春季リーグ戦も折り返しとなる第4週。東大、法大から勝ち点を獲得している慶大は、立大との1回戦に臨んだ。8回まで両先発が互いに譲らぬ好投を見せ、スコアボードに「0」が並ぶ。しかし、9回表に2番・本間颯太朗(総4・慶應)が相手の三失で出塁すると、4番・清原正吾(商4・慶應)が試合の均衡を破る左適時二塁打を放ち、慶大が先制する。相手の暴投でさらに追加点を入れると、投げては先発の3年生エース外丸東眞(環3・前橋育英)が9回131球無失点の完璧な投球を披露。完封勝利を飾り、立大に先勝した。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | |
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慶大 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 2 |
立大 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
◆慶大野手成績
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | |
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1⑧丸田湊斗 | 一安 | ・・ | 三安 | ・・ | ・・ | ・・ | ・・ | ・・ | ・・ |
🈰8横地広太 | ・・ | ・・ | ・・ | ・・ | ・・ | 遊ゴ | ・・ | ・・ | ・・ |
🈱坪田大郎 | ・・ | ・・ | ・・ | ・・ | ・・ | ・・ | ・・ | 二ゴ | ・・ |
🈰8古野幹 | ・・ | ・・ | ・・ | ・・ | ・・ | ・・ | ・・ | ・・ | ・・ |
2⑤本間颯太朗 | 三併 | ・・ | 三振 | ・・ | ・・ | 遊ゴ | ・・ | ・・ | 三失 |
3⑥水鳥遥貴 | 中安 | ・・ | ・・ | 三飛 | ・・ | ・・ | 左飛 | ・・ | 犠打 |
4③清原正吾 | 二安 | ・・ | ・・ | 三振 | ・・ | ・・ | 左安 | ・・ | 左2 |
5⑦真田壮之 | 右飛 | ・・ | ・・ | 一飛 | ・・ | ・・ | 投ゴ | ・・ | 遊ゴ |
7二宮慎太朗 | ・・ | ・・ | ・・ | ・・ | ・・ | ・・ | ・・ | ・・ | ・・ |
6⑨常松広太郎 | ・・ | 遊ゴ | ・・ | ・・ | 中飛 | ・・ | 死球 | ・・ | 左2 |
7④林純司 | ・・ | 三振 | ・・ | ・・ | 投ゴ | ・・ | 遊ゴ | ・・ | ・・ |
🈱4斎藤快太 | ・・ | ・・ | ・・ | ・・ | ・・ | ・・ | ・・ | ・・ | 中飛 |
8②森村輝 | ・・ | 三ゴ | ・・ | ・・ | 中飛 | ・・ | ・・ | 左安 | ・・ |
9①外丸東眞 | ・・ | ・・ | 中飛 | ・・ | ・・ | 遊ゴ | ・・ | 三振 | ・・ |
◆慶大投手成績
投球回 | 打 者 | 投球数 | 安 打 | 本塁打 | 四死球 | 三 振 | 失 点 | 自 責 | |
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外丸東眞 | 9 | 37 | 131 | 5 | 0 | 6 | 9 | 0 | 0 |
ゴールデンウィークということもあり、多くの観客が詰めかけた神宮球場。強い日差しがスタンドにも降り注ぐ中、慶大と立大の1回戦が行われた。 現在、勝ち点2で早稲田と並んでいるものの、勝率の差で首位に立っている慶大。来週以降、明大や早大との試合が控えている。3カード連続で勝ち点1を獲得し、首位を維持したい慶大にとって、エース外丸が先発する今日の試合は落とせない。
両チームが「18」の背番号を背負う投手同士の先発で幕を開けた試合は、圧巻の投手戦だった。慶大打線は初回に2死一、三塁のチャンスを作るも、5番の真田壮之(経3・慶應)が右飛に倒れる。その後の回も安打で出塁するものの、立大野手陣の好守に阻まれ、得点に結びつけることができない。慶大打線は、立大先発小畠一心(営3・智辯学園)の前に8回無失点に抑えられる。攻略の糸口をつかみ取ることができず、歯がゆい攻撃が続いた。
慶大の先発は、法大のエース・篠木健太郎(営4・木更津総合)に続いて、リーグ2位の勝利数・防御率を誇る外丸。法大戦3連投の疲労が心配されていたが、エースらしい巧みな投球で立大打線を翻弄し、得点を与えない。しかし、8回裏に先頭の4番・丸山一喜(コミュ2・大阪桐蔭)に死球を与えると、代打・小林隼翔(コミュ1・広陵)に左二塁打を浴び、無死二、三塁のピンチを招く。ここでギアを上げた外丸は、6番・菅谷真之介(コミュ4・市立船橋)から空振り三振を奪うと、相手のミスもあって無失点で切り抜ける。今日の外丸は、四死球で出塁を許す場面も多く見られたが、要所をきっちり締める投球で、味方の援護を待った。
両チーム無得点で迎えた9回。立大は好投を続けていた小畠に変えて、2番手・吉野蓮(コミュ3・仙台育英)をマウンドに送る。外丸の熱投に応えたい慶大打線は、先頭打者の本間が三失で出塁すると、続く水鳥遥貴(商4・慶應)が犠打を決め、得点圏にランナーを進める。ここで4番の清原が初球から積極的に攻め、左翼手の頭上を越える適時二塁打を放ち、試合の均衡を破る。試合前、打率1割9分と苦しんでいた清原の試合を決める一振りで、慶大ベンチだけでなくスタンド全体が湧き上がった。さらに、相手の暴投の間に1点を加え、待望の得点を先取した。
9回のマウンドも上がった外丸は、最後まで立大打線を圧倒。8番から始まる下位打線を3人で打ち取り、9回131球無失点の完封勝利を飾った。これで、慶大は対立大の連勝記録を20に伸ばした。
今日の試合は、外丸の力投がチームの勝利を呼び込んだ。先週の法政戦に続き、今週は立大と対戦する慶大。緊迫した場面の多かった法政戦では、中継ぎ陣を注ぎ込む場面も見られた。しかし、今日の外丸の完投によって、慶大の中継ぎ陣を休ませることができたのは、明日の試合に向けて大きな収穫である。また今日の試合の得点を振り返ると、2点とも立大の失策絡みの得点である。今日の試合で慶大は無失策と安定した守備を披露し、外丸の投球や攻撃のリズムを作った。明日の試合も堅守で、立大から勝ち点を取りに行きたい。
(記事:加藤由衣、写真:河合亜采子、大泉洋渡)