆転できてよかったと思います。(前半、CBを務めたがどうプレーしようと考えていたか)監督からは、相手のFWに対してしっかり前で潰すようにと言われていて、それを意識したのと、攻撃では後ろでボールを動かして、攻撃の起点になるような配球を心掛けていました。(後半はボランチに上がって伸び伸びとプレーしているように見えた。実際にプレーしていてどうだったか)ボランチをやりたくて、それで後半ボランチになって「よしやってやろう」という感じでやりました。(次の試合に向けて)次は無失点で絶対勝ちたいと思います。
二宮早紀(環4・常盤木学園高)
(今日の試合を振り返って)前半は、自分たちのやろうとすることがあまりできなくて失点もしてしまったんですけど、後半からしっかりみんなで切り替えて、自分たちのやりたいこともできて得点もして、結果的に勝つことができてよかったと思います。(勝ち越し弾を決めて)コロコロと転がって行った感じだったので、入ってよかったなと思いました。(先制されて何か変えていこうとしたことは)守備の連動性がなかったので、そこを改善してみんなでやっていこうということです。(次節に向けて)次もしっかり勝って、しっかりと勝ち点を積み上げたいと思います。
遠藤未来(環4・村田女子高)
(今日の試合を振り返って)相手はカウンター1本を狙っていて、自分たちは相手がカウンターで来るということは分かっていたので、先に点を取られても自分たちが攻撃でしっかり走ってやることをやっていれば点をとれる時間帯が来ると思っていたので、焦れないで点を取る機会をしっかり待ってやれたのがよかったと思います。(同点ゴールを決めて)あれはもう堀井のボールがよかったので、それだけです。(後半に積極的なオーバーラップが見られたが)サイドに空いたスペースに自分がただ走っているという感じで、そこに何回か良いボールが入ってきて、1点取ることができてよかったです。(次節に向けて)次もしっかり全員で走り切ってまたホームでしっかり勝ちを取れるように頑張ります。
中島菜々子(総1・十文字高)
(今日の試合を振り返って)初スタメンで前半はすごく緊張してしまっていて、自分のプレーが全然出せていなくて、後半に入る前に監督に「お前は前から行く選手だろ」と言われて、先輩たちにも「行ったら後ろはカバーするから」と言われて、もう自分はやるしかないと思って前からガンガン守備をかけていきました。(1年生でスタメンでフル出場したことについて)まだまだこれを安定させないといけないと思うし、少しでもチームの力になれればいいと思います。(チームの3点目を決めた時の気持ちは)ベンチからも「次の1点で決まる」と言われていて、ターンして切り替えたときにもうゴールが見えて、これは打つしかないと思って打ったら入ってすごくうれしかったです。(次節に向けて)次の試合もしっかりスタメンで出られるように練習からしっかり頑張っていきたいと思います。
コメント