慶大が掲げる理想的なソッカーを実現し、見事4試合ぶりの勝利を挙げた中央学院大学戦から1週間。「3部初代王者」という目標達成のためにも、リーグ戦前半の残る試合で着実に勝ち点を積み上げていきたいところ。しかし前半5分にはGKと1対1に持ち込まれるなど終始ボールをキープされるも、ここは塩貝亮太(商4・暁星)が見事に阻止。先制点を許さない。11分にはゴール前まで詰め寄るもあとゴールには結び付かず、一進一退の攻防を続けながら同点で前半が終了。後半も開始直後から相手に終始主導権を握られる苦しい展開が続くが、カウンターから塩貝健人(政1・國學院久我山)が堅実にシュートを決めて先制に成功する。しかし専修大ペースを断ち切ることはできず、76分、80分に立て続けに失点し、1ー2で敗北。痛い2敗目を喫した。
2023/6/3(土)14:00キックオフ@慶應義塾大学下田グラウンド
【スコア】
慶應義塾大学1ー2専修大学
【得点者】
57分 塩貝健人(慶大)
76分 樋口大輝(専修大)
80分 松永颯太(専修大)
◇慶大出場選手
GK
1 竹内秀太(商4・桐蔭学園)
DF
2 内藤豪(法3・駒澤大)→74分 26 勝木耀 (経3・慶應)
5 藤井壮(政3・慶應志木)
3 山口紘生(商3・國學院久我山)
MF
7 山本献(商4・國學院久我山)
6 田中雄大(商2・成城学園/ 三菱養和SCユース)
14 角田惠風(商2・慶應/ 横浜F・マリノスユース)
11 塩貝亮太(商4・暁星)→55分 27 祖父江圭悟(総4・滝)
FW
8 菱川天風(総4・桐蔭学園)→63分 16 熊澤維吹(文4・國學院久我山)
18 塩貝健人(政1・國學院久我山)→80分 15 清水皇貴(経2・三田学園)
9 立石宗悟(法2・桐蔭学園)→55分 24 村井亮友(商2・桐生/ ザスパクサツ群馬U-18)
第6節、中央学院大学相手に慶大は理想とする非常に良い形での勝利を挙げ、4試合ぶりの勝利を手にした。この流れのまま、今節も白星で飾り波に乗りたい。そんな思惑が選手たちや慶大サポーターの間に渦巻く中、専修大学を迎えたホームでの一戦は前半開始5分、早々に相手にドリブルでゴール前に侵入されGKとの1対1に。ひやっとする場面、先制点への執念をにじませるかの如く塩貝亮太が果敢に食い止める。8分には角田惠風(商2・慶應/ 横浜F・マリノスユース)から山本献(商4・國學院久我山)へと右サイドから攻め込むも、ここは相手DFに阻まれる。11分にもゴール手前まで迫るも、寸前のところで相手GKに跳ね返され得点ならず。
攻守において存在感を放つ塩貝亮太
15分にはまたも相手FWに1対1の窮地を作られる危ない展開になるも、ここはオフサイド判定で難を凌ぐ。一方の慶大は18分、塩貝健人(政1・國學院久我山)がドリブルで敵陣に侵入し、パスを受けた山本献のクロスに菱川天風(総4・桐蔭学園)が合わせるが惜しくもGK正面。少ないチャンスをつかみきれない。だがその後は専修大に終始攻め込まれる場面が目立った。ゴール前に運ばれた際には塩貝亮太をはじめ、田中雄大(商2・成城学園/ 三菱養和SCユース)、山口紘生(商3・國學院久我山)などのクリアによって相手の攻撃の流れを何とか断つ。角田惠風、塩貝亮太、塩貝健人を中心に攻撃を繰り出すも、試合終盤まで相手に主導権を握られたまま両者無得点で前半が終了する。
守備の要、山口絋生
苦しい試合展開を一変すべく猛攻を仕掛けたい中、後半も試合直後から専修大の厳しい攻撃を受ける。右サイドからクロスを上げられシュートはゴール左に外れるも、後半も厳しい戦いになることを予感させた。51分には塩貝健人のハンドからフリーキックを与えてしまうなど相手に攻め込まれる時間帯が続くが、55分には塩貝亮太、立石宗悟(法2・桐蔭学園)に代えてそれぞれ祖父江圭悟(総4・滝)、村井亮友(商2・桐生/ ザスパクサツ群馬U-18)を投入。するとその2分後の57分、カウンターから塩貝健人が待望の先制点を決める。苦しい時間を耐え抜いた末の待ちに待った得点に、慶大サポーターが歓声を上げた。
先制点を喜ぶ選手たち
得点を上げた塩貝健人
その後は塩貝健人が果敢にシュートを試みるも枠を捉えきれない。菱川天風に代わって入った熊澤維吹(文4・國學院久我山)もドリブルでゴール前に侵入するが、クロスも合わず、こぼれ球も押し込めない。一度挟んだタイムも効果虚しく、相手のサッカーを崩せない。守りの徹底を余儀なくされる中、76分、左コーナーからこぼれ球を押し込まれ失点。同点とされる。その後も相手のサッカーを展開され、好機を伺いながら守りのサッカーに入らざるを得なくなった。ロングシュートやフリーキック等のピンチを切り抜けた矢先の80分、左サイドからシュートを決められ立て続けに失点。嫌な流れ断ち切れないまま、祖父江圭悟や角田惠風がボールを奪われるなどパスもつながらずそのまま敗戦。試合終了間際までの猛攻も実らず2敗目を喫した。
試合終了間際まで猛攻を続けた角田惠風
前節を非常に良い形で勝利で飾った勢いそのままに、ホームで行われた今節も白星で流れをつなぎたいところであった。しかし相手に終始主導権を握られる展開が目立ち、慶大らしいサッカーを封じられてしまった。次節は敵地にて、神奈川大学との一戦に挑む。攻撃のギアをさらに上げて勝利を目指す姿に期待したい。
取材:小椋早莉、長掛真依、佐藤光
以下、選手インタビュー
塩貝健人(政1・國學院久我山)
ーー今日の試合とシュートを振り返っていかがですか?
今日のシュートは絶対決めないとダメなところでたまたま来たので、それはまぐれかなって感じです。今日の試合は2点目取れたら勝てたかなという感じなので、ちょっと自分の責任かなと感じます。
山本献(商4・國學院久我山)
チームを率いる主将・山本献
ーー今日の試合を振り返っていかがですか?
難しい試合展開の中で先制点を上げることができましたが、その後2失点して逆転を許してしまい最後の粘り強さに課題を感じた試合でした。
ーー前節は勝利し勝ち点を獲得しましたが、今節どんな意気込みで試合に臨みましたか?
今節も前節同様に攻撃的なサッカーをして勝ちたいという気持ちを持っていました。しかし実際には、守備の時間が長く、苦しい時間帯が続きました。
ーー得点シーンを振り返っていかがですか?
途中出場の選手が、守備を頑張ってくれて、それがそのまま得点につながりました。苦しい時間帯に得点を取れたのは心理的にはプラスになりました。
ーー後半は相手に攻め込まれていた印象がありますが、守備面や連携における今後の課題について教えて下さい
課題は、チームとしてのボールの奪いどころが曖昧なところだと思います。チームとしての共通認識を練習の中で落とし込んでいく必要があると思っています。
ーー次節への意気込みをお願いします
次節は、優勝を見据えるにあたって非常に大事な相手の神奈川大学さんとの試合です。必ず全員の力で勝利を掴み取り中断期間に入りたいと思います。