【應援指導部】「オレンジを吸収して三色旗に染めましょう」 劇的な展開に応援席も大盛り上がり 3日間の総力戦を戦い抜く/春季応援席特集 対法政大学戦

應援指導部

4月27日から29日の3日間にわたって行われた、東京六大学野球春季リーグ戦、対法政大学戦。2日目の明治神宮野球場の最高気温は28度と、文字通りの“熱戦”となったが、応援席は最後まで走り続けた。負けて悲しみ、勝って喜び、一瞬一瞬を観客と共有した、應援指導部員の3日間を追った。

 

4月27日 慶應義塾大学 ●2-6○ 法政大学

~試合概要~

3回に法大の松下歩叶(3年)にホームランを浴びると、本間颯太朗(総4・慶應)のホームランで逆転に成功した直後の6回、再び逆転を許し敗戦した。先発の外丸東眞(環3・前橋育英)は6回途中3失点だった。

 

GW初日となった土曜日。慶大は2つ目の勝ち点獲得を目指し、法政大学との戦いがスタートした。試合は投手戦となったが、慶大の応援席は気合十分の盛り上がりを見せた。3回の「三色旗の下に」の演奏前には、「今朝オレンジを食べてきた」という部員から「オレンジを吸収して三色旗に染めましょう」という声かけが行われた。その3回には、攻撃中に選手治療のためいったん着席。すると部員から「この後みなさんの大好きなあの曲を流します」との声かけがあり、再開するとより一層の声量が神宮に響いた。あの曲とはもちろん「朱雀」である。

4点ビハインドで迎えた最終回。法大の強力投手陣を前に慶大は劣勢が続いていたが、部員たちは諦めていなかった。攻撃前には「満塁ホームランとタイムリー1本で逆転できるので、最後まで応援しましょう」と一言。結果は敗戦となったが、充実した応援席であった。

―本日の感想

Hさん:朝は生憎の雨でしたが、多くの観客の皆様と応援ができ、大変良い空間を作ることができました。

 

 

Eさん:慶法戦は、毎年恒例のようにかなりシビアな戦いになっています。今日の試合も点を奪われたら取り返す、逆に点を取ったら取り返されるというようなシーソーゲームだったのですが、そこを粘れずに勝つことができませんでした。ここでしっかり切り替えて、明日から平日にかけて2連勝していくつもりでいます。

※Eさんの予言は、見事に的中した。

4月28日 慶應義塾大学 ○5-4● 法政大学

~試合概要~

慶大は水鳥遥貴(商4・慶應)の2本のタイムリーや代打・二宮慎太朗(商3・慶應)のホームラン、1年生の林純司(環1・報徳学園)の2点タイムリーなどで着実に加点。投げては先発の竹内丈(環2・桐蔭学園)から5投手の継投で法大打線をかわし、最終回は昨日先発の外丸東眞(環3・前橋育英)が締めて勝利した。

土曜日の初戦に敗れ、後がない慶大。1回表が始まると、先攻の慶大はいきなりの見どころを迎えた。打席にはみなさんご存知の丸田湊斗(法1・慶應)。愛用の日焼け止めが「ビオレ」ではなく「ニベア」であった、おなじみの美白王子だ。応援席からでも美白さは十分に確認でき、その姿は話題に。観客のみなさんはいきなり総立ちとなり、「法政倒せ慶應」のコールとともに選手たちに声援を送った。

3回の「三色旗の下に」の演奏前には、前日に続きアツい声かけが行われた。この日は前日にオレンジを食した部員とは異なる部員だったが、「慶應が勝ち点獲るしかないだろう」とこちらも気合十分だった。8回裏には2点を失うと、守備中には珍しく起立しての大声援。ピンチを切り抜けリードを守ると、観客のみなさんからは安どの表情が見られた。

―本日の感想

Hさん:ピンチが何度も訪れたのですが、選手の方々の力と応援の力があって勝てたと思います。

 

Eさん:昨日は悪い形で負けてしまったので、(今日は)応援も攻めの姿勢で、チャンスパターンも序盤から1番盛り上がる曲を使いました。

―新入生も初めて観戦で参加

Eさん:まず、應援指導部に興味を持って、この世界に飛び込もうと思ってくれたことがめちゃくちゃ嬉しくて。今日は観戦という形だったのですが、今日が最初で最後の観戦です。これからは一緒に部員として応援していくのを楽しみにしています。新戦力が加わるので、お客さんも楽しみにして欲しいと思います。

 

―明日に向けて

Eさん:もう明日で勝負は決まるので、部員一丸となって戦い抜きます。明日はアメリカンフットボール慶早戦と野球の慶法戦で(部員が)別れてしまいます。ですが、気持ちは一つでどちらも勝利してくるので、楽しみにしていてください!

4月29日 慶應義塾大学 ○2-1● 法政大学

~試合概要~

慶大の先発は3連投となる外丸東眞(環3・前橋育英)。真田壮之(経3・慶應)のタイムリーで挙げた1点を守り切ろうとするも、9回に外丸が法大打線に捕まり同点とされる。試合は延長となり迎えた12回裏、代打の1年生・渡辺憩(商1・慶應)が劇的なサヨナラホームラン。慶應義塾高校で甲子園優勝に貢献した期待のルーキーが、鮮やかすぎる神宮デビューを飾った。

先発の外丸東眞

この日は月曜日ながら祝日(慶大は通常授業日!?)のため、普段の月曜日よりも多くの観客が詰めかけた。なかなか得点が入らず我慢の展開が続くと、3回には野球部のスローガンである「All in」にかけ、「応援に全てを賭けに来たんだろ」と喝が飛ぶ。5回にも應援指導部員から「慶應の青と法政のオレンジは、色としては正反対で、ライバルなのだ」という声かけが行われるなど、3日目にもかかわらず熱量の高い応援が続いた。

試合が延長に入ると、「最近の慶法戦は初戦を取った方が勝つ、というジンクスを打ち破るぞ」と声かけ。應援指導部員は普段より少ないが、「皆さんが部員になったと思ってやってくれ」と前向きな声が飛んだ。延長12回にサヨナラホームランが飛び出すと、応援席は歓喜の渦に。この感動は言葉では表しづらいので、ぜひ応援席で体感していただきたい。

数々のドラマが生まれた慶法戦。應援指導部代表の土橋祐太さんに、激動の3日間を総括してもらった。

 

野球部、應援指導部、応援席にお越しくださる全ての皆様が信じ続けた勝利を、渡辺憩選手が見事にサヨナラホームランという形で叶えてくれました!

今週末の立教大学戦でも、応援席全体で勝利を信じ続け、皆様と共に優勝への道筋を進みましょう!

次戦は5月4、5日の対立教大学戦。慶大が得意とするカードで3つ目の勝ち点を奪い、慶明戦、慶早戦につなげたい。

初参戦もお待ちしております!!

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(取材:酒井里彩、岩切太志、ウジョンハ、竹腰環、片山大誠、工藤佑太)

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