2カードを終え、勝ち点0・勝率の差で暫定4位の慶大。今季初の勝ち点獲得に向け、東大との試合に臨む。慶大先発・外丸東眞(環2・前橋育英)と東大先発・鈴木健(教育4・仙台一)の投げ合いが予想される。ここまで調子の上がらない慶大打線が奮起し、外丸ら投手陣を援護できるかが勝利へのカギとなる。昨秋のフレッシュリーグでコールド負けを喫した東大にリベンジを果たせるか。
3季ぶり優勝に向け臨んだ法大との初戦。4失策と守備が総崩れし10失点で大敗した。続く第2戦では逆転勝利を収めるも、第3戦では終盤に勝ち越しを許し勝ち点を落とした。
1週空いて臨んだ王者・明大との試合では第1戦は1安打無得点でエースの村田賢一(商4・春日部共栄)に封じ込められ引き分けに終わると、翌日の第2戦では敗戦。しかし第3戦では逆転で勝利を収め、慶大らしさを取り戻しつつあった。運命の第4戦、村田、蒔田稔(商4・九州学院)の両エースの継投の前に沈み2カード連続で勝ち点を取れずに終わった。
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何としても勝ち点を奪いたい慶大の3カード目の相手は東大だ。東大は昨秋、慶大1回戦では勝利を収め連敗を止めると、今年も明大相手に接戦を繰り広げるなど、確実に力を付けてきている。東大に勝つために、抑えなくてはいけない打者がリードオフマンを務める酒井捷(文Ⅱ2・仙台二)だ。今季はここまで毎試合安打を放ち、打率も .357を記録するなど、東大打線をけん引している。早大戦では、早大のエース・加藤孝太郎(人間4・下妻一)から本塁打を放つなど長打力も持ち合わせた好打者だ。
慶大としては、まずは1番の酒井を確実に打ち取り、東大打線に火をつけないことが重要になる。第1戦ではエースの外丸の先発が予想される。外丸に加え、谷村然(環4・桐光学園)、森下祐樹(総4・米子東)ら投手陣も疲労の蓄積が懸念さているため、打たせて取る投球で東大打線を抑えたいところだ。守備陣も東大戦でも明大戦のような堅守を発揮したい。
一方の打線はチーム打率 .170、総得点は7試合で11と物足りなさを感じる。特に昨年からリーグ戦出場経験のある宮崎恭輔(環4・國學院久我山)、中軸を任されている本間颯太朗(総3・慶應)の奮起が勝利へは必要不可欠だ。主将の廣瀬隆太(商4・慶應)は法大戦では苦しんだものの、明大戦では4試合で2本塁打を放ち徐々に自分らしさを取り戻している。東大戦では現役最多本塁打数を誇る大砲の真の姿を見せつけてほしい。
東大先発は左腕の鈴木健が予想される。大きく曲がるカーブでタイミングを外してアウトを積み重ね、ここまで防御率は1.50と抜群の安定感を誇る。攻略にはボールを見極めて狙いを絞ることが必要となるだろう。
リーグ戦経験がある選手が少ない中でも1年生の横地広太(政1・慶應)が1番打者を任されたり、2年生の小川琳太郎(経2・小松)が好リリーフを見せたりするなど、新戦力も台頭してきている。ただ、心配されるのは明大3回戦の9回、遊撃で好プレーを見せた水鳥遥貴(商3・慶應)のけがの状態だ。慶大の積極的な代打攻勢を可能にしているのは、一塁手や遊撃手をこなすユーティリティ性を持つ水鳥の存在があったからだ。このような状況の中、堀井哲也監督の采配にも注目だ。
昨秋のフレッシュトーナメントで東大にコールド負けを喫した慶大。その時の雪辱を果たし、笑顔の慶大ナインの姿が待ち望まれる。
(長沢美伸)