前節は筑波大と熱戦を繰り広げ、スコアレスドローで勝ち点1を獲得した慶大。今節はしっかりペースをつかみ戦い切って勝ち点を得たいところだったが、思い通りの試合運びにはならない。逆に守備に綻びが見られ、隙を突かれて試合終盤に2失点。得点を挙げることもできず、完封負けを喫した。
第91回関東大学サッカーリーグ戦 第6節
2017/05/21(日)14:00KO@Shonan BMWスタジアム平塚
慶應義塾大学0-2日本体育大学
【得点者】
〔日〕73分 ンドカ ボニフェイス、81分 渡邊龍
◇慶大出場選手
GK上田朝都(総2・横浜F・マリノスユース) |
DF手塚朋克(環4・静岡学園高) |
DF沼崎和弥(商2・暁星高) |
DF岩崎湧治(商3・ベガルタ仙台ユース) |
DF北城俊幸(総2・青森山田高) |
MF杉本崇太朗(政1・名古屋グランパスU-18)→56分 宮川大史(総3・暁星高) |
MF落合祥也(商2・横浜FCユース)→83分 八田和己(総2・桐蔭学園高) |
MF片岡立綺(総4・桐蔭学園高) |
MF渡辺夏彦(総4・国学院久我山高) |
FW近藤貫太(総4・愛媛FC) |
FW松岡瑠夢(総1・FC東京U-18)→74分 渡辺亘祐(政2・慶應義塾高) |
関東リーグ戦前期も折り返し地点を迎えた。前節は昨季の全日本大学サッカー選手権大会(インカレ)優勝校・筑波大と対戦し、スコアレスドローで勝ち点1を得た慶大。今節はそのインカレ準優勝校である日体大との一戦となった。目標である関東リーグ優勝のために、これ以上の負けは許されない。期待の新入生、松岡瑠夢(総1・FC東京U-18)が初めてスタメンに名を連ねた。
立ち上がりは慶大が攻める。9分、岩崎湧治(商3・ベガルタ仙台ユース)のロングパスに反応した近藤貫太(総4・愛媛FC)がゴール左脇までボールを運び、シュートを打つが相手GKがセーブ。弾かれたボールはゴールラインを割ったかのように思われたが相手GKがキャッチし、先制点とはならなかった。18分には、近藤のパスを受けた杉本崇太朗(政1・名古屋グランパスU-18)が強烈なミドルシュートを放つ。これは惜しくも相手GKの正面を突いてしまったが、その威力は観客を驚かせた。杉本と近藤は再び日体大ゴールに迫る。20分、杉本が相手からボールをゴール左脇で奪い、背後まで上がってきた近藤に技ありのパス。近藤が打ったシュートはゴール右へと逸れてしまったが、確実に攻撃的な姿勢で入れていた。しかし、次第に選手たちの足が止まり出すと、日体大からの攻撃を多く受けるように。岩崎と沼崎和弥(商2・暁星高)のセンターバック2人が体を張ったディフェンスをみせるが、他の選手がボールに追いつけなくなる時間が増えてくる。須田芳正監督もピッチサイドから「周りが反応しろ」と選手たちにゲキを飛ばす。選手たちの掛け声も少なくなり、得点を奪えないまま前半は0-0で折り返した。
後半立ち上がりは一進一退の攻防が続く。51分、手塚朋克(環4・静岡学園高)が倒されて慶大はFKを獲得。岩崎がヘディングシュートを試みたが、枠を捉えられなかった。58分には左サイドからクロスを上げられてヘディングシュートを打たれるが、ここはGK上田朝都(総2・横浜F・マリノスユース)の好セーブでピンチをしのいだ。後半も終盤に差し掛かったところで、ついに均衡が破れる。73分、日体大にCKのこぼれ球を押し込まれてしまい失点。守備は機能しておらず、空いたところを簡単に狙われてしまった。試合を振り出しに戻したい慶大だったが、再び突き放される。80分、ドリブルで上がってきた相手に対応しようと飛び出していた上田がかわされて簡単に失点。点差は2点に広がった。その後も慶大はシュートを放つが、日体大のゴールネットを揺らせず。試合終了直前には渡辺夏彦(総4・国学院久我山高)が足の負傷によりピッチを離れた。嫌な雰囲気を払しょくすることができずに試合は終了。勝ち点3を得られず、前期リーグ戦の折り返し地点で痛い敗戦となった。
この結果、慶大は11位に後退した。不安が生まれてしまった今節、課題として見えた「つながらないパス」。さらには終了間際に渡辺が負傷退場と、関東リーグ優勝という目標に暗雲が立ち込める。次節は勢いのある昇格組・東洋大との一戦だ。優勝に向けて、上位にこれ以上引き離されるわけにはいかない。荒鷲軍団が、正念場を迎えている。
(記事 椙本彩愛)
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試合後コメント
須田芳正監督
(試合を振り返って)サッカーをやらなかったね、今日は。ちょっとひどかった。0-2もしょうがないよね。パスが3本もつながらなかった。相手も良くなかったけど、それ以上にうちが良くなかった。(1失点目からリズムが崩れた)それまでもそこまで良いっていうかね。守備のところもちょっと後手な部分もあって、良い部分もあったけど後手になってコントロールできていない部分もあったし、特にちょっとひどかったのがやっぱりボールを持っている時間帯。ボールを我々が持っているときがちょっとひどすぎた。パスがつながんなかったもんね。逆にボールを奪って相手に渡してピンチを迎えるっていうシーンも結構あったし、ちょっとボールを持っているときにチームとして、基本的な個人の部分もちょっとひどい。関東1部と呼べるレベルじゃない。(昨年度インカレ準優勝校が相手だったが、試合前選手たちに意識させたことなどは)いや、相手が準優勝だっていうことは別に意識はしない。リーグ戦の1試合だしね。まあ我々は臨むだけ。(松岡選手を初めてスタメン起用したが印象は)まあ後ろがなかなかボールを安定して回せなかったから彼のところに良い形でボールも入らなかったので、彼の良いものがなかなか出なくて。まあ、良い経験をしてもらいたいよね。先発で出たっていうことで、これからいろいろとチャレンジして良いプレーをしてもらいたいなと思います。(渡辺選手のケガについて)どうだろうね。打撲だって言っていたから、大丈夫じゃないかな。ちょっと見てみないと分からない。(次節に向けて)疲れている選手もいるね。去年から出ている経験のある選手が少ない分、ここ5節6節辺りからリーグ戦の体力っていうのが、これがちょっと何人かの選手は疲れている感じがしたんで、活きの良い選手を使っていくのが良いのかなって感じかな。結局今動けないとどうにもならないもんね。ちょっと何人か活きの良い選手を入れて、やっぱり連敗だけはしないように、頑張ります。
手塚朋克(環4・静岡学園高)主将
(試合を振り返って)迫力を持って試合を進めることができなかったかなと思います。(敗因は)ディフェンスラインがうまくボールを取りにいくっていうことができなかったことと、前がボールを追っているのにも関わらずディフェンスラインが少し後ろにビビってしまってというか怖がってしまって、引いて間止めしたところを使われて、相手のペースになっちゃったと思います。(後半の1失点後から流れが悪くなったが)やっぱり失点した後に自分であったり4年生がもっと盛り上げて、ひっくり返すぞという気持ちを持ってやっていたと思うんですけど、やりきれない部分があったと思うし、だからああやって2失点目もしたと思うんで、そういう意味ではまだまだ気持ちが足りないし、もっとできると思わなきゃいけないところだなと思います。(日体大対策として意識したことは)特に意識したことというよりかは、自分たちのサッカーをしようということを一番意識していたんですけど、ただまずそれができなかったということが今回の敗因であって、「やろうとした、でもできなかった」で終わってしまったらこの先成長もないし、もっともっとやろうとしたなかで、試合中でもっと改善していかないといけないところもあると思うし、瞬時に全体で判断して、ゲームを動かさなきゃいけないところもあったんじゃないかなと思います。(課題は)ディフェンスラインが前線の守備に追いつくというか、試合中に間延びしたところをどう修正するかということだったり、あとは相手のペースになった時に自分たちがどうやって立て直すかというところを意識していかないと、ああやってずるずる相手のペースになってしまうので、そういうところはもっと意識してやらないとなと思います。(次節に向けて)優勝するためには勝ち点を積まなきゃいけないし、もっともっと自分たちのサッカーを追求しなきゃいけないので、まずはトレーニングの質っていうのをもっと高めて、来週のキックオフに向けて、どうやって自分たちが気持ちを持っていくかっていうことを意識してやっていきたいと思います。
岩崎湧治(商3・ベガルタ仙台ユース)
(試合を振り返って)今日の試合は、立ち上がりは相手ペースで、そこから前半は上手く修正できたと思うんですけど、やっぱりセットプレーから失点して流れを相手に渡してしまって、そこからはうまく立て直せなかったかなという印象です。(前半はうまく守れていたが)後半は相手の選手が代わったというのと、あとは失点をした時に自分たちは前がかりにプレスをかけていて、基本的に後ろはプラス一人で守っていたんですけど、そのカバーをなくして前からプレスをかけていった時に、自分たちのところでうまく潰せなかったというのと、後ろの意識と前のディフェンスの意識をうまく合わせられなかったので、そこら辺でディフェンスの機能がうまく機能していなかったと思います。(そういう時の声掛けなどは)声掛けで、今日は失点後はサイドバックを高い位置に置いていたので、自分たちとしてはツートップを2枚で見ていて、そのFWが流れた時に自分たちは失点しないことが第一なんですけど、そこで収められてしまっていたので、もっと自分が潰せればもっと良い流れになったのかなと思います。(失点が多い中で守備面でうまくいっていない時の要因は)うまく守れている時は全体的に声が出ていて、自分たちはこう守りたい、いや、こうだと言えるんですけど、今回みたいに先制点を取られた時に崩れてしまうというか、前から行くのか引いて守るのか、って言うのがうまくまとまらないというか、先制点を取られている試合が守備も崩れてしまっている試合が多いと思うので、前の試合とかは失点しなかったのでみんな集中して、声も出ていて守れていたんですけど、今日みたいに失点した後立て直す力がないとこれから戦っていく上で厳しいと思うので、自分も含めてディフェンス陣と、あとは前線の守りというのが本当に大事だと思うので、前回の試合も本当に前線に助けられての試合だったと思うので、チーム全体の連携が取れるようにしていければ失点も減っていくと思います。(次節に向けて)自分たちが目標としているのは関東一なんで、関東一と言ったからにはもう連敗はできませんし、前の試合も良い試合をしたんですけど、勝ち点3は取れていないし、今日も結局負けてしまって勝ち点を取れていないので、次節は本当に死にものぐるいというか、勝ち点3というのが大事になってくると思います。
杉本崇太朗(政1・名古屋グランパスU-18)
(試合を振り返って)ここまで2勝2敗1分で来て、ここで勝ち越すか負け越すかというところで試合前からみんな気合いが入って勝ちにいこうという試合だったんですけど、終わってみれば0-2で、みんな納得できるような試合ではなかったと思います。(与えられている役割は)自分のストロングポイントはシュートなので、自分の良さを出してどんどんゴールを狙って点をとってこい、という感じですね。攻撃に関しては自由に。(前半の惜しいミドルシュートのシーンはイメージ通りか)そうですね。あのくらい遠くても自分の中ではシュートレンジなので、真ん中にいっちゃったんですけど形としては得意なプレーが出せたので良かったです。(あのような細かいパス交換からの良い形が少ないのは連携不足もあるか)確かに今日はあまりうまくいきませんでした。でも例えば自分がサイドで持ったときにFWの選手やサイドバックのてづくん(手塚)などは自分のストロングポイントを理解してくれていて、動き出してくれたりしてるんですけど、今日とか最近はあまりうまくつながっていない感覚はあります。(今日は1試合を通して攻撃がほとんど機能しなかったが原因は)チーム全体としては、奪ったボールに対してのサポートが僕も含めて全員遅いと感じています。ボールを奪った瞬間に周りの足が止まっていて、出し手がどこに出そうか迷ってしまって奪われていたので、攻撃の回数自体が少なくなっていた印象です。(後半早めの時間帯に交代となった)交代はしたくないですし、非常に悔しいです。最近ずっと交代ばかりなので悔しいですけど、今日に関しては自分があまり走れていなくて、てづくんが弾いたボールをプレスバックで拾えなかったり、チームに貢献しきれていなかったので、次の試合で出られるのであれば、改善していきたいと思います。(リーグも中盤に入り、ハイプレス戦術をとる中で、体力面の不安は)いや、長期で戦うことに対する体力的な不安はないです。ただ1試合を通してああやって前から行っている時に、自分だけ遅れてしまったり、後半走れなくなってしまったりしていて、そういうことをしていては試合には出られないので、意識的に良いポジションを取ってからスタートするとか、そういった細かい部分で修正したいと思います。(次節に向けて)これで2勝3敗1分ということで負け越してしまって、前期の後半戦に入るに当たって大事なところだと思うので、個人としてはゴールを取って、チームの勝利に貢献することです。応援してくれている部員のことや、信頼して出してくれている監督のことを考えて、勝利に貢献したいなと思っています。