【女子ラクロス】引き分けからの再発進!一段上のステージへ/東女体大戦

 

 天気にも恵まれ、快晴の中行われた関東学生女子ラクロスリーグ第3戦・東女体戦。体育大学相手の試合ということ、また早大戦に引き分けた後の試合ということで苦戦が予想された。しかし前半から「1対1の勝負にこだわり」(大久保HC)、9-5で快勝。FINAL4へまた一歩近づく勝利を手にした。

喜びを爆発させる選手たち

 

関東学生女子ラクロスリーグ1部 VS東女体

2011/09/07(水)11:40ドロー@大井第二球技場

チーム 前半 後半 合計
慶大 6 3 9
東女体大 2 3 5
 

グラウンドボールでも相手を圧倒

  試合は序盤から大きく動く。前半2分に早々とMD出原(政2)が先制点を奪うも、その後、前半5分までに2失点を喫し、たちまち逆転されてしまう。しかし、AT陣は逆転を許した後も落ち着きを失わず冷静に攻め続ける。AT戸花主将(経4)を中心に「相手との個人個人の戦い」(石川HC)を仕掛けていく。すると前半7分に左45°の位置からMD谷北副将(環4)が強烈なシュートを突き刺し同点に追いつくと、そのわずか3分後にはフリーシュートからAT戸花主将自らゴールを決めて逆転に成功。その後は、「ゲームに乗れた」(大久保HC)戦いをして、MD小嶋(経3)のフリーシュートやオールコートオフェンスからのゴールチャンスをMD廣野(政1)が危なげなく決め順調に加点。また、好調の攻撃陣につられる様に守備陣も奮起。「DF陣がゴール前で壁を作り、中盤の選手が攻守の間の部分でしっかり走る」(石川HC)、理想的なディフェンスで東女体大AT陣をを封じ込める。すると、最後24分MD谷山副将(経3)が「スカウティングの時からそこだけは負けないようにしていた」グラウンドボールを堅実に拾い、クリース裏からMD廣野へラストパス。これを落ち着いて決め、慶大は6-2とさらに点差を広げて前半を終えた。

成長著しいMD廣野

 迎えた後半、前半の好調を持続する慶大が再び躍動する。後半3分、MD矢野(政2)がクリース裏から華麗なターンで飛び出すとゴール前のMD廣野へパス。この得点を皮切りにMD出原、AT戸花主将らの怒涛の攻撃で一挙に得点を奪うと9-2まで点差を広げることに成功。ディフェンスも前半同様のプレーで相手AT陣に仕事をさせず、遠目から打たれるミドルシュートもG中曽根(商3)が貫録のゴーリーセーブを見せ、慶大の勝利は確実に思われた。しかし、慶大の「戦い方が甘くなった最後10分」(石川HC)に東女体大も体育大学としての意地を見せる。相手ATの個人技から11m円内に幾度となく侵入されてペースを握られる。そして14分に久しぶりの失点をすると立て続けに3点を返されて、9-5まで点差を縮められてしまう。だが、最後はマイボールを冷静に敵陣で展開することで時間を消費。それ以上の失点は許すことはなく、前半のリードを保ったまま9-5で試合終了となった。

 古豪の東女体を倒し、開幕3試合で勝ち点7を手にした慶大。ただ、コンディションの整わない選手もいて、チームの完成度は「まだまだ3割くらい」(大久保HC)と課題も多い。それでも、1年生、2年生が多い現チームは試合を重ねることで確実に力をつけているのは間違いない。次の対戦相手東海大は昨年、一昨年と苦杯をなめさせられた因縁の相手。さらなるレベルアップをとげたチームが勝利を挙げることを期待したい。

By Hiroyuki Tanaka,Kazuhiro Takai

大久保HC

(今日の試合を振り返って)勝てたことはすごい良かったし、まあ4点差ですけど、本当は一応ゲームプランとしては10点以上4点以内というゲームプランをしていたので、若干物足りないですけど、ちゃんと2勝目とれて勝ち点7までのばしたのは、一つの成果だと思います。(早稲田戦からどのように立て直したか)コンディションが、けが人とか状態が悪い選手が多かったので、そこから1週間経って、コンディションが上がってきたのがあったのと、東女が今まで戦ってきた早稲田と日大と違ってマンツーマンのディフェンスだったので1対1の勝負にこだわれたのがうまくいった原因だと思います。(開幕3試合を振り返ってチームの完成度は)とにかく若いチームなので、1年生2年生多く入っていますし、完成度っていう意味じゃまだまだ3割くらいじゃないですか。まあ伸びしろがすごいあるっていう意味でとらえてもらえばいいんですけど。(東女の印象は)東女さんには申し訳ないんですけど、以前にずっと優勝していた頃の面影はないというか、やっぱり個の部分でも体育大っていう強さをそこまで感じなかったし、1対1で勝てるってゲームプランをできてしまうところがまあちょっと昔ライバルでやってた意味合いとしては寂しいところもあり、勝てたことは喜ばしいことです。(試合のポイントとなった場面は)開始15分です。これはもうゲームプランで最初から言ってたことで、開始15分で5点差つけるというのは徹底してきたやり方をやっていたので、逆にそこで5点差つけられなきゃきついよという話し方をしていたので、2失点はしてますけど、きっちり5点そこでとったので、そこで結構ゲームに乗れたことです。(次節に向けて意気込みを)みんな状態もよくなってきて今日の試合で自信をつけてきたとおもうので、あとはその連携のところ、まあディフェンス面オフェンス面両方なんですけど、個の強さがしっかり連携できるようにしていけば、より強くなるとおもうので、この後合宿があるので、しっかり調整していきたいと思います。

石川HC

(今日の試合を振り返って)前半序盤に相手の勢いのあるプレーで連続失点をして流れを失いかけたという試合でしたけれども、そこから選手がよく修正しました。相手との個人個人との戦いに勝っていくのと、頭を使ってプレーをすることで自分達のプレーをやり切って試合の流れを持って来たと。勝負については相手に流れを持って行かれたのをしっかり取り返してから、試合を決めた面でいい試合だったと。ただ(それが出来たのは試合開始から)40分間まで。リードしきって9-2のスコアになったところで残りの10分の戦い方が甘いし、50分間相手と戦い続けなきゃいけない。その部分に関しては課題の残る試合になりました。(収穫としては)1年生のプレイヤーが3点決めたとか、今まで点を取って来なかったら3年生が点を決めてきた。そういった意味ではこのチームが成長した試合だったかなと思います。(谷山選手が相手ディフェンスがゾーンからマンツーマンに変わってやりやすくなったとおっしゃっていたが)そうですね。選手達がそう感じていたということはそれもあったんでしょうね。俺はそういう気は無かったんですが、今まで点を取ろうという気持ちの弱かったかもしれないプレイヤーが積極的にゴールに向かったと。相手がゾーンだったかマンツーマンであったかというよりも、自分が相手に対して勝つっていうプレーを選択して勝ったという部分で良かったのかなと。谷山さんは今日は零点ですから笑、でも個人個人のマッチアップという点では(慶大に)マンツーマンに強かったプレイヤーもいたかもしれないですね。慶大としてはチーム全体の底上げが出来て、進化した試合かなと思いますね。(廣野選手と出原選手の連係がうまくいっていたように感じたが)そうですね。ラクロス自体個人個人の1対1という戦いよりも、いかにオフェンスに関してはコンビネーションを使って攻めるかというのが大学レベルを含めて日本のラクロスの次の課題だと思う。ただコンビネーションばかりをやろうというプレーだけではなくて、個人個人がその時の相手の状況に対応してコンビネーションを使ってプレーを若手2人がしたと。レベルの高い2人ですから、そういうプレーをやってくれたというのはこちらとしては非常に心強い得点パターンだったなと思います。(ディフェンスに関して)相手がオールコートのオフェンス、ボールを繋いで速いスピードで受けて半ば強引にゴール前に殺到してくるというスタイルだった。そういうプレースタイルに対して最初はもろにやられていた。怒涛の攻めを食らって最初5分ぐらいは連続失点を食らったんですけども、その後は指示もあったんですがゴール前の陣形を整えて相手の勢いある攻撃をゴール前でしっかり壁を作って止めようと。そのプレーを皆でやってくれたので後半同じような形で(相手が)点が取れなくなったことは選手の考える力がよく発揮されて修正されたプレーだと思います。全体的には残り10分の戦い方は全員がふわふわしたプレーで一つ一つが接点で弱くなってしまった結果が連続失点に繋がってしまった。そこはもう反省点ですね。後中盤は良かったと思いますよ。(グラウンドボールに関して)まだ数字(データ)を見ていないんですが、今日グラウンドボールは相手の2倍以上取ったんじゃないかなと。ラクロスはグラウンドボールの支配率がすごく得点にも影響してきて、グラウンドボールの支配率イコールポゼッション、ボール支配率に繋がってくる。その結果ダブルスコア以上の点を取れた。谷山、小嶋らの中盤の選手とAT陣が相手に対してグラウンドボールの反応のスピードと予測能力で大きく上回ったというのは勝負の決め手だったと思います。グラウンドボールがどれだけ取り切れるかというのを見ていただけるとだいたいこの試合は何点ぐらいになるのかはわかってくると思います。(またディフェンスは相手にFSを与えずにプレーをすることができたか)そうですね。今日は審判のレベルもすごい高くて、国際審判の日本で一番上手な審判だった。そういったこともあってこちらの意図していた方向に相手のオフェンスを導いていくというプレーが出来た。結果的にも反則が少なくなって相手の強引な突破に対してもしっかりと壁を作れていた。中の選手がうまく対応してくれたと思います。(また敵陣で攻めつづけていたからこそディフェンスの選手も休むことができたと)その通りですね。こっちの選手(ディフェンス)がやるのは相手はボールを持ってカウンターを仕掛けて来ますからそれに対する準備。しっかり(DF陣が)ゴール前で壁を作って中盤の選手が攻守の間の部分でしっかり走って守りの選手を助けるプレーが出来ていた。相手として攻める場所が、序盤以降は無くなってやりづらかったと思いますね。(石川コーチは基本的にディフェンスの選手を見られているのか)そういうわけではないですが、今日の役割は主に大久保さんはオフェンス側の修正をして、ディフェンス側は試合の中で自動的に僕が見るという形にやっていた。うまくはまってくれましたと言えばいいのかな。(次戦に向けて)やっぱり東海大に関しては過去2、3年連続で負けている。(どちらも)メンバーが変わっていますけど次のステージ、FINAL4以降決勝に向けて必ず倒さないといけない相手ですからしっかり準備していく。後プレースタイル的には(東女体大と)似たタイプのチームだと思いますけど、うちの良さ後はゲームの中で相手に対して何をすべきかを考える能力を発揮してもらってきっちり自分達のラクロスをしてもらって勝ちたいと思います

戸花主将

(ここ数年苦手としている東女体大が相手でしたが)去年は圧勝した相手なので、あまり苦手という意識はなく、一相手として闘いました。(ご自身の出来としては)私自身としてはあまり良くなかったんですけど、逆に今まで点を取っていなかったメンバーが点を取れたことは良かったと思います。(チームとしては)今までU-22の代表選手ですとか、点を取るメンバーが決まっていたんですけど、今日はそれ以外の選手も一点ずつ取っていて、点の取り方に偏りがなかったということは、一人一人の個の強さっていうものが成長したことを試合の中できちんと体現出来たということなので、そこは本当に良かった点ですね。(今日の試合で見えた課題は)この強さを重視してきた分、コンビプレーがまだ上手く構築されていないのかな、というところが課題だと思います。(次戦は東海大戦ですが)去年も一昨年も最初に当たって負けている相手なので、逆にそういうことを意識しないようにすることを意識していますね。やっぱり今年は今年ですし、向こうのメンバーもこちらのメンバーも以前とは違うメンバーなので、今年のメンバーが学生王者を目指す過程として闘っていきたいと思います。

谷北副将

(今日の試合を振り返って)相手がマンツーマンなので、最初から個の力を出していこうと言っていたので、みんながそれぞれ出していたのがこの9点という数字に表れたのかなと思います。(自身のプレーは)みんなで言ってたこの強さというのは大前提において、どんどん積極的にシュートを打って行こうという姿勢と、周りを動かすということを意識してやっていました。(前節からの修正点は)前の早稲田戦での反省として、点を取られた後のディフェンス面での修正が限られた時間の中で出来なかったということがあって、失点した時に修正点をみんなで共有するということを練習からやっていたので、それが出せたかなと思います。(今のチームの状態は)下級生が多く経験が少ないチームで今まで3戦やって来たんですけど、だいぶ戦う準備だとかチーム力というのも上がってきてると思います。(自身のチームの中での役割は)選手としてはプレーで試合の流れを作れる選手になりたいというのがあって、他の面で言うと、副将としてチーム全体を見て試合に出ていない選手を含めて全員で1つのチームになれるように気を配りながらやっていきたいと思います。(東海大戦に向けて)東海大学はここ2年連続で負けている相手なので、今年でそれを断ち切るという強い想いで試合に臨みたいと思います。

谷山副将

(今日の試合を振り返って)今日の試合は今までの2試合に比べて全員が個々の力を発揮できたかなと思います。今まではゾーンで守る相手だったんですが、今回はマンツーマンで1人に1人絶対に付く相手の守り方だったのでより個々の強さを意識しないといけない、それが顕著に顕れていた試合でした。(早大戦からの良くない流れを個々の強さで払拭できたと)今までは得点する人が限られていたんですが、今日の試合は満遍なく色々な選手が得点することができたので皆が成長できているなと感じています。(オフェンスの出来は)東京女子体育大学相手にやろうとしていた戦術が落ち着いて出来ていたと思うので良かったと思います。(ゴール前で反則を貰ってFSがゴールに繋がるプレーが多かったが)FSも一人が仕掛けることによって、違う人を見ていたディフェンスが焦ってカバーに出てくる。そのことによってフリスペ(フリースペーストゥーゴールの侵害)に繋がったと思います。(自身のプレーについて)今日は私以外の人が力を発揮していたので、今までよりも皆を活かすようなプレーを心掛けました。私が攻めて寄ったらすぐ捌く、その(ボールを)捌いた先が力強くプレーをして得点を取っていたシーンもあったので良かったと思います。(マークも厳しかったように感じたが)そうですね。ずっと同じ人に付かれたりずっと0番良いよって言われていたんですが、そこは別に当たり前なので気にしないでやっていました。(その中でもグラウンドボールの処理は卒なくこなしているように見えたが)前回の東京女子体育大学と明治の試合をスカウティングしていました。そこで明治がグラウンドボールを支配していて、そのことで(試合も)支配していたというデータもあったので、そこだけは負けないようにしていました。(今日の勝利はFINAL4進出に有利に働くか)有利とは行かないんですが、次とその次に戦う東海大学と明治大学も慶應と同じくらいの勝ち点で来ると思うのでそこに勝つかどうかで有利不利が決まってくると思います。今日は勝てて良かったと思います。

出原

(今日の相手は東女体大でしたが意識した点)体育大ということでポテンシャルの高い人が集まっていたと思うのですが、その相手に対しても体で負けないようにということ、そして特にOGの方の気持ちを背負って戦うということを意識して臨みました。私たちは苦手意識だったり、やられてしまうという意識はなかったのですが、09年度だったり、その前にも東京女子体育大学にやられていた時代というのがあったので、そういった方の思いを背負って戦おうという話はしていました。(実際に戦ってみていかがでしたか)局面局面での強さだったり、激しさに関しては、相手も2敗していて後がないという状況だったので、本当に強かったし勢いもあったと思うのですが、私たちもそこで負けてはいなかったと思います。(要所で流れをつかむ得点を奪っていたが、自身のプレーに関しては)やっぱり自分がもう少し決めきれるシーンがあったので、しっかり打てたところで決めきるということや、大きなチャンスを迎えたときに自分で決めにいくというところは、まだまだ改善できると思います。これからの試合ではそういったところでもっと強くいきたいと思っています。(次節は東海大戦になるが意気込みを)去年、自分は1年だったのですが東海には1点差で負けていて、負けてしまったというイメージが強い相手なので、今年こそ勝って良いイメージを持ってその次の明治戦、そしてFINAL4につなげていきていと思います。

廣野

(今日の試合振り返って)一年生なんでただやれることを頑張ってやろうとしました。(開幕3試合を振り返ってチームの完成度はどうですか)FAINAL4にむけてよくなってきてると思います。キャプテンを筆頭に。(ご自身の調子は)調子は多分良かったんじゃないかなと思います。(東女の印象は)負ければ引退で崖っぷちだったんですけど、それより慶應の勝ちたいって気持ちの方が上回ったんで大丈夫でした。(ヘッドコーチからはどんな指示をうけて試合に臨みましたか)とりあえず強気でどんどんゴールに向かってシュート決めれるときは決めろっていう指示を受けました。(次節にむけて意気込みを)頑張ります。

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