【野球】社会人相手に互角の勝負も、課題残る一戦に/社会人対抗戦 VS三菱日立パワーシステムズ

3月31日(土)社会人対抗戦2018

三菱日立パワーシステムズ戦 @明治神宮野球場

まもなく王座を目指す戦いが始まる

リーグ連覇を目指す慶大にとっては、充実した内容とは言い切れない試合となった。序盤は互いに得点圏に走者を進めながらも、得点することができずスコアボードに0が並ぶ。しかし、慶大は4回に犠牲フライで先制を許し、そこからは追う展開に。7回に主将河合大樹(総4・関西学院)のタイムリーで同点に追いつくも、リードを奪うことはできなかった。その後は両チーム共に投手陣が踏ん張り、9回まで譲らず。慶大は社会人対抗戦を1-1の引き分けで終えた。

 

 

慶大

MHPS

9回規定により引き分け

慶大バッテリー:佐藤、関根、津留崎、菊地、石井―郡司

MHPSバッテリー:奥村、藤本、松田、本多―平野

 

◆慶大出場選手

 

ポジション

選手名(学部学年・出身高校)

[8]

橋本典之(環1・出雲)

 

若林翔平(環1・履正社)

 

津留崎大成(商3・慶應)

 

長谷川晴哉(政4・八代)

 

R8

渡部遼人(環1・桐光学園)

[7]9

河合大樹(総4・関西学院)

[4]8

柳町達(商3・慶應)

 

菊地恭志郎(政4・慶應志木)

 

杉本京平(理3・中央中等教育)

[3]

嶋田翔(環2・樹徳)

 

2]

郡司裕也(環3・仙台育英)

[5]

内田蓮(総4・三重)

 

田中凌馬(商3・長崎東)

[9]

中村健人(環3・中京大中京)

 

石井雄也(商3・慶應志木)

[6]4

小原和樹(環3・盛岡三)

[1]

佐藤宏樹(環2・大館鳳鳴)

 

亀川泰輝(商3・慶應)

 

関根智輝(環2・城東)

 

H6

瀬戸西純(政2・慶應)

 

季リーグ戦の開幕前に毎年行われる社会人対抗戦。慶大は、昨年の都市対抗野球でベスト4まで勝ち進んだ三菱日立パワーシステムズを相手に迎えた。新チームで培ってきた力を試す格好の機会なだけに、内容の伴った試合が求められた。

 

初回、先攻の慶大は2死から柳町達(商3・慶應)の四球と嶋田翔(環2・樹徳)のレフト前ヒットで一、二塁のチャンスを作る。続く郡司裕也(環3・仙台育英)も相手先発のボールを捉え、ライト前へ。二塁から柳町が生還を試みるも、ここはライトの好返球に阻まれ先制とはならず。

エースとして期待される佐藤

慶大の先発はサウスポーの佐藤宏樹(環2・大館鳳鳴)。初回に二つの三振を奪ったものの、2回は制球がばらつく。先頭打者にレフト前ヒットで出塁を許すと、その後二つの四球で1死満塁のピンチ。しかし、ここは変化球を効果的に織り交ぜながら後続を断ち、なんとか無失点で凌ぐ。

3回からは関根智輝(環2・城東)がマウンドへ。3回こそ味方の失策から招いたピンチを無失点で切り抜けるも、4回には四球から再びランナーを溜めてしまう。粘りのピッチングを続けたい場面だったが、1死満塁から相手1番打者にレフトへ犠牲フライを打たれ、先制を許した。

5回、6回と代わった津留﨑大成(商3・慶應)がストレート主体のピッチングで無失点に封じると、7回も代わった菊地恭志郎(政4・慶應志木)がランナーを背負いながらも0で抑える。

同点適時打を放った河合

すると、流れは慶大へ。毎回ヒットでランナーを出すものの、あと一本が出ない苦しい展開が続いていたが、7回、途中出場の瀬戸西純(政2・慶應)の死球からチャンスを作る。代打長谷川晴哉(政4・八代)がヒットで続くと、1死一、二塁から河合がセンター前へきれいに弾き返し、瀬戸西が生還。ようやく同点に追いつく。しかし、続く柳町と嶋田が倒れ、逆転には至らなかった。

 

同点のまま迎えた9回。慶大は1番から始まる好打順で三者凡退。一方、8回から代わった石井雄也(商3・慶應志木)も要所を締めるピッチングで、最終回まで点を与えなかった。規定により延長は行わず、1-1でゲームセット。慶大は社会人対抗戦を引き分けで終えた。

 

接戦を演じたものの、リーグ戦開幕に向けて満足と言える内容とはいかなかった。昨季のリーグ優勝に大きく貢献した佐藤と関根は、まだ本調子とはいかないピッチング。打線はヒットの数でこそ相手を上回ったが、得点まで結びつかない場面が多く、残塁の数は11にまで上った。

2安打を放った嶋田

しかし、光明がないわけではない。今季クリーンアップとして期待される嶋田と郡司がマルチ安打。昨年から攻撃面での戦力ダウンが叫ばれる中、新戦力も台頭している。一方、投手陣でも5回以降に上がった津留﨑、菊地、石井の3投手は、ピンチを招きながらも低めにボールを集め、好調をアピール。リリーフ陣の厚みにも期待は持てる。

 

 リーグ戦開幕までの残り少ない期間で、どこまでチームとして成熟度を増すことができるか。まだ本調子でない選手たちがいかに調子を上げることができるか。まだまだ新チームとしての伸びしろは、多くあるはずだ。この試合で得た収穫と課題を最大限に生かし、開幕戦に臨みたい。

 

昨季王者として迎えるリーグ戦。選手たちの頭にあるのは、もちろん「連覇」、「日本一」の二つだろう。代替わりを経て成し遂げなければならない秋春での連覇は、春秋で成し遂げるよりもはるかに難しい。達成すれば、H18秋、H19年春で早大が成し遂げて以来11年ぶりの快挙となる。そして、その先の日本一は2000年以来遠ざかっている。しかし、それだけ困難なことへでも勇猛果敢に挑んでいくのが、陸の王者のあるべき姿。2週間後、河合KEIOが秋春連覇への道を歩み出す。

 

記事:重川航太朗、写真:尾崎崚登

 

◆打撃成績

 

 

[8]

橋本典

投ゴロ

 

二安

 

 

 

 

 

 

若林

 

 

 

 

逃三振

 

 

 

 

津留崎

 

 

 

 

 

 

 

 

 

長谷川晴

 

 

 

 

 

 

三安

 

 

R8

渡部

 

 

 

 

 

 

 

 

空三振

[7]8

河合

遊ゴロ

 

投犠

 

逃三振

 

中安①

 

遊直

[4]8

柳町

四球

 

左飛

 

 

逃三振

逃三振

 

 

菊地

 

 

 

 

 

 

 

 

 

杉本

 

 

 

 

 

 

 

 

遊ゴロ

[3]

嶋田

左安

 

 

三ゴロ

 

右安

逃三振

 

 

[2]

郡司

右安

 

 

左安

 

左飛

 

二ゴロ

 

[5]

内田

 

二飛

 

一ゴロ

 

 

 

 

 

田中凌

 

 

 

 

 

二安

 

四球

 

[9]

中村

 

空三振

 

一邪飛

 

中飛

 

空三振

 

石井

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[6]4

小原

 

三ゴロ

 

 

左中2

 

中飛

右安

 

[1]

佐藤

 

 

 

 

 

 

 

 

 

H

亀川

 

 

逃三振

 

 

 

 

 

 

関根

 

 

 

 

 

 

 

 

 

H6

瀬戸西

 

 

 

 

空三振

 

死球

三ゴロ

 

 

◆投手成績

 

投球回数

打者数

球数

安打

三振

四死球

失点

自責

佐藤

50

関根

11

37

津留崎

31

菊地

13

石井

43

 

◆選手コメント

河合大樹主将(総4・関西学院)

――今日の試合を振り返って

僕たちは(今日の試合のような)こういう戦い方についなるのですが、その中で勝ちきれなかったというのが、今日はダメだったなと感じています。

 

――7回はチャンスで同点のヒットでした

前の打席で、チャンスで見逃し三振してしまっていたので、ここは打たなきゃなという気持ちで、打席に入りました。

 

――今日見つかった課題は

バントをしっかり決める所で決め切るとか、アウトを取れる所で取るとか、本当に当たり前のことを当たり前にやっていくことと、あと一本の所でヒットをいかに出すか、そういう所ではないかなと思います。

 

――課題に対して開幕まで行いたいことは

練習の中で、バントであったり、もう一本という所だったり、緊張感を持ってやるということが大事なのかなと思います。

 

小原和樹(環3・盛岡三)

――今日の試合を終えての感想は

開幕に向けて徐々に調子は上がってきていると思います。

 

――2安打を放ちました

2打席目にヒットを打てましたが、1打席目に一番いい状態に持っていきたかったです。1打席勝負の時もあるので、もっと1打席を大切にしなければと思っています。

 

――今日はショートでスタメンでした

ショートをやり始めたのは最近で、まだ未熟ですが、瀬戸西は上手なので見習ってやっていきたいです。

 

――新チームの雰囲気は

去年より活気あふれてると思います。田中凌馬を中心に盛り上がるところは盛り上がるという風にできていると思います。

 

――開幕に向けて一言お願いします

ベストな状態で臨んで、目の前の勝利を大切に、チームとして目標にしている連覇をしたいと思います。

 

郡司裕也(環3・仙台育英)

――今日の試合を振り返って

このチームでやる初めての神宮の試合でした。良かったところは投手がピンチを作りながらなんとか粘って1失点に抑えてくれて、負けなかったことです。その反面ミスもたくさん出て、チャンスを何度も作りながらもなかなか点が遠いという状況でした。まだまだ課題が多いなと言うのを痛感させられた試合でした。

 

――投手陣の印象は

佐藤は去年の秋と比べると、まだ本調子じゃないなという感じでした。関根も一緒で、二人がいないと戦いは厳しくなると思うので、リーグ戦までもう少し、調整をしてほしいです。それ以降の投手は自分の持ち味を出してくれたんじゃないかなと思います。

 

――自身の配球を振り返るといかがですか

投手はランナーを出してからは良かったですし、ピンチの場面で良くリードできた感じはあります。しかし、先頭を塁に出してしまったりとか、軽く入ってしまった場面があったので、ランナーを出す前に防がなきゃいけないなと思います。

 

――自身のバッティングは

初回にヒットも出て、もう一本打てたので、個人としてはまずまずの成績だと思います。リーグ戦になったら必ずランナーを返すという気持ちでやっていきたいです。状態は少しずつ上がってきているので、このまま上り調子でリーグ戦もやっていければと思います。

 

――チームの仕上がりはいかがですか

キャンプと関西遠征で最初はうまくいかないことだらけで、連敗もしましたが、最近は力がついてきて、何とか競り勝つ試合も増えてきました。しかし、今日は勝てる試合を逃してしまったので、まだまだやることはあるなと感じています。

 

――チームの課題は

内野守備もそうですが、バッティングの面で頭を使った攻撃をしていきたいです。リーグ戦慣れしてないメンバーも多いので、試合の流れを理解しながらプレーするところが必要かなと思います。

 

――リーグ戦に向けての抱負を

優勝しましたが、今年のチームは去年のチームと全く違うので、今年のチームでも優勝したいなと思います。

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