昨年悲願の「２部優勝、１部昇格」を成し遂げ、今年から１部の舞台での躍進を目指す慶大ソッカー部。ユース出身者も多く「黄金世代」ともいえる今年の４年生。今回ケイスポそんな４年の代を支える新幹部4名にインタビューを行った。第４弾はどんなことでもそつなくこなすポーカーフェイス・辻野悠河 (新商４・暁星国際高校) 。昨年は多くのライバルに阻まれながらも、少ない出場機会でしっかりと結果を残した辻野に副務としての経験や主務としての意気込みを伺った。
ーー副務として2024年を振り返って
初めてそのような役職に就いて、初めは何をやればいいのか全然分からなかったんですけど、 去年主務を務めていた豪さん(＝内藤豪、法4・駒大高)から、色んなことを教えてもらって、夏頃辺りから、自分も仕事の量が増やせましたし、質も上げていけたので、年間を通じて、今振り返ったら自分としては良い仕事が出来たかなと思います。
ーー副務として得られた能力はありますか？
一番は、監督や社会人コーチの方々が、何を求めているのかという事を常に意識することを心掛けています。学生運営に対する、社会人からの信頼は凄く個人的に大事にしていることなので、社会人の方々が何を求めているのかを察知する能力はこの1年間で磨けたかなと思います。
昨年は副務を務めた辻野
ーー去年から副務を務められていたと思いますが、副務になった経緯は
副務になった経緯は、大体一年前のこの時期ぐらいに、学年のミーティングで副務を誰にするか の話し合いをして、1年生の頃の縦割り班の4年生の方が主務を務められていて、その姿に憧れを持っていたので、自分もやってみたいという思いがあった中で、学年の多くの票を貰って、 個別で全同期とも対話する中で、副務を任せたいという思いを受け取ったので、自分の中でも覚悟を決めて、ちょうど一年くらい前に副務に決まりました。
ーー副務を務めることによって選手としての活動が制限されてしまう可能性がある事に対する葛藤は
最初副務になる時も、選手兼任でなるか、専任でなるかどうかは、学年の中でも話し合いましたし、自分の中でもよく考えた所ではありましたけど、練習に時間を割けないデメリットがある反面、そういった役職に伴う責任が、自分をもっと高いレベルに上げてくれるんじゃないかっていうポジティブな面を大きく捉えていました。そんなデメリットを打ち消す大きなポジティブな面を感じていたとともに、ここから先の2年間で、そのポジティブな面をより出していけるようにしようと考えていました。
ーー他に副務に立候補した人はいたか
立候補はいなくて、やっぱり副務の仕事をこなす事が大変なことは、自分たちが1年生の頃から どの代の方も大変そうにされていたので、大変さっていうところは皆感じていたんだと思います。 自分自身はその大変さをある意味ポジティブに捉えていたので、自分がなるべきかなと思っていました。
選手を続けることに葛藤もあった
ーー主務の仕事内容は？
今はまだ副務が決まってないので、ほぼ一人で全部請け負ってるんですけど、一番大きな所は早慶戦の運営で、会場取りから、予算だったり色んな仕事を総責任者として行なっているっていう事と、OB会や体育会といった外部とのやり取り、連絡だったり書類の提出を行なっていて、あとは関東リーグの試合前のミーティングの時は監督と一緒に行って競技が上手く進行出来るように努めてますし、出したらキリがないぐらいなんですけど、基本的に最終決定も含めて部の運営全部に関わってます。
ーーマネージャーとの仕事が増えていると思うが？
マネージャー10人いるんですけど、全てのマネージャーにすごく感謝してますし、特に同期の3人 には普段支えてもらっていて、自分が選手として活動をしているが故に、仕事を多めに割り振っている事はあるんですけど、文句を言わずに高いレベルでこなしてくれるので、凄く感謝してます。
主務とマネージャー陣は心技一体だ
ーー去年の内藤主務から受け継いだものは
豪さんはピッチ内でもスタメンで試合に出てましたし、その中で主務として早慶戦の仕事だったりをこなしていたので、自分が副務になるときに決意した、ピッチ内外で部員の模範になるっていう所をまさに体現していた主務だと思うので、今年1年自分もその姿を体現できるようにっていうのは凄く意識してます。
ーー2025年シーズンの意気込みをお願いします。
主務としては大きく二つあって、学生主体の組織運営が上手く行われていく上で、個人的には主務の名前があまり出ないっていうことがベストだと思ってて、名前が出てしまうっていうことは、何か問題があったり、OBの方から不満が出ている状態だと思うので、社会人やOBの方々が気にする所がないくらい円滑な組織運営を行なっていきたいという所と、もう一つは早慶戦で、今は自分が一番上の立場として、会場を取ったりしてる中、去年国立で1万人を集める早慶戦を開催出来たっていう事で、プレッシャーはあるんですけど、国立の早慶戦を超えられるものを作っていきたいと思います。 選手としては、自分が慶應ソッカー部に入部する事を決めた時も、関東のトップクラスの大学と戦いたいと思っていた中で、ようやく自分達が最終学年の時に1部の舞台が回ってきたっていう所にまず感謝をして、チームとしては「1部優勝、全国制覇」を目標として掲げているので、去年のように最後に皆んなが笑って終われるようにその目標を達成したいと思ってます。
「みんなで笑顔で終われるように」
ーー1部の大学で特に意識する相手は
勝ちたいのは流経(流通経済大学)で、なぜかっていうと、自分は高校が千葉の暁星国際高校ってところで、自分が高校3年生の時、インターハイで県の予選の決勝まで行ったんですけど、その 時の相手が流通経大柏で、自分達としては初めての決勝で、そこで勝てれば全国への切符が掴めるっていうところで、選手層の薄さだったりとか、前日に準決勝があって、延長戦を戦っててかなり疲れてて、０－６で負けてしまったので、相手のメンバーが殆どそのまま進学している流通経済大学に4年越しのリベンジをしたいと思います。
（取材：野村康介）
◇辻野悠河 (新商４・暁星国際高校)
２００３年１０月２２日生まれ。身長１７４㌢。６８㌔。ポジションMF。選手と主務の二刀流のロマンを追い求める敏腕主務。部員曰く性格もツンとデレの二刀流。
