【アイスホッケー】勝利への執念を見せるも、早稲田の壁を超えられず 第84回早慶アイスホッケー定期戦

アイスホッケー

悔しい敗戦となった

春の早慶戦では敗北のリベンジを誓い、敵地東伏見に乗り込んだ慶大だったが序盤から相手に攻められる展開が続き、第1ピリオド8分に先制を許す。第2ピリオドでは多くのチャンスを作るも決めきれず、逆に早大にカウンターを食らい、追加点を許した。試合終了まで得点の執念を見せ、最後は4年生6人でゴールを狙ったが0―3での敗北となった。

 

2020年1月11日(土)16:40F.O.

@ダイドードリンコアイスアリーナ

 

 

1P

2P

3P

合計

慶大

0(7)

0(21)

0(6)

早大

1(22)

1(10)

1(22)

※()内はシュート数

華々しいカウントダウンから選手入場が始まった

4年生にとっては学生時代最後となるこの試合。熱気に満ち溢れたスケートリンクで今年も両校のプライドをかけた伝統の一戦の火蓋が切られた。

第1ピリオド。フェイスオフ直後から早大のFWに攻め込まれ自陣での守りが続くが、GK小池丈二(経4・浦和)を中心に守備陣が堅い守りを見せ無失点で乗り切る。FW田中陸(政4・慶應)がその後抜け出すも、相手陣地内で相手DF陣に止められチャンスを活かすことが出来なかった。3分には退場者が出てキルプレーとなり、早大の猛攻が続いた。だがここも小池がナイスセーブを連発し、耐えしのぐ。しかし9分、早大・生江の技ありパスから杉本の強烈なシュートが決まり先制を許した。同点に追いつくために田中や十文字開紀(商4・八戸)などのFW陣がゴール前まで抜け出すプレーも見られたが、なかなかシュートを打つことが出来ないまま時間が過ぎ、第1ピリオド終了となった。

FW陣をけん引した十文字開

早い段階での同点を狙う第2ピリオド。開始直後から敵陣プレーが続く。田中、DF若森龍太郎(環2・苫小牧東)、福盛太郎(政2・慶應)が立て続けにシュートを放つものの、相手GKに止められ得点することが出来ない。その後も高い前線を維持していたが、12分、相手にセンターライン付近からのロングシュートを決められ点差を広げられてしまった。点は取られたものの再開後も慶大が攻め続け、14分に中盤から抜け出した十文字が放ったシュートはゴールに入ったと思われたが協議の結果ノーゴールという判断となり、その後も得点できず。このピリオド、慶大は早大の2倍以上となる21本のシュートを放ったがゴールネットを揺らすことは出来なかった。

鋭い攻撃力が光った田中主将

最終第3ピリオド、得点したい慶大だったが勢いがあるのは早大だった。5分に相手の個人技で前線を突破され3点目を奪われた。流れを止めたいが早大の波状攻撃は続き苦しい時間が続く。試合終盤、流れを変えるため、この試合が引退試合となる4年生を6人出場させ早大に立ち向かったが、最後まで一点は遠く、0−3で試合終了した。

粘り強く戦い続けた

春に続き今回も早慶戦に勝利することが出来なかったが、4年生の執念が節々に見られた熱い試合となった。

今季慶大はリーグ戦最下位ながらも入替戦に勝利し、来季もトップリーグで戦うことが決まっている。この敗戦を糧に、新たな世代が躍動することに期待したい。

4年生の皆さん、お疲れ様でした

(記事:國本葉月/写真:左近美月、佐藤有、松田真由子)

 

以下、コメント

 

田中陸主将(政4・慶應)

――今日の試合を振り返って

正直、勝てなかったのは悔しいですがチームとしてのプレーはやりきれたかなと思います。

 

――ゲームプランは

今年初めからチームとして結果が出ず苦労していました。その中で自分たちの形を模索しつつ掴んだ慶應らしいプレーをやろうという感じでした。セカンドピリオドとか、慶應の流れが続く時間もあり、力を発揮できたかなと思います。

 

――序盤から田中選手の攻める姿が目立ちました

最後ということで相当気合が入っていました。僕らは去年、35年ぶりの早慶戦勝利を体験していて、それを後輩たちに少しでも体験させてあげたいと思っていました。

 

――0ー3という結果は

今年ずっと苦しめられた得点力不足というところで、決めきれなかったことが敗因かなと思います。

 

――試合終盤4年生6人で戦いましたがどうでしたか

常に一緒に、苦労も楽しいも味わってきた仲間なので感慨深かったです。

 

――後輩に一言お願いします

苦労させられた後輩たちではあるのですが、同時に頼り甲斐もありました。ホッケーの実力もあり、今後も試合には足を運ぼうと思っているので頑張って欲しいです。

 

十文字開紀(商4・八戸)

─ ─試合を振り返って

今シーズンのチームでできる最後の試合だったということで4年生だけではなく、3年生以下も気合が入っていましたし、勝つことはできませんでしたが、僕たちのベストゲームを表現できたかなと思います。

 

─ ─今日の敗因は

ラインフィールドです。第1ピリオドでは反則続きでなかなか流れを掴めない時間帯が続いてしまったのですが、そこを最小失点で抑えて、第2ピリオドに良い流れが来たという時に追いつくことができなかったというのは敗因だったのかなと思います。

 

─ ─ご自身の惜しかったゴールについては

僕のポストに当てたシーンも0−2の状況で、あそこで入っていたら試合の流れも違っていたと思いますし、責任を感じていました。ですが、得点が入らなくてもやることは変えずに、僕らのシンプルな縦に速いアイスホッケーをしていれば、いつか点を取ることができるのではないかなと思っていたので、切り替えてプレーしていました。

 

─ ─17年以上続けてきたアイスホッケー人生を振り返って

僕は多分全大学のアイスホッケー部の4年生全員と比べても17年間ずっとアイスホッケーが好きなままプレーし続けられたかなと思っています。もちろんどんな学校に入ってプレーするかによっても変わってくると思いますが、親に恵まれ、コーチに恵まれ、チームメイトにも恵まれ、本当に各カテゴリーでアイスホッケーが大好きなままプレーできたというのが僕の17年間の総括です。

 

─ ─4年生が活躍する場面が多く見られましたが、同期に向けて

1年生の時には少し苦しめられる時期が多かったのですが、それでも学年が上がるにつれて僕自身も考え方が未熟だったのが大人になってきて、もちろん時間を共有するうちにお互いのことを分かってくるし、苦しい時期も楽しい時期も経験して、最後4年生が良い雰囲気でまとまって試合することができたので同期には感謝しています。

 

─ ─最後に後輩たちに向けて一言お願いします

僕らの体育会アイスホッケー部生活4年間に沢山の人が時間とお金をかけてサポートしてくれているという事実をもっと幸せに感じてほしいし、それを当たり前だと思ってほしくないです。恵まれた環境で4年間何をするかというのはすごく大切だと思っていて、4年生になると色々な友達が増えて、起業している人とか、アルバイトをしたり、就活、簿記を頑張っている人とかに出会って、色んな4年間の使い方があると知ったなかで、大学1年生の時にアイスホッケー部に入ると決めたからには、幸せな環境で4年間具体的にこの組織の中で何をするかというのはもっと深く考えていってほしいかなと思います。

 

 

小池丈二(経4・浦和)

――今日の早慶戦はいかがでしたか

 結果として3ー0で負けてはしまったんですけど、チームとしてやりたいことであったロースコア、僅差の中で相手を受けて、どこかで1点、2点とって最終的に勝つというのが自分たちの目標が、守備の面ではできて、攻撃は水物の部分もあるので、今日は点が入らなくて負けてしまったんですけど、そういったところでは今年のチームの集大成としては良かったと思います。

 

――第1ピリオドは苦しい展開となりました

 体力的にきつくて、反則も3回あって、ピリオドの30%くらいが一人少ない状況だったんですけど、みんな体を張ってくれたのが大きいと思います。僕も今日けっこう調子が良くて、止められたと思うんですけど、それ以上にチームメイトが危険なゾーンを守ってくれた中で、自分も大事なところをしっかり押さえられたかなと思います。

 

――13年間を振り返っていかがですか

確か始めたのが5歳のときで、中3までやってたんですけど、一回高校では辞めてずと勉強をしていまいた。それでたまたま縁があって慶應に受かって、慶應に入ったときは、全然ホッケーをやるつもりはなかったんですけど、兄がその当時慶應の主将をやっていて、それをきっかけに入部を決めました。高校3年間ホッケーをやっていないのは大きいブランクだったし、周りは北海道でやってきた選手ばかりで、そこで正直自分はやっていけるのか不安でした。1年の最初の方は出ない試合もけっこうあって、全然だめだったんですけど、周りに支えられて成長できたと思います。1年生の頃から、トレーナーの方は自分の弱点を洗い出してくれましたし、選手のみんなには自分の弱点を教えてもらいました。自分1人の力じゃ絶対こんなに成長できなかったと思うので、この4年間で、それこそ早稲田に勝ったり、関東大学の中で上位のチームに何回か勝てたというのは、自分個人として嬉しかったし、周りがいなきゃできなかったことだと思います。

 

――4年間の一番の思い出は

この前の関東大学リーグで8チーム中1位の明治大学と対戦したときに、みんなで戦って最後の最後まで何とか粘って、明治の攻撃を守りきって最後のPSで最後自分が止めて、十文字が決めて勝てたことは、自分個人としてというよりも、チームとして強い相手に勝てたっていうのは、4年生として背中引っ張れたのかなと。自分の中で一番記憶に残っている勝利です。

 

――後輩に向けて

環境に対して感謝してほしいなと。今自分が当たり前に思っていることって、実は当たり前ではなくて、どんなに仲が悪くてもその人がいないとできないことがたくさんあるし、そういうところでいがみ合うっていうのは本当にもったいないと思うので、その人の少しでもいいところを見つけて感謝をするべきだと思います。それが最終的に自分の人間的な成長だったり、体育会にいる意味につながってくるのではないかなと思います。周りにある全てのことにありがとうと言えるそんな4年間を過ごしてもらいたいです。

 

――同期に向けて

同期には一番迷惑をかけて、やっぱりありがとうと言いたいですね。ゴールキーパーって席が1つしかなくて、同期にももう1人ゴールキーパーがいるんですけど、やっぱり争い合うというのはすごく苦しいところがありました。僕はメンタルが強い方ではなかったので、すぐしょんぼりしちゃうタイプで、そこで助けてもらったのがやっぱり同期で。みんな話を聞いてくれたし、彼がいなかったら、ここまで結果出したりとか試合に出たりとかはできなかったと思うので、ありがとうと一言伝えたいです。

 

――今、一番感謝を伝えたい人は

親ですね。5歳からここまでホッケーやらせてもらったのは、親のおかげです。金銭的な面でもですし、メンタルが弱ったときも両親も助けてくれて。自分がイライラしているときや、一つの方向しか見ていなかったときは、両親が実家でご飯を食べさせてくれたり、話を聞いてくれたりしました。自分を一番支えてくれたのは両親なので、一番感謝を伝えたいです。

 

――最後に一言お願いします

4年間、スタッフであったり、先輩、後輩、同期、あと両親。自分が関わってくれた全ての人に感謝を伝えたいです。これから、この4年間の体育会で得たも

のを、社会人として社会に貢献できるように頑張っていきます。これからも慶應大学のアイスホッケー部の応援をよろしくお願いします。

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