拳法とは、日本拳法と呼ばれることが一般的な武道。自衛隊でも採用されている実戦的な総合格闘技で、突き・蹴り・投げなどあらゆる技を用いることができ、自由度が高い。また、顔と胴体に防具とグローブを装着しているため、技を安全に受けられるという特徴もある。体重制はなく、無差別級で争われるため、小さい者が大きい者を制することが可能であり、これこそが日本拳法の醍醐味であると言える。







実戦練習では動画を撮影してチーム全体に共有し、練習後のフィードバックも欠かさずに行っている。

ーー拳法を始める前にやっていたスポーツはありますか。
もともと、空手とテニスをやっていて、空手がきっかけとなって塾高の拳法部に入りました。
ーー塾高の拳法部はどのくらいの人数が所属していましたか。
自分の時は20人前後ぐらいでした。
ーー塾高でやっていた方で大学でも続けられている方は、どのくらいいますか。
すごく少ないですね。今(4年生で)残っているのは自分だけで、後輩も1人しかいないというくらいです。
ーー拳法の競技の特性として、練習で特に鍛えるところはどんなところですか。
一番大事なのは足だと思います。ステップを踏んだり、踏み込んだりしますし、蹴りもあるので基礎となる足は自然と鍛えられていくと思います。筋トレもそこに加えてやっています。
ーーウォーミングアップでは、テニスボールを足裏で転がすトレーニングをされていましたが、どういった目的ですか。
足の裏をほぐすという趣旨でやっています。半年前くらいにOBの方のご協力を得てフィジカルトレーナーをつけていただきました。その方から「足の裏をほぐすとけがが減る」とアドバイスをいただいて、取り入れた形です。

ーーご自身のスタイルや得意技を教えてください。
自分はカウンターが得意なので、カウンターを活かした胴突きが得意技としてあります。
ーー拳法をやっていて一番楽しいのはどんな瞬間ですか。
自分としては、仲間が勝った瞬間ですね。この間の早慶戦でも、自分が勝ったときもすごく嬉しかったですが、後輩や同期が勝った瞬間の方が喜びが強かったです。
ーーここまでの4年間での一番の思い出を教えてください。
早慶戦で勝てたことです。早慶戦には特別な想いがあるので、去年に引き続き2連覇できたことが一番の思い出です。
ーー今年度はチームとしてどんな目標を掲げてきましたか。
今年度は、新人戦優勝、早慶戦連覇、全国ベスト4という3つの目標に向けて頑張ってきました。
新人戦に関しては惜しくも準優勝であと一歩届きませんでしたが、早慶戦は連覇することができました。全国大会は次の日曜日(インタビューは12月4日、全国大会は12月7日)に引退試合としてあるので、ベスト4を取れたらと思います。
ーー主将になってからの1年間を振り返って、いかがでしたか。
周りに頼りきりだったというのが正直な感想なんですけれども、ほんとうに周りに支えてもらって、早慶戦に勝てましたし、後輩たちが新人戦を勝ち上がっていく姿を見られたので良い1年間になったと思います。
ーー拳法部の特徴を教えてください。
距離感が近いところだと思います。上下関係も少ないですし、横のつながりも強いと思うので、関係性で挑む試合はより一層力が入りますし、応援しがいがあると思っています。
ーー今日の練習でも、学生同士でアドバイスし合う姿が見られました。
声掛けやフィードバックは大事にしています。自分では気づけないことに周りの学生が気づいてくれていることもありますし、自分からフィードバックしに行くと考える力や主体性が育まれていくので、この部活の良いところの一つとしてあると思います。
ーーこの1年間でチームのどんなところに成長を感じていますか。
組み技が強くなったと思います。ソーナイン(経4)が去年から入ってくれたことで、技術が育まれたと思いますし、あとは組みをメインとした練習を今年から取り入れて、もともとは他校から組みが弱いと言われることもありましたが、今は全員が組みをできるようになり、組みで勝負するという選択肢もあるくらいなので、そこがチーム全体で一番成長した点だと思います。

後輩に指導するソーナイン選手(水色の服)

指導によって突きに変化が
ーー最後に、日曜日の全国大会に向けて意気込みをお願いします。
ベスト4を目指して全力を尽くしたいと思います。個人としては今までの7年間積み上げてきたものを全部出し切れたらと思います。仲間を頼りにして頑張ります。

12月7日に行われた全日本学生選手権。目標のベスト4には一歩届かず、ベスト8という結果に終わった。4年生が残したものを受け継いだ後輩たちが、拳法部の新たな歴史を紡いでいく。
(取材:柄澤晃希)


