【バレーボール】バレー部強さの秘密 チームを支えるデータ班 片岡慎太郎×棚橋真之

 ディープな目線で慶大バレー部の強さの秘密にせまる連載企画「バレー部強さの秘密」も遂に最終回。最後に登場するのはバレー部の誇るふたりのアナリスト、片岡慎太郎(環3)と棚橋真之(経2)のふたり。日々リーグ戦で相手チームのデータを収集し、今後の試合に活かすという大事な任務を遂行している。しかし収集したデータの内容は他のチームには明かせない超極秘事項。そんな普段は立ち入ることとの出来ないタブーの世界へ少しだけ迫ってみました。

―データ班としてのお仕事を聞かせください

棚橋 まず試合をビデオに録ること。そして試合中にパソコンを使ってデータをとり、それを集計して監督や選手に伝えて試合に活かすことです。

―お二人がデータ班に抜擢された理由は

片岡 そもそもデータ班を作ったのが2学年上の先輩の代からで、他の大学に比べてデータの部分で劣っていたので、たまたまメンバーに入っていなかった自分達が選ばれました。

棚橋 片岡さんはとてもパソコン能力に長けていて、あまりパソコンが得意ではない僕はいつも助けてもらっています。僕はむしろデータを収集し、トレーナーをしている蜂須賀先輩と作戦や戦術面を考えて監督に提案する、という役割分担でデータ班を進めています。

―データ班結成当初からのご苦労はありましたか

片岡 初めはデータバレーというソフトを使うことが全く出来なくて、分厚いマニュアルを見ながら1試合に2時間ぐらいかかりました。入力方法と使い方がわからなくて苦労しました。

棚橋 最初の頃はまだ手探りの段階で、自分達が開拓をしなければいけなかったのでとても大変でした。でも今ではもうほとんどのことを理解しています。これからは下の代にもしっかりと引き継げるようにしていきたいです。

―データ班員としてのお互いの印象は

片岡 僕が作ったデータを棚橋が監督に伝える。自分はデータの元となるものをすべて作ってインプットし、棚橋がアウトプットするということですね。

棚橋 片岡さんはデータの処理やExcelの作業など僕の苦手なことを、全て速く正確にこなして下さるので、とても安心感があります。ありがたい先輩だと思います。

片岡 Excelは簡単だろ!(笑)

収集したデータはいち早く選手の下へ伝える

―データバレーを導入してチームが変わった点は

片岡 今までは紙のデータで、打つコースとかの基準が見ている個人によってバラバラでしたが、データバレーを使い始めてからはその基準が統一されたので、選手に伝えやすくなりました。

棚橋 これまでに選手たちが感じていた相手選手の特徴などを事前に頭に入れて試合に臨むことで、チームとしてより早い時間での相手への対応が可能になったのではないかなと思います。

―慶大のデータ班が重視している点は

棚橋 うちの大学は、監督がデータのみならず、作戦面まで考えたものを求めているので、データを戦術にどう活かすかという点を重視しています。

―データを意識するようになって、ご自身のプレーに変化はありましたか

棚橋 チームで練習している時であっても、自分を含めた個人個人の特徴や苦手なプレーを把握することで、自分のプレーも改善出来るようになりましたし、チーム内でこう改善したら良いのではないかという提案も出来るようになったと思います。

片岡 そうですね・・・・。今までよりは考えるようになりました。スパイクコースやレシーブコースも考えてプレーするようになったと思いますけど・・・・。まあ、今のところは何とも言えないですね(笑)。

―データを分析していて感じる慶大の印象は

片岡 3年生以下が試合の中心であるので、波に乗れれば強いのですが、逆に押されてしまうとコンビミスなどの弱さが出てしまうのが課題ですね。

棚橋 守備の要である間宮さんや攻撃の要である岡田がいる所に、1年生の柳田らが入って来るなど、サイドにバランス良く選手が入っていると思います。その中で攻撃というのは整ってきていると思います。

秘密を漏らさぬよう取材でも慎重に言葉を選ぶ

―これまでの中で、データを最もフルに活用できた試合は

棚橋 僕は今季2戦目の国際武道大戦ですね。相手チームの1人の選手(5番)のキャッチを狙い続けて、それが功を奏してストレート勝利を収められました。この日は試合が終わった後に監督から「非常に役に立ったよ」とお褒めの言葉を頂き、自分達がしていることの有用性を感じることができて、とてもうれしかったです。

片岡 あとは、専修大戦もデータを活かして勝つことができました。打つ選手や打つコースは大体わかっていたので、ブロックのコースや誰をサーブで狙うかなどを選手達に指示しました。

―データ班としてのやりがいは

片岡 やっぱり、アウトプットしたデータを元に戦術を組んで勝てた時ですかね。

棚橋 僕はデータどうこうよりも、チームが勝つことが1番です。勝利のためにそれぞれが自らの仕事をしているので。例えデータと違ったことが起ころうとも、結果的にチームが勝てればそれで満足かなと思います。

―最後になりますが、秋季リーグ終盤に向けての意気込みを

棚橋 リーグはとても混戦で、これからの戦いが上位に進むか下位に進むかの大きな分かれ道になると思うので、1つでも多くの勝利を、そしてセットを取れるようにチームみんなで頑張れればいいな、と思っています。

片岡 勝ちもそうですが、来年に向け後輩を育てていくことも少しずつやっていきたいと考えています(笑)。

 ―片岡さん、棚橋さんお忙しい中有難うございました。

By Takuma Furuoya

♦片岡慎太郎

環境情報学部3年。高知学芸高出身。身長183cm。最高到達点325cm。ポジションはサイド

♣棚橋真之

経済学部2年。慶應志木高出身。身長184cm。最高到達点310cm。ポジションはセッター

 

連載企画バレー部強さの秘密は今回で最終回となります。最後まで読んでくださったみなさん有難うございます。少しでも慶大バレー部の裏側へ近づくことができたでしょうか?まだまだ慶大バレー部には知られざる「強さの秘密」があります。今度はぜひ会場であなた自身の目でそれを確かめてみてください。取材にご協力いただいたバレー部の皆さん、有難うございました。

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